BGMは『未知なる空間を進むヤマト』で。
スカリエッティの登場に驚愕するリンディだが、将和の説明等により取り敢えずは矛を納めて説明を聞きそして長い地球の現状の説明は終えたのである。
「それではこの艦は今、地球からは……」
「えぇ。他の艦隊と共に聯合艦隊を編成して地球から19万光年の付近を航行しています。無論、敵の母星を目指すためにね」
そう言って将和は通信画面を外部に切り替えてリンディに見せる。映像を見せられたリンディは目を見開いて驚愕する。そこには宇宙空間を航行する多くの艦艇があったのだから。
暗黒星団帝国殴り込み艦隊
司令官 三好将和少将
旗艦『三笠』
戦艦
『三笠』
『リットリオ』
『ローマ』
『春藍』
『アリゾナ』
『ビスマルク』
『プリンス・オブ・ウェールズ』
『ノーウィック』
『アイアース』
『リシュリュー』
巡洋艦
『プリンツ・オイゲン』
『高雄』
『愛宕』
『妙高』
『リアンダー』
『青葉』
『アストリア』
『ニュルンベルク』
『シャロップシャー』
パトロール艦
『天塩』
『撫子』
『秋桜』
『杜若』
『フィジー』
『パナマ』
『ナウル』
『山東』
『サハリン』
『旅順』
自動大型戦艦
『クレイモア』
『タルワール』
『フィランギ』
『ロンパイア』
『カットラス』
『クシポス』
『サクス』
『B-1』から『B-8』
自動駆逐艦
『レイピア』以下16隻
補給艦
『速吸』
『サクラメント』
『ブルー・リッジ』
『間宮』
特殊駆逐艦
『雪風』
「………これ程の艦隊とは……」
「あぁ、シリウス方面で修理等をしている艦も複数いるのでまだおりますよ」
「そんなにですか!?」
まだ他にも艦艇がいる事にリンディも仕舞いには呆れてしまう程であった。
(これは……地球には手を出すなという警告ね……)
リンディは頭の回転を素早く行いその答えを導き出した。特にロストギアに匹敵する波動エンジンを地球は保有しているのだ。それを管理局が接収するとか訳の分からん事を言い出したら地球が取る唯一無二の考えられる選択はーー戦争であろう。しかもリンディは映像であるものの波動砲も確認しているので管理局が余計な事をすれば逆に管理局が滅ぼされるのは目に見えていた。
(戻れたら直ぐにそう言わないとね……)
そう判断するリンディであったが残念ながらリンディは二度と元の世界に戻る事は叶わなかったのである。なお、リンディの身柄はゲスト・アドミラルとして『三笠』で預かる事になる。
それはさておき、殴り込み艦隊は地球から19万光年まで航行していたが将和は20万光年で何かあると踏んでいた。
(絶対に中間補給基地が百パーあるのは間違いないわな……取り敢えず索敵機を増やして捜索だな……)
「索敵機を出す。準備を頼む」
「分かりました」
斯くして各艦が搭載しているコスモタイガー、総勢18機が索敵のために発艦したのである。『三笠』の航空隊は使わなかった。否、『三笠』の航空隊は中間補給基地攻撃のため待機せざるを得なかったのだ。
そして将和の勘は当たった。偵察中の1機の索敵機が暗黒星雲を背にした敵の大中間補給基地を発見したのである。
「狙いは当たったか。山本、全機出せるか?」
『勿論です』
「お前もか?」
『……………』
将和は画面に映る玲を見る。玲も一呼吸してから頷いた。
『はい、任せて下さいッ』
「よし。行ってこい!! コスモタイガー隊は全機発艦!!」
直ちに『三笠』のコスモタイガー隊(コスモタイガー2×34機 コスモタイガー3乙×1機)が発艦を開始したのである。艦底の発艦口から次々コスモタイガーが発艦する中で玲のコスモタイガー3乙はリニアカタパルトに装着されそのまま発艦する。
「クッ、相変わらずのじゃじゃ馬だ……」
玲はパワーが有り余る3乙を操作しながらそう呟く。3乙は3甲に比べたら多少はパワーダウンしていたもののやはり平凡のパイロットが操作するには難があった。そのため『三笠』には玲と将和用としての2機のみが搭載されていたのだ。
「全艦に通達、戦艦を前衛に砲撃準備を急がせろ。『春藍』及び全戦艦に発光信号。『三笠』を先頭に単縦陣で突撃するぞ!!」
「了解!!」
「全艦砲撃用意!!」
「全艦砲撃用意!!」
殴り込み艦隊は戦艦を前衛にして戦闘準備に移行したのである。そして『三笠』から発艦した攻撃隊は暗黒星雲からのガスに紛れながら中間補給基地を発見した。
「敵の頭上から逆さ落としで攻撃する。全機突撃!!」
『先に行きますぜ隊長!! イヤッホォォォ!!』
『坂本の馬鹿!!』
「椎名、坂本を援護してやれッ」
『了解ですッ』
そして35機の攻撃隊は一気に急降下をして頭上からの逆さ落としの攻撃を開始する。
「貰ったッ」
玲はミサイルの発射スイッチを押してミサイルを発射する。放たれた2発のミサイルは中間補給基地の構造物に命中し爆発する。そのまま玲は急降下して停泊していた敵艦艇に照準してミサイルを発射する。他のコスモタイガーもミサイルを発射して停泊している敵艦艇を爆沈させていく。玲は上空を旋回しているとドーム内にも多数の艦艇が停泊しているのを確認し無線を開く。
「ドーム内に突入する。続け!!」
コスモタイガー隊はドーム内に突撃しようとするが半開きだったドームが稼働して閉じていく。それを見て玲は突入を中止させた。
「チッ!! 全機反転、上昇!!」
コスモタイガー隊は上昇していくが敵も漸く迎撃態勢を整えて対空砲火を開始し数機のコスモタイガーが火を噴いて離脱していく。
「厄介ね……」
玲はそう呟きつつ改めて補給基地上空から偵察をする。ドームへの突入にはどれもこれも対空砲火を潜らなければならないが……見つけた箇所はあった。
ドーム内へ続く通路があった。コスモタイガーでも飛行可能であろう。だからこそ玲は即断した。
「彼処しか侵入路は無いわ……ドーム内に突撃する!! 全機続け!!」
『隊長に続け続けェ!!』
玲は操縦桿を倒して急降下を開始する。それに続いて坂本や椎名も急降下を開始する。コスモタイガー隊が急降下してくるのを見て対空砲も射撃を開始する。急降下する中でまたも数機のコスモタイガーが撃墜されるが被害はそれだけであった。
玲を先頭にコスモタイガーは通路へ侵入に成功したのである。青白い光に操縦席が包まれる。狭い通路ながらも激突して墜落しないのは『三笠』の飛行隊はベテラン揃いだからだろう。そして飛行を続ける中で出口と思わしき光が大きくなり通路から飛び出た。
そこはドーム内であった。玲は付近にいた戦艦に照準してミサイルを発射する。発射したミサイルは敵戦艦の艦橋に命中して爆発、敵戦艦は瞬く間に轟沈した。
他の坂本達も停泊していた艦艇にミサイルを叩き込むのである。そしてコスモタイガー隊はミサイルを全弾発射したので離脱するのであった。
「敵攻撃機引き上げていきます!!」
「おのれェ!! 護衛艦艇は何をしているんだ!!」
「そ、それが護衛艦艇も丁度補給を開始していたところで……」
「グググッ……全てが裏目に出たか!?」
部下からの報告に中間補給基地司令官のグノン大佐は地団駄する。
「ドック内に停泊していた艦艇の被害は!?」
「はっ、停泊していた72隻中44隻が轟沈。17隻が大破しました。ですが残りの11隻は補給を切り上げて順次出撃していきます!!」
「よし、警戒を厳にしろ!! 奴等はまた来るぞ!!」
グノン大佐の読みは当たっていた。コスモタイガー隊が引き上げていった後、『三笠』を先頭にした殴り込み艦隊が到着したのである。
「コスモタイガー隊は後方へ退避。トーレ、射程距離に入り次第砲撃開始だ!!」
「了解!!」
そして艦隊が前進する中で基地も動き出した。どう見ても暗黒星雲に退避しようとしていた。
「見ろ、基地が動き出した!?」
「どうやらあの基地自体が巨大な宇宙空母も兼ねているようだね」
島の言葉に同じく映像を見ていたスカリエッティは納得したように頷いた。気付けば基地の周囲には残存艦艇が布陣していた。
ふと将和はトーレの隣に設けられた特別席に座るリンディを見る。ゲスト・アドミラルという事でわざわざ席を用意したのだ。後方からではあるがリンディの身体は若干震えているように見えた。
(目を逸らさないのは提督としての責務……か……)
リンディの意気込みに将和は笑みを浮かべる。そして中間補給基地が『三笠』の射程距離に入った。
「撃ちぃ方始めェ!!」
「撃ェ!!」
前部の56サンチ陽電子衝撃砲、30.5サンチ陽電子衝撃砲が砲撃を開始しエネルギー弾は全て中間補給基地に命中する。
「右砲戦とする。とぉーりかぁーじ!!」
「とぉーりかぁーじ!!」
『三笠』は軽快な動きを見せて取舵をする。続いて『春藍』もその地点から取舵をして右砲戦の為砲塔を右旋回して中間補給基地に照準し次々と砲撃を開始する。
敵の護衛艦艇も砲撃してくるが全艦が波動防壁を展開していたので無傷であり、11隻の護衛艦艇は1隻、また1隻と砲撃によって撃沈させられた。
「味方護衛艦艇、全て撃沈されました!!」
「馬鹿な……馬鹿なッ!?」
「大変です司令!!」
驚愕するグノンに部下が叫ぶ。
「敵の流れ弾が四番外殻に被弾!! 爆発の影響で格納ドームの火災が動力炉に燃え移りました!!」
「な、何だと!?」
そこへ爆発音と揺れが響く。
「第四動力炉が爆発停止しました!! このままでは全ての炉が連鎖爆発をします!!」
「駄目です、第二動力炉溶解!! 第三動力炉も出力停止!!」
「あぁ、第一動力炉も!?」
「そんな……そんなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
中間補給基地は誘爆が続き、最後に一際デカイ爆発をしてから中間補給基地は大爆発をしたのである。
「敵中間補給基地の殲滅を確認!!」
「太田、念のためだ。周囲の捜索を汲まなく行え」
「了解!!」
指示を終えた将和は席を立ちリンディのところに歩む。
「御覧になられたと思うが、如何だったですかな?」
「……これが……これがこの世界の戦争なのですね……」
リンディはフゥと深く息を吐く。
「……大変勉強になりました」
「それは良かった。だがお疲れだろう、部屋に戻られた方が宜しい。ウーノ」
「分かりました。ハラオウン提督、此方へ」
リンディはウーノに促されフラフラと第一艦橋を後にするのであった。
「……何だか頼りない提督だなぁ。スカさん、あれが時空管理局とやらの提督なんでしょ?」
リンディが出ていった後に相原がスカリエッティに聞く。なお、島や相原達はスカリエッティらの事は大分前から聞いていたので特に問題はなかった。
「まぁ武装組織と言っても警察の延長線みたいな事をしているからね」
「成る程。そうなると日本で言ったら機動隊や海保みたいなモノか」
「そういう事だ。まぁ彼女が悪いわけではないがな」
そう言うスカリエッティだった。
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