険しく狭い小道をしばらく歩くと、ハグリッドがもうすぐホグワーツが見えると教えてくれた。
前の方で歓声が湧き上がった数秒後、さくら達3人も思わず声をあげた
大きな黒い湖の向こう岸に高い山がそびえ、そのてっぺんに壮大な城が見えた。
社会の時間に習ったサグラダ・ファミリアみたい、とさくらは目を輝かせた
「すっげー! 俺らあんなとこに住めるのか?」
「そうよ! 魔法の勉強もね! ついにこの日が来たのよ!」
ミンティアもソニックも驚きと喜びの感情でいっぱいだった。
「お前さんたち、四人ずつボートに乗るんだ!」
ハグリッドは岸辺に繋がれた小船を指さした。
さくらとスノウ、ミンティア、ソニックが乗った船には、ミディアムヘアの白髪の女の子が後から乗ってきた。
白い髪の隙間から覗く赤い瞳が神秘的で凄い美人だとさくらは思った。
ハグリッドの合図で生徒達が乗ったボートは一斉に動き出し、城へ向かって進んでいった。
ゆっくりと滑るように進むボートに乗った生徒達は皆、次第に近付く巨大な城に心奪われ誰一人として一言も話さなかった
「頭、下げぇー!」
ハグリッドの掛け声で皆一斉に、反射的に頭を下げた。
生徒達を乗せたボートは蔦のカーテンをくぐり抜け、ポッカリと空いている崖の入口へ進んだ。
城の真下と思われる暗いトンネルに入るや否や、同じボートに乗っている誰かの息が荒くなっている事にさくらは気付いた。
トンネルを抜け少し明るくなってから他の3人を見渡したが、その頃には3人は普通の速度で呼吸をしていた。
地下の船着き場に到着し、再び地面に降り立った瞬間、ミンティアは喜びの悲鳴を小さくあげた。
他の生徒達も胸を踊らせ、先程までの沈黙が嘘のようにペチャクチャ喋り出した。 生徒達はハグリッドのランプの後に従ってゴツゴツした岩の路を登り(その最中、さっきの男の子がまたコケていた)、城の石段を登り、大きく重厚感のある扉の前でピタッと立ち止まった。
「みんな、いるか?」
もちろん、とか、おーとかなんとか皆、バラバラに返事をした
ハグリッドは大きな握りこぶしを振り上げ、城の扉を三回叩いた。
扉がギィと音を立てて開くと、中から暗めの紅色のローブを着た栗色の巻き毛の魔女が現れた。
かなり年を召してはいるものの穏やかで物腰の柔らかいその女性は誰からも好かれやすそうなタイプに見えた。
実際さくらもこの人を見た瞬間、なんとなく好感を持った。
「オズマルゴ先生、イッチ年生を連れて来やした」
「ありがとう、ハグリッド。ここからは私が皆さんを案内しましょう」