『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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此方も改訂しました。


第二次内惑星戦争~戦後処理(改訂)

 

 

 

 

 

 

『正信、生きていたら聞いてくれッ。我々は嵌められた、敵は火星の他にも国連、そして日本内部にもいた!! 通りで事が上手く運ぶと思っていた……使節団の人員は三好の関係者が大勢いた……ッ……三好重工の弟達も皆やられた!! いいか、正信!! 生きていたら、生きていたら日本のために動け!! それが我が三好家の宿命だ!! 敵は火星、国連政府、南部重工……正信、生きていたら……生きて……ッ』

 

 これは西暦2210年、地球連邦軍総司令長官の三好正信が総司令長官を退任する時に公表された第二次内惑星戦争の始まりを示すモノであった。火星軌道上で攻撃された使節団は最初から火星共和国の生贄だったのだ。

 その生贄に差し出されたのが三好正盛とその関係者達であった。幸いにも正信は生き延びており三好家は存続する事は可能だったが正信以外の三好家は軒並み死亡された事になっていた。

 日本ーー三好家が邪魔だった国連政府は三好重工と対立していた南部重工をも巻き込んで火星共和国に使節団を撃たせたのだ。そして正盛が死亡した事で国連政府が火星共和国を攻撃する大義名分を得たのである。

 そしてその正盛が最期に残した通信は正信の下に届いており戦後、日本内部を掌握した正信の国連政府への復讐は目を見張るモノであったがそれは別の機会に語るべきであろう。

 正盛が暗殺されてから4日後の2月18日、火星共和国は独立を宣言して地球国連政府に宣戦を布告し艦隊を動かした。

 数にして戦闘艦艇58隻、補助艦艇14隻、揚陸艦艇15隻であり2個艦隊は月に向かった。月には国連宇宙海軍の月基地がありそこには3個艦隊が駐留していたのだ。この3個艦隊がマトモに対処すれば月基地は守備出来ただろう。

 しかし、3個艦隊の司令官は互いに先陣争いをしてしまい(3人とも同期生)遂には各個に出撃してしまう有り様であった。

 そして最悪の展開となってしまう。

 

「奴等め、勝ったつもりか。ならば戦争を教えてやる!!」

 

 火星宇宙海軍第一艦隊提督のアレク・ジェリコリー中将は遠距離砲撃をしつつ機を見て一気に突撃を開始した。

 

「迎撃だ、迎撃しろ!!」

「間に合いません!!」

 

 国連宇宙海軍の第四艦隊司令長官のパストーレ中将は遅きの指示を出すも砲撃が艦橋に命中、被弾ヵ所から宇宙に吸い出されてしまい、第六艦隊司令長官のムーア中将も旗艦の爆発に巻き込まれた。

 二人の将官があっという間に戦死してしまい、それでも第十一艦隊司令長官のホーランド中将は粘っていたが艦隊の限界点を見抜かれ旗艦を集中砲撃されて轟沈戦死した。敗走する残存艦艇を追撃していた火星宇宙海軍第一艦隊だったが地球方面から接近しつつある艦隊を対艦レーダーが探知した。

 

「新たな敵艦隊?」

「凡そ30隻程の艦隊です!!」

「宜しい。ならばこのまま殲滅するッ!!」

 

 ジェリコリー中将はそのまま艦隊を前進させ接近してくる艦隊に砲火を開いた。

 

「撃ェ!!」

 

 火星宇宙海軍第一艦隊の各艦から高圧増幅光線砲の砲撃が開始される。エネルギー弾道は全て敵新規艦隊にーー弾かれたのである。

 

「我が方の砲撃、全て弾かれました!!」

「そんな馬鹿な事があるか!?」

 

 ジェリコリー中将には信じられなかった。しかし眼前で起きているのは事実であった。そして敵新規艦隊ーー国連宇宙海軍第五艦隊は砲撃を加えてきた。

 

「駆逐艦『スメールイ』『スコールイ』轟沈!!」

「巡洋艦『ケルチ』『アゾフ』大破、航行不能!!」

「敵の空間戦闘機も接近!! 約80余り!!」

「………撤退だ」

「え!? し、しかし……」

「このままでは一方的にやられ壊滅してしまう。その前に撤退する。艦隊進路反転ッ」

 

 第一艦隊は更なる追撃を受け結果的に巡洋艦11隻、駆逐艦19隻、補助艦艇6隻、揚陸艦艇8隻を喪失してしまい第一艦隊はその戦力を低下させたのである。

 

「何とか……勝てましたな」

「新開発した電磁防壁のおかげでもあるわけだな……」

「このまま火星へ?」

「……そうしたいが……まずは国連政府内部だな」

 

 第五艦隊旗艦『霧島』の艦橋で正信は沖田艦長にそう答えたのである。第二次月沖海戦後、日本ーー取り分け正信は国連政府宇宙海軍の総司令長官となりその勢力を拡げ宇宙の事に関しては自身が鍛えた部下達(沖田や土方達)に任せたのである。

 そのおかげかは知らないが開戦から一年で正信の勢力は国連政府内部の半数を占める程であった。それはさておき、戦線の方は一進一退の攻防であった。

 主に戦場は地球~火星の中間地点程での戦闘が多かった。国連宇宙海軍は宇宙戦士訓練学校の校長であり正信と同期生である福部仁中将が第五艦隊司令長官に就任して国連宇宙海軍の各艦隊を統率していた。

 

「敵艦隊が前進してきますッ」

「ウム、第五艦隊は後退しつつ砲撃。第二、第三艦隊は第五艦隊の左右に展開しこれを砲撃するのだ」

「了解。各艦隊に伝達します」

 

 福部中将の慎重さもあり、時には大胆な作戦で火星宇宙海軍はその戦力を徐々に減らしていき西暦2181年には当初は5個艦隊もいた火星宇宙海軍は僅か1個艦隊規模しか運用出来ていなかったのだ。そして火星宇宙海軍も最終防衛線を衛星『フォボス』からの線に敷いて何が何でも死守する方向であった。

 

「フム……思っていたより固いな」

「どうしますか?」

「沖田君、君ならどうするかね?」

「私……ですか?」

「そう、君だ」

「私なら……」

 

 西暦2182年11月、地球と火星による最後の艦隊決戦が衛星『フォボス』宙域で行われたのである。福部中将の直卒3個戦隊にワイアット中将のイギリス宇宙海軍第三艦隊、ジャミトフ少将の第八艦隊の2個半艦隊が『フォボス』宙域にて火星宇宙海軍1個艦隊と交戦する。

 だが、火星宇宙海軍も意地を見せジャミトフ少将の第八艦隊を敗走させジャミトフ少将をも戦死させる勢いをする。しかし、天頂方向から艦隊司令長官に就任したばかりの沖田少将の第五艦隊が旗艦『霧島』を先頭に突撃、火星宇宙海軍の艦隊旗艦に命中弾多数を叩き込んで爆発轟沈させると残存火星宇宙海軍艦隊は支離滅裂となった。

 

「敵の艦列が乱れました!!」

「宜しい。我々もスマートに砲撃しつつ包囲するのだ」

 

 紅茶の時間となりワイアット中将は紅茶を飲みつつそう答える。残存火星宇宙海軍艦隊が火星に向かって敗走するのはそれから14分後の事であった。

 

「火星軌道上の戦闘衛星を破壊しつつ火星に打電せよ。『降伏セヨ』とな」

「しかし、奴等は降伏しますかな? むしろ徹底抗戦するかもしれませんが?」

 

 司令部がある月基地で正信がそう言うと芹沢少将は眉を潜めつつ反論する。

 

「構わん。我々が降伏を打診したという証拠があれば良い。それに火星の市民にも知れ渡るじゃろ」

 

 数日後、火星の市民にも国連政府が降伏を打診した事に抗戦派と降伏派が相互にデモを繰り返し互いに私闘をして血で血を染める内戦に勃発するのである。

 それを尻目に国連宇宙海軍も戦力を回復させ翌年の西暦2182年12月まで内戦が続いて漸く降伏派が勝ち、翌年西暦2183年に火星が地球に対し降伏をするのである。

 

「まぁ例のフネの情報を七割も持って来れたのは幸いだったかもしれんな……」

「地球と火星に存在する放射線のどのも符合しない未知の放射線です。これは脅威に等しいですぞッ」

「落ち着かんか芹沢。それで藤堂、文字も解析は出来ておらんのだろう?」

「はい。全く以て未知の文字です」

 

 火星の極冠に漂着していた戦闘艦艇に文字が記載されていた。しかし、全く以て解析不能だったのである。当初、火星自治政府はこの戦闘艦艇に関するデータを全て消去していた。

 しかし、正信はこの複製されたデータを密かに入手したのだ。入手出来たのは火星自治政府内部にも生き残っていた三好派閥がいたのだ。

 彼等は正信に協力しつつ自治政府が戦闘艦艇ーーボラー連邦艦艇ーーのデータを消去する前にデータの複製に成功し、最後の力を振り絞り正信にデータを届けて自身は正盛を救えなかった責任を取り自らのこめかみに当てたレーザー銃の引き金を引いたのである。

 この複製されたデータが無ければ国連宇宙海軍は各艦艇に搭載された核融合推進式機関の更なる進化を遂げる事は出来なかっただろう。そしてこのデータが無ければ異星文明の宇宙エンジンの解明は出来ず、カ式次元宇宙エンジンの開発は出来なかっただろうと後に真田技術局課長(2202年時)は語る。

 

「……降伏した火星の住人は再度地球に戻し、火星は暫くは軍事基地のみの駐屯する。そう具申しよう」

「しかし長官、それは……」

「やむを得んだろう……太陽系に侵攻するかもしれない未知の異星文明があるのかもしれんのだ………」

『…………………』

 

 正信の言葉に藤堂と芹沢は何も言えなかった。それから火星の住人の地球への強制送還が開始され火星は軍事基地のみの星となるのである。

 

「長官、これからどうなるのでしょうか……」

「そうだな……」

 

 一先ずの休みがついた日、藤堂らと飲んでいる時に藤堂からの言葉に正信は口を酒で濁しつつも口を開く。

 

「少なくとも10年前後の戦いは無い時代に入るんだ。兵器開発をして艦艇を新しくする。これしか無いだろうが……」

「が?」

「少なくとも今は平和を満喫しようじゃないか」

 

 正信はニヤリと笑うのである。そして平和な時代は西暦2191年まで続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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