ジャギィがドスジャギィになる話 作:ドスジャギィ
月日は流れる。
森はより一層繁り、新たな命が芽吹く。
それは同時に、古き命の終わりを意味する。
彼は今、かつての群れの巣に来ていた。
理由は勿論一つ、群れの長になる為だ。彼の身体は激戦を通してより強固に、そしてより大きくなった。
未だ2歳半ばという年齢にも関わらず、彼の体格はジャギィノスすら凌ぎ、ドスジャギィの名を冠するに相応しいものへと変容していた。
時は満ちた、彼はそう判断した。
洞穴へと入ると、耳が割れる程の鳴き声が彼を出迎えた。何頭ものジャギィ、ジャギィノスが彼を見定める。
彼はまるで意に介していないかのように振る舞い、堂々と群れの奥へと進む。
すると、一匹のジャギィが彼の元へ躍り出た。
グルゥァアッ!
勇ましい鳴き声で彼を威嚇し、尻尾を地面に叩きつけた。
開戦の合図だ。
ジャギィは彼に飛びかかるも、彼はバックステップそれを避ける。
お返しとばかりに、自慢の尾をジャギィに振り抜いた。
着地を狙われて放たれたそれを、ジャギィに避けるすべはない。
もろに喰らったジャギィは内臓を尾の棘に貫かれ、呆気なく命を落とした。
仲間の死に、興奮した竜どもが次々に咆哮を上げる。
あまりの騒々しさに、もう帰っちゃおうかと思案していた彼の耳が、一際大きな足音を拾った。
周囲の鳴き声が止み、彼の周囲からジャギィたちが退く。
奥から巨大な影が姿を表した。
発達したエリマキ、先のジャギィの5倍はあろうかという体躯。
群れの長、ドスジャギィだ。
グルァァア゛ア゛ア゛!
今度は彼が吠え、尾を地に叩きつける。
群れを賭けた戦いが始まった。
初めに動いたのは彼だった。
強靭に発達した筋肉で、尾を鞭のようにしならせて振るった。
流石の反射神経でそれを避け、長は前に踏み込んだ。
同時に振るわれる牙を、彼は首をのけぞらせて避けた。
ガチンと鋭い音が響き、その顎の威力を知らしめる。
だが、彼も負けてはいない。その巨大な体を生かし、体当たりをぶちかました。
不意をつかれ、フラつく長に、ここぞとばかりに追撃を仕掛ける。長の首めがけて、噛み付いた。
なんとか体を捻るも、完全には避けきれず、長の肉が抉れた。
だが、ここで予想外のアクシデントが起こる。
噴水のように吹き出す血を浴び、一瞬彼の視界が閉ざされた。
瞬間、尾が叩きつけられる。脳が揺れフラつく彼に、長は容赦なく襲い掛かった。
発達した爪で肉を削ぎ取られ、激痛が走る。
しかし、長の猛攻を受ける彼は冷静だった。今までの経験が彼に理性を与えた。
だから、過度の流血で動きが鈍った一瞬を、彼は見逃さなかった。
甘い噛みつきを躱した彼は、神速の踏み込みで懐に入り、長の首にがっちりと噛み付いた。
爪が彼を抉るも、所詮悪あがきに過ぎない。
長の首をへし折り、彼は世代交代を告げた。
遂にドスジャギィになりました!!
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