普段ネットで遊んでいる人とオフ会をしてみたらドチャクソ美人が来た件   作:マルシエン

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ネット上の知り合いの小学生に服を買い与える独身女性

 どうもみなさんこんにちは、東北きりたんです。

 今日はゆかりさんと遊ぶ予定なので待ち合わせ場所の駅前の広場に向かっています。ゆかりさんとオフ会をして以来隔週ペースでゆかりさんと遊んでいるような気がします。

 改札を抜け広場に出ると既にゆかりさんがスマホを片手に壁に寄りかかっていました。

 

「ゆかりさーん」

 

「あっ、きりたん。こっちです」

 

 私が手を振るとゆかりさんも手を振りかえしてきました。

 

「おはようございますゆかりさん。もしかして待たせちゃいましたか?」

 

「おはようございますきりたん。いえ、私も今来たところですから大丈夫ですよ」

 

 今日もゆかりさんはバッチリ決まってますね。ゆったりとした白のシャツにレンガ色のプリーツスカートの組み合わせもとても似合っています。

 いつ見ても卵みたいなお肌してますね。普段どんなケアをしているのでしょうか……それにしてもゆかりさんって黙ってたら頼れる美人さんって感じですけど口を開くと優しいけどちょっと頼りないお姉さんになりますよね、まあそんなギャップのあるところもゆかりさんの魅力ですけどね。

 ……ってなんかゆかりさんすごいこちらをじっと見てくるんですけど。ちょっと顔をジロジロ見つめすぎてしまいましたかね。

 そう思い視線を逸らしたもののゆかりさんは変わらず私の方を凝視してきていますりそんなに見つめられたら好きになっちゃいますよ、いいんですか。

 

「ゆ、ゆかりさん、どうしたんですか?」

 

「きりたん、この前会ったも同じ服を着てましたよね」

 

 今私が着ている服は真紅の薄手のワンピースです。こういう少し暑い日だといつも着ている和服は厚手なので下はともかく上が暑いですからね。夏が来ればたくさんお世話になるでしょう。

 確か初めて会ったときも暑かったからゆかりさんの言うようにこの服だったような……?うーん、思い出せないですね。

 

「ええと、そうでしたっけ?」

 

「はい……もしかしてですけどきりたん、服それだけしか持ってないんですか?」

 

「いやいや、流石にそんなことないですって。これ以外にも2、3着くらいは持ってますよ」

 

 いくら引きこもり気味だからって舐めてもらっては困りますね。きちんと季節の変わり目にずんねえさまに引きずられながら服を買っているので必要最低限はちゃんと持っています。

 

「……今日の予定は変更します、ついてきてください」

 

「え?ちょっ、ゆ、ゆかりさん!?」

 

 そう言ってゆかりさんはスタスタと歩いて行ってしまいました。どこに行くんでしょうか?

 疑問に思いつつも置いていかれないように慌てて私も後をついていきます。

 

 

 

 そうしてゆかりさんについて行くこと数十秒、私たちは駅前のショッピングモールに来ていました。人が多くてはぐれる危険があるので手を繋いでいます。けっしてゆかりさんのすべすべの手を握ってたいとかそんな不純な動機ではないです。決して。

 

「それでゆかりさん、一体どこにむかってるんですか?」

 

 私の質問にも答えずゆかりさんはずんずんと進んでいきます。

 

「……着きました、ここです」

 

 立ち止まった私たちの目の前にはオシャレそうな服屋さんがありました。こういうタイプの服屋ってショッピングモールにたくさんあるような気がするんですけど、もしかして思っているよりみんな服をたくさん買ってるんでしょうか。

 

「えっと……ここで何するんですか?」

 

「何をするかってきりたんの服を買うんですよ」

 

「今そんなに手持ちないですしそれに今ある奴だけで十分ですよ」

 

「私が払うのでそこは問題ないです。それに」

 

 そこでゆかりさんは言葉を止め、私の方へと向き直りました。

 

「持ってる服が2、3着って明らかに少ないですよ。きりたんなら似合う服がたくさんあるのにもったいない」

 

 ゆかりさんは頬を膨らませながらそう言いました。

 

「いやー、買ってもらうのは悪いですしそれに今でも洗濯のローテは回せているので「きりたん、一緒に服、選びましょ?」

 

 それでも難色を示す私の言葉を遮り肩を掴みずいと顔を寄せながらゆかりさんは同意を求めてきました。ゆゆゆゆゆかりさんの顔が目の前にふあぁぁぁぁいい匂いがする落ち着け素数を数えるのです。1,2……あれ1って素数でしたっけってそうじゃない。

 

「ひ、ひゃい……」

 

 結局ゆかりさんの顔の良さに押し切られて服を選ぶことになりました。

 そこからは怒涛の着せ替え祭りでした。ゆかりさんが服を選んできて私はそれに従うがまま次々に試着をしていきました。

 

「ふおおおおお似合ってますよきりたん!!」

「分かりましたからそんなに興奮しないでください……」

 

「おへそだし……センシティブ……」

「これ恥ずかしいんですけど……」

 

「かわいい系もいいですけどこういうパンクな服装もありですね」

「これゆかりさんの趣味ですよね」

「そそそそそんなことないじゃないですか。わわわ私は厨二病なんかじゃないですよ」

 

「美……」

「?」

 

 

 

 

 

「お買い上げありがとうございました」

 

 着せ替え人形になること2時間、ようやく私は解放されました。

 私の右手にはゆかりさんにチョイスしてもらった服が二つの紙袋に収められていました。

 

「ごめんなさいきりたん、無理やり予定変更してしまって」

 

「いえ、大丈夫ですからそんな申し訳なさそうな顔しないでください」

 

 むしろこっちが申し訳ない感じなんですけど……今日買った服の費用は全部ゆかりさん持ちですし。

 

「それにしてもこれ本当に買ってもらってもいいんですか?割といい値段しますけど」

 

「ふふふ、社会人の財力を舐めてもらっては困ります」

 

「特に血縁関係のない小学生に服を買い与える社会人(ボソッ)」

 

「その発言は誤解を招くからやめて!?」

 

 そういえば普段の通話での慌てふためく様子やオフで会った印象からでは全く想像がつきませんが社会人でしたね。すっかり忘れてました。

 

「……ゆかりさん」

 

「ん、なんですかきりたん」

 

「ありがとうございます、ゆかりさん。大事に着ますね」

 

 貧弱な表情筋を総動員しゆかりさんに満面の笑み(当社比)で笑いかけます。そのうちなにかお礼をしないといけませんね。とは言ってもなにをあげればいいのかはさっぱり思いつきませんけど。

 

「うぇ!?き、気にしなくて大丈夫ですから。ほんとに」

 

 そう言うとゆかりさんは顔を逸らして小声で何か呟き始めました。

 

「きりたんは小学生きりたんは小学生……(ブツブツ)」

 

「ゆかりさん、どうしたんですか?」

 

「い、いや、なんでもないですよ?」

 

 言動からして何でもないことはないと思うんですけど詮索はしないでおきましょう。

 その後はまた今度遊ぶ約束をしたところで解散ということになりました。




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