【デジモン×ポケモン】侵食し行く向日葵の花   作:小説チーム・ハスタート

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歪んだ愛情の引き起こした厄災~獣達は贄になる~

 魔女狩り。黒髪をポニーテールにし前髪を緑にしてたらした褐色の肌のどこか快活そうな少女…ネモの発したその単語。それはその場にいたほか三人の注目を浴びるには十分な物だった。

 

「魔女狩り?…魔女って聞くとムウマージの事を思い浮かべるけど…あのポケモン、臙脂色をしていなかったような…。」

「それにレホール先生の授業の中でも聞いていなかったから初耳ちゃんだぜ?そんなの。」

「そうだよ生徒会長。…どういうことだか、説明して。」

 

 ハルトのそばにいたペパー、そしてボタンがネモへと説明を求めるような言葉を発する。無理もないことだ。ハルト自身も、魔女狩り、という単語については初耳。…ペパーの言う通り歴史の教師であるレホール先生の授業でも、聞いたことはない。あの先生の授業で学んだのは、パルデアの大穴についての事と、おとぎ話の事。…そしてかつてヒスイ地方と呼ばれた地域での人間とポケモンの関係の進み具合についての話。…魔女狩りの話など、何処にも出てきていなかった。

 

――レホール先生の授業でも出てこなかった魔女狩り…なぜネモさんが知っているの?

 

 ネモがなぜ魔女狩りの事について知っているのか疑問を抱くハルト。…ハルト自身も、ネモの勉学に対する才能の高さはしっていた。歴史ではハルトはネモに大きく水をあけられ、数学ではクラスで一二を争うほどの物。…とはいえど、彼女がそこまで歴史を知っていると説明づけるには…何かが足りなかった。

 疑問を覚えるハルト…そんな彼に、ネモは言葉をかける。

 

「どーしたのっ、ハルト。…私とバトルしている時よりも難しい顔をしているよ?」

「うえっ!?ね、ネモさん!?…い、いや…ネモさんがなぜ魔女狩りの事を知っているのか、その理由について考えていたんだよ。…アカデミー内にも魔女狩りに関する記述は…見受けられなかったし。」

「…。私がなぜ、この事を知っているか、ねぇ…。実は私の家に、カロス、ガラル、パルデアの三つの地方でかつてあった魔女狩り…この事について書かれた本があるんだよ。」

 

 ネモはそう言って一度話を区切ると。その本についての話を始める。

 

「その本によると此処パルデア地方にアカデミーができてから数百年後。…厳密に言うと600年前から500年前の間だね。カントー、ジョウト、ホウエンの三つの地方に臙脂色の服…一説にはカクテルドレスとされるソレを着た魔女、と呼ばれる存在が現れた。当時カントーにはポケモンを熱心に愛する少年がいて、魔女はその少年に対しての歪み過ぎた愛を満たそうと…ポケモンたちに対して襲撃を仕掛けた。少年が止めるように希うも、それは魔女を喜ばせるだけに過ぎなかったんだよ。エスカレートしていったポケモンたちに対する魔女の攻撃は、少年とポケモンたちの関係に対しても大きく罅を入れることになった。…海を越えてその事を聞いたガラル、カロス、パルデアの三つの地域は…魔女と呼ばれる存在、特に臙脂色のカクテルドレスと呼ばれる服を持つ人達に対して徹底的な弾圧をおこなった。魔女と決定づけられた人々は後ろ指を指され、銀のナイフで傷つけられ。一方的な裁判で断頭台にかけられその首をはねられた人もいた。…これがその本の中に書かれてあったこと。…その本を読んで私は怒りに燃えたよ。…たった一人の外道な魔女の所為で何人もの人たちが犠牲になった、その事を考えるとね。…あの生き物が話していた"デジモン達がポケモン達を襲った"っていう事件…もしかして魔女が昔ポケモン達を襲ったことを誰かが捻じ曲げて…。」

 

 ネモのその説明を聞いて目を見開くペパーとボタン。…その彼女のそばで、うなり声があげられる。

 ネモがその方向を見やれば…怒りに満ち満ちた表情をした、デジモンとされるあの生き物の顔。

 

『お前…。今、ポケモンを襲撃したのは魔女だ…そう言ったな?…お前の…その言葉が正しければ…俺は捻じ曲げられた歴史の罪をあの少年にかぶせられ、それを大義名分に…ポケモンたちに襲撃されたってことになるんだが?』

 

 怒りを孕んだ、生き物…デジモンの声。その声を聴いてネモはその表情を途端に曇らせる。

 

「…。なんでそんなことになったかは私も知らないけど…。貴方達がどんなことをされたかは痛いほどに分かるよ。…そんなことをされたら…ポケモン達の事も…。」

 

 デジモンとされる生き物の境遇。それを察しての事かネモが心を痛ませる。そんな彼女に…怒り狂った生き物がその獰猛なまなざしを向ける。

 それを見てとっさに動いたのはハルトだった。

 

「ネモさん危ない!頼んだ、デカヌチャン!"じゃれつく"!」

 

 すかさずつかんだ青を基調としたモンスターボール…スーパーボールを投げるハルト。…そのボールの中からハンマーを持ったショッキングピンクの体の愛嬌のある顔をした生き物…デカヌチャンが現れ。一直線にデジモンへと飛びつきもみくちゃにし始める。

 暴れるデジモン。その隙を見てハルトはネモの手首をつかみ。その場から避難した。

 ある程度距離が離れたことを確認すると同時に、振り払われた生き物…デカヌチャンをハルトがボールの中へとしまう。

 

「これ以上あそこにいるのは危険だ!一度アカデミーへと戻ろう!」

 

 ハルトのその提案でアカデミーに戻ることを決めたペパーたち。…道中アカデミーの先生やトップチャンピオンであるオモダカ、四天王の面々とすれ違いつつ。ハルト達はアカデミーへと戻りゆく。

 魔女のその歪んだ思考が引き金となって起こった災い。それが収まるはいつの日か。

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