シャドウズルーラー~蘇りの石~   作:聖せろり

7 / 46
家族って色んな形があって面白くもあり難しくもあり。
ホグワーツとか魔法界の部分を早く書きたいけども、家族の話を削りたくもなく。
それはそうと、ストックが無くなってきたのでもうすぐゆっくり更新モードになりそうです……。


10 死を知らせる光&11 バラバラな家族

この光は、さくら以外の誰にも見えなかった。

ゆらゆらと花の周りに漂う緑色の光をさくらは見慣れていた。

道端の枯れた花、家主が亡くなった家、集合墓地……あらゆる所でその光を目にしていた。

たまに光の量が多過ぎて目が開けられない事だってあった。

物心ついた頃から、もしかしたらもっと前から、緑色の光が見えているさくらはその光景が当たり前の光景だと思っていた。

母と前の夫の墓参りに行った際、集合墓地を包む異様な光の洪水に、さくらは怯えた。

墓地に入ろうとしないさくらに疑問を持った母が、「どうして怖がっているの?」と問いかけた事でこの光は当たり前ではないと発覚した。

言われてみれば、確かに誰もさくらと似た現象に悩まされていそうな人は誰一人としていなかった。

自分だけがこの不思議な力を持っていると自覚してから、さくらは緑色の光を今までより意識して見るようになった。

そうした中でその光が発生している場所の共通点が、「死んで間もない動植物の周り」だと気が付いた。

(ただし、墓地など特定の場所ではその条件に当てはまらない場合がある。何故かは分からない。行った事は無いが、心霊スポットも同様な気がする)

つまり、今目の前に差し出されたこの枯れた花は言うまでもなく、枯れたばかりなのだ。

ガラガラと教室の扉が開く音と共に、担任が教室に入ってきた。

クラスメート達は一斉に担任の元へ向かい、花を見せている。

担任がこちらをギロリと睨んでいる。

またお母さんを呼ばれちゃうかも、と考えうる最悪なシナリオを思い浮かべながら、さくらは憂鬱そうに溜息をついた。

 

 

花枯らし事件のおかげで親を呼び出され、家の雰囲気が以前にも増してギクシャクしだしてから数週間が経った。

生徒達や教師は、今ではすっかり何も無かったかのようにさくらを普段通り無視する生活に切り替えている。

そんな事はどうせ今に始まったものではないし、嫌な想いをするのは自分だけなので気にも留めていないが、自分のせいで家族間が悪くなるのだけはどうしても無視出来ない程、嫌だった。

呼び出された日の夜、母と父がお互いいつもより強い口調で話し合っているのをこっそり見た。

喧嘩をしているわけではなく、ただお互いの意見が一致しないだけではあるが。

ガッシリとした体格で気前の良さそうな顔である父親の一馬は、銀行員だった。

自分に関係ないところで後輩がミスをしたり、とんでもないクレーマーが言いがかりをつけてきても、「まず謝罪をし、自分が折れ相手をたてて事を収める」精神で仕事も日常も過ごしてきた。

一方、細身で寡黙な母親の杏樹は、何を言われても黙ってため込むタイプだ。

しかし、自分以外の誰かが理不尽な事などを言われると普段とは打って変わり、正義感が働くのだ。

そんな二人だからこそ、さくらの件に関してだけは毎回意見が対立してしまうのだ。

一方は「さくらはやらないかもしれないが、起きてしまったことは事実なので事を収める為に受け入れよう」という意見を、もう一方は「さくらは絶対やらない。やっていない事こそが事実なのだから受け入れれば偽りが真実として成立してしまう」という意見だった。

どちらもさくらを想って考えてくれた案だというのは分かるが、さくら自身は母親の意見の方が遥にありがたかった。

だが、本来なら前者の父親の意見に沿った方が良いという事も分かっている。

「やっていない」と言い続けてきたが、それに納得出来ない人々によって余計に噂が広められてしまったからだ。

総と言えば、この件についての話題はいつも通り一切触れなかった。

ここ最近は家でさえも目を合わせてくれなくなった。

さくらが何か話しかけても「おー」とか「あー」とか聞いているか聞いていないのか分からない返事をしながら、そそくさと自分の部屋に向かってしまう。

さくらは、この現状に益々自分を責め、それでも尚、表では笑顔で居続けた。

「でも、いつまでもこんな気持ちじゃダメ。家族がこうなったのは私のせいなんだから私がなんとかしなきゃ!」とさくらは今日、決意した。

何故なら明日6月25日は、さくらの誕生日だ。

正確に言えば、6月24日が本当の誕生日なのだが、時差の関係で日本では6月25日が誕生日ならしい。

と、さくらはうんと小さい頃に母親から聞いたがその頃は小さすぎてちんぷんかんぷんだった。

とにかく、年に一度の最高のお祝いの日を最高にするべく、さくらははりきっていた。

相田総は、神白さくらの事がキライ?

  • はい
  • いいえ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。