【デジモン×ポケモン】侵食し行く向日葵の花   作:小説チーム・ハスタート

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虐殺の罪は少年たちを蝕む

 ボウルタウンの飲食店からやや離れたところ。そこで重篤なダメージを負ったオーガモンの前にしゃがみ込み、苦々しい表情を浮かべる少女がいる。…その少女の名はネモ。その名を聞いただけだとポケモンバトルに対する熱の入りすぎている彼女の一面しか思い浮かばないだろうが、今の彼女の表情はといえば普段の彼女からは想像ができないほどに苦々しく、どこか哀愁の漂うもの。

 傷の痛みからなのだろうか、オーガモンが地面に倒れ伏したまま動かないでいる。その姿を見て、ネモはぽつりぽつりと言葉を口にしはじめた。

 

「わたしもポケモントレーナーで、ポケモンバトルやポケモンと触れ合うことが大好きなんだ。だからこそ、ポケモンを悪事に使う人なんていない、なんて思ってた。…いたとしてもそれは他の土地の話で。その土地での話を見ても私は…バトルしたい、としか思ってなかった。…だけど、貴方達と出会って私の考えは…カイスのみ見たいに甘い考えだったってことを思い知らされた。ポケモンを使って…ポケモンじゃないほかの生き物に危害を加える人がいた、だなんて…。そんな人はポケモントレーナーじゃない。…ただの悪人だよ。」

『っ…ポケモントレーナーであるてめえが…それを言うか…!てめえらのようなポケモントレーナーの所為で…俺達がすむデジタルワールドは…かつての姿などどこにも残っていない…地獄のような様になってるんだ…。』

「…他人事じゃ、なかったね、ごめん。」

 

 沈んでいる様子を隠さずにいるネモ。その後ろでペパーが歯噛みをする。

 

「なあ、ハルト。ポケモントレーナーって、何だ?ポケモンを育て上げて…ポケモン同士を戦わせて力を競わせていく…人たちの事だったよな?中には…ポケモンを育てることを信条にする人たちもいるっていうのは、俺も知ってるけどよ。…ポケモントレーナーって称号は、どんなことをやっても許される…免罪符なのか…?」

「ペパー、僕もそんなことは…わからないよ。オーレ地方のようにポケモンに細工を施して戦闘マシンに仕立て上げる組織もいるって聞いたことはあるけど…。…この生き物からの話を聞いて、僕もわからなく…なってきた。ポケモントレーナーという肩書を持つ人間が…こんなこと…していいわけ…ない…。何もやってない…生き物に…こんなこと…していいわけ…ない…。」

 

 オーガモンの話を聞いていたのかハルトが顔を急に上へとあげ、涙が落ちるのを防ごうとする。

 

――ポケモントレーナーという役職は、何のためにあるの?ポケモントレーナーって、ポケモンを愛するためならばほかの生き物を傷つける事も踏みにじることも許されるような役職なの?…教えてよ。今までのポケモントレーナー達。

 

 ハルトの心からの叫び…しかしそれは誰にも聞こえるわけがない。そんなつらい思いをしているハルトの近くで。ネモは重篤な傷を負ったオーガモンの体に手で触れ。何時ものの快活で戦闘狂な性格からは考えられないような優しい動きで撫で始める。

 

「…。貴方は…もう…大丈夫だよ。…もうこれ以上…苦しまなくて…いいから。貴方達から聞いた出来事は…私達の心に…しっかりと刻んで…後世に伝えてあげる。…ポケモントレーナーという役職の栄光に隠された…罪として。きっとそれが、私達にとっての貴方達の様な存在に対する償い方、だから。」

 

 緑色の肌をした、手下と思われる生き物達がネモ達の事を鋭い目でにらみつける。…それを受けてもネモ達は苦々しい表情しか返すことしかできなかった。…なぜならば彼女たちの心の中にあったのは。デジモンという生き物に対する申し訳なさ、罪悪感。そしてピカチュウを中心としたポケモン達を使って"本来魔女と呼ばれる人物が行ったといわれるポケモン達への襲撃"をデジモン達のせいにしてデジモン達を襲撃、虐殺したポケモントレーナーに対する怒り。

 ポケモントレーナーならば絶対に許されるべきではないこと。それを平然と…それも歴史を捻じ曲げてやってのけた見知らぬトレーナーに対するハルト達の内なる怒りは…相当なものだった。仕方のないことだ、デジモン達がされてきた事を思えば…怒りがわいてくるのも。悲しみがうまれてくるのも。仕方のないこと。それを心の中にしまい込んで。ハルト達は生き物達を見送っていく。

 そうしてハルト達はボウルタウンの中心…風車が目立つ広場へとたどり着くと。つぼみのような姿をしたどこかかわいらしい印象を与える生き物達に囲まれた。

 

『貴方達、ポケモントレーナーね!?私達デジモン達の支配下となったこの町に何の様なの?』

「…。町を取り戻すために旅をして回ってるんだ。セルクルタウンはすでに解放した。…順番通りなら次はこの町になる。…僕達は、何をすればいいの?」

『なるほど?私達からこの町を奪い返そうって魂胆ね?いい度胸よ!ならば貴方達の邪念等がないことを試してあげるわ!』

 

 つぼみのような姿をしたどこかかわいらしい印象を与える生き物達から試練を与えられるハルト達。…その試練を乗り越え、ハルト達はボウルタウンを解放することができるか。

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