『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第四十三話

 

 

 

 

 

 

「……以上が地球攻略作戦の全容である」

『……………………』

「何か意見はあるかね?」

 

 地球からおとめ座宙域方向約40万光年先の暗黒星雲、更にそこから地球との半分にある20万光年の宙域にある中間補給基地。そこには地球攻略作戦に使用される暗黒星団帝国の三個特務艦隊と重核子爆弾が補給の為に駐留していた。

 地球攻略作戦総司令官のグランザル・カザン大将は改めて地球攻略作戦に参加する将官達に作戦の説明を行っていた。カザン大将が将官達を見渡すがそこへ一人の将官がスッと手を挙げた。

 

「……ミヨーズ大佐」

「ハッ。カザン司令、敵地球艦隊の反攻への対処はいかがなさるつもりですか?」

 

 カザンに意見したのは第二特務艦隊司令官のラインハルト・ミヨーズ大佐であった。ミヨーズ大佐はまだ年齢はカザンらよりも若かったが艦隊運用能力は目を見張るものがあった。その為、今回の地球攻略作戦に参加していたのだ。

 

「ウム……それについては重核子爆弾を全面に押し立て迎撃に出るであろう敵地球艦隊を全滅させる……そう説明した筈だが?」

「はい。それは地球攻略作戦です。ただ、地球軍はまだ別の星域に艦隊を配備させているのが偵察によって判明しています」

 

 ミヨーズはそう言って太陽系の星図のタブレットを操作し宙域を広くさせる。

 

「偵察艦の報告によれば地球軍はシリウスとケンタウルスに植民をしつつ艦隊を配備させているとあります。この艦隊が反攻して地球方面に来るのではありませんか?」

「……それは確かに否定は出来ない」

「ならば……」

「だが、聖総統は早期に地球を攻略せよとの事だ。これが最良なのは明白。そうであろう?」

「……………………」

「無論。私もそれは憂慮している。地球攻略後に地球の高官を通じて奴等に降伏勧告を突きつける。それでも降伏しない場合は……ミヨーズ大佐、君の艦隊に対処を任せる」

「………分かりました」

 

 カザンの言葉にミヨーズは多少は納得しながらも座るのである。そしてカザンは全員を見渡す。

 

「では諸君、地球へ赴こう」

 

 斯くして補給を済ませた地球攻略作戦部隊は太陽系に向かうのである。そして地球では1隻の宇宙戦艦が就役しテスト航海に向かおうとしていた。

 

「三好艦長、波動エンジン異常無しです」

「ん」

 

 地球防衛軍佐世保鎮守府の地下ドックでは新たに宇宙戦艦『三笠』艦長に就任した将和は航海長である島の報告に頷く。それに続いて戦闘班長のトーレが指示を出す。

 

「補助エンジン動力接続ッ」

「補助エンジン動力接続……スイッチ・オン」

 

 機関長席に座る山崎機関長は上昇していくエネルギー目盛を読み上げていく。

 

「補助エンジン定速回転1600、両舷バランス正常、耐水圧ドームへ注水、後部ゲート閉鎖」

「ドーム注水」

「水位、5、6、7、…………水位上昇、12、13、14、………水位艦橋を越えます」

「将和、注水完了したぞ」

「あいよ」

「ガントリーロック解除」

 

 トーレの言葉に『三笠』を支えていたガントリーロックが解除され『三笠』は海水に身を委ねる。

 

「微速前進0.5」

「微速前進0.5」

「ゲート・オープン」

「ゲート・オープン」

「三笠、海中へ進入」

「波動エンジン内、エネルギー注入」

「補助エンジン、第二戦速から第三戦速へ。第一宇宙ノットまで、あと30秒」

「波動エンジン・シリンダーへの閉鎖弁オープン。波動エンジン始動5分前」

「波動エンジン内圧力上昇、エネルギー充填90パーセント」

「補助エンジン最大戦速、上昇角40、海面まであと2分」

「波動エンジン内圧力上昇、エネルギー充填100パーセント」

「波動エンジン点火2分前」

「フライホイール始動、10秒前」

「海面まで、あと30秒、現在補助エンジンの出力最大」

「波動エンジン内、エネルギー充填120パーセント」

「フライホイール始動!」

「フライホイール始動!」

「波動エンジン点火10秒前…、5、4、3、2、1」

「フライホイール接続、点火!!」

 

 その瞬間、将和は立ち上がる。

 

「行くぞ!! 『三笠』発進!!」

「おぅ!! 『三笠』発進!!」

 

 海面に出た瞬間、『三笠』は波動エンジンを点火させ海面から飛び上がる。そして『三笠』は波動エンジンの推力に力を言わせて上昇していくのである。

 

「上昇角40度、全艦異常無し、大気圏内航行主翼展開」

「何て船だ……12万トンの重量なのにそれを感じさせずに上昇していく……」

「やはり新型波動エンジンの性能が故か……」

 

 島の驚きの言葉にスカリエッティはウンウンと頷いている。

 

「このまま上昇し大気圏離脱後、月軌道に乗れば小惑星『イカロス』に向かう」

「『イカロス』ですか?」

「そこは天文台と言いつつも防衛軍の秘密ドックが隠されている。そこで最終チェックも兼ねるんだよ」

「地球で最終チェックをしないのですか?」

「暗黒星団帝国の事もあるからな。万が一に備えていつでも出撃出来るようにと三好長官の御達しなんだよ」

 

 太田らの問いをスカリエッティはそう答えるのであった。その後、『三笠』は砲撃等の訓練をしつつ小惑星『イカロス』に接舷しアステロイドシップで周囲の岩石を集めて『三笠』を隠すのである。そしてスカリエッティとトチローら技術班、少数の者を残して将和らは迎えのパトロール艦で地球に帰還するのであった。

 その途中で将和らは山南中将を司令官とする第七艦隊と交差する。

 

「あれが防衛軍艦隊総旗艦『春藍』か………(うーん、ゲームで見ていたが……やはり良いモノだな)」

 

 航過する『春藍』を見ながら将和は満足そうに頷く。

 

(あれ……『春藍』となると……ゲームも入ってるのか……大丈夫……か?)

 

 余計に心配になる将和であった。地球に帰還後、将和は再び司令部に呼ばれた。

 

「恐らく……地球は直接、暗黒星団帝国に侵攻されるじゃろ」

「………それは何処情報で?」

「なに、ワシの勘じゃよ」

(……それにしては凄いぞ親父……)

 

 フォッフォッフォッと笑う正信に将和は冷や汗をかく。将和は誰にも伝えていないのにも関わらず、正信は直接侵攻されると踏んだのだ。

 

「それで……俺をどうしろと?」

「なに、貴様には引き続き『三笠』艦長と艦隊を率いてもらう」

 

 正信はそう言って芹沢に視線を向けて芹沢は頷きタブレットを操作する。

 

「防衛軍は現在、艦隊は四個艦隊。それぞれカールセン、モートン、山南、そして貴様だ」

「太陽系防衛はモートンに任せる。御主はケンタウルスのカールセンのところに向かえ」

「……まさかケンタウルスに二個艦隊は管理局への……?」

「ウム。まぁ管理局の艦隊が来ても追い返せるのは確かじゃろうが……まぁ万が一の事もあるからの。管理局が来なければ御の字なんじゃがのぅ」

「まぁそうですな。ちなみに政府には?」

「奴さんら、来るとしても精々来年と抜かしたからの。あやつら抜きじゃ」

(やっぱ大統領はアホか)

 

 何を以て来年と抜かしたのかは不明だが、正信らはそれを聞いて防衛軍だけでやる事にしたのだ。

 

「最悪の想定……地球が占領されてワシらはゲリラ戦を行う。その隙にシリウスとケンタウルスから御主らの三個艦隊が駆けつける……地の利を活かす戦いじゃな」

「まぁ陸でなら我々には300万はいますからね」

「フォッフォッフォッ。そういう事じゃの」

 

 将和の言葉に正信は笑うのである。

 

「『イカロス』のところには数日内に向かえ。『三笠』の最終チェックが終り次第、ケンタウルスに向かえ、良いな?」

「了解です。親父、頼むから死なんで下さい」

「アホぉ、ワシはまだ死ぬ気はないわい。まだ貴様の孫も見てないんじゃよ」

 

 将和の言葉に笑う正信であった。それから数日後に将和は数名の乗員らと共に小惑星『イカロス』に向かうのである。

 そして一月後、奴等はやってきたのである。

 

「太陽センサー、全て作動停止!!」

「冥王星基地、通信途絶!!」

「天王星基地、通信途絶!!」

「海王星、沈黙!!」

「土星基地、沈黙!!」

「……相原、どうかの?」

「はい、非常通信回路を使用しているのですが応答が無くなりました!!」

「未確認飛行物体、速度5000宇宙ノット!!」

「火星基地まで15000宇宙キロ、間に合いません!!」

「……………………」

 

 オペレーターからの報告に正信は無言で答えるのであった。

 

 

 

 

 

 




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