ここまでの話で後々の話の伏線っぽい所やハリポタの小ネタとか全部気付いた方いらっしゃたらぜひ崇め奉らせてくだせぇ……。
トランクに全ての荷物を詰め自分の部屋まで運び、――トランクは想像以上に物が入り、あれだけ沢山の物を詰めても想像以上に軽かった――、さくらに懐いて離れずどうやら名前の無さそうなふくろうに「スノウ」と名を付けたりしているうちに朝ご飯の時間になっていた。
階段の下から父のさくらと総を呼ぶ声が聞こえる。
はーいと返事をし、スノウにご飯を食べてくるねと言うと部屋から出た。
部屋の外でばったりと総に出会ったが、昨日の騒動を思い出し気まずくていつものおはようの挨拶が出来なかった。
「おめでとう」
総は一言だけ言うと、階段を降りていった。
今年の誕生日の始まりは、今までの人生で一番最高だった。
さくらは、ニッコリと笑みを浮かべ鼻歌を歌いながら朝ご飯の待つ食卓に向かった。
食卓では、既に両親も総も揃っておりさくらが来るのを待っていた。
「さくら、お誕生日おめでとう」
「お誕生日おめでとうさくら。食事の後、少し部屋に行ってもいい?」
母は少し真剣な面持ちでさくらに尋ねた。
それに対してさくらは、うん分かったと返した。
この家では誕生日の日の朝ご飯の後に、必ずプレゼントを渡すことになっていた。
プレゼントは家族全員がお金を出しあって一つの物を買うのだが、さくらや父へのプレゼントの場合は母が、総や母へのプレゼントの場合は父が代表してどんな物を渡すか考えて買ってくるのだ。
去年の誕生日プレゼントは、白いフリルやレースのついた薄いピンクの可愛らしいワンピースだった。
正直言ってさくらの趣味とは真反対の服だったが、せっかく自分の為にと選んで買ってくれた服なのだからとさくらはその服を結構な頻度で着ていた。
そしてさくらは今日もその服を着ている。
母がくれる物は、いつだってさくらの趣味に合わない物ばかりだった。
服も部屋も文房具もほとんど全てピンクや白色で統一されていたが、さくら自身は黒や青や茶色といった落ち着いた色でシンプルな物を好んだ。
ただ趣味にあうあわないという以上に母からの贈り物は、どんな物でも全て嬉しかったし大事にしていた。
朝ご飯の後、今年は何を貰えるのだろう、とさくらはワクワクしながら自分の部屋で待っていた。
部屋でスノウと一緒に待機してから20分後ぐらいに、部屋の扉をコンコンとノックする音が聞こえた。
大丈夫だよ、と言うと扉を開けて母が部屋に入ってきた。
母は部屋を飛び回るスノウにぎょっとして、思わず小さな悲鳴を上げた。
さくらは慌てて、ふくろうが自分の部屋にいる状況を嘘偽る事無く全て正直に話した。
ホグワーツ魔法魔術学校と呼ばれる場所から届いた手紙、玄関の前に置かれた大量の荷物なども、実物を見せながら説明した。
説明を終えた時、さくらは母が無言でジッと自分を見つめている事に気付いた。
あまりにも非現実的な話をしているので頭がおかしくなったと思われているのでは、と不安になった。
だが母には、母だけには、嘘をつきたくなかったし本当の事を話したかった。
その感情が強すぎて、それを話したらどう思われるかなんて頭から飛んでいた。
さくらは、今度こそ嫌われる覚悟をした。
母は、そんなさくらに一通の白い手紙を渡した。
さくらは目を丸くして、母の方を見る。
母は、全てを理解し納得したかのような優し気な微笑みを浮かべそこに立っていた。