シャドウズルーラー~蘇りの石~   作:聖せろり

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「ハリーポッターは、英雄か憎むべきか」のタイトル、割とめっちゃ悩みました。


27 死の秘宝の在りか

「こちらの第4章をご覧下さい」

渡された忌々しいタイトルの本の著者は、あの忌々しい女、リータ・スキーターだった。

シルフィ―ヌが指定した章をパラパラと開くと、「第4章 死の秘宝」という文字が目に入り、ハリーは心臓の鼓動が早まった気がした。

この世界で死の秘宝について知っている者自体極僅かであり、ましてハリー自身が死の秘宝を実際に手に入れていたと知っている人間は数える位だ。

ハリーは恐る恐る本を読み始めた。

 

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お忘れかもしれないが、例のあの人、ヴォルデモートが魔法省やホグワーツなど魔法界全体を掌握していた頃、ハリーポッターが一時期姿を消していたのを覚えているだろうか。

彼があの時期、身を隠し何をしていたのか知る人物がいる。

ヴォルデモートが魔法界を掌握していた時代もハリーポッターを支持する記事を特集し続けてきた「ザ・クィブラー」の編集長、ゼノフィリウス・ラブグッド氏はこう言う。

「彼らは、私が身に着けていたペンダントについて尋ねにきたんだ。死の秘宝の印なんだがね」

死の秘宝とは初めて耳にする言葉だった。しかし、その印には見覚えがあった。

ヴォルデモート以前の闇の魔法使いとして恐れられた、グリンデルバルドの印だった。

ラブグッド氏は続けてこう言う。

「いいや、この印は彼のものではない。彼が勝手に拝借し使用していただけで、闇の意味合いは一つもない。本来この印は、死の秘宝の信奉者の同士を示す為に使われるだけの事だ」

彼は全ての謎を解く鍵は、「吟遊詩人ビードルの物語」に集約されている「三人兄弟の物語」にあるという。

兄弟達が「死」から与えられた贈り物、長男の「杖」次男の「石」三男の「マント」それらは全て実在するという。

にわかに信じ難かったが、長男の杖というのは魔法史にも載っているニワトコの杖の事であるらしく、

ラブグッド氏へのインタビューの後に三男の透明マントらしきものは既にハリーポッターが所持しているという情報を入手した。

またニワトコの杖は、何とあのヴォルデモートが探していたとギャリック・オリバンダー氏が証言している。

残るは次男が与えられたという蘇りの石の行方だが、これもまたかつてハリーポッターが所持していたという確たる証言を得た。

その証言をしたのは、ハリーポッターが後見人となった少年エドワード・ルーピン君だ。

彼は、ハリーポッターの友人であり彼が身を隠していた時期も共に過ごしたロナルド・ウィーズリー氏からその詳細を聞いたという。

ウィーズリー氏は幼いルーピン君に「三人兄弟の物語」を読み聞かせた時に、実際に自分達が目にした死の秘宝の数々の体験談を事細かに教えたというのだ。

その中の話に、蘇りの石が今どこにあるのか、またヴォルデモートが手にしたニワトコの杖の在りかも含まれていた。

何と、蘇りの石はハリーポッターの手によってあのホグワーツ魔法魔術学校の禁じられた森のどこかに捨てられているというのだ。

一方、ニワトコの杖はかつてホグワーツ魔法魔術学校の校長を務めていたアルバス・ダンブルドアの墓に眠るという。

彼ら全員が裏で話を合わせ、総じて嘘をついたり又は狂っている可能性は極めて低い。

何故なら、以前「アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘」を書いた後も度々アルバス・ダンブルドアについて調べていたが、彼の生涯を調べるうちに

ニワトコの杖や蘇りの石、透明マントの名称を聞く機会があったからだ。

だからこそ、私はすぐさまこの死の秘宝についてすんなりと受け入れる事が出来たのだ。

これら3つを手に入れたものは「死を制する者」になるとラブグッド氏は言う。

「死を制する者」――つまり、人の生死をコントロール出来るようになるというのだろうか。

ルーピン君によると、ハリーポッターはこの3つの秘宝を一度手にしておきながらマント以外全て手放したという。

我々が死喰い人達が殺しに来ないか恐怖に怯え家に籠っていた時に、呑気に秘宝集めをしておきながら彼はその貴重な財産をあろう事か捨てたというのだ。

そもそも、生き残った男の子の為に一体幾つの命が犠牲になったのか。

彼は本当に英雄と称えるべき魔法使いなのだろうか。

 

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リータ・スキーターの本を持つハリーの手が、次第に恐怖と怒りで震えだした。

あの女はおそらく証言をした者達に真実薬でも飲ませ無理やり話させたのだろう、と容易に想像出来た。

この本が世間に出回り、目の前にいるシルフィ―ヌというこの女性が自分にこの本を持ってきたという事は彼女が聞きたい話は一つだけだ。

「私達『死の教徒』が知りたいのは、蘇りの石の在りかです。禁じられた森と言っても、広すぎて実物も見たことがない私達が探すのはとても困難な道のりなのでしょうから」

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