【デジモン×ポケモン】侵食し行く向日葵の花 作:小説チーム・ハスタート
デジモン達を見事成長期まで進化させることに成功したハルト達は、その事をつぼみのような姿をしたデジモン達に伝えようとボウルタウンのジム施設へと向かっていた…のだが。その道中、白いよろいの様な物を身に纏った謎の生き物…オメガモンと名乗るそれに行く手を阻まれてしまった。
ハルト達の言葉にも、さらにはアグモンやガブモンの言葉にも耳を貸そうとはしない様子を見せるオメガモン。…そのデジモンの様子からして、ガブモンやアグモンの言葉を聞いてあらぬ誤解を招いてしまっているように見える。
『ポケモントレーナー達よ、何を悩んでいる?…そのガブモンと、アグモン…それらを含めた、成長期デジモンを…こちらへと引き渡してもらおう。…断るならば、貴様等の命はない。』
脅しともとれるような文言を発するオメガモン。…此処まで信頼をなくしているのも無理らしからぬもの。デジモン達はポケモントレーナーとその手持ちのポケモン達によって棲み処を完膚なきまでに滅ぼされ。追われたのだから。…しかもボタンが見た夢によれば、被害者であるはずのデジモンに対して加害者であるはずのポケモントレーナー、そしてポケモン達が謝罪を要求している、という事まで経験したこと、となる。
――ポケモントレーナーによってひどい目に遭わされて、その上加害者であるはずのポケモントレーナーとそのポケモン達に謝罪まで要求されて…信頼がなくなるのだって当たり前なはず。…とはいえど。パルデア地方の平和を取り戻すためには…。
揺れ動くハルトの心。ポケモントレーナーである以上、デジモン達が被害を被ったポケモントレーナーと一緒にされてしまったとしても仕方のないことなのだろう…が。それでも、ハルトはパルデアの平和を取り戻すためにアグモン達成長期デジモンをあのつぼみのような姿をした生き物の元へと送り届けなければならない、という使命がある。しばらく悩んだ末にハルトが下した決断は。
「…。君にこのデジモン達を渡すことはできない。…何故なら、ここボウルタウンを解放してもらうための試練に合格するため、育て上げたデジモン達だから。」
…オメガモン、というデジモンにデジモン達を渡さない、という決断だった。そのハルトの言葉を聞いてオメガモンは纏う空気を変える。
剣呑な雰囲気を漂わせるオメガモン。そのデジモンはオオカミの頭部を模したような物体の口の部分から砲口の様な物を出現させると。それをハルトへとむける。
「…。そんなことをしたところで無駄だよ。…。僕はもう決心したんだ。デジモン達の心を救い出すって。デジモン達の恨みを晴らすって。そう、決心したんだ。この考えだけは…誰にも曲げさせはしないよ。」
『っ…。生意気な口を叩くな。ポケモントレーナーというやつらは、全員総じて私達デジモンに危害を加えるような存在だ!貴様らのようなポケモントレーナーは、デジモン達の平穏の為にも…消え失せるべきなんだ!』
明らかに恨みで我を失っている様子のオメガモン。そのデジモンの様子を見てハルトは表情をやや暗くさせる。
反対にオメガモンはハルトに対して強い憎悪の感情をぶつけ。今にもハルトに向けた砲口が火を噴きそうであった。…恐らく放たれてしまえばハルトは忽ちの内に命を失い。ネモ等は目の前で仲間を失ったショックで叫び声をあげるだろう。しかしてそれでもハルトは怯まなかった。…覚悟を決めているためである。
凛々しい表情のハルト、そして憎悪を露わにしたオメガモン。互いに膠着状態が続いたのち…オメガモンは青いオオカミの頭部を模した物体の口の部分から砲口をひっこめさせ。ハルトへと言葉を発する。
『…見上げた度胸だな。ロイヤルナイツが一体オメガモンを前にして臆することなく立ち向かってくるとは。…今回の所は引き上げるとしよう。…だが。次に出会った時そのデジモン達に傷をつけたことが発覚した場合は…我々ロイヤルナイツが総力を挙げ、この土地をデジタルワールドと同じように滅ぼさせてもらう。』
「…誓うよ。君達の仲間であるデジモン達には、決して危害を加えたりはしない。むしろ、僕達は君達デジモンに対して同情さえしているんだ。」
オメガモンの言葉に対して、ハルトがそう言葉を返す…と。ハルトの事を一瞥したのちオメガモンはパルデアの大穴がある方向へと飛んでいった。
オメガモンが飛んでいった方向をまっすぐに見つめるハルト。その彼の元へとボタン、ペパー、ネモが駆け寄っていく。
「ハルト!私何時ハルトがやられないか、ドキドキしたよ。」
「ネモさん…。僕もドキドキはしたよ。…でも覚悟はもう決まってたんだ。…ウェーニバルの為にも。そして、ポケモントレーナーの被害に遭ってポケモン達を恨むようになったデジモン達の恨みを晴らすためにも。…僕はパルデア地方の介抱を目指すしかない…ってね。」
「ハルト!だからと言って無理しすぎちゃんなんだぜ!俺だって目の前で仲間が死ぬのはもうこりごりなんだ!」
仲間達から称えられるハルト。…しばらくした後に彼らはボウルタウンのジムの設備があるビルへと赴き。生き物達に試練を終えたことを報告する。…それをバトルコートから見ていたのは。
『…。ポケモントレーナーってやつの中にも、なかなか見込みのある奴がいるじゃない。…だけど貴方達は此処で終わりよ。…串刺しにしてあげるから。』
ボクシンググローブを装備したサボテンのような姿をした生き物であった。