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ギリギリで超えてきた……ッ!?
「総統、バーガー大佐の機動部隊から第三次攻撃隊が来ます」
「ん。……バーガー達はよくやってくれる」
タランの言葉にデスラーは頷く。既に戦端が開いてから二時間が経過していた。両艦隊は互いに最大射程距離からの砲撃を展開していた事もあり崩れる事はまだなかったのである。その為戦線は膠着状態に陥っていたのだ。
「……地球からの援軍はまだ来ないのだな?」
「はっ、まだ一報はありません」
デスラーは通信兵に問うが通信兵はそう答えるのみである。地球艦隊の出迎えに駆逐艦1隻を差し向けたデスラーであるがサレザー恒星系で合流した以後の通信はまだ無かったのである。
「総統、このまま膠着状態が続けば敵の増援が来る可能性も……」
「分かっている」
タランの言葉にデスラーは遮るように言うがデスラー自身もタランの言葉は理解しているつもりではいる。
(やはり警務艦隊も連れてくれば良かったか……)
そう思うデスラーだが避難船団の警護にはやはり艦隊は必要であるのでデスラーはその考えは捨てた。
(しかしこのままでは……)
そう思うデスラーだがレーダー員が声をあげた。
「重力震……?」
「どうした?」
レーダー員の呟きをデスラーは見逃さず声をかける。
「は、はっ。敵艦隊後方に重力震反応があります!!」
「何ッ!? 敵の増援か!?」
「そ、そこまではまだ……」
タランの叫びにレーダー員はそうとしか答えられなかった。
(新たな敵……どうすれば……)
「敵艦隊後方にワープアウト反応……来ます!! ……こ、これは……」
「どうした!? ちゃんと報告せよ!!」
「は、はっ。テ、テロン……地球艦隊です!! 地球艦隊がワープしてきました!?」
「何……?」
レーダー員の言葉にデスラーは目を見開くも直ぐに敵艦隊後方を見る。そしてそこにはデスラーが待ち望んでいた地球艦隊ーー派遣艦隊がワープアウトしてきたのである。
「座標通り、敵艦隊の後方にワープアウトしました!!」
「そのまま急速反転!! 反転後は機関最大戦速で突撃するぞ!!」
ワープアウトしてきたのは派遣艦隊でも大型艦艇ーーつまりは『伊勢』『メリーランド』『ロイヤルオーク』『日向』『サラトガ』の5隻だった。
だがその5隻でも強力な武装を保有する5隻である。
「全艦反転完了!! 機関最大戦速!!」
「機関最大だ太助!!」
『りょ、了解!!』
将和の命令を山崎機関長は機関室にいる太助に怒鳴って伝える。
「砲雷撃戦、用意!!」
「砲雷撃戦、用意!!」
5隻は最大戦速で敵暗黒星団帝国艦隊の後方から突撃を開始する。デーダーの第一連合機動艦隊は突然のワープアウトで正体不明艦隊に混乱していた。
「正体不明艦隊が後方から此方に向かって突撃してきます!!」
「正体不明艦隊は敵と認識しろ!! 全門開け!!」
「駄目です、後方の敵艦隊からエネルギー反応!! 砲撃してきます!!」
「ぬぅッ!?」
そして5隻は第一連合機動艦隊に向けて砲撃を開始したのである。
「撃ちぃ方始めェ!!」
「撃ちぃ方始めェ!!」
『伊勢』の前部2基の48サンチ陽電子衝撃砲が砲撃を開始する。それに続いて艦首魚雷も連続発射して第一連合機動艦隊に穴を開けようとする。ミサイルが着弾した敵艦艇は次々と誘爆をして宇宙に花火を咲かせるのである。
「命中確認!!」
「連続斉射!! 撃ちまくれェ!!」
「撃ェ!!」
将和の命令にトーレが吠える。それが『伊勢』に乗り移ったのか瞬く間に巡洋艦級を4隻も沈めるのである。
「砲撃を前方に集中!!」
「準備良しッ」
将和の命令に砲雷長のセッテが主砲を前方に照準し直す。
「主砲斉射三連!! 食い破れェ!!」
「撃ェ!!」
5隻が主砲による斉射三連を繰り出す。その砲撃の結果は敵艦艇の多数撃沈だった。
「味方巡洋艦隊、全滅です!!」
「おのれェ!! 主砲、照準を敵旗艦に定めろ!! 撃ちまくれェ!!」
デーダーの旗艦『プレアデス』は主砲を連続斉射して『伊勢』に砲撃を叩きつけるが波動防壁の展開で無傷である。
「セッテ、奴に挨拶をしてやれ」
「了解。かなりのデカブツですが……要は同じところを狙えばいいのです」
セッテは照準をし直して斉射三連をする。砲撃は『プレアデス』の前部艦載機発艦口を集中させた。装甲が厚かったが『被弾箇所と同じところ』をセッテが集中して砲撃した事で『プレアデス』は被弾炎上したのである。
「な、何事だ!?」
「て、敵旗艦からの砲撃で艦載機発艦口が損傷!! 発艦不能です!!」
「何だと!?」
だが『プレアデス』はまだ砲撃は可能であるがためデーダーは気にする事なく砲撃を続けさせ一矢報いようとする。
「『ロイヤルオーク』に直撃弾!! 『ロイヤルオーク』が戦列を離れます!!」
『伊勢』の左舷を航行していた戦艦『ロイヤルオーク』は波動防壁が貫通して左舷にビーム弾が命中し瞬く間に戦列を離れたのである。
「『ロイヤルオーク』は後方へ退避せよ。『伊勢』を先頭に単縦陣へ移行せよ!!」
「単縦陣へ移行!!」
「艦隊、取舵一杯!!」
「取舵ですか? そうなるとガミラス星に進路を……」
「そうだ、取舵だ!!」
「は、はい。取舵一杯!!」
5隻はガミラス星へと進路を取る。その様子にデーダーは首を傾げる。
「何をする気だ……?」
「もしかしたら採掘船団を攻撃を……?」
首を傾げるデーダーに幕僚が具申をするがデーダーは頭を振った。
「馬鹿な。それこそ最初にガミラス艦隊がすべき行動だ。だが奴は何を……」
5隻がガミラス星を背にして主砲を第一連合機動艦隊に照準した時、デーダーは全てを理解したのである。
「しまった!? 奴はガミラス星を楯にする気か!?」
「……これでは砲撃が……」
「もし万が一、エネルギー弾がガミラス星に着弾して誘爆すれば大変な事になる……」
その光景はデスラー達も確認していた。
「……些か不服だが戦術的には利に叶っているなタラン……」
「はっ正に……」
自分達の星を楯にするには不服だったがそれでも味方の損害を抑える事には利に叶っているのだ。
(地球艦隊の司令官……中々の人物かもしれぬな……)
地球艦隊司令官ーー将和に興味を覚えるデスラーであった。そんな事は知らない将和はというとーー。
「右砲戦用意良し!!」
「撃ちぃ方始めェ!!」
5隻は右砲戦を展開していた。5隻から放たれる陽電子衝撃砲のエネルギー弾は次々と残りの艦艇を撃沈させていく。
「側面魚雷も使え!!」
「側面魚雷、撃ェ!!」
「その調子だ、撃ちまくれェ!!」
攻撃する5隻だがデーダーもただ黙って事を見ているわけでは無かった。
「全艦上昇しつつ敵艦隊の上空に躍り出るのだ。そこから降下しながらの砲撃だ!!」
「ハッ!!」
「ぜ、前方からガミラス艦隊接近!!」
「何!?」
デーダーは声を荒げる。彼等も地球艦隊だけ任せるつもりはなかったのである。
「全艦……突撃!!」
デスラーはガミラス星に被害が及ばないよう考慮しつつ突撃を開始しデーダーの第一連合機動艦隊は瞬く間に壊滅してしまうのである。
「ざ、残存艦艇は?」
「ほ、本艦の他には護衛艦8隻を残すのみです……」
「踏ん張るのだ。メルダース総司令には連絡はしてある。『ゴルバ』が来るまで踏ん張るのだ!!」
デーダーが放った『ゴルバ』という言葉に兵士達も顔を上げた。
「そ、そうだ」
「まだ我々には『ゴルバ』がいるんだ……」
「こんな奴等に負けてなるものか!?」
士気を上げ始める兵士達だったが現実は非情だった。オペレーターが叫びだしたのだ。
「て、敵ビーム弾直撃します!!」
「か、回避ィ!!」
「間に合いません!!」
将和の艦隊は旗艦『プレアデス』を集中砲撃した。その効果はあったようであり『日向』が放った41サンチ陽電子衝撃砲のエネルギー弾が『プレアデス』の艦橋に直撃したのである。
「こ、こんな馬鹿な事がァァァァァァァァォァァァァァァァァァ!?」
デーダー達は原子のサイズまで変換されるのである。それを見た他の護衛艦艇も降伏しようとしたがガミラス艦隊はそれを許さずに残りの8隻も攻撃して撃沈するのである。
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