『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第四十二話

 

 

 

 

 

「待っていたぞ将和」

「牧野か」

 

 佐世保宇宙軍港に到着した将和を出迎えたのは『伊勢』解体を指揮した牧野造船中佐だった。

 

「それで……新型戦艦はどれだ?」

「あぁ、地下ドックの方さ」

 

 牧野はそう言って将和達を案内しエレベーターで降りていくが大分下がっていた。

 

「大分下がっているな? 旧地下都市くらいか?」

「まぁその手前だな」

 

 そしてエレベーターが止まり地下ドックに入る。そこには1隻の宇宙戦艦が鎮座していたのである。

 

「これは……」

「そうだ、『三笠』だ」

 

 将和の呟きに牧野はニヤリと笑みを浮かべる。将和がポカンとしていたのがよっぽど面白かったのだろう。

 

「取り敢えずは艦橋に行こう。性能の話はそれからでも遅くはない」

「あ、あぁ……」

 

 そして艦橋に上がるとそこにはチュン参謀長と大村副長がいた。

 

「ありゃ、参謀長と副長もいるじゃないか」

「自分達は先程到着しました。スカさん達も後程到着するようです」

「成程な」

 

 将和が感心するように頷いていると牧野がタブレットを持ってきてそれを将和に渡す。

 

「コイツが『三笠』の諸元だ」

「ん……」

 

 そして将和はタブレットの諸元を確認するのである。

 

 

 改『春藍』級戦略指揮戦艦『三笠』

 

 

 基準排水量 128,000t

 全長 480m(他は460m)

 全幅 56m

 全高 150m

 乗員 850名

 機関 主機 03式HWVED型大型次元波動エンジン×1基

      03式HWVED型中型次元波動エンジン×2基

    補助機 ケルビンインパルスエンジン×4基

 兵装

  超大型次元波動爆縮放射器(500サンチ口径。集束・拡散・拡大可能)×1基

  50口径56サンチ三連装陽電子衝撃砲×4基(上部3基、艦底1基。ただし『三笠』のみであり他は50口径51サンチ)

  50口径30.5サンチ三連装陽電子衝撃砲×5基(前後部2、側面2 艦底1)

  速射魚雷発射管×12門(艦首・艦尾合わせて)

  側面短魚雷発射管×24門

  艦底ミサイル発射管×12門

  四連装対艦グレネード投射機×2基

  12.7サンチ四連装対空パルスレーザー砲塔×12基

  8.8サンチ連装対空パルスレーザー砲塔×8基

  7.5サンチ三連装対空パルスレーザー砲塔×8基

  7.5サンチ連装対空パルスレーザー砲塔×20基

  司令塔防護ショックフィールド砲×3基

  近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基

 

 航空機

  コスモタイガー2×34機(『三笠』のみ。他は18機)

  コスモタイガー3乙×2機

  100式空間偵察機×2機

  コスモシーガル×2機

 

 同型(諸外国)

 『フッド』『Iowa』『ウォースパイト』『三笠』以下8隻

 

 

【概要】

 

地球連邦防衛軍が設計建造配備した艦隊旗艦級の宇宙戦艦である。2203年に一番艦『三笠』が就役してから現在(2220年)まで幾度の改装が施されながらも現役を続けている。

 当初、これが防衛軍の中で上がったのは白色彗星戦役時に建造が開始された『春藍』級の建造であった。

 

「『春藍』級のコストが高すぎる」

 

 『春藍』級は『アンドロメダ』級以上の総旗艦を目指して建造が開始されたが51サンチ四連装陽電子衝撃砲や三連装艦首波動砲は財務省に言わせたら高コストの塊であった。財務省の友人からも苦言を言われた防衛軍司令長官の三好正信もさてどうするかと悩んでいた時、一人の造船中佐が正信の下を訪れた。

 

「『春藍』級のコストを下げた量産型の生産は可能です」

 

 男の名は将和の同期である牧野滋造船中佐だった。牧野中佐はかつて『ヤマト』『アンドロメダ』等の設計に携わっており『春藍』級の設計も彼がしていたのだ。

 牧野が新たに提示したのは確かに『春藍』級の量産を意識した戦艦であった。主砲は四連装から三連装に戻し艦首波動砲も三連装から単装に戻していた。

 

「それで肝心のコストは?」

「『春藍』級より21%の削減です」

 

 それだけでも財務省は削減出来た事に一安心だったが、牧野の話はそれだけではない。

 

「削減はしましたが有事にはそれは必要ありません」

「ではどうすると?」

「主砲や波動砲は提示したそのままでその代わり、防御力に重点を絞ります。つまりは不沈艦とするのです」

 

 確かに『春藍』級に比べたら砲火力は多少は下がっただろう。だが牧野は『アンドロメダ』の最期を見ていた。政府の命令とは言え、自動化し過ぎたのは牧野の痛恨のミスであった。その為、乗員を増やしてその分の防御力を高めたのある。

 以下は説明である。武装は三連装51サンチ陽電子衝撃砲を4基にしているがターレットは拡張しやすいように大きめにされていた。(但し、『三笠』は先行試作という形で先に56サンチ陽電子衝撃砲を搭載している)その為2218年の改装で全艦が50口径56サンチ三連装陽電子衝撃砲を搭載していたのである。

 副砲は新型巡洋艦(『アラスカ』級)の主砲である30.5サンチ陽電子衝撃砲を採用しており更には対空射撃も可能であった。

 最大の武装と言えば艦首波動砲であるがこの波動砲、口径は『ヤマト』の200サンチより倍の500サンチを採用していた。

 三連装と比べたら……どっちもどっちだが財務関係者に言わせたら一門のがコスト削減と思うので結果オーライである。

 そして波動砲だが集束・拡散の他にも試験的に『三笠』には拡大型も搭載していた。これは拡大型の発展型であり後の『バイエルン』級主力戦艦にも搭載される。

 話を戻す。エンジンは波動エンジンだが三つ搭載している。それが『春藍』級で採用されたのが大型次元波動エンジン一つと後に新型巡洋艦(『アラスカ』級)で採用される中型次元波動エンジン二つである。

 これは『春藍』級が大型次元波動エンジン二つ搭載したのに対しコスト削減で大型のは一つとし左右に中型エンジンの炉心を取り付けた形である。その為噴射口は一つだけである。だが、中型エンジンを二つ取り付けているので機動力の低下は僅かに済み、波動砲を撃っても中型エンジンからのエネルギーで供給すれば問題なかったのである。

 防御力については『三笠』は防衛軍の中で二番目の堅牢性能である。一番は後にドイツ宇宙軍が建造配備した『ビスマルク』級である。(ドイツ宇宙軍はこれを4隻も建造する)装甲は通常のと、装甲に帯磁性特殊加工をしたモノ。ガトランティス戦役で終盤に発生した超巨大戦艦による砲撃で津波が発生して損傷した記念艦『出雲』『加賀』『長門』『三笠』、将和がつい先日まで乗艦していた『伊勢』の一部解体した資源をも使用した三重装甲としており更にはそこに波動防壁も加わるので実質的に四重装甲でもある。

 この装甲をした事によりちょっとやそっとでの航行不能や大破はしなくなったのである。特にディンギル戦役時にはディンギル軍が使用するハイパー放射ミサイルを五発命中しても重要部分の装甲は破壊されず放射能汚染だけで済み(直ぐにコスモクリーナーDで除去)尚且つ戦闘から離脱する事は無かったのである。

なお、諸外国でも同級クラスの建造を開始し北米では『Iowa』『モンタナ』、欧州では『フッド』『ウォースパイト』『マッケンゼン』『ソビエスキー・ソユーズ』、極東では『三笠』『陸奥』の8隻が建造され各艦隊旗艦に配備されるのである。

また、当初は8隻だったが太陽危機では更に『リットリオ』『リシュリュー』、ディンギル戦役時では『山城』『ミズーリ』が建造配備される事になる。

 

 

 

「コイツは不沈性能を出来るだけ高めた……後はお前の腕次第だ将和」

「ククク……技術屋からそう言われちゃ頑張るしかないわな……」

 

 牧野の言葉に将和は苦笑する。牧野にそこまでされたら将和も期待に答えるしかない。

 

「というか『伊勢』の解体から一週間くらいしか経ってないぞ」

「24時間態勢の建造だよ。『春藍』も就役するしその作業員も此方に来るから大詰めを迎えているんだよ」

「成程、掌握した」

「お前の休暇が終われば即竣工・就役するように手配しておく。それまではゆっくりと骨休みをしとけよ」

「あぁ、そうしとくさ」

「………………………」

 

 将和と牧野はそう言うが傍にいたなのはは何とも言えない表情で将和らを見ていたのであった。その日は『三笠』の艦長室で休む事にした将和だったが夜も深けて将和自身も寝ようとしていた時、艦長室の扉を叩く者が現れた。

 

「どうぞ~空いてるよ」

「将和君……」

「ありゃ、プレシアさん」

 

 入ってきたのはプレシアだった。

 

「ねぇ将和君。やっぱり管理局は……」

「うーん……まぁ管理局がこの世界を認識したわけじゃないから多分大丈夫だと思うけど……どうした?」

「……単刀直入に言うわ……波動エンジンはロストロギアね……」

「……ま、管理局の観点から見ればそうなるわな。じゃあ例えば……管理局がこの世界に来て波動エンジンを渡したとした上で……管理局はこの地球を守れると思うかい?」

「……無理だと思うわね。1隻や10隻の艦隊ならまだ勝ち目はあるかもしれないけど、数百隻程で攻められたら無理ね」

 

 プレシアはそう言って首を横に振る。

 

「だからもし、管理局がそう言ってきたら私も協力して阻止するわ」

「……お前には覚悟があるか?」

「えっ……?」

「人を……敵を撃てる覚悟だ」

 

 将和はそう言って南部式拳銃を机に出して安全レバーをかけた上でプレシアに渡す。

 

(……重い……)

 

 ズシリと重量を実感する。

 

「この先……何が起きるかは分からないが……(分かるけど)暗黒星団帝国の兵士を前にしてプレシアさん、貴女は敵を撃てるか?」

「………………………」

「管理局がしているのは治安維持なようなもんだ。此方は戦争だ、そこが違う」

「………………………」

「だからこそプレシア……プレシア・テスタロッサに『覚悟はあるか?』」

「覚悟……」

「プレシア・テスタロッサ……『お前の覚悟を示せ』」

 

 将和はプレシアにそう言い、部屋に帰るよう促すのであった。

 

「はぁ……」

 

 プレシアが退出して数分後、またしても扉をノックする音があった。

 

「空いてるよ~」

「将和」

「………………」

 

 入ってきたのは薫と玲であった。だが、二人ともいつもの作業服装ではなく、紫と赤のネグリジェを着ていた。二人の顔を見れば薫はフフッと笑っており玲は頬を赤く染めていた。

 

「……あー……(そういや最近……)」

 

 最近は忙しくて二人の事を見れていなかったのを思い出した将和は隠し持ってコップに注いでいたラム酒を飲み干した。

 

「来いよ二人ともッ」

 

 その言葉に二人は笑みを浮かべて将和の元に歩み寄るのであった。

 

 

 

 

 

(わっ……彼処までするの……。キャァ、見えてるぅ……)

 

 なお、部屋の外の廊下では二人(薫と玲)が来たのを見たプレシアが隠れて扉の前まで前進し、扉が少し空いていた事もあり中での夜戦を顔を真っ赤にしながら見学するのであった。

 

 

 

 

 

 




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