『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

80 / 93
第六十四話

 

 

 

 

 

 火星への再移民が始まってから半年後、火星は復興の道を歩んでいた。かつて火星最大の都市を誇ったアルカディア・シティは再建され宇宙港であるアルカディアポートも再建された。

 現在まではアルカディア・シティのみの復興であるが地球連邦が作成した『火星復興五ヵ年計画』では最初の一年でアルカディア・シティの再建とし、二年目~四年目でかつてアルカディア・シティ周辺に点在していたシティ群を再建し五年目で南部造船が主とした造船工場の再建が計画されていた。

 移民した住民同士のいざこざ(文化の違い)も多少はあるが基本的に治安は良かったりする。これは治安維持の為に空間騎兵隊が派遣されているからである。

 この派遣の為に将和の第十三艦隊に配備された第13空間騎兵隊が配置替えで火星駐屯となったのである。

 

「おーい明人、空いてるかー?」

「あ、瓜畑さん。カウンターなら空いてますよ」

 

 そんなアルカディア・シティのところにある食堂『ユートピア』に一人の宇宙軍尉官が昼メシを利用するためにやってきた。

 

「調子はどうだい明人?」

「まずまずってところですね。百合香は接客業に向いてなさそうですし……」

「それは地球にいた時からだろ……」

 

 明人の言葉に瓜畑は笑みをひきつらせる。そして食堂は段々と人が多くなりだしてきた。

 

「5番テーブルの注文でーすッ」

「はーい」

 

 人の出入りが多くなったので新しく雇ったザルツ人の主婦はよく働いていた。どうやら夫がガルマン・ガミラス軍にいて火星の派遣基地で働いているらしいから此処まで来たようである。瓜畑はそれを横目に本日の日替わりランチを食べている。

 

「それで……最近はどうなんだ店は?」

「まぁ……見ての通りの繁盛ですね」

 

 周りは地球人、火星人、ザルツ人、暗黒星団帝国人、他の星々の人々が食堂のカウンター、テーブルに座って昼食を食べ、注文を待っていたりする。

 

「だろうな。お前の食堂、評判になっているし他の人々の交流の場になっているからな」

「アハハハ、何もしてないんですけどねぇ」

「ただいま」

「ただいま」

 

 そこへ食堂の扉をガラガラと開けて入ってきた二人の少女がいた。一人は中学生くらい、もう一人は小学生くらいである。

 

「おっ、ルリルリとラピスちゃんも今日は早いな」

「今日は午前中だけですので」

「……昼からは明人と一緒……」

 

 表情があまり動かない二人だが、地球にいる時からの知り合いである瓜畑には二人が嬉しそうな表情をしているのを感じた。

 二人は天川夫妻の子どもであるものの養子である。ルリルリこと天川瑠璃はガトランティス戦役時に、ラピスこと天川ラピスは暗黒星団帝国戦役時に孤児となったのを明人が引き取って養子にしていたのだ。当初は二人とも明人や百合香に心を開かなかったが明人が作ったラーメンが美味しかったのでそれからは心を開いたのだ。

 二人は客からも人気であり特に暗黒星団帝国人からは「まるで電子の海にいる妖精のようだ」と『電子の妖精』という渾名があったりする。また、瑠璃は意外と毒舌であり「バカばっか」とよく呟いたりする。

 

「あー!? 瓜畑さんだ!!」

「よぅ艦長、元気そうで何よりだ」

「ブー、違いますー。今は明人のお嫁さんなんですよー」

 

 店舗兼住居の奥から出てきたのは明人の嫁である天川百合香でありその腹はポッコリと膨らんでいた。よーするに妊娠していたのだ。

 

「百合香ぁ……奥で休んどけって言っただろ」

「でもそうすると食っちゃ寝を繰り返して太りそうだからちょっとは働かないとね」

 

 百合香はそう言って食器を洗い出す。地球にいる時から接客業は苦手ではあるが食器洗いだけは上達しているのである。

 

「まぁそんだけ元気なら大丈夫だろ。俺のカミさんもそんな感じだったからな」

「なら良いんですけど……」

 

 そう言って笑い合う明人と瓜畑であった。今日も食堂『ユートピア』は繁盛するのであった。

 

 

 

 

 

 

「え、また艦艇を削減するんで?」

「あぁ。移民船団の護衛として複数の護衛艦隊を立ち上げるつもりでな」

「けど、前の通りで行くって………」

「当初はそのつもりなんじゃったが……ボラー連邦らしき艦艇が移民船団を追尾してきたらしいんじゃ」

 

 防衛軍総司令部に呼ばれた将和は正信と面会をして自身の艦隊に属する艦艇がまたしても削減される事に頭を抱える事になっていた。

 

「それで……削減して以降の艦隊編成はどうなるんで?」

「これがその艦隊編成だ」

 

 芹沢はそう言って将和にタブレットを渡す。

 

 

 

 第十三艦隊

 司令長官 三好将和中将

 副司令長官 エドウィン・フィッシャー少将

 参謀長 チュン・ウー・チェン少将

 

 旗艦『三笠』

 第十三戦隊

 『河内』『摂津』

 第二三戦隊

 『ネルソン』『ロドニー』『アイオワ』『陸奥』

 第十四巡洋戦隊

 『高雄』『愛宕』『妙高』『羽黒』

 第二四巡洋戦隊

 『摩耶』『鳥海』『那智』『足柄』

 第三四巡洋戦隊

 『八雲』『鈴谷』『プリンツ・オイゲン』

 第十三航空戦隊

 『サラトガ』

 (コスモタイガー36機 雷撃機36機 シーガル2機)

 『イントレピッド』

 (コスモタイガー54機 雷撃機36機 シーガル2機)

 第十三防空戦隊

 『アトランタ』『五十鈴』

 第十三宙雷戦隊

 『矢矧』

 第十駆逐隊

 『夕雲』『巻雲』『風雲』『秋雲』

 第十三駆逐隊

 『長波』『巻波』『高波』『大波』

 第十七駆逐隊

 『谷風』『浦風』『浜風』『磯風』

 第二補給隊

 『速吸』

 第一揚陸隊

 『神州丸』

 第20空間騎兵隊

 (2個中隊基幹)

 

「戦艦と空母が2隻ずつ、1個宙雷戦隊規模が引き抜かれた感じですな」

「その代わり空母護衛用の防空戦隊を入れておいたわい。それに引き抜いた『翔鶴』『瑞鶴』は怪我から復帰した山口の航空艦隊に任せるつもりじゃ」

「山口さん、復帰したんですか。それなら納得しますよ」

 

 山口中将の航空艦隊は暗黒星団帝国戦役時、地球に停泊しており奇襲攻撃を受けほぼ壊滅していた。司令長官の山口も負傷して療養していたのだがこの程復帰したのだ。

 

「まぁ艦隊も全て遠洋艦じゃから長期航海も楽になるじゃろうのぅ」

「ガルマン・ガミラス星への航海も特に問題は無かったしな」

「そういう事じゃの」

 

 ちなみに艦艇諸元は如何の通りであった。

 

 

 

 『リットリオ』級主力戦艦

 

 基準排水量 7,2000トン

 全長 315m

 全幅 78m

 全高 110m

 主機 03式HWVED型大型次元波動エンジン×1基

 補機 ケルビンインパルスエンジン×2基

 乗員 280名

 武装 次元波動爆縮放射機×1(艦首拡大波動砲)

    50口径40.6サンチ三連装陽電子衝撃波砲塔×3基

    12.7サンチ四連装高角速射光線砲塔×6基

    12.7サンチ連装高角速射光線砲塔×6基

    7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×8基

    前部魚雷発射管×4基

    側面短魚雷発射管×12基

    艦底部ミサイル発射管×6基

 

 搭載航空機6機

 

 同型艦

 『リットリオ』『ローマ』以下2207年までに69隻。

 

 【概要】

 

 地球防衛軍の欧州管区にあるイタリア宇宙軍の設計陣が設計した主力戦艦。ガトランティス戦役後、防衛軍はガトランティス軍が放棄したシリウス、プロキオン恒星系の基地を接収した。接収した際、補給艦が同行していた事で艦隊の道中の補給は何とか可能であったが接収に同行した艦隊司令官(パエッタ少将)からの報告で遠洋型の艦艇開発が急務となった。

 一応、補給艦を同行させれば近海型の艦艇も長距離進出は可能ではあるが補給艦の数にも限りがある。その為、防衛軍艦政本部は遠洋型宇宙艦艇の設計開発に乗り出すのである。量産性を求めるがため各国にコンペという形で提出を促した。

 しかし、北米や欧州各国は上記の護衛戦艦の開発に躍起になっておりあまり返答は芳しくなかったが手を挙げたのがドイツであった。ドイツも『ビスマルク』級護衛戦艦の設計開発をしていたがドイツでも艦艇開発で有利になりたい思惑があったので手を挙げたのである。更に補佐的に手を挙げたのがイタリアであった。

 イタリアは自国独自の護衛戦艦の開発を諦め量産型で有利になろうと思惑があった事もあり両国は互いに連携して艦政補佐的に動いていたのである。艦政本部も他国がコンペを出さなかった事もありイタリアの設計図案が採用されたのである。

 量産性を意識して主砲は『ドレッドノート』級と変化せずに41サンチ陽電子衝撃砲を採用している。またパルスレーザーも『ドレッドノート』級よりは増加されており防空火力も期待出来た。

 一番の注目は重装甲であろう。ガトランティス戦役で『ドレッドノート』級は装甲では『カラクルム』級大戦艦に負けており一撃で大破しやすかった。

 イタリアの設計陣はそれを反省し改『春藍』級よりは劣るが重装甲を施したのであるが、それを上回ったのがハイパー放射ミサイルであった。

 なお、当初は補機は無かったが暗黒星団帝国戦役の戦訓から増設された。

 

 

 

 

 

 『河内』級宇宙戦艦

 

 基準排水量 7,8000トン

 全長 330m

 全幅 78m

 全高 110m

 主機 03式HWVED型大型次元波動エンジン×1基

 補機 ケルビンインパルスエンジン×2基

 乗員 290名

 武装 次元波動爆縮放射機×1(艦首拡大波動砲)

    55口径40.6サンチ三連装陽電子衝撃波砲塔×3基

    12.7サンチ四連装高角速射光線砲塔×6基

    12.7サンチ連装高角速射光線砲塔×8基

    7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×12基

    前部魚雷発射管×4基

    側面短魚雷発射管×12基

    艦底部ミサイル発射管×8基

 

 搭載航空機6機

 

 同型艦

 『河内』『摂津』『相模』『薩摩』以下2207年までに24隻

 

【概要】

 

 地球防衛軍の極東管区にある日本宇宙海軍の艦政本部が『リットリオ』級を多少修正して日本独自に建造した宇宙戦艦。

 主砲を50口径から55口径に換装しており射程距離も延びている。また、装甲を『リットリオ』級より増して重装甲にしており後のハイパー放射ミサイルに多少耐える事が出来たのである。

 

 

 

 

 

 

 

 『ブリュッヒャー』級主力巡洋艦

 

 基準排水量 18,000トン

 全長 220m

 全幅 40m

 主機 03式HWVED型中型次元波動エンジン×1基

 武装 次元波動爆縮放射機×1基(艦首拡大波動砲)

    50口径30.5サンチ三連装陽電子衝撃砲×2基

    7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×12基

    両舷側面短魚雷発射管×8基

    二段式六連装ミサイル発射管×1基

    艦首魚雷発射管×4基

    搭載航空機2機

 

同型

『ブリュッヒャー』『プリンツ・オイゲン』『アドミラル・シェーア』以下2207年までに84隻

 

【概要】

 

 地球防衛軍の欧州管区にあるドイツ宇宙軍の設計陣が設計した主力巡洋艦。遠洋型を目指す理由になったのは『リットリオ』級で記載したので省く。ドイツの設計思想らしく重装甲ではあるが2205年のディンギル戦役時では迫り来るハイパー放射ミサイルの前では自慢の重装甲は見る影もなかったのである。

 

 

 

 

 

 

 『高雄』級宇宙巡洋艦

 

 基準排水量 24,000トン

 全長 265m

 全幅 46m

 主機 03式HWVED型中型次元波動エンジン×2基(ツイン式)

 武装 次元波動爆縮放射機×1基(艦首拡大波動砲)

    50口径30.5サンチ三連装陽電子衝撃砲×3基

    50口径20.3サンチ三連装陽電子衝撃砲×2基(艦体側面)

    12.7サンチ連装高角速射光線砲塔×8基

    7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×16基

    両舷側面短魚雷発射管×10基

    二段式八連装ミサイル発射管×2基

    艦首魚雷発射管×6基

    搭載航空機2機

 

同型

『高雄』『愛宕』『摩耶』『鳥海』『妙高』『那智』『足柄』『羽黒』以下2207年までに28隻

 

【概要】

 

 地球防衛軍の極東管区にある日本宇宙海軍の艦政本部が『ブリュッヒャー』級を修正して日本独自に建造した宇宙巡洋艦。日本宇宙軍は砲火力に納得出来なかったので後部のカタパルトを撤去して第三砲塔を設置。また、側面には20.3サンチ三連装陽電子衝撃砲2基を搭載して上下への砲撃を可能とした。

 また『ブリュッヒャー』級よりも重装甲を施している。(就役していた艦も順次改装)これは銀河系大戦で経験した事であった。

 これだけ施せば機動力は勿論低下するので中型エンジンをツイン式に搭載した事で機動力低下は防げた。艦本としては大型エンジンを搭載したかったが財務省が懸念を上げたので取り止めになった経緯があり艦本は財務省を憎んでいる。

 初陣は『高雄』『愛宕』『妙高』による暗黒星団帝国への遠征であり砲火力は十分に通用したのである。

 また、噂を聞き付けたタイ宇宙海軍やフィンランド宇宙海軍が購入をしてそれぞれ『トンブリ』級、『イルマリネン』級と名称を付けている。

 

 

 

 

 

 

 『Z』級主力駆逐艦

 

 基準排水量 10,000トン

 全長 200m

 全幅 20m

 主機 03式HWVED型中型次元波動エンジン×1基

 武装 50口径40.6サンチ連装陽電子衝撃波砲塔×1基

    7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×6基

    艦首魚雷発射管×4基

    二段式四連装ミサイル発射管×1基

    搭載航空機2機

 

 同型艦

 『Z1』『Z2』『Z3』以下115隻

 

【概要】

 

 地球防衛軍の欧州管区にあるドイツ宇宙軍の設計陣が設計した主力駆逐艦。駆逐艦と言いつつも全長は200mを超えた艦となっている。主砲は『リットリオ』級主力戦艦の40.6サンチ陽電子衝撃波砲を連装で1基搭載。駆逐艦とは言うが昔で言う防護巡洋艦に近い。また後部は航空機搭載用の格納庫になっている。というのも地球連邦の復興でなるべくの数を揃える為にこのような設計になっている。

 

 

 

 

 

 『夕雲』級宇宙駆逐艦

 

 基準排水量 15,000トン

 全長 230m

 全幅 24m

 主機 03式HWVED型中型次元波動エンジン×1基

 武装 50口径30.5サンチ連装陽電子衝撃波砲塔×3基(前部2基 後部1基)

    7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×8基

    艦首魚雷発射管×4基

    艦底部ミサイル発射管×4基

    二段式六連装ミサイル発射管×1基

    搭載航空機2機

 

 同型艦

 『夕雲』『巻雲』『風雲』『長波』以下72隻

 

【概要】

 

 地球防衛軍の極東管区にある日本宇宙海軍の艦政本部が『Z』級を更に独自修正して日本独自に建造した宇宙駆逐艦。相変わらず日本宇宙軍が駆逐艦の砲火力に納得出来なかったので独自仕様の再設計しての開発建造を行った。

 主砲は40.6サンチだったのを巡洋艦の30.5サンチを連装3基にし全長を延ばして前部2基、後部1基に改めた。その為、航空機用格納庫は撤去され艦底部に移されたのである。また、艦底部にもミサイル発射管を増設し前部に設置されたミサイル発射管も六連装に改めたのである。

 結果的に海防戦艦に近い形ではあるものの運用は満足出来る代物であり、その噂を聞き付けたタイ宇宙海軍やフィンランド宇宙海軍が購入したりしている。

 

 

 

 

「それと将和、ボラーに気を付けてくれ」

「キナ臭いか親父?」

「まぁの。ありゃあ地球で言うたらソ連の臭いがプンプンするわい」

 

 正信の言葉に将和は苦笑する。まさか正信もボラー連邦の元ネタがソ連だとは知るわけないのだ。

 

「分かった、兎に角も気を付けるよ」

「ウム、頼むぞ」

 

 そう言って敬礼し合う親子であった。

 

 

 

 

 

 

 




御意見や御感想等お待ちしていますm(_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。