「幹部は数人だけれど、信者は誰で何人いるかまでは分からないわ。身近な人間が信者って可能性もあるし……ディゴリー夫妻にトンクス夫人それにハンナ。こんな身近だった人物まで信者なのよ? 魔法省に信者がいないっていう方がおかしな話だわ。これ以上、あの女だけじゃなく他の人に私達の話を聞かれるのはごめんよ」
それがハーマイオニーが自宅にハリー達を呼んだ理由だった。
「それでさ、これからどうするってわけ? 死の教徒の本部に殴り込みに行く? 僕達、あのヴォルちゃんだって倒したんだぜ……なんだよ、ピーブズのヴォルちゃん呼び、結構気に入ってさ……後から思ったんだけど割とセンスあるよなーあいつ」
ハーマイオニーは呆れたという感じで首を振った
「ヴォルデモートは完全に悪だった。僕の両親だけでなく大勢の人の命を奪った。でも、死の教徒の人達はそうとは限らない。どちらかというと、僕達に似ている。彼らも大切な人を失った。ハンナ達の名前を聞いてそう思ったよ。だから彼らと戦う事が解決法になるとは僕は思えない」
ハリーの言葉を聞いてロンもそうだなと思ったのか、俯き黙り込んだ。
「だけど彼らがしようとしている事は止めなきゃいけない。蘇りの石では真に人を生き返らせる事が出来ないとしても。理不尽に思えても、死は受け入れるべきなんだ。局長が彼らの罠に気付いてくれて良かったよ。でなきゃ僕、あのまま蘇りの石を安全な場所に移す為に探しに行ってたかもしれない」
ハーマイオニーが驚いた目でハリーの顔を眺めた。
「それ本気?」
ハーマイオニーがあまりにも冗談でしょという風に聞いてきたので、ハリーは少し自信を無くしてうんと首を縦に振った。
「じゃあハリー、あなた本気でそうだと思っているのね? モントが騒ぎを起こして蘇りの石を狙っているとあなたにわざわざ計画を教えて、不安に感じたあなたが蘇りの石を見つけて持って帰るところまでモントがよんで? モントが楽に奪えるように指向けたって?」
「え、僕も局長もそうしか考えられなかったけど……違うの?」
「あぁ、ハリー! それは二重の罠よ! そこまで頭が回る相手よ? あなたがその罠に気付くか、もしくは気付かなくてもあなたが慎重さを選んで蘇りの石を探しに行かないという選択を取るかもしれないという事もきっとモントは計算している筈よ! あなたが、もし本当に探しに行っていたらラッキーだとしかモントは考えていないわ!」
「じゃあさ、なんでハリーが呼び出されるまでの事してハリーに計画を教えたんだよ? 本当に頭が回るのか、そいつ」
ハーマイオニーは、決してそうであって欲しくないと祈るような想いで自分の考えを3人に話し出した。
「そうでなかったらいいのだけれど……モントはおそらくだけれど、あなた以外に蘇りの石を見つけ出せる人間を知っている」
この話に、ハリー達が今度は驚かされた。
「そんなあり得ない。僕だってどこに落としたか分からないのに!」
「えぇ、でもモントはそういう特別な人間がいる事を知っているのよ。アクシオを使わなくてもそれを見つけ出せる人間を。 その人がどうやって見つけ出せるのかは私にも分からないわ。けれど、おそらく魔法で効率的に見つけ出せる人間ね。でないと、あなたを使った方が早いもの」
「そんなのって……そんな魔法って……あるわけがない」
「第一、そんな人をどこでモントが見つけたのかよね。昨日、その壁をその時間にその人物が必ず触れる事もモントは知っていた。あんな人目のついて誰が触れるかも予測できない場所を選んだのよ。リスクが大き過ぎるわ。だから、その人物とモントは面識が無い筈。その人は、何も知らず利用されかけたのよ」
「何も知らないのにどうやって見つけ出せるんだい?」
「これも推測よ……誰かがその人に森へ行くように指示するのよ。そして……本当どうやって見つけ出すのかしら? いいえ、それは今置いておくわ」
「森へってそんな簡単に信じて……」
ハリーはそこまで言って自分でその恐しい事実に気付いてしまった。
「簡単に信じられる相手で、簡単に信じてしまう子なんだ」
ロンとネビルはまだ気付かず、どういう事か説明してほしいとハリーに目で訴えた。
「つまり……その子を騙す人はホグワーツの人間、多分教師で、見つけ出せる子は……ホグワーツの生徒だ」