『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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第六十話

 

 

 

 

 

「フム……困ったもんじゃな……」

「ですな……」

「ムゥ……」

 

 正信の言葉に藤堂と芹沢も同じく唸るように呟く。場所は暗黒星団帝国戦役から一月後の防衛軍総司令部であり3人が悩んでいたのは防衛軍艦隊の再編成であった。

 今回の暗黒星団帝国戦役において地球軍の艦隊が動いていたのは有人5個艦隊と3個無人艦隊であった。そのうちの有人2個艦隊相当はケンタウルス座方面に駐屯し、更に1個艦隊はシリウス方面へ長期航海訓練に出ていた。その中での暗黒星団帝国軍の襲撃であった。

 モートン少将の艦隊がハイペロン爆弾の迎撃に出たがハイペロン爆弾からの殺人光線により全乗員が戦死してしまい、地球に残っていた艦艇は全て地球攻略軍のカザン艦隊に撃滅されていた。

 イカロスで改装していた『三笠』やパエッタ少将の残存艦艇が合流してケンタウルス座で再編成して敵本星への殴り込み艦隊がしたくらいであった。

 

「乗員の再編成もですが……将官クラスが不足しています」

「ウム……山南に聯合艦隊司令長官に就任してもらうのはまずまずの無難じゃな」

 

 山南中将は大将に昇進した上で聯合艦隊司令長官に就任した。参謀長や首席参謀等は第七艦隊の面々であるキャゼルヌ中将(昇進)やフォーク准将(昇進)がそのまま流れ込む形で引き続き山南を補佐している。ちなみに旗艦は『春藍』である。

 

「佐官クラスを昇進させて将官にさせねばならないでしょう」

「じゃが佐官クラスもガミラス戦役や白色彗星戦役で少なくなっとるからのぅ」

「そうなると無人艦隊を暫く増設するしかありません」

「それは困る。迎撃態勢が不備じゃな」

「なら前者しかありません」

「………リストはあるかの?」

「此方に」

 

 芹沢は予め分かっていたのか佐官・将官(准将クラス含む)のリストを正信に渡す。

 

「………………………」

「如何なされますか?」

「………………少なくともこの5人は艦隊司令官への昇進じゃな」

 

 正信はリストを見て氏名の下に赤線を引いていく。そして引き終わると芹沢と藤堂に見せる。

 

「ほぅ……」

「成る程。妥当な線ですね」

 

 芹沢と藤堂は赤線を引かれた氏名を見て納得した。

 

 

 ・三木大佐→准将に昇進の上、艦隊司令官へ

 ・クブルスリー中将→作戦本部長から艦隊司令官へ

 ・ボロディン少将→金星基地司令官から艦隊司令官へ

 ・水谷大佐→准将に昇進の上、艦隊司令官へ

 ・ミユキ・ホウメイ大佐→准将に昇進の上、艦隊司令官へ

 

 

 昇進者(将官)

 ・三好将和少将→中将へ昇進

 ・カールセン少将→中将へ昇進

 ・パエッタ少将→中将へ昇進

 ・チュン准将→少将へ昇進

 ・フィッシャー准将→少将へ昇進

 

 

「生きた航路図も昇進ですか」

「フォッフォッフォッ。どうせあやつも艦隊司令官は拒否るじゃろ。序でに良いところに案内してやるまでじゃ」

(また三好中将に押し付けるんだろうなぁ……)

 

 笑う正信に藤堂はそう思う。

 

「カールセンには引き続きケンタウルス座で駐屯してもらうかの。開拓民の件もあるしな」

「開拓民……大統領はまだ諦めてないのですか?」

「まだ早いって言っているのに民間企業にポロポロと溢しとるからの。そろそろあやつ暗殺されんかのぅ」

「長官!?」

「フォッフォッフォッ。冗談じゃよ」

(冗談には聞こえないんですが……)

 

 そう思う芹沢である。そして佐官が扉をノックして入室する。

 

「バレル大使がお着きになられました」

「おぉ、通してくれ」

 

 程なくしてバレル大使と駐在武官のメルダ・ディッツ大尉が入室する。

 

「バレル大使、お元気そうで」

「三好元帥も」

 

 二人は他愛ない話をしつつゆっくりと本題に入るのである。

 

「それで今日はどうなされたので?」

「我が祖国についてです」

「フム……?」

「我が祖国のガルマン・ガミラス星は元々ガルマン星でボラー連邦からの圧政を敷かれていたのをデスラー総統が解放した……此処までは以前に説明をしたと思います」

「伺っています」

「解放したのは良いのですが、それからはボラー連邦に目を付けられましてな。まぁ我がガミラス艦隊は精鋭ので他の支配宙域もガルマン・ガミラスが取り戻しています」

「……地球からも義勇軍を派遣してもらいたいと?」

「いえ、違うのです。他の支配宙域の住民の一部が地球に移住したいと……」

「移住……ですか?」

「はい。地球はこれまで幾度となく支配者を退けてきました。つい最近は暗黒星団帝国をも逆に滅ぼしています。それらを聞いた支配宙域の一部が移住したいと言うのです」

「成る程……」

「どうでしょうか?」

「私個人としては賛成です。しかし……」

「やはり多くの戦役が原因ですか……?」

「それもありましょう。ガミラスは元より内惑星戦争の時でも隕石落としを喰らいましたからな。ですが、地球に移住というよりも火星に移住……ではどうですかな?」

「火星に……ですか?」

「はい。火星は内惑星戦争前からテラフォーミングをして海もあります。ただ内惑星戦争後、火星は住民が退去しており無人です。火星も復興の対象にしており地球の復興が済めば火星も予定しておりました。それに火星だといざこざもそれ程は少ないかと思います」

「成る程……」

「どうですかな? それに火星には先の戦役で捕虜になって帰化した暗黒星団帝国人も復興の支援で火星に入植する予定です」

「何と……」

 

 この頃になるとスカリエッティの研究所も稼働しており日に10人の戦闘機人化していた。戦闘機人化した元暗黒星団帝国人達も多少のサイボーグは仕方ないとしてもちゃんと自分の足で地面に付けたり食事を楽しんだりする事が出来たので文句はなかった。

 

「それに元火星人達の再入植も予定しています。私としては火星を各人類の共栄圏にしたいと思っています」

「フム……それならば私としても異論はありませんな」

「それは良かった。ちなみに移住を希望するのはどのくらいでしょう?」

「……今の段階では5万人と私は伺っています」

『5万!?』

 

 バレルの言葉に流石の正信も芹沢らと驚くしかなかった。

 

「……そうなると輸送船が大量に必要ですな」

「長官。それにボラー連邦とやらにも警戒するための護衛の艦隊も必要です」

「フム……」

「輸送船は此方のを購入致しませんか? 幸いにもガミラス星からの移住は完了して輸送船が余っているのです」

「数はどれくらいありますかな?」

「恐らく10隻はあるかと……」

「分かりました、購入しましょう」

 

 即断だった。

 

「しかし……大統領に報告はしなくてもよいのですか?」

「あやつは今、座っているだけの者ですからな。選挙が終われば下野して田舎に帰らせるのでな」

 

 白色彗星戦役、今回の暗黒星団帝国戦役時に置いて大統領は何も出来なかった。やったのは白色彗星戦役時に土方元帥の艦隊が破れてそれをマスコミに早速発表して暴動を起こし、暗黒星団帝国戦役時には官僚の収監にサインをして無益な血を流せたりと色々やらかしているのだ。流石に大統領を選出させてもらった北米も「役に立たない史上最悪の大統領」と認識され何処にも立場はなかったりする。

 そのため選挙が終われば問答無用で下野されて田舎に引きこもる事になっている。正信からすれば銃殺刑にされないだけでも優しいだろう。

 ちなみに大統領側に立っていた者達も汚職が見つかったりして軒並み左遷されている。その中には太陽エネルギー省観測局長の黒田博士と地球連邦大学総長も含まれていたりする。

 そんなこんなで大統領は今や自身の判子を押す係になっているに等しい。無論、文民統制等の観点から見れば非常に問題でありしかも事実上のトップが軍部の正信だったりするからややこしい。

 だが、各国はそんな事は言わなかった。むしろ言えば今の大統領を認めた自分達にしっぺ返しが返ってくるのだ。しかも初代大統領にそんな不祥事を載せたのではやってられない。なので正信がトップで舵を切っているのは黙認しているのだ。(正信が日本国総理をして政権を担っていたから信用もあったりする)

 そのためバレルもこれ以上は探らないようにした。もしかしたら自分にも火の粉が降りかかるかもしれないと……。

 兎も角、方針は決まった。正信は報告書を纏めて大統領に提出し判子を貰って数日後に藤堂管区長官からの声明発表で火星への再入植が発表された。

 当初は驚きもあったが地球の復興後となっていたので市民達もそこまでは驚く事なく政府から発表された火星の再入植開拓団の交付にふーんという感じではあるものの元火星人達は書類を申し込んだりしている。

 そんな時に将和は正信に呼ばれたのである。

 

「移住船団の護衛任務?」

「ウム。ガルマン・ガミラス帝国がボラー連邦から解放した各惑星の住民が地球連邦に移住したいとな。入植場所は火星としての」

「あぁ、成る程……火星への再入植はそういう意味もあるのか」

「そういう事じゃのぅ。ところで、プレシアさんとはちゃんとやっとるかの? 他の新見君達も面倒見るのじゃよ」

「言われんでも見てるっての」

 

 プレシアとも関係を持った後、将和はプレシアに薫や玲達の事も伝えておりプレシアも承諾している。ちなみに後日に薫、玲、ウーノ、プレシアの4人が集まって何やら話し合いがあったらしいが将和も詳しい事は分からなかった。

 

「それと護衛の序でにガルマン・ガミラス星に寄って観艦式にも参加してくれ」

「それは序でになのか?」

「序でにじゃのぅ……」

 

 正信はそう言って机の引き出しから中将の階級章を取り出して将和に渡す。

 

「3日後に中将じゃ」

「まだないと思っていたんですが?」

「モートン少将らの戦死が響いて将官クラスが少ないんじゃよ。ワシも勘弁してほしいわい」

「デスヨネー」

 

 そう言って溜め息を吐く将和である。

 

「一応お前関連と『ヤマト』関連者はお前の艦隊に押し込めるつもりじゃからな」

「えぇ……」

「あやつらもお前と同様にクセが強いからのぅ」

(ひでぇ……)

 

 再度溜め息を吐く将和である。

 

「それと各艦隊も再編成するからの」

「了解です」

 

 それから数日後、地球連邦防衛軍宇宙艦隊は再編成に移行したのであった。

 

 

 

 

 

 




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