さくらは笑顔をみるみるうちに崩し、酷くショックを受けた顔をした。
「でも、でもでもっ……! ここに通えるって手紙も制服も教科書だって……私、ここに通いたくて、お母さん達だって送り出してくれて……!」
「ですから全て手違いです。こちら側のミスなのです。なのでホグワーツ校長、このミネルバ・マクゴナガルがきちんと責任を持って貴方を保護者の方の元へ送り届けましょう」
校長と聞いて、さくらはもう本当にダメなんだと悟り黙り込んでしまった。
さっきまで事の成り行きを楽しんでいた生徒達もこの一部始終を聞いて、半数以上の生徒は手違いと言われたこの少女に同情し、残りの生徒は未だこの状況を楽しんでいた。
特にミンティアはさくらと同じかそれ以上にショックを受け、あの校長に反論する内容を必死で考え言うべきタイミングを見計らっていた。
オズマルゴ先生は哀れな少女の肩を優しく支え、慰めの言葉をかけてくれているようだったがさくらの耳には何も入って来なかった。
――私の居場所はここにも無かったんだ。
落ち込んでいるさくらの為に最初に行動したのは、ふくろうのスノウだった。
スノウはバサッとさくらの腕から飛び立つと、帽子の元へ行き帽子をなんとか咥えるとそれをさくらの頭に置とした。
視界が急に真っ暗になり頭の上が少し重くなったので、さくらは我に返り自分の頭を触った。
何かつばのようなものがあるのを感じる。
さくらがかぶっていたのは紛れもなく、組分け帽子だった。
「ナイスふくろう!」と生徒達の誰かが声をあげ他の生徒達も「いいぞ!」とかスノウを褒めた。
マクゴナガル校長は、急いでさくらの頭から帽子を取ろうとしたが、オズマルゴ先生が制止した。
「あの子がホグワーツに来る資格が無いのなら、ここで分かるわ。そうじゃないのなら……ミネルバ、何も手違いは無かったと言うことよ」
マクゴナガル校長は何も言えず、絶望したかのような顔で帽子の動向を見る以外他ならなかった。
さくらの頭の上で帽子が話し出す。
「おお、これはこれはなんとも珍しい、こんなことがあろうとは……何故、君のようなものがここへ?」
「? えっと……どういう……こと? 魔法使いの学校に通いたいから?」
帽子は低い声でハッハッハと笑った
「そうかそうか何も知らないならその方が良いかもしれない。そうそう、君の寮の件だけれど、もうどこか決まっているんだ。さて、それでは君の寮は……」
帽子は少し間を置いてこう告げた。
「スリザリン!」