さてさて、此方は暗黒星団帝国に占領された地球である。地球を攻略した暗黒星団帝国軍であったが残存地球連邦軍によるパルチザン化でパルチザン狩りをしていたが戦果は芳しくなかった。
「クッ、地球人の分際が……」
報告を受ける地球攻略軍総司令官のカザン大将は苦虫を噛み潰したような表情をする。
「奴等のアジトは特定出来たのか?」
「残念ながら未だ発見には……」
「おのれ!! 何処に隠れよったのか!!」
部下からの報告にカザン大将は机を叩く。暗黒星団帝国軍は地球占領時に約250万程の地球防衛軍の地上軍を捕虜にしていた。無論、幹部級は収容所に移送されて一般兵級は除隊させていた。
しかし、防衛軍司令長官の三好正信元帥大将、芹沢大将、藤堂極東管区長官の行方が以前として不明でありカザンらは正信がパルチザンの司令として活動していると踏んでいた。
「何としても探せ!! そのまま奴等の息の根を止めるんだ!!」
「はッ!!」
カザンは改めてパルチザンを探して撃滅するよう指令を出すのである。そしてカザンから撃滅するよう指令された地球防衛軍のパルチザン部隊はというと………。
「よぅ北野。そっちはどうだ?」
「古野間さんッ。はい、敵の一個大隊を痛撃させましたよ」
「そいつは重畳だな。『白い花』の情報も助かるな」
古野間はコスモバズーカを肩に担ぎながらニヤリと笑う。古野間の部隊は『白い花』からの情報で暗黒星団帝国軍を待ち伏せてこれもまた痛撃していたのだ。
「だが北野。油断はするなよ?」
「勿論です古野間さん」
古野間の言葉に頷く北野であった。そしてその頃の将和らはというと………。
「三好司令、もう1.2光年でプロキシマ・ケンタウリの惑星bに到着します」
「ん。何とか到着する事が出来たか」
残存地球艦隊を率いていた将和はホッと安堵の息を吐いた。この時、ケンタウルス座に到着した残存地球艦隊は戦艦2、巡洋艦2、駆逐艦7であった。
「それとスカさん……彼女の容態は?」
「まぁ……命に別状は無いかな。まだ眠っているが傷らしい傷は確認されていなかったからね」
将和の言葉にスカリエッティはそう言って肩を竦める。医務室には一人の女性が入院という形で入っていた。それが先日、救助した時空管理局所属提督リンディ・ハラオウンなのだから仕方ない。
「司令、ケンタウルス座方面から護衛艦2隻接近中です。通信が入ってます」
「ん。頼む」
『此方ケンタウルス座方面艦隊所属護衛艦『汐風』。所属と階級を言われたし』
「此方地球防衛軍残存艦隊旗艦『三笠』で艦長の三好将和少将だ」
『三好少将でしたか。しかし何故此処に……?』
「簡単に言うと……地球が暗黒星団帝国に占領された。俺達は残存艦隊として此処まで来たわけだ」
『何と、地球が!? 分かりました、直ぐにカールセン司令に報告します!! 三好少将達も来て下さい!!』
「無論だ」
斯くして将和らの残存地球艦隊は無事にケンタウルス座に到着したのである。残存地球艦隊は惑星bに降り立ち修理ドックに入ると将和はカールセンに呼ばれた。
「お久しぶりですカールセン司令」
「お前もな三好。それで、地球はどんな感じだ?」
「地球及び太陽系は完全に暗黒星団帝国軍に占領され掌握化に入ってます。が、親父や芹沢副長官らは無事です。地下に潜伏してパルチザンで活動しています」
「フム……三好長官が無事なら地球は大丈夫そうだな」
「はい。それで親父はカールセン司令らと協力して敵の母星を叩けと……」
「地球ではなく敵の母星だと? 何故だ?」
「地球には暗黒星団帝国軍が撃ち込んだハイペロン爆弾という大型爆弾があります。かいつまんで言いますがそいつが爆破すれば地球人の脳が破壊され死亡するという恐ろしい兵器です。そいつの爆破スイッチが地球と敵の母星にあるのです」
「成る程。それで御主らが敵の母星に向かい破壊するというわけか……」
カールセンはタブレットを操作して将和に渡す。
「これは?」
「今のケンタウルス座方面艦隊の数じゃよ」
ケンタウルス座方面艦隊
司令長官 ラウルス・カールセン少将
旗艦『ヘルゴラント』
戦艦
『ヘルゴラント』
『ナッサウ』
『テキサス』
『リットリオ』
『ローマ』
巡洋艦
『カンバーランド』
『アキリーズ』
『パース』
『ブリュッヒャー』
『プリンツ・オイゲン』
『エメラルド』
『高雄』
『愛宕』
『妙高』
『リアンダー』
『アイリス』
駆逐艦
『Z31』以下26隻
護衛艦
『フラワー』以下12隻
パトロール艦
『天塩』『撫子』以下10隻
自動大型戦艦
『クレイモア』以下22隻
自動駆逐艦
『レイピア』以下49隻
補給艦
『速吸』『サクラメント』『デトロイト』『エトナ』
「全部はワシも困る。此処の守備が必要じゃからな」
「そりゃあそうですわな……じゃあこれとこれと……これらで編成して遠征したいと思います」
「フム……これくらいなら構わんぞ」
将和から差し出されたタブレットを見つつカールセンは納得したように頷いた。
暗黒星団帝国派遣艦隊
司令官 三好将和少将
旗艦『三笠』
戦艦
『三笠』
『リットリオ』
『ローマ』
巡洋艦
『プリンツ・オイゲン』
『高雄』
『愛宕』
『妙高』
『リアンダー』
パトロール艦
『天塩』『撫子』『秋桜』『杜若』
自動大型戦艦
『クレイモア』『タルワール』『フィランギ』『ロンパイア』『カットラス』『クシポス』『サクス』
自動駆逐艦
『レイピア』以下16隻
補給艦
『速吸』『サクラメント』
特殊駆逐艦
『雪風』
「直ちに編成に入ります」
「ウム。ワシの方も此処を拠点にそっちにも支援を出すようにはしよう」
「ありがとうございます」
「それと……山南の第七艦隊だが……」
「暗黒星団帝国軍にやられた可能性が……?」
「あぁ。第七艦隊から最後の通信が『我、暗黒星団帝国艦隊ト遭遇。交戦中』だったからな……『春藍』でさえ……」
「確か第七艦隊はシリウス方面でしたよね? 行き掛けの駄賃で確認はしてみます」
「ウム、頼む」
将和の言葉にカールセンは頷くのである。斯くして将和は艦隊を再編して暗黒星団帝国の本拠地へ向かうのである。
2日後、惑星bから遠征艦隊が出撃するのである。
『済まないな三好司令。私の身体では同行が難しい……』
「気にしないで下さいパエッタ司令。生きているのでめっけもんですよ」
『ハハハ、成る程……確かにアドミラル・ミヨシにも言われそうだ……そうだな、そうだな』
将和の言葉にパエッタは苦笑して敬礼で遠征艦隊を見送るのである。
「さて……取り敢えずはシリウス方面に向かう」
「第七艦隊の安否確認ですね」
「しかし……地球の事を考えると……」
「島の言う事も分かる。だが、いるかもしれない味方を放っておくのは船乗りとしては見過ごす事は出来んからな」
「……分かりましたッ」
「進路、シリウス方面」
「進路、シリウス方面ヨォーソロォー」
艦隊はシリウス方面に向かうのであった。
~艦艇紹介~
『リットリオ』級主力戦艦
自重 75,000トン
全長 310m
主機 03式HWVED型大型次元波動エンジン×1基
武装 艦首拡大波動砲×1門(拡大・集束可能)
50口径41サンチ三連装陽電子衝撃砲×3基
76ミリ連装対空パルスレーザー砲16基
両舷側面短魚雷発射管×12基
下部ミサイル発射管×6基
魚雷発射管×6基(艦首・艦尾)
艦載艇 90式内火艇×2隻
同型
『リットリオ』『ローマ』『紀伊』以下2205年までに32隻建造配備
【概要】
地球防衛軍の欧州管区にあるイタリア宇宙軍の設計陣が設計した主力戦艦。ガトランティス戦役後、防衛軍はガトランティス軍が放棄したシリウス、プロキオン恒星系の基地を接収した。接収した際、補給艦が同行していた事で艦隊の道中の補給は何とか可能であったが接収に同行した艦隊司令官(パエッタ少将)からの報告で遠洋型の艦艇開発が急務となった。
一応、補給艦を同行させれば近海型の艦艇も長距離進出は可能ではあるが補給艦の数にも限りがある。その為、防衛軍艦政本部は遠洋型宇宙艦艇の設計開発に乗り出すのである。量産性を求めるがため各国にコンペという形で提出を促した。
しかし、北米や欧州各国は上記の護衛戦艦の開発に躍起になっておりあまり返答は芳しくなかったが手を挙げたのがドイツであった。ドイツも『ビスマルク』級護衛戦艦の設計開発をしていたがドイツでも艦艇開発で有利になりたい思惑があったので手を挙げたのである。更に補佐的に手を挙げたのがイタリアであった。
イタリアは自国独自の護衛戦艦の開発を諦め量産型で有利になろうと思惑があった事もあり両国は互いに連携して艦政補佐的に動いていたのである。艦政本部も他国がコンペを出さなかった事もありイタリアの設計図案が採用されたのである。
量産性を意識して主砲は『ドレッドノート』級と変化せずに41サンチ陽電子衝撃砲を採用している。またパルスレーザーも『ドレッドノート』級よりは増加されており防空火力も期待出来た。
一番の注目は重装甲であろう。ガトランティス戦役で『ドレッドノート』級は装甲では『カラクルム』級大戦艦に負けており一撃で大破しやすかった。
イタリアの設計陣はそれを反省し改『春藍』級よりは劣るが重装甲を施したのであるが……それを上回ったのがハイパー放射ミサイルであった。
『ブリュッヒャー』級主力巡洋艦
自重 12,000トン
全長 220m
主機 03式HWVED型中型次元波動エンジン×1基
武装 艦首拡大波動砲×1門(拡大・集束可能)
50口径30.5サンチ三連装陽電子衝撃砲×2基
76ミリ連装対空パルスレーザー砲10基
両舷側面短魚雷発射管×8基
二段式四連装ミサイル発射管×1基
艦首魚雷発射管×4基
同型
『ブリュッヒャー』『プリンツ・オイゲン』『アドミラル・シェーア』以下2205年までに56隻
【概要】
地球防衛軍の欧州管区にあるドイツ宇宙軍の設計陣が設計した主力巡洋艦。遠洋型を目指す理由になったのは『リットリオ』級で記載したので省く。ドイツらしく重装甲ではあるが2205年のディンギル戦役時では迫り来るハイパー放射ミサイルの前では自慢の重装甲は見る影もなかったのである。
『高雄』級宇宙巡洋艦
自重 16,000トン
全長 230m
主機 03式HWVED型中型次元波動エンジン×2基(ツイン式)
武装 艦首拡大波動砲×1門(拡大・集束可能)
50口径30.5サンチ三連装陽電子衝撃砲×3基
50口径20.3サンチ連装陽電子衝撃砲×2基(艦体側面)
76ミリ連装対空パルスレーザー砲14基
両舷側面短魚雷発射管×10#基
二段式四連装ミサイル発射管×1基
艦首魚雷発射管×6基
同型
『高雄』『愛宕』『摩耶』『鳥海』『妙高』『那智』『足柄』『羽黒』以下2205年までに28隻
【概要】
地球防衛軍の極東管区にある日本宇宙軍の艦本部が『ブリュッヒャー』級を修正して日本独自に建造した宇宙巡洋艦。日本宇宙軍は砲火力に納得出来なかったので後部のカタパルトを撤去して第三砲塔を設置。また、側面には20.3サンチ連装陽電子衝撃砲2基を搭載して上下への砲撃を可能とした。
また『ブリュッヒャー』級よりも重装甲を施している。(就役していた艦も順次改装)これは銀河系大戦で経験した事であった。
これだけ施せば機動力は低下するので中型エンジンをツイン式に搭載した事で機動力低下は防げた。艦本としては大型エンジンを搭載したかったが財務省が懸念を上げたので取り止めになった経緯があり艦本は財務省を憎んでいる。
初陣は『高雄』『愛宕』『妙高』による暗黒星団帝国への遠征であり砲火力は十分に通用したのである。
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