『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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お久しぶりです


第四十七話

 

 

 

 

 

 

 小惑星イカロスから発進した宇宙戦艦『三笠』は土星方面に向けて航行していた。

 

「土星到着まで後41分です」

「ん」

 

 太田の報告に将和は頷く。

 

「防衛軍の生き残りはいるかな……」

「司令部にいた時の情報では主惑星の基地はやられているようです」

 

 将和の呟きに相原がそう言う。

 

「となると……小惑星や衛星の基地は生き残っている可能性があるわけか」

「ですが艦長、我々には敵の母星を見つけて叩く任務があります」

 

 将和の呟きに島はそう反論する。島の主張も正しい、正論と言って良いだろう。

 

「島のも一つの正論だろう。だが我々は船乗りでもある。困っている者がいれば手を差し出す」

「……分かりました」

 

 将和の言葉に島は頷く。性格上、島も見捨てる事は出来なかった。ただ、島は正論を言うのも航海長としての仕事でもあった。

 

「ただ、島の主張も一理ある。そこで『三笠』の前方にある小惑星や衛星の基地のみとする」

「分かりました。直ぐに呼び掛けてみます」

 

 将和の言葉に相原が頷き、直ぐに通信機器を操作する。そして『三笠』の進路上にある衛星『エンケラドゥス』『タイタン』『フェーベ』に向けて電波を発した。

 そして返ってきたのは『フェーベ』からだった。

 

『此方、衛星『フェーベ』守備隊です。地球との交信が全く出来なくて困っていたところです』

「此方、地球防衛軍宇宙戦艦『三笠』です。時間がありません、『フェーベ』守備隊は直ちに基地を放棄して我々と合流してもらいたい」

『一体何が……?』

「一言で言えば地球は敵性宇宙人国家に占領されました。ガミラスではありません、我々は三好防衛長官の命令によりケンタウルス座方面の地球艦隊と合流して敵母星を叩く任務を仰せつかりました」

『何と……分かりました、直ちに基地を撤収して合流します』

「よろしくお願いします」

 

 そして衛星『フェーベ』に到着すると待機していた防衛軍艦船と合流したのである。

 

「宇宙戦艦『三笠』艦長の三好将和少将です」

『『フェーベ』守備隊のマイク・ガランダ中佐です。パトロール艦『テリブル』の艦長も兼任しています』

「成る程。ガランダ中佐、戦力は如何程に?」

『パトロール艦1、自動駆逐艦4の哨戒艦隊です』

「成る程……ガランダ中佐。先程も申し上げた通り、我々はケンタウルス座方面で味方艦隊と合流する予定です。一緒に行きましょう」

『それは願ってもない事です。是非御同伴します』

 

 将和の提案にガランダ中佐も頷き、『三笠』は小艦隊ではあるが戦力が増えたのである。しかし、将和らが喜ぶのも束の間……暗黒星団帝国が追撃のために放った艦隊が後方からやってきたのである。

 

「敵艦隊の数は?」

「巡洋艦級14隻、護衛艦29隻です」

「『テリブル』に連絡。先に小ワープして第十一番惑星方面に離脱せよ」

「艦長!?」

「いや、将和のが正しい。『三笠』は新型機関を搭載しているからワープの速度が速くなっているんだ。だからこそ、『テリブル』を追い抜いてしまう可能性がある」

 

 声を荒げるトーレにスカリエッティはそう言う。

 

「そういうわけだ」

「……了解ッ!! 砲雷撃戦用意だ!!」

 

 将和の言葉にトーレは納得はしたがそれでもの気持ちを振り切って砲雷撃戦に移行する。

 

「主砲射撃準備宜し!!」

「撃ち方始めェッ!!」

「撃ェッ!!」

 

 『三笠』が砲撃を開始する。だが、初撃は命中しなかった。砲撃の錬度はまだまだ低かった。

 

「クッ」

「慌てるな。連続での射撃を続けろッ。太田、『テリブル』と自動駆逐艦のワープは?」

「『テリブル』以下ワープしました」

「よし。トーレ、後三斉射は行え。その後は此方もワープに移行するッ」

「了解した。砲術、後三斉射行う。外すなよ!!」

『了解!!』

 

 その後、『三笠』は主砲を三斉射行い巡洋艦3隻、護衛艦5隻を撃沈してからワープに移行した。

 

「5、4、3、2、1、ワープッ!!」

 

 『三笠』がワープする。そのワープ速度は『伊勢』よりも速かった。その様子は追撃していた暗黒星団帝国艦隊も驚愕するのである。

 

「な、何と速いワープだ……」

「司令、如何なさいますか?」

「……やむを得ん。カザン総司令に報告するしかあるまい。全艦反転せよ」

 

 追撃艦隊司令は追撃を中止して反転、地球に向かうのであった。そして『三笠』は第十一番惑星方面までワープするのである。

 

「小ワープ終了ッ」

「前方に『テリブル』と自動駆逐艦を確認しました。現在位置、第十一番惑星より約3万天文単位……方位280。オールト雲のど真ん中です」

「しかし凄い。オールト雲って彗星の巣というアレでしょ? 一気に太陽系の外側までワープを出来るとは……」

 

 南部がそう感想をもらす。確かに『三笠』の波動エンジンは想像以上の代物だったのだ。

 

「スカさん、エンジンの状況は?」

「ちょっと待ってくれ。トチローの奴が弄った部分はブラックボックスが多くてね……」

「艦長、レーダー装置にも損傷が発生しています」

「うむ……やはり外部にも障害が出たか……」

 

 相原が通信席にいるためレーダー席に移ったウーノがそう将和に報告をする。

 

「将和、レーダーの方は高速ワープの影響だろうから技術班を修理に向かわせる。島、イレギュラーの原因についてはちょっと待ってくれ」

「了解です」

「ま、これだけワープ性能が強化されたエンジンなんだ。それだけ問題もあるって事なのかなぁ」

「如何にもトチローさんが天才とは言っても連続ワープというのは相当難しい技術でしょうからね」

 

 南部のぼやきに相原はそう反応をする。そこにレーダーが反応する。

 

「艦長、右舷遠方より艦船が接近してきますッ」

「敵か?」

「敵では無いと思います。恐らく味方の防衛軍の艦かと……」

「防衛軍の艦が? 何でオールト雲に……?」

「さぁてな」

 

 そこへスカリエッティが戻ってきた。右手には何かの金属の球体を持っていた。

 

「将和、停止の原因が分かった」

「何だったんだ?」

「これだよ」

「博士、これは……?」

 

 球体が分からないトーレがスカリエッティに問うとスカリエッティは肩を竦める。

 

「信じられないけど……これは波動エンジンのフライホイールシャフトに使うベアリングなんだ。コイツがこの宙域に無数にばら蒔かれていたからコンピューターが障害物と判断したんだろうね。レーダーの破損もコイツとの衝突によるものだった」

「でも誰がこんなモノをばら蒔いたので……?」

『俺さ』

「トチロー!?」

 

 そこへ通信パネルが開いて現れたのはトチローだった。

 

『新型波動エンジン搭載艦のテストのため冥王星基地を出港していたから命拾いしたぜ。後はオールトの雲の中に潜んで地球の様子を伺っていたんだ。敵の通信も傍受出来たからお前らが来る事も分かったし航路も大体は特定出来た。それで余ったベアリングを魚雷に積載してこの宙域にブチまけてみたってワケさ』

 

 ニヒヒヒと笑うトチローに将和は肩を竦める。

 

「相変わらずだな。そのせいで此方はレーダーまで破損したんだぞ。それに此方の航路を特定したんなら無理に止めたりせずに後から追いかけたら良いじゃないか」

『スマンスマン、勘弁してくれ。実はのっぴきならない状態で『三笠』に止まってもらうしかなかったんだ』

「のっぴきならない状況?」

『まぁ簡単に言うとだな。敵に発見されて追われているのさ』

「オイオイ……」

『何隻かはパエッタ司令の残存艦艇と共に沈めたけど敵の数が多いからとてもじゃないが太刀打ち出来なかったんだよ。それに敵旗艦は空母。航空機をわんさか出してきやがるぜ』

「パエッタ司令? パエッタ司令も生存しているのかッ!?」

『あぁ、久しぶりだな三好君』

 

 通信パネルに現れたのは頭に包帯を巻いたパエッタだった。重傷なのか巻かれた包帯も所々血が滲んでいた。

 

『此方もまだ暫くは粘れる。何とか来てほしい』

「分かりました。総員戦闘態勢!!」

 

 戦闘態勢のベルが艦内に鳴り響く。そこへ太田から報告が来た。

 

「『雪風』他11隻を肉眼で捕捉!!」

「艦長!! レーダーが破損しているため此処からでは敵の位置が掴めません!!」

『将和、通信は解放しとけ!! レーダーは此方が担当して送信する!!』

「任せたぞトチロー!! 相原、中継を頼むぞッ」

「了解。どうせ『三笠』の事は敵にバレてるんだ。コソコソするのはやめてハデに行きますか!!」

「ソイツは素敵だ。面白くなってきた!! 山本、航空隊の出番だ!!」

『了解ッ。任せて下さい』

 

 斯くして『三笠』は『雪風』『アイアース』らと合流して迫り来る暗黒星団帝国艦隊を迎え撃つのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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