悲鳴を上げる体。
魔力封じだと思っていたものは、魔力を奪うものでもあったらしく、思っていたよりも失った魔力が多かった。
使っていなければあまり失うことはないと思っていたけれど、それでも失ったものは大きかった。
極度の疲労と魔力の枯渇が近いこともあり、集中力もあまりよろしくない方へと向かっている。
斬り結ぶ相手は、侮ることの出来ない実力で。
テロリストたちの親玉なんだと思うけど、あってもなくても大した相手ではなかった者たちに比べ、隔絶した実力を持っている。
あのゼノンに並ぶかそれ以上だと感じる剣術と、戦い慣れているのであろう熟練の剣士としての勘が、思ったように戦わせてくれない。
戦闘としては、こちらが有利なはずなのだけど、あまり疲弊していない相手と、疲弊が積み重なっている私とでは、互角の状態にまで落ち込んでいる。
「―――クソがァ!!!」
あぁ、もうウザったい。
実力もさることながら、声が大きすぎる。
勿論それも強さの一つになるのは自分も同じように先ほど斬りこんだからわかってはいる。
声に付与される威圧。
一種の魔力なのだろう。自分の身体に纏う何かが剥がされていくような感覚がずっと続いている。
ただでさえ疲弊している中でこうもやられてしまうと、厳しい。
かといって、この国の人間にコイツが倒せるかといえば、かなりの人数が倒すまでにやられてしまうだろう。
間違いなく実力は本物。
油断なんて出来ない、出来ないけれど。
重くなる体に鞭打って、隙を狙う。
どんな人間にも隙がある。
どんな人間にも、体の動きの限界を超えることは、難しい。
極限まで鍛えたとしても、人である以上、人以上の力を出すことは出来ない。
魔力を持つ人間がいくら人を超えているとしても、そこに辿り着いたもの同士であれば、対等。
そして、その上を体験してさえいれば、追い抜くことも可能。
だから、届ける。
死を。私の積み重ねた、血の滲む鍛錬の果てに見た。
人としての限界を―――。
「――――――あぁぁああぁぁぁァァァッ!!!」」
燃やせ、命を。
燃やし尽くせ、そこにある頂に届くのは私じゃなかった。
でも、諦められなかったその頂。
視えたその先にある、一握りの希望。
果てで見た、そのナニカをぶつけろ―――!
隙が視えた――――――。
息と息の間、息を吐くその瞬間。
ほんの少ししか見えない隙間。
刹那の間に、それを差し込め―――ッ!
「――――――ぁ―――」
体が傾ぐ。魔力がもう―――無い。
私にとっての致命的な隙。
アイツにとっても致命的な隙だけど、このままでは私の致命的な隙にも―――なる。
悔しいッ!悔しいッ!
せっかく視えたのに、せっかく届いたのに。
ここで終わりなんて。
ここで夢が潰えてしまうなんて。
剣の果て、剣の頂。
まだ届かぬ先へ―――届くために。命を使いたかったのに。
ごめん。姉さま。
アレクシア書きた過ぎてローズメインの話書いてるはずなのに気が付けばアレクシア書いてる
こういうのじゃなくて日常系アレクシア書きたくなってきました。