ジャギィがドスジャギィになる話 作:ドスジャギィ
彼は仕留めたハンターからいくらか道具を盗み、飛竜を喰らい始めた。幸い、この平原のヌシがこのリオレウスだったようで、近くに肉食竜は殆どいない。数日かけて、飛竜の全てを喰らった彼は、再び森へと帰った。
彼はかの竜を喰らってから、明らかなパワーアップを感じていた。力を入れればアプトノスの頭蓋を砕き、全力で跳べば鳥をも捕食した。
尾はさらに強く、そしてしなやかに。鱗と棘はさらに硬く、そして鋭利になった。
全能感が彼を満たし、油断を産んだ。
辺りを散策していると、ふと嫌な予感がした。
鼓動が早まり、瞳孔が開く。
瞬間、大木のような尾が彼に叩きつけられた。
彼は吹き飛ばされ、全身の骨が砕かれたような感覚を覚えた。実際に何本か折れていた。
フラフラながら必死で立つと、眼前に巨大な口が迫っていた。
なんとかバク転の要領でかわし、尾を下から叩きつけ、相手の顔面を大きくかち上げた。
両者間合いを取り、睨み合う。彼は相手を注意深く観察した。
巨大すぎる口、ピンク色の皮膚、巨大な鼻
アンジャナフだ。
現状、彼に打てる手はない。全力の尻尾攻撃でさえ、敵を仕留めるには至らない。なにより、彼は複数箇所骨折している。
勝ち目は薄い、そう判断して、痛む体を押さえて駆け出した。
幸い、アンジャナフは縄張りから彼を追い出したかっただけのようで、追っては来なかった。彼は体を休めるため横になり、自然治癒を待った。
初の敗戦は、彼に苦い記憶を残した。
数日経ち、大分体も良くなり、彼は獲物を探しに行った。
未だ万全とは言えない中、彼は木に登り、手頃な獲物を探していた。
ガラララララ
車輪の音がした。
音の方を見ると、二等のアプトノスが荷台を引いていた。
アプトノス2頭はキツい、彼はそう考える。
だが同時に、
箱の上のチビなら殺れる。
そう確信した。
よほど切羽詰まっているのだろう、護衛は雇われておらず、商人1人だけだった。
彼は赤色の蝶を噛み潰し、湧き出る力を全て近くの大木にぶつけた。
「おいッ!暴れるな、荷台を引け! 聞けッ!クソッ!あぁァァァッ!」
鈍い音と共に大木が倒れ、荷台が下敷きになった。
商人は赤い染みになり、アプトノスには逃げられた。
彼は商人のことなんてすっかり忘れ、アプトノス向かって走り出した。
彼はアプトノスを前にすると少し頭が悪くなるのだ。
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依頼主 最後の村人
あの日、村は限界だった。
食料は尽き、死体は腐り、疫病が蔓延した。
ある勇敢な男が、村中の家財を街に売り、その金で皆の薬を買うと言った。
村の存続をかけて、藁にもすがる思いで彼を送り出した。
彼は帰って来ず、捜索の末、赤く染まった地面と、砕け散ったなけなしの家財を見つけた。
もうこの村には何も無い。未来も、人も。
頼む、彼の仇を取ってくれ。
皆の許に胸を張っていきたいんだ。
《クエスト》
ジャギィ一頭の狩猟
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