【デジモン×ポケモン】侵食し行く向日葵の花   作:小説チーム・ハスタート

22 / 25
少年に課せられるは育成の試練

「邪念の…なさ?」

 

 花のつぼみのような姿の生き物達から課せられたお題。それを聞いてハルト達はあっけにとられてしまう。なぜならば邪念の無さなどどうやって図ればわからないため、だ。

 ハルトやネモが学校最強大会で戦いまくったり、ボタンがスター作戦という作戦にのっとって復讐をしたのも一つは心の底に邪念があったため。それを探られてしまえば邪念があると判断されてしまう。…その事を警戒し一歩引くハルト達。そのハルトらに花のつぼみのような姿をした生き物は表情を険しいものにし、ハルト達に詰め寄りゆく。

 

『…人間達、そうやって一歩引いているってことは…何か邪念があるって事?』

「そ、そういうわけじゃあないよ。…生き物達にはきちんと純粋に付き合ってきているつもりだから。」

「そ、そうだよ。私だってハルトと同じように、戦いたいという欲望はあれど…それ以外では愛情を持ってるつもりだから。」

『…。そういうのが私達は信じられないんだよ。人間達は私達に対して虐げたりするのが一般的だ、って刷り込まれてきたから。…特に貴方達の様な、ポケモンという生き物を従えて戦わせるような人間達は信じられないの。…此処での試練を突破したいのであれば、私達が出す試練でその純真さを試させてもらうわ。』

 

 その生き物達からの言葉を聞き仕方なく試練を受けることとしたハルト達。その後に飛び出してきたのは、手で抱っこができそうなほどの大きさの、様々な姿をした生き物達。それらを見てハルト達は目を見開き驚く。

 

「わわわっ!?この生き物達は…!?」

『このデジモン達はデジタルワールドが焼け跡となった後にその焼け跡から救い出した卵から孵化した幼年期デジモン達。…そのデジモン達を見事成長期までに成長させ、懐かせることができたならば認めてあげるわ。』

 

 驚くハルト達に対してそう言葉を発するデジモン。そのデジモン達はそう言葉を発したのちに。かつてジムテストを行っていた建物の中へと引っ込んでいった。

 突然デジモン達の事を託されたことで困惑するハルト達。そんなハルト達に対してペパーはある提案を出す。

 

「なあ、ポケモン達ってサンドイッチを食べることができるよな?ハルトの仲間にしたミライドン然り、俺のマフィティフ然りさ。…そこで、この幼年期デジモン達にもサンドイッチ与えてみようぜ!」

 

 ポケモンとデジモン、その育て方を同列にしているかのようなペパーの言葉。それを聞いてボタンは疑問を思いきり浮かべていたものの。ハルトとネモは顔を見合わせた後に物は試しと言わんばかりに同時に頷く。

 

「どんなことが起こるかはわからないけどさ、とにかく試してみようよ。…あの生き物は幼年期っていってたから恐らくはまだ幼い段階のデジモン達なんだと思う。要は、ポケモンでいうところのまだタマゴから生まれたばかりのポケモン達の様な物。だからまずは甘いものを食べさせてみよう。食材は僕が買いこんであるから。」

「えっ、ハルトいつの間に食材買い込んでたの!?」

「オイオイ用意周到ちゃんかぁ~?」

「ネモをあんな風に育てたハルトだからきっとハルハルしい理由だよ…。」

 

 ネモ、ペパー、ボタンから順に言葉を掛けられるハルト。最後に放たれたボタンの言葉に応えるように、ハルトは言葉を返す。

 

「大体は自分の欲として様々な効果を得たいがためにやったものなんだけどね。…正しく備えあれば患いなし、とはこのことだよ。さあ、みんな。サンドイッチづくり始めるよ。」

 

 ピクニック道具などを出して早速料理を作り始めるハルトとペパー。その間ネモとボタンは幼年期デジモンたちと触れ合っているが…ボタンから何かを感じ取ってか幼年期デジモン達はボタンに群がり始めている。

 

「ネ、ネモ~!た、助けてぇ~!」

 

 群れたデジモン達の山…デジ塚となったボタンがネモに助けを求めるもネモやハルト、ペパー達はそれを笑って見ている。

 そんなことがありながらもしばらくして。ハルトの考えた幼年期デジモン向けのサンドイッチは見事に完成した。そのサンドイッチは挟まれているところからフルーツが見え隠れし。甘そうなホイップクリームが今にも溢れん蛾ばかりにその存在感を示している。…一口食べればその甘さに驚くことだろう。

 ペパーとハルトがそのサンドイッチを小分けにし、幼年期デジモン達に配っていく。…どうやらそれを待ち望んでいたのか。ボタンに群がっていた幼年期デジモン達もすぐさまペパーとハルト達に集まっていった。

 お腹が空いていたのかそのサンドイッチにがっついていく幼年期デジモン達。その様たるや見ているそばからすればほほえましいものだ。

 食べている最中でさえもハルトやペパーの事をちらりちらりと見やるデジモン達。その様子をハルトとペパーは見守っていき。やがてサンドイッチを完食したのか…デジモン達は食べたそばから再びボタンに群がっていった。

 二度目のデジ塚が形成される。その中で慌てるボタンと、それを見て笑うペパーたち。…ハルト達はデジモン達に対する邪念の無さを認めてもらい、ボウルタウンを解放させることができるのか。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。