『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第三十三話

 

 

 

 

 

 

 

「三好長官、只今アメリカより帰って参りました」

「おぉ芹沢。待ってたよ」

 

 その頃の地球連邦、横須賀にある地球連邦軍宇宙艦隊司令部では正信がアメリカから帰国した芹沢を労っていた。

 

「それで……奴さんはどうだったかね?」

「八割程の建造状態です。このままいけば予定通りの二ヶ月後には竣工するでしょう」

「戦艦『アリゾナ』……か。性能的には良いと思うが……」

「名前が……その……」

「真珠湾で爆沈しているからなぁ……ワシの祖先がやったとはいえ負い目はあるがのぅ」

 

 芹沢から貰った書類を見ながら正信はそう呟く。正信からしてみれば御先祖様が真珠湾を叩いた時にやられた印象があるのでどうも不安であったのだ。

 

「ですが性能は優秀です。既にこれを元に『ドレッドノート』級戦艦に代わる新たな戦艦の開発もアメリカ主導でなりました」

「相も変わらず大国は戦艦は譲らんな……」

 

 芹沢の報告に正信は溜め息を吐いた。地球連邦各国では各艦艇のコンペを毎回行っており芹沢はそのコンペに参加のためにアメリカに行っていたのだ。

 ちなみに前回のコンペで採用されたのが以下の通りである。

 

 

 『ドレッドノート』級戦艦(イギリス案)

 『吉野』級巡洋艦(日本案)

 『フレッチャー』級駆逐艦(アメリカ案)

 『撫子』級護衛艦(日本案)

 『天塩』級パトロール艦(日本案)

 

 

 

 そして今回決まった艦艇が以下の通りである。

 

 

 『アイオワ』級戦艦(アメリカ案)

 『アリゾナ』級戦艦(同上)

 『バイエルン』級戦艦(ドイツ案)

 『プリンス・オブ・ウェールズ』級戦艦(イギリス案)

 『ハルバード』級自動大型艦(ロシア案)

 『アマリリス』級自動中型艦(ドイツ案)

 『シャルンホルスト』級大型巡洋艦(ドイツ案)

 

 

 次期主力戦艦は『アリゾナ』級を元にした『バイエルン』級が採用となり各国が建造していた戦艦は統一化を図るために建造予定の艦艇のみとなった……がその後の銀河系動乱で結局は各国も建造していた独自の戦艦を再建造したりするのである。

 

「それで都市帝国の残骸はどうすると言っている?」

「やはりある程度の再構築はさせて補給と移動が可能な要塞補給基地にさせるのが一番と決定されました」

 

 白色彗星戦役後、月軌道では都市帝国要塞の残骸が未だに浮遊していた。無論、空間騎兵隊等が乗り込んで使える武器や資源等は再利用していた。その他にも都市帝国要塞が崩壊の時に取り残された民間のガトランティス人の遺体等も収容はしていたがまだまだ多くの遺体が要塞内部にあると想定されており遺体回収には時間が掛かるのが見積もられていた。

 その中でも要塞をどうするか毎回の議題に上がっていたが漸くは決着が付きそうではあった。

 

「一先ずは火星と木星の間にあるアステロイドベルトまで曳航をしそこで岩石や波動エンジンの取り付け等を行う予定です。……まぁあくまでも予定なので」

「その分の予算がなぁ……」

「艦艇の予算が無くなりますからな」

 

 予算に頭を悩ませられる正信達であった。そして将和らであったが……。

 

「やはり離れる事は出来んか守?」

『済まない三好……俺達はイスカンダルの住民だから離れる事は出来ない』

 

 デスラーとの会議が終わってから翌日から将和は『伊勢』からイスカンダルと通信をしていた。これまでも将和やデスラーがイスカンダルに通信を入れて危険だから退去を促していたがスターシアと古代守は退去を拒否していた。

 まぁ将和も予想はしていたのでこれ以上の説得はしないつもりだった。

 

「よし分かった。これ以上の説得はせんよ古代」

『三好……』

「というのも当てがありそうなんだよ古代」

『どういう事だ?』

「トチローと話していたんだがガミラスの物質縮退技術を使えばイスカンダリウムの組成自体を変化させられるんじゃないかと思ってな。無害な安全な物質にな」

『か、可能なのか三好?』

「トチローがガミラスの技術士官と話しをしているところだよ」

 

 なお、この時点でトチローとスカリエッティはガミラスの技術士官ーーリヒャルト・フラウスキー少佐と会談をしており計算上では変化させれる公式を教えていた。無論、デスラーもこれを認知しており協力していたのである。

 

『ありがとう三好』

「気にすんな、同期だろ?」

『ありがとう……そうそう、実は預かってもらいたい人がいるんだ』

「預かってもらいたい人?」

『あぁ。今はリハビリ中だから後で紹介するよ』

 

 古代守はそう言って一旦は通信を切る。

 

(まぁ問題はそれまでにコケシが来る事は想定しているしな……)

 

 それは現実になる。更に翌日、サレザー系の入口にて哨戒していたガミラスの警戒部隊が敵艦隊と遭遇したのである。

 

「それで警戒部隊からの連絡は?」

「……『敵超大型艦及び大艦隊接近』との連絡以降は途切れた模様です」

「総統……」

「奴等め……一気に攻めとるつもりか……」

 

 この時、警戒部隊が発見したのがメルダース大将率いる『ゴルバ』とマゼラン方面第三艦隊であった。第三艦隊はメルダースが直卒を取り巡洋艦72隻、護衛艦120隻で編成されていたのだ。更にその後方には採掘船団も引き連れていたのだ。

 

「……惑星『アスタル』を絶対防衛圏とする。地球艦隊にもそう伝えよ」

「ハッ、直ちに」

 

 イスカンダルとガミラスの隣に位置するアスタルで迎え撃とうとデスラーは思っていたのだ。デスラーからの電文に将和も直ぐに理解した。

 

「先手を打つ。航空隊は発艦準備急げ!! 『メリーランド』と全巡洋艦は拡散波動砲発射用意!!」

「了解!! 航空隊発艦準備急げ!!」

 

 将和の言葉に玲らパイロット達は格納庫に降りてコスモタイガー2に乗り込むのである。

 

「……『ロイヤルオーク』に連絡してくれ」

「何と……?」

「内容はーー」

 

 斯くして両艦隊は惑星『アスタル』宙域にて暗黒星団帝国艦隊を迎え撃ったのである。

 

「砲撃始め」

「撃ちぃ方始めェ!!」

 

 地球・ガミラス艦隊は距離五万宇宙キロで砲撃を開始する。何隻かに命中して爆沈するがそれでも暗黒星団帝国艦隊はめげずに砲撃をしこれまたガミラス艦艇を撃沈させてくる。

 

「超大型艦がいないぞ……」

「速度が遅いとか……?」

「まぁいい。『メリーランド』及び巡洋艦隊は拡散波動砲発射せよ!!」

 

 9隻の艦艇が拡散波動砲を発射する。9発のエネルギー弾は途中で幾つものエネルギー弾に分散して暗黒星団帝国艦隊に襲い掛かるのである。

 

『ウワアアアァァァァァァァァァァ!!』

「……成る程。あれがクーギスらの生き残りが報告していた超エネルギー砲か……」

 

 味方艦艇からの通信の傍受をしていたメルダースは感心するように頷く。メルダースが乗艦する『ゴルバ』はまだサレザー系の入口にいたのだ。というのもより戦況を全体から確認するがためである。

 それのおかげか超エネルギー砲ーー拡散波動砲の威力を確認する事が出来たのだ。

 

「だが『ゴルバ』の装甲には問題無かろう。ワープ準備に入れ、奴等の目前に出てやる」

「了解しました。直ちにワープに移行します」

 

 斯くして『ゴルバ』はワープするのである。その一方で地球・ガミラス艦隊は暗黒星団帝国艦隊の八割を撃沈する戦果を収めていた。

 だが将和は『その後』を知っていたので警戒はしていた。

 

(遅い……もしかしてコケシに何らかの不足の事態でも起きているのか? それならぶっちゃけ良いんだけどなぁ……)

 

 そう思う将和だったがレーダー手が急に呟いた。

 

「重力震……?」

「どうした?」

「あ、はい。敵艦隊と我が艦隊の中間付近で重力震……ワープアウト反応があります!!」

「何……?(来たか……)」

 

 そしてワープアウトしてきた物体ーー『ゴルバ』にデスラー達は呆気に取られる。そこへ『ゴルバ』から通信が入ってきた。

 

『地球とガミラスの艦隊よ。お見事な戦いぶりだった』

「貴官は何者か?」

『私は暗黒星団帝国マゼラン方面軍総司令官のメルダース大将だ。我々が欲しいのはイスカンダルにあるイスカンダリウムだ。これ以上の邪魔立ては許さん』

 

 表情は穏やかなメルダースであるが目はそうではなかった。

 

「ちなみに……イスカンダリウムは何に使用するつもりで?」

『我が帝国が現在戦っている宇宙間戦争に必要なエネルギーだ。それさえ手に入ればイスカンダルに用は無い。お前達は即刻立ち去れ』

「残念ながら断る」

『何……?』

 

 メルダースの言葉に将和はそう返すとメルダースは表情を歪める。

 

「残念ながら貴官達が此方に来る間にイスカンダリウムとガミラシウムの組成を変化させてね。安全無害な物質に変えさせてもらった」

『何……だと……』

 

 将和の言葉にメルダースは驚愕しつつも将和とデスラーを睨み付ける。

 

「というわけなのでさっさと帰ってもらいたい。後、戦争の相手が白色彗星のガトランティスなら応援するぞ」

『……あくまでもそう邪魔立てをするなら此方も容赦はしないぞ。ちなみに相手はガトランティスも含まれている』

「うわ、メチャクチャ応援してぇ。ガトランティスは滅びろ、慈悲は無い」

「司令……」

『……………』

 

 将和の言葉に薫は表情をひきつらせ、デスラーは何とも言えない表情をしていた。

 

『それはさておき……容赦はしない。そう警告したからな』

 

 そう言ってメルダースは通信を切ると地球・ガミラス艦隊に対し攻撃を開始させた。

 

「全艦突撃!! 奴等を此処で叩き潰すのだ!!」

 

 『デウスーラ三世』の艦橋でデスラーが吠える。それに応えるようにガミラス艦隊は残存の暗黒星団帝国艦隊を攻撃しつつ『ゴルバ』にも攻撃する。

 

「無茶はするなよデスラー……」

 

 攻撃するガミラス艦隊に将和はそう呟きながらも『ゴルバ』を見据える。突撃するガミラス艦艇は砲雷撃を敢行するが『ゴルバ』の分厚い装甲に阻まれていた。対して『ゴルバ』もガミラス艦隊に総攻撃を敢行する。

 

「上部ミサイル発射」

「ミサイル発射!!」

 

 全包囲に向けてのミサイル攻撃を行い突撃してきたガミラス艦艇を次々と轟沈させていく。流石のデスラーも不味いと思ったのか後退を指示した。

 

「タラン!! 現戦闘空域から離脱せよ!! デスラー砲発射用意!!」

 

 戦闘空母の甲板からデスラー砲が準備される。改良されたデスラー砲はチャージする時間も以前よりかは短かった。その為デスラー砲は直ぐに撃てたのである。

 

「デスラー砲発射ァ!!」

 

 発射されたデスラー砲のエネルギー弾は『ゴルバ』に向かう。しかし、エネルギー弾は着弾するも分厚い装甲に阻まれ一切の効果は無かったのである。

 

『フフフ……フハハハハ!! ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!』

「………ッ………」

 

 全包囲の通信が『ゴルバ』から入るとメルダースの高笑い声に思わずデスラーが怯む。

 

『その石ころのようなエネルギー弾がこの『ゴルバ』に通用すると思っているのか? 砲口をイスカンダルに向けよ』

 

 そう言って『ゴルバ』の中部付近の多数の砲口が回転しマザータウンに向けて砲口が開いた。そして『ゴルバ』の主砲が発射されマザータウン付近に着弾したのである。

 

「さぁ……二人の最期だ。よく見ていろ」

 

 勝ったと思っていたメルダースであった。そしてそのチャンスを将和は見逃さなかった。

 

「今だ!! 『ロイヤルオーク』を最大戦速で突撃させろ!!」

「了解!! 『ロイヤルオーク』波動防壁艦首方面に最大展開!! 最大戦速!!」

 

 デスラーが突撃を命令する前より早くに将和は動いた。中破していた戦艦『ロイヤルオーク』の乗員を密かにパトロール艦の『天塩』や『デンバー』等に移乗させ無人とさせていたのだ。

 

「目標はあの砲口だ!! あの砲口が閉じる前に体当たりだ!!」

 

 将和の命を受けた無人の『ロイヤルオーク』は最大速度で宙域を駆け抜ける。

 

「あの愚か者……砲口に突っ込んでくる気か!? 主砲発射を急げ!!」

 

 メルダースはそう叫ぶが主砲が発射される前に『ロイヤルオーク』は砲口に体当たりする事に成功し砲口の内部にいた暗黒星団帝国の兵士達を薙ぎ倒すのである。

 

「駄目です、主砲が撃てません!?」

「ぬゥッ!? 急ぎ取り除くのだ!!」

 

 メルダースはそう叫ぶ。しかし、将和はそれだけでは終わる事はさせなかった。

 

「山崎機関長ォ!!」

「はい、波動砲ーー収束波動砲は何時でも撃てます!!」

「良し、俺が撃つ!! ターゲットスコープオープン!! 目標、『ロイヤルオーク』!! 対ショック対閃光防御!!」

 

 艦長席から発射トリガーが出てきて全員が対閃光防御のゴーグルを付ける。

 

「発射10秒前……8…7…6…5…4…」

『止せ、止めるのだ。分かった、この方面からは撤退する!! 約束しよう!!』

 

 そこへメルダースが慌ててそう言ってくるが将和は聞く事はなかった。

 

「3…2…1…」

『止めろォ!!』

「波動砲、撃ェェェェェェ!!」

 

 『伊勢』は波動砲(収束モード)を発射、その弾道は『ロイヤルオーク』に向かい『ロイヤルオーク』は爆発四散する。だがエネルギー弾はそのまま『ゴルバ』の内部に到達し内部から『ゴルバ』を爆発していくのである。

 

『ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』

 

 メルダースは波動砲による誘爆に巻き込まれ原子にまで還っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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