西暦2205年、銀河系中心部の宇宙で大きな異変が生じた。突如現れた異次元断層から別の銀河が現れ、核恒星系付近で銀河系同士の衝突が起こり、多くの星々が消滅したのである。
これを観測していた地球連邦は直ちにこの宇宙災害の調査と軍事技術協定の同盟を締結している「ガルマン・ガミラス」帝国の本星へ救援の艦隊を送る事にした。
「済まんが御主の艦隊を率いて確認をしてほしいんじゃよ」
「それは勿論、構いません。メルダも気にしていたようなので」
「妊婦だから連れては行くなよ?」
「いや、それは薫達もですから」
地球連邦軍宇宙艦隊司令部で第五艦隊司令官の将和は地球連邦防衛軍総司令長官の正信からそう言われるのである。その後、将和の第五艦隊は地球を出撃してガルマン・ガミラスに出向くが本星は銀河の衝突の余波で廃墟と化していたのだ。
「デスラーパレスは完全に廃墟と化しています」
「そうか……」
将和は弔砲をしてから本星を離脱するもその帰還途中に惑星の爆発の余波で無差別ワープをするがワープ場所は水の惑星に襲われている星だった。
「司令、救助するか?」
「……周囲の索敵をしろ(これって……)」
「はい……あ、惑星後方約150宇宙キロに正体不明の艦隊発見!!」
「……彼等の故郷だろう。無理に刺激したくない、そのまま帰還する」
『三笠』はそのまま艦隊を引き連れて帰還するが別の艦隊と遭遇する事になる。
「左舷10時方向に正体不明の艦艇多数!!」
「正体不明の艦艇、ミサイルを多数発射!!」
「迎撃ミサイル発射!! 装甲が厚い無人艦を楯にしろ!!」
第五艦隊は応戦するが無人艦の被害が続出してしまい穴が開いてしまう。
「駆逐艦『磯波』轟沈!!」
「最新鋭の『Z』級駆逐艦を一発でか!?」
「司令、分析をしているが相手のミサイルはどうやら強い放射能を含んだミサイルらしい。至急、全員に宇宙服を着させてくれ!!」
「よし、宇宙服着用!! 急げ!!」
なお、『三笠』も2発が命中してしまうが隔壁を閉鎖する事で被害を最小限にする。
「主砲撃ちまくれェ!!」
「主砲撃ちながら全艦後退せよ!!」
それでも第五艦隊は喪失艦艇を出しながらも逃げ切る事に成功する。それを見ていたディンギル宇宙軍第一機動艦隊司令長官のルガール・ド・ザール中将は舌打ちをする。
「チッ、逃したか」
「追撃しますか?」
「いや、燃料も少ない。ウルクに帰還しよう」
そしてディンギル艦隊も都市衛星『ウルク』に帰還するのである。その後、第五艦隊は態勢を建て直しつつ地球に帰還した。
「地球から3000光年の位置に水惑星かの」
「そうです。まぁ地球には3000年後に来ると思いますが……」
「御主の艦隊と遭遇した正体不明の艦隊が気になるところじゃな……」
「油断ならないと思います」
「ん。シリウスとケンタウルス方面は勿論太陽系艦隊にも警戒するよう発令しよう。今日はもうそのまま帰る事じゃな。皆、御主が帰ってくるのを首を長くして待っとるわい」
「あー、そういやそうですな」
正信に言われた将和は久しぶりに官舎から一軒家に引っ越した我が家に帰る。
「お帰り、将和」
「あぁ。ただいま、メルダ」
出迎えたのは『太陽膨張事件』後にガルマン・ガミラスとの架け橋として結婚した三好メルダである。なお、メルダの腹には将和との子を宿したばかりでもあった。
「まぁ取り敢えずは腹ごしらえね」
奥からヒョコっと出てきたのはこれまた妊婦の薫である。
「万が一もある。皆はシリウスかケンタウルス方面に避難を……」
「『三笠』に乗るわ。妊婦でもやる事はあるしね」
「おい薫ッ」
「皆で決めていた事なの。それは譲れないわ」
緑茶に角砂糖を大量に入れて飲んでいるリンディは将和にそう言う。また、リンディも『太陽膨張事件』後に子を宿したばかりである。なお、玲はまだ飛びたいとの事なので宿してはいなかったりする。
ちなみに此処にはいないがプレシアも色んな意味で三子も授かり今は科学庁でサーダと共に研究開発をしている。
「…………はぁ………」
全員の表情を見て将和は説得を諦めた。どうも三好家になった女性は頑固になるばかりであった。
「……分かった。取り敢えずは一つ約束してくれ……皆、死ぬなよ」
『勿論』
将和の言葉に薫達は笑みを浮かべてそう言うのである。そして水惑星が地球に向けて接近してくる事を知った地球連邦はシリウス、ケンタウルスへの一時的な地球市民の移民を開始する。
しかし、それに待ったをかけたのがディンギル帝国軍であった。
「長官!! 冥王星基地からの通信、途絶しました!!」
「何!?」
「更に海王星基地から緊急電!! 第五艦隊と遭遇した敵艦隊からの攻撃を受けているとの事です!!」
「……成る程。そういう事か」
「長官?」
「奴等はワシらの地球を水惑星にぶつけてから地球に住み着く算段のようじゃ。それは出来ん、全地球艦隊は直ちに土星沖に集結!! 敵艦隊を撃滅するんじゃ!!」
「はッ!!」
(じゃが……パエッタの第二艦隊はシリウス、山南の第七艦隊は友好を兼ねてアマールに、カールセンの第十五艦隊はケンタウルス、残っているのは新鋭が故に待機していたルフェーブルとパストーレの第三、第四艦隊のみ……将和の第五艦隊が間に合えば良いが……やむを得んの)
正信はそう言ってスラスラとメモを書いて秘書の西条を呼ぶ。
「西条君、至急この人と連絡を取るのじゃ」
「……ちょ、長官!? この人は……ッ」
「それと虎徹、『長門』艦隊を集めろ」
「ッ長官!?」
「……ワシら老骨の出番が来たというわけじゃな」
そして土星沖にて地球連邦軍防衛艦隊の二個艦隊がディンギル艦隊と交戦を開始する。
「拡大波動砲、発射ァッ!!」
「ワープ!!」
「敵艦隊、小ワープしました!! 左舷に重力震です!!」
「ハイパー放射ミサイル、発射ァッ!!」
二個艦隊は拡大波動砲での先制攻撃を仕掛けるもディンギル艦隊はワープして回避、側面からの水雷艇隊によるハイパー放射ミサイル攻撃により壊滅する。ディンギル艦隊はそのまま土星に設置されたコロニーを攻撃しようとするも駆けつけた将和の第五艦隊により壊滅、地球への攻撃は頓挫する。
「唯一の道は敵のワープより前に水惑星の軌道を変える事じゃ。そのための遠征艦隊ーー聯合艦隊を出す」
「聯合艦隊を?」
「無論、御主の第五艦隊もじゃ。そして司令長官にはーー」
『私は宇宙戦艦『ヤマト』初代艦長の沖田十三である。同時に聯合艦隊司令長官にも就任した。遠征艦隊は直ちに出撃準備に移行せよ!! 繰り返す、遠征艦隊は直ちに出撃準備に移行せよ!!』
重度の宇宙放射線病から奇跡の復活をした沖田十三が聯合艦隊司令長官に就任しディンギルに向かうのである。
「済まないな長門……お前を日本に連れて帰りたかったがそうもいかんようだ……許してくれよ………」
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