アンケートクイズ、キリがいいので一旦終了して重要な回だけにします。
16 1羽のふくろうと1通の手紙
真っ黒だった空に光が差し徐々に起き始める人もいる頃、ベッドの真横にある窓から聞こえるコンコンという物音にさくらは目を覚ました。
眠たい目を擦りながら、寝起きであまり回らない頭で「鳥が屋根の上を歩いているのかな」とぼんやり考えながら再び眠りにつこうとした。
コンコンコンコン! と激しく窓をノックする音が響いた。
流石に今度こそ、さくらはばっちり目が覚めた。
置き時計を見ると、まだ6時にもなっていなかった。
休日でしかも誕生日の日にこんな朝早く鳥に起こされるなんてなんと最悪な1日の始まりだろう。
さくらは上半身をゆっくりと起こし、閉め切ったカーテンの端を少し開け窓の外を覗いた。
驚いた事に窓の外にいたのは、想像していた鳥とは姿形、何もかも違っていた。
そこには、怪しげに光る黄色の瞳をもち雪のように真っ白なふくろうが口ばしに何やら黄色みがかった紙のようなものを咥えてこちらを覗き返していた。
さくらは口をあんぐりとあけ、しばらくふくろうと見つめ合ってしまった。
写真や図鑑でなら幾らでも見たことがあるが、実際に生のふくろうを見ようとは、しかも自分の家の窓をノックしているなどとはどれだけ夢見がちで妄想しがちな人間でも想像出来なかっただろう。
さくらは両手で開きっぱなしの口を無意識に隠しながら、自分はまだ夢の中にいるのではないかと疑い、確認のため目をギュッと瞑りパッと開いたが現実だった。
そんなさくらをよそに、ふくろうは何かを咥えた口ばしでまた窓をつついた。
つつき終わると、ふくろうは口ばしをクイクイッと上げ下げし、さくらの顔面にその何かを見せつけるような素振りをした。
よく見てみると、その何かは手紙のようだった。エメラルド色のインクで何か文字のようなものが書かれている。
さくらは窓に顔をぴったり近づけると、その手紙の文字に目を凝らした。
そこには自分の家の住所と共に、
2階の一番端の部屋
神白 さくら様
と書かれていた。
さくらはそれを見るや否や躊躇いもなく窓を開け、ふくろうが飛んで部屋の中に入ると窓を閉めた。
ふくろうは、さくらの前に綺麗に着地すると彼女の膝の上にくわえていた手紙を落とした。
さくらは、その手紙を隅々まで見渡した。切手は貼っておらず、宛て名が書かれていた面の裏面には紫色のスタンプのようなもので封印がしてあった。
真ん中には大きく「H」と書かれ、その周りには動物が4匹描かれていた。
これはライオンっぽい……あとはカラスと蛇、この2匹は分かりやすい。もう一匹は……フェレット?
どうして、私にこんなヘンテコな形で手紙が届いたの? これも私が人と違う不完全な子だから?
さくらはベッドから立ち上がると、机の引き出しを開け、中からピンク色のハサミを取り出した。
中の紙を切り刻んでしまわないよう、さくらは慎重に封筒の上部をハサミで薄く切り封筒をあけた。
ふくろうは机の上まで飛んでいき、さくらが手紙を読むのを見守った。
さくらは、中から手紙を取り出し読んだ。
親愛なる神白 さくら様
このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。
あなた様が魔法界に足を踏み入れますこの日を長年待ち続けておりました。
当校にてあなたがその力を発揮されることを大いに期待しております。
敬具
副校長カサンドラ・オズマルゴ
さくらは心臓の鼓動が早くなっていると気付いた。
胸に手を当て落ち着かせようと試みるも、頭ではこんなの落ち着いている場合じゃないとも思っていた。
魔法、魔法界、力……それを発揮できる学校、そしてその手紙を運んできてくれたふくろう、その現実的じゃない光景。
さくらは目をギュッと瞑りパッと開くと、これは夢じゃないかどうかもう一度確認した。
夢じゃない。私は変じゃなかった。私のような人が他にもいたんだ。
さくらは手紙で確信し、久しぶりに作り笑いじゃない本当の笑みを浮かべたのだった。