【デジモン×ポケモン】侵食し行く向日葵の花   作:小説チーム・ハスタート

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純真の心を認めてもらおう

 花のつぼみのような姿を持つデジモン達から与えらえた、純真さを試す試練。…それは、荒らされゆくデジタルワールドからデジモン達が何とか救い出したタマゴから孵ったデジモン達の世話であった。

 デジモン曰く幼年期、と呼ばれるまだかわいい盛りのそのデジモン達はまだやんちゃ盛りで。ハルトが普段から持ち歩いているボールを取り出せば、全員で群がって遊び始め行く。

 デジモン達がわちゃわちゃと遊ぶさまを見てほほえましく思うハルト。同時に彼の中に、黒い思いが渦巻き始めていた。

 …それはデジタルワールドを襲撃した犯人に対する怒り。何故なら目の前にいるような愛らしい幼年期デジモン達が暮らすデジタルワールドを襲撃するなど、余程人の心を失っていなければできないような所業なのだからである。

 

――ポケモンの世界が魔女に襲われた、という歴史を悪用してデジタルワールドを襲った…それだけでも許すことはできないというのに、この愛らしいデジモン達を独り立ちさせるような真似をさせるなんてなおさら許せないことだよ。…もしも会うことができたならば、絶対に倒してみせる。

 

 ギュっ。自然とハルトの手に力がこもる。そんな彼の元に…ぷにぷにとした物体にひらひらとしたものがくっついたような姿形のデジモンがぴょんぴょんと近づいてくる。

 

『君の名前、なんていうの~?僕はコロモンっていうんだ~。』

 

 人懐こい様子を見せるころ問、と名乗ったデジモン。そのデジモンの様子から、ハルトは過去を振り返る。

 かつてハルトが打撃性の武器を持つポケモン…カヌチャンを増やしていた時の事。そのカヌチャンというポケモンは愛らしく庇護欲を掻き立てられるかのような姿をしており。ハルトもピクニックの時などによくそのポケモン達を可愛がっていた。

 

――あのポケモン達も、僕に対して甘えてきてたっけな。

 

 笑みを浮かべつつ過去を振り返るハルト。彼は自信に近寄ってきたころ問と名乗るデジモンを膝の上に乗せると。自身の名を告げる。

 

「僕の名前はハルト。…短い間だけど、よろしくね。」

『ハルトっていうんだぁ~。よろしくねぇ~。ねえねえ、ハルト、ボク肉の入ったサンドイッチが食べたい。』

 

 話の中で告げられたころ問と名乗るデジモンからの要望。それを聞いてハルトは頷いたのち。パンを用意してサンドイッチづくりを始めた。

 下味づくりとしてまずはそのパンにバターを塗り、塩を振りかける。続いてはハルトが潤沢に用意した数ある食材の中から生ハム、ハーブソーセージを取り出してうまい具合に挟み。最後は真ん中にピックを指す。そうすればほら、パルデアで定番のサンドイッチの出来上がりだ。

 出来上がったサンドイッチを食べやすい大きさに切り、ハルトがコロモンにそのサンドイッチを与える。…コロモンというデジモンの一口は大きかったのか。その一口でサンドイッチの大部分がコロモンの口の中へと消えていった。

 

「こ、こいつ…ヨクバリスかよ…。あのサンドイッチの大部分を一口で…。」

「さあ、よく味わって。かみしめて。」

 

 サンドイッチの味をかみしめているのだろうか。コロモンがもぐもぐと音を立てながら目をつむっている。しばらくして梧君と音を立てた後。そのデジモンはハルトへと言葉を発した。

 

『ハルト、このサンドイッチ、おいしいよ!生ハムの味とか最高で…ありがとう!』

「よかった。口にあったみたいだね。」

 

 自身の作ったサンドイッチがコロモンというデジモンの口にあったことを喜ばしく思うハルト。その彼に、ネモが言葉をかける。

 

「ごめん、ハルト。貴方の作ったサンドイッチ、ツノモンというデジモンに分けてくれない?…ハルトの作ったサンドイッチを食べたのを思い出したのか欲しがっちゃって。」

「いいよ。」

 

 自身のサンドイッチを切り分け、ネモに分けるハルト。ネモはハルトからそのサンドイッチを受け取ったのち。ぴょんこぴょんこと跳ねていたツノモンへとそのサンドイッチを与える。

 そのツノモンはコロモンよりは一口が小さいのだろう。サンドイッチの一部をかじって口に含むと。そのサンドイッチの味を愉しむかのように目をつむる。そのツノモンの姿を見た後に…ネモはハルトの方を向いた。

 

「ありがとうハルト。…さっきのサンドイッチ、作り立てだったんでしょ?」

「うん。コロモン…薄桃色のデジモンが欲しいって言ってきたからね。作ったんだよ。」

「そっか…。あのデジモン達、この後も私達の世話になるような気がするなぁ。」

「…そう?仮にも僕達はデジモン達の住んでいたところを襲撃して…そのデジモン達に対してひどいことをした人と同じポケモントレーナーだよ?…そんな、うまい話があるわけないじゃあないか。」

 

 ネモとの会話の最後にそう言葉を口にするハルト。そのハルトの言葉を聞いてか、ネモはどこか悲しげな表情を浮かべる。

 

「そうだよね。…やっぱりそんな、うまい話あるわけ…ないよね。ハルトが私のライバルに…よき理解者になってくれたから私、調子に乗りすぎてたのかな。」

「…。ネモさん、それは違うよ。僕はネモさんの事を理解したいから、そして仲良くなりたいから今の関係になったんだ。」

「ハルト…。ありがとう、ハルト。」

 

 デジモン達からの試練。それを乗り越えるために幼年期デジモンの育成に励むハルト達。その努力は、これからも続きゆく。

 

「ペパー!ネモ!ハルト~!うちをここから助けてえ~!」

 

…一人のブイズ好きを犠牲にして。

 

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