『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第四十一話

 

 

 

 

 

「そうか……将和も厄介な事に巻き込まれたものだな……」

 

 横須賀にある防衛軍総司令部では地球連邦防衛軍司令長官三好正信元帥宇宙軍大将は芹沢からの報告に苦笑いしながらもそう頷いた。

 

「ですが長官、今回のは厄介過ぎる事です」

「ウム……スカリエッティ博士らは亡命者という形で受け入れたが……今回は時空管理局の大破した艦艇じゃからのぅ……」

「それと今回のケンタウルス座海戦で損傷した艦艇もあるのでやはり交代すべきかと……」

「ウム。自動艦艇の実戦データは取れたかの?」

「はい。三好司令のおかげである程度のデータは取れています。これなら各艦隊にも小規模ではありますが盾要員として運用は可能かと思います」

「ウム……よし、カールセンの艦隊を入れ換えてケンタウルス座方面艦隊とする」

「……成る程。万が一の時空管理局の接触を考慮して……ですな」

「若い将和やモートンでは侮られるかもしれんからのぅ。強面のカールセンなら大丈夫じゃろ」

「ハハハ、もし接触した時の時空管理局の顔が目に浮かぶますな」

 

 正信の言葉に藤堂と芹沢が笑い合う。

 

「それで……艦艇の事はどうしますか?」

「……将和に任せよう。あやつなら何とかするじゃろ、スカリエッティ博士の時もそうじゃったからの」

「……ディッツ嬢の時と言い……押し付け過ぎませんか?」

「なーに、三好家の血筋を引いているんじゃ。あやつが独身で終わるわけは無い」

 

 将和と駐地球武官のメルダとくっつけようと模索している正信とバレル大使は中々と策略していたりするがメルダの父親であるガル・ディッツ大将は渋い表情をしているのは言うまでもない。

 

「それと……『春藍』と『三笠』の具合はどうじゃ?」

「『春藍』については後数日で竣工します。ただ『三笠』は……」

「何かあったのか?」

「資材が不足していまして……他艦艇の建造等を遅らせるわけにはいきません」

「ムゥ……『例の資材』を活用してもか?」

「はい、8%程足りないと牧野造船中佐が申しています。遅らせるなら更に半年は……」

「それはイカン。暗黒星団帝国の事もあるし遅らせるわけにはイカン」

「それについては……些か強引なやり方もあります」

 

 そこへ声を出したのは芹沢だった。

 

「何か当てはあるのか虎徹?」

「はい。ただこれには三好司令本人からの許可がいります」

「……成る程。そういう事か」

「はい。これには牧野中佐で説得してもらうしかありません。技術者としての役割があります」

「成る程……分かった。そこについては牧野中佐に一任する」

「分かりました」

 

 そう言って頭を下げる芹沢だった。そしてそれから数日後、『伊勢』や損傷艦艇等は地球に到着したのである。

 

「さてさて……『伊勢』の具合を見て貰わんとな……」

 

 その後、『伊勢』はいつもの呉宇宙軍港に入港する。そして入港後作業が終わりタラップを降ろし将和らが降りると牧野中佐が出迎えていた。

 

「よぅ牧野」

「よぅ将和。早速だが『伊勢』を見たいが良いな?」

「あぁ、それは構わない。修理にはどれくらい掛かりそうだ?」

「……修理は最早……無理かもしれんぞ……」

「…………………………」

 

 牧野はそう言って艦内に向かい、牧野の言葉に将和は察したのか何も言わなかった。そして二時間後くらいに牧野が呉宇宙軍港の司令部室で待機していた将和を見つけると開口一番にこう告げたのであった。

 

「済まん。やはり『伊勢』は解体するしか無いだろう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうか……」

 

 牧野は開口一番にそう告げると将和は予め予想していたのか、溜め息を吐いた後にそう返したのである。

 

「薄々は感じていたよ……トチローが波動エンジンがヤバイとは言っていたからな」

「それもだが艦体も所々でガタがきていた。いつ戦闘中に爆発四散してもおかしくはなかった……」

「……『伊勢』の馬鹿力か……」

「それか八百万の神々の力じゃないか? 艦内神社は伊勢神宮からのだろ?」

「まぁそりゃあな……それでいつ解体するんだ?」

「出来れば今からしたい」

「……理由は?」

「とある新型戦艦を建造しているんだが……予算の都合で予定していた竣工日に間に合わなくてな……どうしても資材が足りないんだ」

「そうか……それなら仕方ない。直ぐに総員退艦をさせよう」

 

 牧野の説明に将和は頷く。

 

「良いのか?」

「構わんよ。『伊勢』には色々と無茶させていたからな。それにな……新型戦艦の礎になるんだ、『伊勢』も喜ぶだろう」

「……ありがとう将和。早速作業に取り掛かるよ。乗員の荷物とかの移動は頼む」

「分かった」

 

 そして将和は『伊勢』に戻って艦内放送で事情を説明し乗員に総員退艦を発令したのである。

 

(済まんなぁ『伊勢』……史実と同じく解体になるのは宿命なのかもしれんなぁ……)

 

 将和は荷物を出した後、艦橋で一人で酒を飲みながら『伊勢』と語っていた。

 

(ただ今度は新型戦艦の資材になるからお前は生きている……それを忘れないでくれ……)

 

 将和は『伊勢』のためにおちょこをもう一つ用意してそれに日本酒を注ぎ、自身のおちょこにも注いだ後、献杯という形で上に挙げて飲み干すのであった。

 

「ありがとう『伊勢』」

 

 そう言って将和は艦橋を後にする。そして人がいなくなった艦橋に白く人間規模の物体が浮遊する。

 

『ありがとうね長官!! いやー、まさか長官と宇宙戦争をするとは思わなかったけど貴重な体験かな。『加賀』には申し訳ないけどね。でもま、次も長官とこにお世話になるし役得役得♪』

 

 謎の物体はそう言って消えていくのであった。その後、『伊勢』は僅か五日で解体され新型戦艦の資材になるのである。

 そして同日、将和が司令部に入り正信からある辞令書を貰うのである。

 

「……宇宙戦艦『三笠』艦長に任命する……『三笠』とは?」

「その言葉通りだ。新型戦艦である『三笠』艦長に貴様を任命した。そういうわけだな」

「……成程。そうなると『伊勢』を解体せざる得ない理由はもしかして……」

「ウム、そういうワケじゃったのじゃよ」

 

 将和の言葉に正信は頷く。

 

「こいつは今、佐世保宇宙軍港の方で建造中じゃ。休暇をやるからついでに見学してくると良い」

「分かりました」

「ウム」

「それと貴官が曳航してきた時空管理局の艦艇は現在、舞鶴宇宙軍港の地下ドックに回航されて修理しつつ調査をしている」

「調査の方は?」

「死亡した武装局員とやからかの? 其奴らが保有していたデバイスを10数個程の回収は成功しとるよ。今はテスタロッサ技術少佐とスカリエッティ博士が解析中じゃがの」

「成る程。ちなみに時空管理局が来た場合はどうするので?」

「『この世界は戦争をしたがる人々しかいないから直ぐに帰って関わらない方が得策』と伝えて後は無視の一点張りじゃの。スカリエッティ博士の事を聞かれても惚けるぞ。スカリエッティ博士らは亡命者じゃからな。亡命者を日本が受け入れたまでの事じゃよ。それに向こうとは国交も結んでおらんし引き渡す条約も締結しとらんのにホイホイと渡す馬鹿は何処におる?」

「それもそうですな」

 

 ファッファッファと笑う正信に将和も笑い部屋を退出するのであった。そして将和はその足で佐世保宇宙軍港に向かうのである。

 

 

 

 

 

 




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