『三好inヤマト』改三リメイク   作:零戦

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遂に尖端が開かれる…


第六十七話

 

 

 

 

 

 

「ゴルサコフ、戦線は如何かな?」

「ハハッ。首相の尽力により2個主力打撃艦隊の再編成は完了しポゥリャンド戦線に移動させガルマン・ガミラス軍と交戦中です」

「フフフ、ならば良いのじゃ」

 

 ゴルサコフの言葉にベムラーゼはそう言う。

 

「しかし2個主力打撃艦隊だけでは難しいだろう」

「ですが多方面からの主力打撃艦隊を引き抜く事になると……」

「本国方面の主力打撃艦隊を引き抜く」

「……ジューコン元帥の艦隊をですか?」

「そうだ。忌々しいが奴の戦術はボラー1だ」

「分かりました。直ちにジューコン元帥に伝えます」

「ウム」

 

 ベムラーゼはポゥリャンド戦線の打開策としてボラー連邦随一の猛将を送り込むのである。

 ボラー連邦と尖端を開いたガルマン・ガミラス軍は西部方面軍総司令官に転出したダール・ヒステンバーガー大将の3個空間機甲師団艦隊で戦っていたがボラー軍は2個主力打撃艦隊をポゥリャンド戦線に投入するのである。

 

「それと首相閣下、ガルマン・ガミラスと友好を結んでいる彼の国は如何致しますか?」

「……地球の事か……」

 

 ゴルサコフの言葉にベムラーゼはフンと鼻息を荒くする。

 

「彼の国はガルマン・ガミラスと友好を結んでいる……という事はだゴルサコフ。我々とは敵になろう?」

「その通りでございます閣下。それに突け入れる理由もあります」

「ほぅ……それは?」

「4、50年程前に突如受信した緊急信号……場所は地球が支配する星の一つから送信されていました。緊急信号は大分古いモノですが……」

「ほぅ……」

 

 ゴルサコフの言葉にベムラーゼは笑みを浮かべる。

 

「地球への航路は開けている……というわけだな?」

「如何にも。しかし、赴く理由がございませぬ」

「構わん。使者を送り我々に付くかガルマン・ガミラスに付くか決めさせろ。我々に歯向かうのであればガルマン・ガミラス同様に滅ぼしてやろう。但し先に滅ぼすのはガルマン・ガミラスだ」

「かしこまりました」

 

 斯くしてボラー連邦からの使者が地球に向かうのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ほんと帰ってくれんかの……」

 

 月基地で交渉をしていた正信は休憩時にそう呟く。先程までボラー連邦からの使者と交渉をしていたが交渉とは言い難いモノであった。

 

「4、50年前に地球圏内に不時着した艦艇の引き渡し」

「艦艇を量産しているのであればそれに伴うライセンスの料金を一括払い」

「地球・ボラーとの軍事同盟の締結」

「ボラー連邦艦艇の譲渡。地球側の艦艇は全て破棄」

「ボラー連邦の経済界に地球も参入」

 

 等々の到底、対等ではない交渉であったのだ。交渉に参加していた芹沢、藤堂でさえボラー連邦の無茶苦茶な要求には呆れ返っていたのだ。

 

「ボラー連邦は此方と戦う気満々……というわけか」

「二正面作戦……いやもしかしたらゼニー合衆国とやらも含めて三方面作戦を展開出来るかもしれんな。出来るからこそこの態度というわけか……」

「どうしますか? 恐らく我々が拒否をすれば……」

「大規模かは分からんが艦隊を押し出してくるじゃろうな……」

「………受け入れば……無条件降伏の形になります」

「………断るしかないのぅ」

 

 正信は溜め息を吐いた。古今東西、此処まで戦いを行うという国はあったかは分からない。その後の交渉再開で正信は懇切丁寧にボラー連邦からの申し出を断り、使者が「ボラーの艦隊が大挙してきても宜しいのですな!?」という脅しにも欠伸を出し「使者殿がお帰りだ。懇切丁寧にお帰り致せよ」と言って席を立つのであった。そして使者達がボラーへと戻り意気揚々とゴルサコフへと報告するとまさかの雷が落ちたのである。

 

「この馬鹿者がァァァァァァ!! 何故いきなり開戦へと話に繋がるのだ!!」

「は、いやしかし……」

「何処でどう間違えたというのだ……」

 

 正しく理解していたのはベムラーゼとゴルサコフのみであった。二人の認識では今回の交渉で地球がガルマン・ガミラスへ援軍を頼みポゥリャンド戦線への負担を減らす事が目的だったのだ。それを下へ指示に出している時に言葉が抜けていたのだ。

 

「それで件の使者は?」

「即刻銃殺に致しました。首相閣下の意図を考えずに自身の私利私欲で言葉を動かしたのです」

「ウム、それが良かろう」

「ですが……地球の事は如何なさいますか?」

「……動きだけ見せる事にしよう。ゴルサコフ、動かせる艦隊はあるかね?」

「は……主力打撃艦隊からは下がりますが2個艦隊は出せます」

「ウム。バジウド星系への守備も兼ねてな」

「分かりました、そのように致します。それと首相閣下、もし地球がガルマン・ガミラスと共に戦闘に来た場合は……」

「……先の手筈で良い」

「分かりました」

 

 ベムラーゼの言葉にゴルサコフは頭を下げるのである。そして地球連邦では閣議も行いボラー連邦が侵攻、攻撃してきた場合は反撃、ボラー連邦に宣戦布告するという方針で決まったのである。その旨は月に大使館を置くガルマン・ガミラスのバレル大使にも伝えられ、バレル大使もガルマン・ガミラス本国に伝えたのである。

 

「何……地球連邦が?」

「はい。あくまでもボラー連邦が一撃を加えてきたら……という形になるとの事です」

 

 デスラーの問いにキーリング参謀総長はそう答える。その言葉にデスラーも苦笑する。

 

「地球の現状を考えるとそれしか取れないな……。キーリング、もし地球との共同戦線になるとしたら東部戦線しかあるまいな?」

「その通りです総統。あまり遠い戦線に送るとなれば地球の乗員も寂しさを覚えるモノです。そうなれば地球との距離が近い東部戦線になるかと……」

「フム……ガイデルか……」

 

 デスラーはフラーケンやバーガー等の報告で忠誠心は非常に高いものの、地球連邦を見下す発言を幾つかしているとあった。デスラーも、もし地球と共同戦線を考えればガイデルの存在が危うかったのだ。かと言ってガイデルはデスラーに答えて東部戦線で活躍しているのも事実であった。

 

「総統、此処は一つ総司令同士を交代してみては如何ですか?」

「フム……交代か」

「はい。ガイデルとその派閥とヒステンバーガーに将官数名を交代して西部戦線と東部戦線を入れ替えるのです」

「成る程……続きを」

「なのでガイデルとその派閥には普通に交代する旨を伝えれば宜しいでしょう。しかしヒステンバーガーらには内密に伝える必要があります」

「……成る程。ヒステンバーガーは『ヤマト』の力を見ている一人だ。確かに地球連邦への配慮も可能だろう」

 

 そしてデスラーは交代を決断した。

 

「キーリング、その案で行こう。ヒステンバーガーには秘匿通信回線で繋げ」

「ザー、ベルクッ」

 

 そこからはキーリングの行動は早かった。まずは西部戦線でボラー連邦と戦闘中であるヒステンバーガーを呼び出した。

 

『そ、総統閣下!?』

「呼び出して済まないヒステンバーガー。戦況は如何程かね?」

『ハッ。申し訳ありません、10日程前まではポゥリャンド戦線は我々が押していたのですがボラー連邦軍は再編成した2個主力打撃艦隊に加えジューコン元帥を呼び寄せ、ジューコン元帥の戦術に苦戦、お預かりした1個空間機甲師団は半壊致しております……責任は全て自分にあります!! 何卒部下には寛大な処置を……』

「まぁ落ち着きたまえヒステンバーガー。実は少々厄介な事になってきたものでね。その適任者に君が適任という……話になってね」

『はっ……』

 

 そしてデスラーはヒステンバーガーにボラー連邦と地球連邦の交渉、交渉決裂、地球連邦のガルマン・ガミラスへの返答を説明したのである。

 

『成る程。私とガイデルとその派閥を入れ替えですか……』

「済まないヒステンバーガー。君のプライドを傷つけてしまう事になる。グスタフらも思案したが彼等も北部戦線や南部戦線でゼニー合衆国と戦闘しているからおいそれとの長距離異動が出来ないのだ」

 

 デスラーは素直にヒステンバーガーに謝罪をし頭を下げる。以前のデスラーであれば頭を下げる等無かったが『ヤマト』との二度に渡る戦闘、将和らとの出会いもあり総統としての板が付いてきたようだ。

 

『あ、頭をお上げ下さい総統!! ……私としては異論ありません。交代を致しましょう』

「……済まないヒステンバーガー」

 

 ヒステンバーガーの言葉にデスラーは謝るのである。そしてガイデルとヒステンバーガーの総司令同士の交代が発表された。ガイデルは驚いたものの、デスラーから「期待しているよ」の言葉に奮起し派閥と共に西部戦線へ向かいヒステンバーガーと申し受けを行いヒステンバーガーも東部戦線へと向かうのである。

 

「そうか、ヒステンバーガーの親父が来るのか」

「えぇ。先遣艦隊として私の艦隊が先に来たのよ」

 

 バーガーは久しぶりにネレディアと会っていた。ガルマン・ガミラス星とバジウド星系バース星の中間星系であるミリオス星系カトラス星はガミラス星と似た星だがそれでもガルマン星に比べたら辺境な星であり開拓していたのは軍事基地施設のみであった。

 

「グスタフの兄貴も来れたら面白かったのによ」

「グスタフ中将は北部方面総司令官よ。そう簡単には来れないわ」

 

 二人は基地施設のバーで飲んでいた。幾分か飲んでいるのか二人とも頬をうっすらと赤みを帯びていた。

 

「しかしそうなると果たしてボラーは地球に喧嘩を売るのか?」

「さぁどうかしら?」

 

 バーガーの言葉にネレディアは肩を竦める。

 

「総統閣下らも可能性があるとして早めの交代をしたのよ」

「そうか……ならマサカズに会えるかもな」

「あら、ミカゲちゃんにじゃないかしら?」

「馬鹿野郎。アイツにはちゃんと相手がいらぁ」

 

 ネレディアのからかいにバーガーは苦笑してグラスに残った残りの酒を飲み干す。

 

「ま、いつまでも相手がいないおめぇに比べたらな」

「……だーれのせいでこうなっているのかしらねぇ?」

「ギブギブギブギブギブ!?」

 

 コブラツイストをかますネレディアにバーガーは根を上げるのであった。そんな事はさておき、東部戦線は日に日にボラー連邦との戦闘は増していく。そして悲劇が起きる事になる。

 ガルマン・ガミラス帝国から火星へ移住する移民船団は護衛艦隊と共にミリオス星系カトラス星に入港後、補充等をしてから出港していた。今回の移民船団は移民船10隻の約8000人でありそれを護衛していたのはクブルスリー中将の第三艦隊であった。

 移民船団と第三艦隊はバジウド星系へと航路を取っていたがそれは以前も同じ航路を取っておりバジウド星系のバース星にも事前連絡はしていた。東部戦線はバジウド星系にも進出を図ってはいたがこの時点ではまだでありその為ボラー連邦も地球連邦への移民は了承していたのだ。

 『ソレ』が現れたのはバジウド星系へと近づいていた時であった。

 

「前方に重力震……?」

「ん?」

 

 地球連邦宇宙海軍第三艦隊旗艦『リシュリュー』のタキオンレーダーはワープアウトしてくる艦艇を探知、探知した艦艇の識別を見てレーダー員は叫ぶ。

 

「識別確認、ボラー連邦艦隊です!!」

「何ィ!?」

 

 艦長席にいたクブルスリー中将は思わず立ち上がる。事前連絡をしていた筈なのに今更ボラー連邦艦隊は何故此処に来る?

 

「ボラー連邦艦隊から通信です!! 『地球艦隊ハガルマン・ガミラス帝国ト共同シテバース星攻略ヲ試ミル恐レ有リ。直チニ臨検ヲ受ケ入レタシ』以上です!!」

「な、何だと!? 奴等には仁義というモノは無いのか!!」

 

 クブルスリー中将はそう叫ぶが事態が変わる事はない。クブルスリー中将は返答として『攻略スル意思無シ。船団ハ移民船団ナリ』と返答したがボラー連邦艦隊から返ってきたのは砲撃だった。

 

「ボラー連邦艦隊からの砲撃です!!」

「被害報告!! 全艦波動防壁展開!!」

 

 瞬く間に前衛にいた数隻の艦艇が砲火を浴びて撃沈された。

 

「第十三巡洋戦隊の『ブリュイ』『プリモゲ』轟沈!! 第二三巡洋戦隊の『ケルシー』『コルベール』被弾炎上中!!」

「地球防衛軍司令部に報告!! 『ボラー連邦艦隊カラノ先制攻撃ヲ受ク。我ガ第三艦隊ハ直チニ移民船団防衛ノタメ反撃セントス』直ちに送れ!! 全艦隊砲雷撃準備!! 準備出来次第各艦は撃ちまくれ!!」

 

 斯くして第三艦隊は反撃を開始、ボラー連邦は地球連邦との戦闘状態に入ったのであった。

 

 

 

 

 




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