『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第二十九話

 

 

 

 

 

 

 将和の艦隊は正体不明の艦隊ーー暗黒星団帝国艦隊ーーに電文を送りつけた。

 

「クーギス司令、星系に突然出現した謎の艦隊より電文を受信しました。言語解読完了まで後65メルを要します」

「うむ、続けよ」

「それとプラント稼働ですが32%まで到達しました。熱核エネルギーから暗黒物質へのエネルギー変換、順調です」

 

 部下からの報告にマゼラン星雲方面第三艦隊副司令官のクーギス少将は頷いた。

 

「うむ。これだけエネルギー変換率が高い恒星もまた珍しいものだ……わざわざ銀河系の辺境まで出向いた甲斐があるというものよ」

 

 そう言ってクーギスはニヤリと笑う。

 

「これで本隊が例のイスカンダリウム採掘に成功すれば我等が帝国の戦闘資源は事実上無尽というわけだな」

「クーギス司令、電文の解読が終了しました」

「構わん、読み上げよ」

「はっ……『貴艦隊ハ星系ノ平穏ヲ脅カシテイル。採掘続行スレバハイパーノヴァノ可能性大ナリ。即時ニ恒星カラノえねるぎー採掘ヲ停止スルコトヲ求ム。』以上です」

「ククク……フハハハッ!! ……兄上、どう思う?」

 

 クーギスは艦隊司令官で兄であるルーギスに通信を送り質問をする。

 

『無視するわけにもいくまい。反応からするとちゃんとした武装艦隊のようだぞ』

「では兄上、こんな戯けた通信を聞き入れると?」

『フッまさか……』

 

 クーギスの言葉にルーギスは笑みを浮かべる。その表情はどう見ても採掘を停止するとは思えなかった。

 

『だが丁度採掘任務ばかりで退屈していた所だ。ちゃんと相手をしてやろうではないか。言葉ではなく力を以て……な』

「フハハハ。それでこそ兄上よ」

 

 そう言ってクーギスは通信を切り視線を前方に向ける。

 

「左翼艦隊、砲撃準備しつつ敵艦隊に向かって突撃せよ!!」

 

 斯くして採掘艦隊は臨戦態勢を整えつつ将和の艦隊に突撃を開始するのである。

 

「三好司令、敵がレーダー妨害を開始したようです」

「長距離用コスモレーダーも沈黙しました。全艦近距離用メインレーダーに切り替えます」

「レーダー手、ジャミングされる前の敵配置を出してくれ」

「了解しました」

 

 レーダー手はそう言ってメインパネルに敵配置を映し出す。画像には左右にそれぞれ12隻ずつが展開していた。

 

「航空戦艦とパトロール艦、補給艦は後方へ退避せよ。残りは左右に分ける。全艦砲雷撃戦用意!!」

「砲雷撃戦用意!!」

「……『高雄』と『愛宕』に連絡。両艦とも左右に展開し拡散波動砲の準備だ。無論、ベテルギウスに影響が無い配慮でだ」

「了解しました。2隻に伝えます」

「航空戦艦は急ぎコスモタイガーを上げろ!! 無論『伊勢』からもだ!!」

「了解。コスモタイガー隊、発進準備だ!!」

 

 将和の言葉にトーレが頷きコスモタイガー隊に出撃準備を告げる。

 

「司令、右翼艦隊ですがベテルギウスを後方に構えているので拡散波動砲を撃てる可能性は低いわ」

 

 敵艦隊を分析していた薫がそう具申する。

 

「……よし、ベテルギウスから離れている左翼艦隊は拡散波動砲で攻撃するように伝えろ」

『此方、山本。コスモタイガー隊発進準備完了しました』

「よし、コスモタイガー隊全機発進!!」

 

 『伊勢』から次々とコスモタイガー隊16機が発艦していく。

 

「発艦完了次第、『伊勢』は敵右翼艦隊に突撃する!! 右翼を攻撃する艦艇は単縦陣で『伊勢』に続け!!」

「了解!!」

「波動防壁展開!!」

 

 『伊勢』は態勢を整えて右翼艦隊ーールーギスーーの元へ突撃を開始するのである。

 

「敵艦隊突撃してきます!!」

「敵も自棄になったか? 砲撃しろ!!」

 

 ルーギスは突撃してくる『伊勢』に砲撃するが波動防壁により無傷であった。

 

「敵先頭艦無傷です!?」

「何だと!? ち、バリヤーか……」

 

 波動防壁など知らないルーギスにとってはそれくらいしか分からない。ルーギスは砲撃を集中させるが『伊勢』は無傷だった。

 

「敵艦隊、距離120宇宙キロ!!」

「砲撃準備良し!!」

「撃ちぃ方始めェ!!」

 

 左右斜めに旋回した前部2基の48サンチ三連装陽電子衝撃砲が砲撃を開始する。陽電子衝撃砲のエネルギー弾は照準した暗黒星団帝国艦艇の装甲を次々と貫通させ爆発させていく。

 

「護衛艦『タリドラ』『マヅデル』轟沈!! 『ガヅサラ』大破炎上!!」

「えぇいクソ!!」

 

 部下からの報告にルーギスが舌打ちをする。だが将和の攻撃は終えていない。

 

「敵艦隊の中央に穴を開ける。艦首魚雷全門発射ァ!!」

「艦首魚雷撃ェ!!」

 

 ズズンと『伊勢』の艦首魚雷が6本発射され前方に展開していた敵護衛艦を轟沈させる。

 

「主砲斉射三連!! 食い破れェ!!」

「主砲斉射三連!! 撃ェ!!」

 

 トーレが叫ぶ。前方に照準し直した主砲が斉射三連を繰り出す。合計12本のエネルギー弾は確実に敵艦に命中した。

 それはルーギスの旗艦『エルドラA』も同様だった。

 

「左舷損傷!! エンジン出力低下!!」

「ヌヌッ!?」

 

 命中の衝撃でルーギスは床に倒れ伏す。その僅かな時間をルーギスは永遠に見逃してしまう。再度放ってきたエネルギー弾は『エルドラA』の艦橋に直撃したのである。

 

「直撃、来ます!?」

「ば、馬鹿な……馬鹿なァァァァァァァァァ!?」

 

 ルーギスはそう絶叫しながら原子に還っていったのである。それを見届けるかのように旗艦『エルドラA』も爆沈したのであった。

 

「右翼艦隊旗艦『エルドラA』の通信途絶しました!?」

「な、何だと!? そんな馬鹿な事があるか!!」

「駄目です、右翼艦隊全艦との通信途絶しています!!」

「や……やられたのか……兄上がやられたというのか!?」

 

 だがクーギスも直ぐにルーギスの下に送られるのである。

 

「拡散波動砲発射準備良し!!」

「拡散波動砲、発射ァ!!」

 

 巡洋艦『高雄』『愛宕』から拡散波動砲が発射された。二本の拡散波動砲のエネルギー弾は左翼艦隊との中間で無数に分かれて左翼艦隊に襲い掛かるのである。

 

「こ、これは………ッ!?」

 

 エネルギー弾は『エルドラB』の装甲を貫き爆発していきその爆発はルーギスがいる艦橋を包み込んだのである。

 

「お、おのれェェェェェェェェェ!?」

 

 ルーギスもクーギスの後を追って原子に還っていったのである。残ったのは数隻の護衛艦のみであるが護衛艦艇は反転して逃走を開始した。

 

「敵残存艦艇が逃走します」

「行かせてやれ……」

「良いのか?」

 

 将和の言葉にトーレが問う。

 

「あぁ……俺達の任務は敵を殲滅する事じゃないしな」

 

 将和はそう言って艦長席に座る。

 

「全艦警戒態勢に移行せよ。それと全艦の被害状況を知らせ」

「………将和、全艦の被害状況は無傷だな。だが問題はある」

「全艦は無傷なのにか?」

「あぁ……あの暗黒物質……あれはどうも敵のエネルギープラントらしいのだが敵がいなくなった直後から暴走を開始している。徐々に軌道がずれてベテルギウスに近づきつつあるからこのままだとベテルギウスにぶつかってしまうぞ」

「だが元はベテルギウスのエネルギー物質なんだろ? それが元に戻るだけじゃないのか?」

 

 将和の言葉にスカリエッティは首を横に振る。

 

「そうもいかないんだ。あれだけの高圧縮エネルギーが一気にベテルギウスに戻ればそれこそハイパーノヴァが起きてしまう。かと言って波動砲で吹き飛ばすにしても相手は高密度なエネルギーの塊だ……危険過ぎる……何か手はある筈だが……」

「分かった。スカさんは探ってくれ。クアットロ、どれくらいでプラントは落ちるか分かるか?」

「このままだと計算では八時間後ですね」

「八時間……か……(どうやったかな……大分昔やから正確には思い出せんな……)」

 

 将和は原作ゲームを思い返すが昔過ぎた事もありおおざっぱにしか思い出せないのである。なお、解決したのは機関室にいた徳川太助であり親父から耳にタコが出来るくらい聞かされた航路データの中にかつて『ヤマト』が最初の航路の時にデスラーがα星に追い込む時に使った電磁バリヤーの装置が設置されている小惑星の座標を徳川機関長がイスカンダルからの帰り道の時に調べていた事で電磁バリヤーを発見、それをプラントに張り付かせる事でベテルギウスに落ちない事に成功する。

 なお、電磁バリヤーが使用するエネルギーについてはスカリエッティが手を加えて暗黒物質プラントなら直接引き出すようにしているのであった。何れにせよプラントはエネルギーをバリヤーに食いつくされて消滅するのである。

 

「ま、何にせよハイパーノヴァの起こる事は一先ずは無くなったわけだな」

「そういう事だな」

 

 将和の言葉にスカリエッティはニヤリと笑うのであった。

 

 

 

 

 

 




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