小説の方にはまだ手を出していません。
呼び方など違和感ありましたら申し訳ありません。
ローズ王女の救済ルートみたいなのが欲しくて書きました。
本文短めでつらつらと書いていく予定です。
暗く、上下左右も、過去も未来もなにもかもが、今は無い。
自分の体も、魔力も、痛みも、なにも―――無い。
あるのは、思う、想うことだけ。
落ちていくのか上がっていくのかわからないけど、動いてるという感覚はあって。
まとわりつくような何かに、無くしたはずの体が反応する。
流れのようなもの。
流れの中に何かを感じる。
人の存在、記憶、感情。
自分だけのそれではなく、シド君や七陰の方々だけでもなく、敵も味方もすべてが入り混じっている。
ああ―――もしかしたら―――。
もしかしたら――――――これが死の世界か―――と。
あるのかもしれないと、シド君を知っていくうちに考えてはいた。
覗き込んだ深淵には、それがあったのだから。
だからこそ、私は後悔する。
だからこそ、もしもを、もしかしたらを思ってしまう。
もしも、もしもあの時何かが違っていれば。
もしも、あの時何かが変わっていれば。
私とシド君がこれ以上逢うことが叶わなくなることも、無かったのかもしれない。
―――それは、シャドウガーデンに入ると決めて、あの人の手を取った時?
違う。その時点で未来は決まっていた。
アレクサンドリアで、全てを奪われ―――捨てさせられたことは、間違いではなかった。
―――それは、お父様に剣を向けた時?
違う。お父様は解放されたのだ。それを間違いだと認めるのは、今の私には出来ない。
あの時の言葉は、本心からのお父様の言葉だった。
あれが無ければ、ディアボロス教団を暴くことは長く、遠い道のりになっていた。
―――それは、ドエムに剣を向けた時?
違う。あそこで違うことをしたとして、私に何かを変える力など……無かった。
ただ無力で、愚かで、知ることもせず、破滅へと進んでいた。
変えるよりも先に、自分の終わりを知ることにしかならないだろう。
だから―――違う。
チガウ――ー
ちがう……
ちがうんだッ!
―――シド君と出逢ったこと。
違う。あの出逢いがなければ、今の私は無かった。
自分の弱さを、自分の奢りを、自分の間違いを、知ることは出来なかった。
先に待つ未来に立ち向かうことも、出来なかった。
―――スタイリッシュ盗賊スレイヤー。今はシャドウと名乗る、主と、シド君と出会った―――出逢った瞬間?
ちが―――、いや―――もしかしたら。
もしかしたら、あの時に戻れるなら、この悲しい未来を、苦しい未来を、辛い未来を。
迎えることは無かったのかもしれない。
もしも、もしかしたら。
平和な未来でシド君と添い遂げる未来も、お父様にシド君を紹介する未来も、シド君と肩を並べて笑い合う未来も、あったのかも―――しれない。