ジャギィがドスジャギィになる話 作:ドスジャギィ
血の跡が森の外に続いている。
彼の背中に空いた風穴は内臓まで達し、その死はすぐ傍まで近づいていた。
道中回復ミツムシを何匹か捕食するも、背中の傷は塞がらない。
背中の激痛は彼から余裕を奪い、浅い呼吸が繰り返された。
真近に迫る死に、足を速めるも、目的地には未だたどり着かない。
大丈夫。匂いは近づいてきている。
逸る心を落ち着け、着実に歩を進める。
すると、森が開け、一本の道に出た。
道を走る一台の荷車が目に入る。
やっと見つけた。
彼は、その荷車の前に躍り出た。
荷車を引くアプトノスが、甲高い悲鳴を上げる。
突然の出来事に面食らった御者だが、いつまでも狼狽えてはいられない。
咄嗟に指示を出した。
「いいい行けぇ、突っ切れ!!!」
御者に手綱を引かれたアプトノスは、頭を下げ彼に突進する。
ラッキーだ。
彼の上体が下がり、足のバネが縮む。
アプトノスが迫る。
瞬間、バネが解放された。
「はっ?」
御者の目の前に、彼は居た。
両肩に、鋭い鉤爪が突き刺さる。
そのまま、御者を押し倒した。
「ぐあああ゛あ゛あ゛!」
彼の牙が、御者の顔面を抉り取った。
…これか。
荷物を漁ること数分。バラバラになった荷車の中で、彼は目的のものを発見した。
包む袋を噛みちぎり、中の液体を飲み干した。
瞬間、彼をなんとも言えぬ万能感が包み込んだ。
細胞は活性化し、次々と数を増す
それはやがて、彼に空いた風穴を塞いだ。
秘薬の効果だ。
彼は、秘薬がダンの傷を即時に癒したことを記憶していた。
だから、荷車を襲ったのだ。
秘薬が積まれているかどうかは、一種の賭けだ。
彼はそれに勝利した。
傷を癒した彼は、悠々と帰路に着いた。
はちみつの事などすっかり忘れて。
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「キャロルの死体が見つかったんだとよ。
ったく、あの辺りで死ぬの、これで三人目か。」
男二人が、食後の談笑を楽しんでいた。
「幾らなんでも、おかしくないか?
あいつらだって、弱かない。キャロルに至っちゃ、ギルドでも上の方だ。」
「あァ…確かに妙だ。
聞くところによると、死体が見つからねぇダンの野郎を除けば、全員ジャギィ系列のモンスターに殺られたらしいじゃねぇか。
たとえドスジャギィだとしても、あいつらが殺されるなんざ考えられねぇ。」
「ジャギィ共か。
そういや、最近あいつらの被害がちらほら目立ってきててな…
ほら、依頼も出てる。」
「なになに…。
へぇ、荷車をね…
こいつぁ、なかなか暴れてるな。」
「あぁ。ギルドとしても、少なくとも2人殺されて、物資まで奪われてるんだ。
黙っちゃいないだろう。」
「はーぁ、物騒だねぇ。
俺はそんな不気味な依頼は御免だ。
っぱ、狩りは派手に行かねぇとな!
そうだろ?クルト」
「まったく…。そうだな、ゴルド。」
二人は、席を立ち、ある依頼を引き受けた。
次の日、森に雷が落ちた。
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