『この度は何と言って良いのか……』
「いえ、それには及びませんスターシア女王」
『ゴルバ』を波動砲で倒した後、将和は改めてスターシアらに通信を開いた。
「それで……現在、イスカンダリウムの安全無害化の物質に変換中でありますが……本当に宜しかったのですか?」
『……構いません。争いの元になるモノが一つでも無くなれば……イスカンダル人として嬉しい事はありません』
思うところはあるだろう、だがイスカンダルの女王としてスターシアはそう言う。
「分かりました、全力を尽くします。それと古代」
『どうした三好?』
ヒョコと出てきた古代に将和はニヤリと笑い日本酒が入った一升瓶を艦長席の下から取り出す。
「久しぶりに飲もうぜ。あの出撃した時以来だろ?」
『……そうだな。飲もうか』
ニヤリと笑う将和に古代も笑みを浮かべるのであった。なお、飲みの事を記載しておくと古代は将和だけが来ると思っていたかまさかの薫も同行していた事に驚きを隠せず狼狽していた。
狼狽する古代に薫はクスリと笑い「大丈夫よ。だっては今は……」そう言って将和に抱きついて笑みを浮かべ口を開き「こういう事なのよ」とそう言うのである。
古代もその言葉に安堵の息を吐いたのもつかの間、薫はスターシアに「この人の元恋人なんですけど、取り敢えず一発この人殴っていいですか?」の問いにスターシアも何かを察したのか「勿論ですわ」と満面の笑みを返しそのまま薫が古代に右ストレートを叩き込むのである。
なお、薫は「あー、これで長年の想いはスッキリしたわ。サヨウナラ守」と満面の笑みを浮かべるのであった。
「……女って怖いな……」
「……同感と言っておこう……」
将和の呟きに飲みにお邪魔していたデスラーはそう返すのみであるが将和はあっと思う。
(そういや松本漫画では妻子がいたなこいつ……)
スターシアを想っているデスラーだがよくよく考えれば浮気に近い事であった。取り敢えず将和も前世の事もあり人の事も言えなかったので黙っておくのであった。
それはさておき、イスカンダルの滞在は約一月程でありトチローやスカリエッティらの努力によりイスカンダリウムとガミラシウムは安全無害な物質に変換へ完了したのである。
「イスカンダリウムとガミラシウムは安全無害な物質になったぜ。これでもう奴等も二度と攻めてくる事はないだろ」
ニカッと笑うトチローである。
「ん。それは一安心だな」
「そういうこった」
『三好』
そこへデスラーからの通信が入った。
「これはデスラー総統」
『フラウスキー少佐からの報告が届いてな……地球には……君達には感謝もしきれない』
「そんな事はありません」
『いや事実だ三好……礼まで行かないかもしれないがガミラスの技術者等を地球に派遣も視野に入れよう』
「それはありがとうございます(総統からの直接の言葉だから案外現実化するな……)」
そう思う将和である。
『だがガミラス星の寿命は変わらない。移民は継続するが……一段落すれば艦隊を派遣して一定の守備をするしかあるまい』
(そんな余裕、地球には無いです)
『心配するな、うちからの話だ。流石に今の地球からは……無理であろう?』
「察して頂いてありがとうございます」
デスラーの言葉に将和は頭を下げる。
『ではスターシア、我々はそろそろ行くとする』
『……行くのですかデスラー?』
『別れではないスターシア。これはガミラスと地球、イスカンダルの新たなる旅立ちなのだよ』
『デスラー……気を付けて』
『……ありがとうスターシア。三好、君達も気を付けてな』
「ありがとうございますデスラー総統」
『フフフ。敬語は止したまえ、君になら構わない』
「そうか……気を付けてなデスラー」
『あぁ……三好、お前の事を私は決して忘れはしない……』
デスラーはそう言って通信を切る。
「ではタラン、行くとしよう」
「ハッ、全艦発進せよ!!」
そしてガミラス艦隊は順次出発していくのである。
(……あれ? このやり取りってまさか俺、古代の代わりなのか?)
それは今更過ぎではないかと思う。(全くだ)
「……よし、俺達も準備出来たら地球に帰還するかぁ」
「あ、司令」
「どうした新見?」
「取り敢えずもう一発古代君を殴っても良いですか?」
「……加減はしとけよ」
「お、なら俺も写真取りに行こ。真田の墓前に添えてやるか」
「わぁ、面白い。良いぞやれやれ」
何故か同期組が盛り上がる『伊勢』の艦橋であった。それはさておき、将和達は再度大宮殿『クリスタルパレス』に赴いた。薫が守を再度殴るのは置いといて……守が言っていた保護した人の収容をするためだった。
「いや、意識が回復しても本人はあまり話さないから俺もスターシアも困っていたんだ」
「しかし……急に現れたとなぁ……」
病室まで守が将和らを案内する。なお、守の両頬が赤く腫れていたのは言わぬが仏かもしれない。そして病室に入ると一人の女性が手すりに掴まって歩いていた。
恐らくはリハビリの一環なのだろう。だが、将和と同行していたスカリエッティは女性を見て眼を見開いた。
「なぁ……スカさん……?」
「あぁ……そうだな」
スカリエッティはそう言ってツカツカと女性まで歩いていくと誰か来た事に気付いた女性が顔を上げる。そしてスカリエッティを見て此方も眼を見開いたのである。
「ド……ドクター……?」
「……生きていたんだな……『ドゥーエ』」
驚く女性を尻目にスカリエッティは死に別れていたと思っていた自身が生み出した二人目の戦闘機人であった。そこからはウーノやトーレ達とも再会するドゥーエ、それを尻目に将和は古代守に視線を向ける。
「それで? いきなり現れただったな?」
「あ、あぁ。スターシアと散歩をしていた時に倒れていたのをスターシアが見つけて治療室で治療していたんだ。彼女、真田と同じく機械の部品が至るところに点在していたからそれを聞こうとしても名前だけは答えてくれるけどそれ以外は喋ろうとしなかったからな」
「まぁ……そんな事だろうな……」
そう言ってウーノ達と再会の抱擁をするドゥーエを見る将和であった。
その後、地球艦隊も帰還準備出来たので地球艦隊はドゥーエを収容してイスカンダルを発進するのである。
「全艦発進せよ。目標は地球だ」
そしてスターシアと両頬がまたしても紅く腫れた古代守が見守る中、将和らの地球艦隊は発進していくのである。どうやら薫とスターシアにも叩かれた模様であった。
(さてさて……次はどうなる事やら……)
今回はガミラス星の崩壊は元よりイスカンダルの破壊とスターシアの命を救う事が出来た。地球艦隊の代償は主力戦艦1隻と複数のコスモタイガー2であった。
(問題は暗黒星団の重核子爆弾なんだが……何とかしないとなぁ……)
そう思う将和であった。そして地球では、正信の元に1隻の戦艦の図面が机に置かれていた。
「フム……これが新型戦艦の図面と?」
「いえ、正確には拡大改良とした戦艦です」
正信の前に立つのは牧野茂造船中佐であった。彼はガミラス戦役中に福田造船中将と共に『ヤマト』を建造した事で有名だった。現在は小型艦艇の設計を担当していたがやはり戦艦の設計に血が騒いだのだろう。『アイオワ』級主力戦艦の図面を入手するとあれやこれやと僅か一週間で新たな戦艦の図面を完成させて正信の元に持ってきたのだ。
「次代の主力艦艇のコンペが採用する前、各国が独自で設計建造する戦艦がありましたね?」
「ウム。コンペのが採用されてからは建造中のは就役させてそれ以降は主力艦艇に注ぐ筈だが……?」
「実は日本もそれに参加していて建造中という事にしましょう」
牧野の言葉に正信は一瞬唖然とするも直ぐに笑いだした。
「ファハッハッハッハッハ。成る程、貴官は『ヤマト』と同じく象徴を造れと言うんじゃな?」
「象徴ではありません。技術の継承です」
「成る程……だが『アンドロメダ』級の事例もあるじゃろ?」
「あれは真田と共に反対したのにそのまま建造を承認させた者どもの自業自得です」
牧野は『アンドロメダ』級の建造を巡って同期の真田と共に反対をしていたが結局は押し切られてしまいその結果が撃沈という事だった。
「今、建造中の『春藍』は『アンドロメダ』の意地かね?」
「作り出してしまったのならそれを最良の形で終わらせたい。それが造船技官としての意地です」
正信の言葉に牧野はニヤリと笑う。牧野の表情に正信も笑みを浮かべる。
「……諸外国には上手く調整しておこう。なに、アメリカは五月蝿いかもしれんがイギリスとロシアを味方にすればアメリカも大人しくなるじゃろう」
「ありがとうございます」
「じゃがの一つだけ……艦名は何とするのじゃ?」
「実はもう決めています」
牧野はそう言って一枚の紙を正信に渡し正信は中身を見るとニヤリと笑う。
「ファハッハッハッハッハ。成る程のぅ……分かった、此方の事は任せておけ。お主は沈めにくい……不沈性能を高めた戦艦にするのじゃよ?」
「勿論です」
牧野は力強く頷いたのである。そしてこの日、正信は諸外国の軍部要人と映像での会談を行い日本も独自の戦艦を設計建造していた事を表明した。諸外国も『春藍』と思っていたが正信の口から『春藍』とは違う事が言われた。
『ではその戦艦はどのくらいの建造率で?』
「フム。『春藍』を優先していたのでな、まだ7%なのじゃよ」
実はまだ0%だったが正信は嘘をついた。諸外国の軍部要人らも『春藍』の建造率が98%と知っていたので成る程と納得したのである。
『ちなみに艦名は……?』
『まさか『ヤマト』ですかな?』
「いやいや……『ヤマト』はあの艦しか無理と思うておる……『ヤマト』に代わる戦艦じゃよ」
『ほぅ。ですが『シュンラン』のコストを下げた艦隊旗艦級とはな……』
「諸外国らも保有していた方が良い……そう判断したまでじゃ。それに設計図のデータは渡しておる」
『確かに……。それで艦名は……?』
そう言って正信は口を開いた。
「戦艦『三笠』。かつて日本の荒廃の一戦を輝かしい戦歴に変えたあの戦艦じゃよ」
改『春藍』級戦略指揮戦艦『三笠』、此処に建造が開始されたのであった。
保護されて生きているドゥーウェですが、このドゥーウェはスカさん達とは異なる平行世界のドゥーウェになります。
何故か?スカさん達のドゥーウェは自爆してないからです。このドゥーウェは閑話の時に自爆したので此方に来ているので。
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