しばらく、闇祓いハリー編が続きます。主人公はおやすみ。
ハリーは自分を無言で見つめる男性の燃えるような赤い瞳にゾッとした。
今まで捕らえた死喰い人から、侮蔑の言葉を吐かれたり恨みのこもった目で睨まれる事などは日常茶飯事のようにあったわけだが、彼は他の死喰い人とも人生の中で出会って来た人々とも違っていた。
身の毛がよだつ程の激しい怒りと憎しみ、燃えるような色をもってしても背筋が凍りそうな冷たい視線。
ハリーには、この男性が自分を殺してしまいたくて仕方ないように感じた。
「わたし、この人とホグワーツ時代同級生でしたのでよく覚えていますわ。クロード・エイブリー。聖28一族の一つで、闇の魔術に長けた死喰い人がうじゃうじゃいる家系ですわ」
ブレンダ夫人は、まるで汚らしいゴミを見るかのような嫌悪の目でエイブリー氏を見た。
「魔法省が定めた投獄の基準には『闇の帝王復活後に錯乱呪文など強制的では無く自ら彼に手を貸した死喰い人』だった筈だが? 私は復活後、一切手を貸していない。手を貸していたのは、私の親族だ。この話を貴様達に何度すれば気が済む?」
エイブリー氏も負けじとブレンダ夫人を冷ややかな目で見下した。
「エイブリー、確かあなたのとこの息子も今年一年生になるんでしたわよね? 死喰い人の息子ですもの、壁の行き先を変えるいたずらなどよくやるでしょう? 魔法省があなたを許そうとわたしは許しませんからね。死喰い人は死ぬまで、いいえ死んでも死喰い人ですわ」
「私ばかりでなく、息子まで侮辱するな! この穢れた血が!」
ブレンダ夫人はその言葉にカッとなり、体格的に適わない相手にも関わらずエイブリー氏に飛びかかった。
エイブリー氏は少々よろめいたが、すぐに体制を整えるとサッと杖を取り出した。
これには流石に、オズマルゴ局長もハリーも慌てて二人の間に割って入って二人を制止した。
ハリーがブレンダ夫人を止めようとした時には、拳でエイブリー氏を殴りかかる寸前だった。
「この男は今、わたしの事を穢れた血と呼びましたのよ? どうして止めるんですの!」
「ああ、そうだ。そしてそれは許されざる事だ。だが、先に彼を煽ったのは君だろう?」
オズマルゴ局長は至って冷静に述べた。
これにはお喋りなブレンダ夫人も黙り込んでしまった。
ハリーはブレンダ夫人の早口で甲高い声が耳障りだったのでオズマルゴ局長の痛いところをつく正論に感謝した。
「それはそうと君を疑いたくはないのは山々だが、少しだけ直前呪文を確認しても構わないかな? こちらも仕事なのでね」
エイブリー氏は納得のいかない様子だったが、ふーと溜息をつくとその言葉に従い、杖を渡そうとしたその時だった。
「彼が死喰い人だから確かめるのですか?」
声の方を振り向くと、シスターらしき真っ黒な服装に身を包んだ黒髪の若い女性が笑顔で立っていた。