ジャギィがドスジャギィになる話   作:ドスジャギィ

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第10話 富国強兵

今は繁殖期。数多の生物が、子孫を遺すために奔走する。

 

それは彼も例外ではなく、狩りは群れの者共にまかせ、最近はずーとジャギィノスといちゃコラしている。

 

 

 

例に同じく、寝転びながらジャギィノスに愛を囁いていた彼に、狩りから帰還したイャンクック達が突進した。

唐突な衝撃に悶え苦しむ彼に構わず、甘えるように嘴を擦り付ける。

 

彼は涙で歪む視界の中、違和感に気がついた。

 

 

ガルルガがいない。

 

迎えにいくか否か、決めあぐねていると、何かが猛スピードで巣穴に突っ込んできた。

 

 

土埃をたてながら、飛翔してきたそれは、彼の手前で急停止し、青色の何かを見せつけた。

 

良くやったと、黒紫色の嘴に軽く噛みつきながら、寝転ぶ彼の腹の下には、青い卵が既に2つ隠れていた。

 

 

これで3匹目だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、パキッという音で彼は目を覚ました。

3匹同時に、モソモソと殻から這い出てきたアオアシラ達に、品定めするような鋭い視線を送る。

 

まだ目も見えていないのだろう。

クンクンと鳴き声を上げながら、キョロキョロと必死に母親を探す。

 

上手く歩けず、コロコロと転がる彼らを、彼はそっと抱きしめた。

 

見つけた!とばかりに、自分にしがみつく彼らをみて、彼は蜂の養殖をしようと決意した。

 

 

 

 

「グルゥアアア゛ア゛ア゛!!」

 

 

 

同じく卵の割れる音で目を覚ましたガルルガが、その光景を見てブチギレたことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

彼は、久しぶりに巣穴の外に出た。たまには体を動かしたかったのと、蜂蜜を採ってきてあげたいと思ったからだ。

 

鼻をならし、辺りの匂いを嗅ぎながら森に入った。

 

 

 

 

 

日が傾き始めた頃、ようやく蜂蜜を見つけた。半ば諦めかけていた彼は、一目散に駆け寄った。

 

一口だけ食べよう。そう考えた彼は、あんぐりと口を開け、垂れてくる蜂蜜を受け止めようとした。

 

 

 

その時、かすかに羽音が聞こえた。

 

 

 

 

バックステップで後ろに飛び退いた。瞬間、目の前に巨大な角が突き刺さった。

 

光沢のある体、堅牢な外骨格に、体の半分はあろうかという巨大な角

 

 

アルセルタスだ。

 

奴も、蜂蜜を狙っているのだろう。蜂蜜の前に立ち塞がるように陣取った。

 

 

Gyichiiiiiii

両手の鎌を振り上げ、金切り声を上げた。

 

 

苦労してやっと見つけたのだ。彼も、今さら後には退けない。何より、我が子に美味しいものを食べさせたいのだ。

 

 

 

「グラァアア゛ア゛ア゛!」

 

 

 

 

戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

酒場の角で、1人の女が項垂れていた。

 

「ダン…。」

 

髪は乱れ、目には大きな隈があった。

明らかにやつれた女の姿は、見る者に憐憫の情を抱かせる。

 

見てられなくなったのだろう、一人の男が声をかけた。

 

「おいキャロル、大丈夫か?お前隈がすごいぞ。ちょっとは休んだほうが…ッ!」

 

男は、女の目を見た。

その目は何も映してはいなかった。ドロリと濁ったその瞳に、男は二の句が継げなかった。

 

 

「ありがとう、でも大丈夫だから。私は、大丈夫だから。私ならだいじょうぶ。」

 

彼女はそう言って笑った。

 

 

男には、その言葉が自分に向けられたものだとは思えなかった。

 

 

それはまるで、彼女自身への言葉のようだった。




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追記
間違えて、キャロルのことをカリンと表記してしまいました!カリンではなく、キャロルてす!

誤字脱字報告、ありがとうごさいます!!!
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