『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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自身の誕生日投稿に間に合った!


第五十話

 

 

 

 

 

 

 

「キャゼルヌ少将、大分追い込まれたようだな」

「はい。ですが防御だけならまだ12日間は粘れます」

「フム。流石は補給の神様といったところか」

「いえ、山南司令らのおかげであります」

 

 バイエル符号の名称は『おおいぬ座a星』とも言われオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと共に冬の大三角を構成するシリウス、そのアステロイドベルト帯で構成されている宙域で地球防衛軍宇宙軍の第七艦隊は暗黒星団帝国の三個艦隊と一週間ばかりの交戦を継続していた。

 第七艦隊はこれまでの近海型の戦闘艦艇とは類を異なっていた艦艇で編成されていた。というのも次世代型の宇宙艦艇ーー遠海型の宇宙艦艇ーーが防衛軍でも生産を開始しており第七艦隊はその実験艦隊として編成されたのである。また、第七艦隊には各国が独自に開発生産配備された戦艦も配備されていた。

 各国が開発生産配備したのは護衛戦艦という宇宙開拓団を護衛するがために出てきたモノであった。その為第七艦隊は都合六か国の先進国(日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・ロシア・フランス)で構成されていた。

 

 

 

 

 

 第七艦隊

 司令官 山南修大将

 参謀長 アレックス・キャゼルヌ少将

 首席参謀 アンドリュー・フォーク大佐

 旗艦

 『春藍』

 

 戦艦(護衛戦艦も含む)

 『春藍』『アリゾナ』『ビスマルク』『プリンス・オブ・ウェールズ』『ノーウィック』『アイアース』『リシュリュー』

 

 巡洋艦

 『青葉』『古鷹』『アストリア』『ウィチタ』『ニュルンベルク』『ハーゲン』『ケント』『シャロップシャー』

 

 無人戦艦

 『B-1』から『B-18』

 

 無人巡洋艦

 『C-1』から『C-32』

 

 パトロール艦

 『フィジー』以下6隻

 

 補給艦

 『サクラメント』『ブルー・リッジ』

 

 

 今回の第七艦隊での遠征は長距離航海が目的であった。その為無人艦の数が多かった。そして第七艦隊がシリウス方面に到着、演習を行っている最中に暗黒星団帝国艦隊による攻撃を受けたのだ。山南は直ちに無人艦艇を前衛に投入して攻撃を避わしつつ後退をしていたがそれでも暗黒星団帝国艦隊の攻撃は苛烈を極めていた。当初は無人艦艇も更にもう少しあったのだが暗黒星団帝国艦隊の攻撃で撃沈、損傷後退していたのだ。

 

「地球との交信はまだ回復しないのか?」

「はい。向こうの電波妨害が強すぎます」

「ムゥ……ガミラスの技術をも加えたスーパー・タキオン通信でも駄目か……」

 

 地球が使用するスーパー・タキオン通信は地球がガミラス戦役より前に使用していたタキオン通信より遥かに強化されていたがそれでも暗黒星団帝国のが上手だったのだ。

 

「……山南司令……」

「フォーク大佐、傷の具合は良いのか?」

「死んではいないので大丈夫です。此処でへこたれている場合ではありません」

 

 首席参謀のフォーク大佐は最初の戦闘時の被弾の衝撃で転倒し負傷していたがそれでもフォーク大佐は直ぐに艦橋に戻って意見具申をしたりしていたがそれでも限界だった事もあり先程まで医務室にいたのだ。

 

「やはりこれ以上の膠着は敵の増援を引き寄せるばかりです。此処は拡散波動砲での膠着の打開をするしかありません」

「だがフォーク大佐、『春藍』らで拡散波動砲を撃ってもエネルギー切れを起こすぞ」

「違います。無人艦艇で拡散波動砲を撃つのです。その隙に我等は脱出を図ります」

「ほぅ、無人艦艇を囮にか」

「そうです、こんな時の無人艦艇です。今、使わずにいつ使用するのですか」

 

 フォークはそう山南に具申する。山南も戦局を打開する事が可能ならと許可したのである。そしてフォークらが実行に移そうとした時、対空タキオンレーダーが反応したのである。

 

「敵機か?」

「いえ……IFFでは味方のコスモタイガーとなっています!!」

「長官ッ!?」

「落ち着け首席参謀。兎に角確認を急がせるのだ」

 

 この時、第七艦隊に接近してきたのは正しく将和の艦隊(『三笠』)から発艦した玲が乗るコスモタイガー2とその一個小隊3機であった。玲もコスモタイガー2に搭載されている簡易式のタキオンレーダーで第七艦隊を確認したのである。

 

「見つけたッ。鶴見、直ちに『三笠』に連絡だ!!」

『了解!!』

 

 山本の小隊は直ちに『三笠』へ通報した。山本小隊からの連絡を受信すると将和は直ぐに作戦会議を艦橋で開く。

 

「第七艦隊は左右後方をアステロイドベルト帯を囲んで防衛戦を展開している。そして敵艦隊は正面からしか攻撃していない」

「アステロイドベルト帯を通ろうとすれば狙い撃ちをされると分かっているからだな」

「そうだ。そこで我々は艦隊を二分に分けて敵艦隊の後方に小ワープする。ただし、敵艦隊が逃げやすいように穴は開けておく」

「成る程。完全に包囲してしまえば向こうは死兵となってがむしゃらの突撃をしてくるかもしれない……というわけか」

「その通りだトーレ。此方は長駆の旅に出るからな、無駄な損失は極力減らすつもりだ」

 

 トーレの答えに将和は頷く。

 

「……他に意見が無ければこの案で行くが?」

『………無しッ』

「……了解。作戦に移行する、総員小ワープの準備に移れ!!」

 

 そして艦隊は小ワープに移行したのである。その頃の第七艦隊も本格的に追い詰められていた。

 

「巡洋艦『古鷹』大破!!」

「同じく『ケント』航行不能!!」

「無人戦艦『B-9』轟沈!!」

「長官!!」

「落ち着け。全艦に通達せよ、損傷艦艇を内側にして紡錘陣形を取るのだ!! そのまま全艦、砲撃を集中し敵の包囲陣の一角を突き崩すのだ!!」

「了解!!」

 

 第七艦隊は直ちに山南の命令に従い紡錘陣形に移行する。だが、索敵のオペレーターが叫んだ。

 

「敵艦隊後方にワープアウト反応です!!」

「敵の増援か!?」

「いえ、この反応は……」

 

 現れたのは防衛軍の艦隊ーー将和の艦隊であった。艦隊が現れた事に暗黒星団帝国艦隊は焦った。

 

「後方にワープアウト反応!! 識別からして新たな敵艦隊です!!」

「何!? 地球攻略軍の撃ち漏らしがいたのか!!」

「敵艦隊、突撃してきます!!」

 

 将和の艦隊は巡洋艦隊を先頭に突撃を開始する。その巡洋艦隊を率いていたのはガトランティス戦役でも将和の下で働いていた三木大佐であった。

 

「突撃!! 奴等を徹底的に叩けェ!!」

 

 三木大佐は乗艦『愛宕』の艦橋で吠える。巡洋艦隊は全て最新鋭の『ブリュッヒャー』級主力巡洋艦でありしかも『愛宕』は更に日本式に改良された『高雄』級主力巡洋艦でもあった。主砲の50口径30.5サンチ三連装陽電子衝撃砲と副砲の50口径20.3サンチ連装陽電子衝撃砲が連続斉射をしまくる。

 果てには二段式四連装ミサイル発射管と艦首魚雷発射管も乱射しまくって敵暗黒星団帝国艦隊を攻撃しまくるのである。

 

「後方に展開していた艦艇の殆どが撃沈されました!!」

「お、おのれェッ!?」

「直撃、来ます!!」

「ッ!?」

 

 暗黒星団帝国艦隊旗艦は『高雄』からの砲撃が艦橋に命中、誘爆して撃沈するのである。旗艦が撃沈した事に残存艦艇は砲撃を続行するか逃げるかの二者択一であった。前者を取る艦艇は少なく、多くは後者であった。

 

「敵残存艦艇、撤退していきます!!」

「スカさん、奴等のワープする位置を探れないか?」

「成る程。奴等が本星方面に向かえば御の字だな。直ちにやってみよう」

 

 スカさんが解析に取り掛かる中で将和の『三笠』は『春藍』の左舷200に付いて程なくしてメインパネルには第七艦隊司令長官の山南中将らが映し出された。

 

「お久しぶりです山南中将」

『ウム。君らも息災で何よりだよ。しかし、よく我々を見つけてくれた。恩にきるよ……』

『お、マサカズじゃないか。久しぶりだな』

「ありゃ、キャゼルヌ先輩じゃないですか。そうか、参謀長をしてたんですね」

『あぁ。それとコイツもいるぞ』

『……お久しぶりです三好先輩』

「……まさかお前もいるとはなフォーク」

 

 メインパネルには申し訳なさそうな表情をするフォーク大佐が映し出される。

 

「知り合いですか?」

「ん、あぁ。防衛軍学校の時の後輩でな、秀才や英才とか鼻にかけて調子乗っていたところを俺と守が戦略シミュレーションゲームで目茶苦茶に鼻を折らしたんだ」

『……その話は勘弁して下さいよ。今でもトラウマなんですから……』

 

 ウーノの問いに将和がそう答えるとフォークは申し訳なさそうな表情をする。

 

『あれからは心を入れ換えて目標を三好先輩にしているんです。慢心はしませんよ』

『そうだな。コイツのおかげでガトランティス戦役も助かった時があるしな』

 

 フォークの言葉を補足するようにキャゼルヌがそう言う。

 

「オイオイ、俺を目標にするなら土方の親父とかにしろよ」

『土方さんは……その……顎が痛むので……』

「あぁ……確かアッパーされてた記憶があるな」

 

 亡き土方の防衛軍学校教官時の記憶を思い出す将和であるが今は懐かしむ時ではなかった。

 

『我々、第七艦隊はシリウスに到着した時に敵艦隊に襲われてな。何とかフォークの作戦や山南長官の指揮で此処まで逃げてきたんだ』

『そこに先輩達が来てくれたんですよ』

「成る程」

『しかし、何故君達が此処まで航海を? 『三笠』のシリウスまでの航海は予定に入っていなかった筈だが……』

「……その様子だと連絡が来ていなかったようですね」

 

 そして将和は山南長官らに暗黒星団帝国軍が地球を占領した説明をするのである。

 

『地球が……占領……!?』

『本当ですか先輩?』

「あぁ。信じたくはないだろうけどな、だが変えようのない事実だな。けど俺達はソイツを変えなくちゃならん。重核子爆弾の起爆装置を破壊し暗黒星団帝国を倒すんだ」

『ウム……だがその様子では我々第七艦隊が地球に帰還してもその爆弾がある限りは意味が無いという事になるな。その敵の本星とやらの位置は確認出来ているのかね?』

「爆弾の太陽系侵入ルートから逆算しおおよその方角は判明していますが正確には……かつて『ヤマト』がイスカンダルを見つけた時のように何とか進みながら探索するしかありません」

 

 山南の質問にスカリエッティはそう答える。だがその答えに山南は違和感を覚えて後ろにいたキャゼルヌとフォークを見る。

 

『どう思うね参謀長?』

『はっ、もしかすると……』

「何かありましたかキャゼルヌ先輩?」

『我々が敵艦隊に遭遇した時、偶然にも我々は敵の丁度正面からワープアウトを観測出来たんだ』

「そうか……空間歪曲のエコーか……キャゼルヌ参謀長、そのデータを此方に転送して下さい」

「空間歪曲のエコー……? 何なんですそれは?」

 

 スカリエッティは何か確信があったのかキャゼルヌにそう言うが聞き慣れない言葉に航海席に座っていた島から質問が飛ぶがスカリエッティが答える。

 

「大きな質量を持つ物体……例えば戦艦等がワープアウトをする際、その進行ベクトル前方に波紋状の空間歪曲波のエコーを放出するんだ。微弱な空間歪曲波だから前方からしか観測出来ないんだけどね」

「そしてそのエコー形状はワープの距離によって左右されるってわけさ」

「ん? いたのかトチロー」

「最初からいたぞ」

「どうせキャゼルヌ先輩がいたから隠れてたんだろ」

「へへッバレたか」

 

 将和の問いにニカッと笑うトチローである。トチローもキャゼルヌには大分迷惑をかけてきたので頭が上がらない模様である。

 

「じゃあ敵が来た方向だけでなくどれぐらいの距離を飛んできたかまで分かるわけなんですね」

「そうだよ。ただ敵が我々のように連続ワープを行っていなければの話だけどね」

「……お、出たぞ。銀河系外周から……凡そ20万光年先だ」

「20万光年……そこには何か星系があるんですか?」

「いや、何もない……だが、その更に20万光年程向こうには巨大な暗黒星雲があるな……」

「そうなると奴等は40万光年も彼方にある暗黒星雲の向こう側から来たかもしれんな……」

 

 トチローの報告に将和は腕を組んでそう呟く。

 

「そうするとこの20万光年の地点には敵の中間補給基地のようなモノがあるかもしれないな」

「まだ取り敢えず敵が来た方向と距離は分かったわけです。そこまで行ってみるしかないですね」

「ちょっと待てよ太田。トチローさんの言う通りだと敵の基地があるかもしれないんだ。我々の艦隊だけでくぐり抜けられるか?」

 

 太田の言葉に南部がそう返すが南部の質問を返したのは山南だった。

 

『ウム、その点については提案がある。針路の事は兎も角、我々第七艦隊は動ける艦だけでも君達に合流し敵本星まで旅に同行しようと思う』

「本当ですか?」

『あぁ。損傷の酷い有人艦は此処に残して継続して修理作業を行えば旅立った後に援軍としてこのシリウスから補給する事も可能だろう』

「では艦隊の指揮は山南長官が……」

『いや、指揮は三好少将が……『三笠』が執るべきだと思う』

「しかし……」

『暗黒星団帝国との戦闘経験に関してはイスカンダルで既に同じ敵を撃破している君達に1日の長があるのだ。地球防衛軍が崩壊している今、私の肩書きなどには意味が無いさ……君達が執るべきだ』

「………分かりました。指揮を執らせて頂きます」

「そうと決まれば早速修理班を向かわせます」

「『雪風』には俺の工作機械をたんまりと積んである。あれを使おう」

 

 斯くして山南中将の第七艦隊は将和の艦隊と合流、損傷が酷い艦はシリウス宙域で修理作業が続けられ増援として向かう事になるのである。そして艦隊は『春藍』等損傷が軽い艦艇の修理が終わり次第、出撃するのであった。

 

「これより艦隊ーー『聯合艦隊』は銀河系を離脱し敵本星があると思われる方向への超長距離連続ワープを行う。ワープ準備!!」

「ワープ準備完了!!」

「ん、ワープ開始!!」

「ワープ!!」

 

 そして聯合艦隊は超長距離連続ワープを開始するのであるが……敵は待ち構えていたのである。

 

 

 

 

 

 

 




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