今度、あのシーンやらあのキャラやら書けたらいいな。
おいで、お…で。早く……ってきて。待っ…いる。みん……っている。
誰かに呼ばれている気がする。懐かしい声。行かなきゃいけないのに、行きたくない。
だって私はまだ……。
「さくら、さくら!」
母親の自分を呼ぶ声が聞こえる。
自分の部屋のとは違うフカフカのベッドの上でさくらは、ゆっくりと目を開けた。
――懐かしい夢を見た気がする。何も覚えていないけど。
イギリスに来て、2日目の朝。
時差に全然慣れず、無理矢理時差慣れしようとしたせいで体調が優れなかった。
イギリスへは昨日到着し、明日はいよいよ入学日だ。
入学日までは、キングス・クロス駅周辺のホテルに母と二人で泊まる。
今日は、ホグワーツ行きの汽車が出るらしい9と4分の3番線というホームの下見をしに行くつもりだった。
ホグワーツに入学したいと決めたあの日から、教科書や制服だけで無く、学校に通う為に必要であろう様々な物が相田家に届けられた。
汽車のチケットもその一つだ。
最初こそありがたかったが、ここまで手取り足取りだと正体不明の人物からの贈り物と言う事も相まって少し気味が悪かった。
まるで誰かがさくらをホグワーツに入れたくて仕方が無いような。
それはともかく、9と4分の3番線などという9でも10でもない中途半端な数字のホームなんか本当に存在するのだろうか。
チケットが送られてきたという事はある筈なんだろうが、それでもやはり半信半疑なので下見をしようという事だ。
母は、寝起きでまだボーっとしているさくらの肩を落ち着かない様子で揺らした。
「さくら、窓! 窓!」
母が指さす先の、窓の方を見ると、さくらはギョッとし一気に目が覚めた。
窓の外には、白い雪のような羽を持つスノウがこちらを覗いているではないか。
イギリスへは、母と二人で来た。
父と総は日本で留守番をしており、スノウはさくらの次によく懐いていた総に世話を頼んだ為、スノウもまた留守番の筈だったのだが。
スノウとそっくりな別のふくろうかもしれないなどとは一切考えなかった。
窓を開けると、スーっと部屋の中に入ってきてさくらの肩に止まった。
「スノウ、どうやって来たの!?」
ふくろうなのだから、答えられるわけがないのだがそう聞かずにはいられなかった。
スノウは、きょとんとした顔で首を傾げるだけだった。
先程はスノウがいる事に驚きすぎて気付かなかったが、スノウは何かが入った小さな袋を咥えていた。
さくらはスノウからその袋を受け取ると、中に入っていたものを取り出した。
袋の中には、金色のコインのようなものが7つ入っていた。
スノウはさくらの肩から再び窓の方に向かって飛んで行った。
窓際に止まると、スノウは左の羽を外の方に向かってパタパタと動かした。
どうやら、スノウはさくらとどこかに行きたいようだった。
神白 さくらの杖の木の素材は?
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