最初に出会ったスター団のしたっぱがネモによく効く向上心の塊でものすごいアホだった 作:うみじゃけ
「よぉし——コイキング、『たいあたり』だ!」
「コゴゴ……!」
「…………」
勇ましい目つきのコイキングがイレギアの指示を受け……彼に向かって突撃する。それをレジャーシートの上でヘルメットを外してあぐらをかいていたアヤセが眺めていた。
「うごっ……! いいっ、『たいあたり』だぜコイキング……!」
イレギアはコイキングをしっかりと中腰で受け止める! そして腹の辺りで暴れるその魚体を逃さないように抱きしめる……!
「このままじゃ逃げられねえだろ? ……こんときだ! 『はねる』!」
「コゴッ——!」
「うおっ————!」
「…………」
『はねる』の指示で全身の力がみなぎったのか、コイキングは身体を締め付けるイレギアを後ろにあった岩壁にまで弾き飛ばす!
「いっててっ……そうだぜコイキング! どうにもならないときは『はねる』! それがお前の長所だぜ!!」
「ゴココッ————!!」
「おいおいおいおい〜っ! まぁた見えなくなるまで跳ねやがったなあ~っ!」
「…………あの——ゔゔんっ! ……あの、もう、 突っ込んでいいですか?」
「おっ、風邪気味か? 大事にな。で、どーした」
「全部ですよ。なんだってピクニック始めたと思ったら急にぶつかり稽古。そんであの『はねる』の使い方……もう何が何だか……」
「なるほどな〜……へっへっへっ~」
「うわあいつもの笑い方」
「これはれっきとした特訓だぜ? ジムリーダーで負けたのは根本的に俺の実力不足ってこともあっただろう……それにっ、ポケモンももっと強く育てる必要がある! ——つまりっ! それぞれの長所を活かすために俺自身が相手になってるんだぜっ!」
「最後の一文が納得できねえ……——あ"っあ”ん!」
「シュルル~?」
「あはは、喉は大丈夫。ただ……なんかどっと疲れてる」
アヤセの脚の中で座っているシルシュルー。ウパーと言えばモトトカゲの隣で一緒に昼寝をしていた。
「次はイキリンコだ! 俺に向かって『でんこうせっか』だ!」
「キァー、『デンコウセッカ』ダ!」
イレギアのモトトカゲ——青緑と茶色の宝石……っぽい石のインディアン風ネックレスを付けている——のハンドルに留まっていたイキリンコが羽ばたき、ノーマルエネルギーをすぐさま纏ってイレギアの周りを高速で飛び回る!
「もっと速くだ! そんなんじゃ反撃喰らっちまうぞ!」
「キァーッ!!」
イレギアの激励にイキリンコはさらに加速する!
「よおし、いい感じだぞ! 次は緩急をつけて——……」
「先輩の目がめちゃくちゃ動いてる……きも。それで——ん"ん"っ、ヤングースちゃんは順番待ち?」
「グッ……グッ……」
「あれ、なんか噛んでる……ガム?」
「ああそれなっ? 『かみつく』が使えなくても【がんじょうあご】が活かせないか考えたら、そのまま顎鍛えることにしたんだ!」
「もはやわざですらなくなってる……」
「ほげぇっ!!」
「コイキングがやっと落ちてきた……その子、そんなんでケガとかしないんですか?」
イレギアの耐久性についてはもう突っ込まないでいた。
「おーう! なんだかコイツの防御は他より硬いみたいでよ。イキリンコは素早かったりヤングースはパワーがあったりな!」
コイキングの下敷きになりながらも平然と語っていた。イキリンコも疲れたのか彼の頭に留まっていた。
「なんか、実際に身体で受けてるから妙に説得力が……いやいや、そんな人このバカしかいないんだから信頼できないでしょ……」
「そうでもないぜ。アローラ地方のポケモン博士はわざについて研究してるらしいが、その方法が自分でわざを受けるってものでよお~……つまりっ! この方法は根拠のある、効果のある特訓なんだぜ!!」
(小声で言ったことも全部聞こえてる……なんで耳もいいんだか。そんで腹立つくらい地頭もいいしっ)
アヤセが苦々しくイレギアを睨むも、彼はそれを気にせずコイキングの下から這い出てくる。掠り傷程度だった。
「……うっし! レベルもいい感じに詰めてる! 本来は昼飯食った後に岩壁のヌシをゲットする予定だったんだが……もう誰かにゲットされたのかそれらしいヤツがいなかったんだよな~。たぶん昨日と同じようにペパーとアオイが俺よりはやくここでゲットしたんだろう」
「ペパーって確か先輩の同級生……でしたよね。昨日会ったんですか?」
「ああ。理由は知らねえけどヌシにご執心だったぜ。アオイの代理バトルに負けて追い返されちまったし……ちっくしょーっ、まさかあいつらも人気者を目指してたってのかぁ~?」
「そんなん先輩だけですよ。それで……ヌシがゲットされる瞬間って見たんですか?」
「いや?」
「…………はあ」
瞬間、アヤセはイレギアが何か勘違いしている可能性について考えた。だがヌシがそもそも何か分からない彼女にとって考えるだけ無駄であった。
「『すてゼリフ』してテーブルシティに戻ったところ、なんと! スター団の知り合いに会ってよ~! 近況報告しながら遊んでたらいつの間にかもう夜だったぜ」
「あの…………あたしの連絡見てません?」
「今朝見た。遊んだり集中してる間はスマホ見ねえんだ俺」
「…………はあ」
近くに居たら助けてほしかった……その旨を込めた溜め息が心の底から放たれる。
「それにしてもネモと勝負なんてよ~……戦える機会があったんなら俺も戦いたかったぜ!」
一方のアヤセと言えば、ネモとポケモン勝負の約束を取り付けた後、キチンと約束を果たして辺りが暗くなるまでポケモン勝負することになったのだ。
遊び盛りのシルシュルーやウパーには熟睡すれば吹っ飛んでしまう疲労だったが……運動不足なアヤセにとっては今日まで筋肉痛を引きずり、喉もガラッガラになるほどだった。おかげでイレギアがモトトカゲの衣装を買っている裏でのどスプレーを買わなくてはならないことになってしまう。
そんなボロボロになってまで、どうしてイレギアについてきたのか……理由がないわけでもなかった。
「…………突然ですけど、先輩」
「ん? サンドイッチ作りながらで良ければ話すぜ」
「あたし肉類無しで」
イレギアは意外と料理もできた。大雑把な味だがそれなりに美味い。
「本来に突然ですけど、先輩がスター団に入った理由って……なんだったんですか?」
こういう話は電話越しではダメだと、アヤセは思い至ったのが今日同行したのだった。
「え? 楽しそうだったから」
「…………そっすか」
その努力に見合わない即答を受けて空を仰いでしまう。今日もパルデアは晴天だ。
「ちょ~……っと学校生活がつまんなくなってきた時に、さっき言ってたスター団の知り合い……もとい、俺のダチを見かけてさ。そんときの顔がなんか楽しそうだったんで俺も無理行って入れてもらったってワケよ」
「へえ…………」
……昨日のことだ。
「イレギアってなんでスター団に入ったのかな?」
ネモとのバトルの休憩中に彼女がふと疑問を口にしたのだ。
「さあ……? 明日聞いてみましょうか?」
「いいの? ありがと! それじゃあ休憩終わり! もう一戦やろー!」
「いやっ……もっと話しません……? というか体力ないって聞いたのに有り余りまくりじゃないです……!?」
(この答え聞いたらネモさんどう思うんだろ……先輩っぽいって笑いそうなもんだけど……)
「昔っから俺は、その時でいっちばん楽しそうなものに惹かれるからな。人気者ってのはずっと楽しそうだし、それこそっ! スクールカースト上位にもなれば楽しい学校生活は約束されてるからな! ——うーん、なんか足りねえな。レシピ通りなんだけどなあ……」
サンドイッチを味見しながら、2人とポケモン全匹の分を作っていく。
「なんか……先輩らしいですね。あたしをスター団に勧誘したってそれもあるんですか?」
「まあな。なぁんか寂しそうだったし、ノルマとかは正直、掟とか曖昧だけど……とにかく楽しく学校生活を過ごすのがスター団! ……って思ってる。本来の理念はなんかもっとスーコーなんだろうけど」
(…………寂しそう、か)
ふとアヤセはあの日……イレギアとネモが初めて戦うその前に勧誘した女子生徒を思い出す。
(——あの子もなんか、寂しそうだったなあ)
「——っし、完成! 俺特製のスペシャルサンドだぜ!」
「わーい」
皿いっぱいに作られたサンドイッチにポケモンは大喜びだった。アヤセも喜んで自分の分を取ろうとして……ふと違和感が浮かび上がる。
「これも毎回気になるんですけど、なんでヘルメット外さないんですか?」
「おいおいおいおい……スター団の正装をそう易々と崩すわけないだろ」
「(着崩しただけの制服にヘルメット被っただけなんだけど)……だからってずっとヘルメットつけたら蒸れません?」
「多少はな。……それに、ここは野生のポケモンが蔓延る大自然だ。いつ何が起きるか——」
「…………——あ」
その口からこぼれた一声で世界が再び動き出す——
「べ————……!」
明らかに何か潰れる音がして、イレギアの身体がテーブルに押し込まれ——一瞬でそれらが木片になって弾け飛び、鉄製の皿がひっしゃげ……サンドイッチが空を舞った。
「…………え」
彼女の頬に飛び散るのはケチャップか、それとも……
「いっっっっ…………………ってええええええええええっっっ……!!」
ケチャップでした。
数秒も経たないうちにイレギアは頭を抱えながら起き上がる。
「グゥゥゥ~~~~!!」
「キィ~~~~!!」
(ビチ……ビチ……)
彼の手持ちのポケモンが涙を浮かべて駆け寄る……弾け飛んだサンドイッチに。
「……アギャ?」
モトトカゲがようやく起きた。
「…………」
アヤセはもう考えるのを止めていた。シルシュルーは大きな音に怯えて眠ったままのウパーの元に逃げている。
「ヘルメットが無けりゃたんこぶじゃ済まなかったぜ……ってかなんだ? また岩でも落とされたか?」
目の前で茫然としていたアヤセのことはさておいて、ポケモンたちに周囲の警戒を指示する……より先に、潰れたテーブルの向こう側でテーブルクロスに包まれた何かがそのベールを脱ぎ捨てる。
「お前……——タツベイ?」
「タッベイ!」
タツベイ側にも大きなケガが無かったのか、飛び跳ね起きるとふんぞり返ってイレギアを睨みつける。
「すぐに起き上がるとぁ……流石の【いしあたま】ってか? 中々の鮮烈な出会いじゃねえか——へっへっへっ……こりゃあゲットするっきゃねえぜ!!」
イレギアのその一声に反応して彼のポケモンたちは一斉に彼を見る……だがその1秒後、ヤングースは地面に落ちたサンドイッチの破片を食べ始めた。
「よぉし……タツベイ! お前に一騎打ちを申しむぜ!!」
「……——はっ。あれ……ここは……——なんか知らないポケモン…………」
意識が確かになったアヤセが半ば放心状態で、広い場所に向かい合った1人と1匹を眺めていた。
「ベイベイ……!」
明らかに自身に挑戦していると考えたタツベイは鼻息を荒立たせる。
「いつでもどっからでもかかってこい!」
「グーグー!!!」
「ゴハン! ゴハン!」
「待ってろ! 今重要なばめ——ごはっ!」
タツベイがジャンプしてイレギアの顎に『ずつき』! 容赦ない一撃にたまらず怯んでしまう……!
「コ、ゴ……?」
コイキングだけが困惑する事態の中、アヤセはとぼとぼシルシュルーと起きて身体を伸ばすウパーの元にしゃがみこんだ。
「……帰ろっか」
「——っしゃあ! 俺のっ、勝利だっ……!」
1時間後、イレギアは太陽に向かって両手を突き上げた。ボロボロの制服の傍にはタツベイがうつ伏せに倒れている。
「ベ、ベイィ~……!」
その状態でもタツベイはイレギアを睨みつけるが……その顔には笑みが作られている——人間とポケモンの間に確かな友情が芽生えていたのだ!
「タツベイ! これから俺たちはもっと高いところにまで突っ走っていくんだ……お前にもぶっ飛んで来てほしい!」
「ッ……! タッベイ!!」
そんな彼の心に触れたのか、タツベイは起き上がって彼を見つめ……雄叫びを上げる。
「キァーッ!」
「ググーッ!!」
(ビチッ……ビチッ……!)
「アギャ~!」
イレギア
「みんなもありがとう——そんじゃ、モンスターボール!」
タツベイは石頭に弾かれたモンスターボールに吸い込まれ……抵抗もせずゲットされる!
「改めて出てこいタツベイ!」
「タッベイ!」
「いい鳴き声だ! さて飯に……あれ、お前らその食べかすどうした?」
見れば4匹のポケモンの口元にはパンのカスが……そして、予備のテーブルクロスの上にはサンドイッチは2つ作られていた。
「……? っと、スマホスマホ……」
アヤセの姿も無かったためスマホの連絡を見てみれば——
『お腹が空いたので適当に作りました。疲れたので帰ります』
「……俺も、いい後輩を持ったなあ~っ!」
その冷めたサンドイッチは格別に美味しかった。
「キマ!」「マキマ!」「マキワリ!」「ママ!」
「到着ッ! これはたぶん記録更新したんじゃないでスター?」
ポケモンセンターで休憩を挟んだイレギアたちはそのままボウルタウンのジムテストを受けていた……が、既にもうイレギアは町中のキマワリを連れて広場に戻っていた。
「お疲れ様ですチャレンジャー(スター……?)記録によると……上から3番目です」
「うげっ」
「ですがしっかりキマワリを10匹集めたようですね! 一応数えていきます。1、2、3……」
「ちゃあんと10匹揃えてますとも!」
「……9、10、11——え?」
「え?」
「すいません数え間違えました。キマワリっ、整列!」
「「「キ!」」」
ジム役員の一声に一糸乱れぬ動きでキマワリが1列に整列する。
「おおっ~! さすがジム!」
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11……」
「…………え?」
「スゥ————————1、2、3……」
キマワリの足元の紙を置きながら数えなおしても、たしかにキマワリは11匹いた……
「…………?」
ジム職員は首を捻った。
「…………?」
イレギア自身も分からなかった。
「えっと……これはどうすれば——」
もしかしたら不正を働いたのかもしれない……そう考え始めた職員のスマホロトムが飛び出した。
「何かあったのか?」
「それが……テストで集められたキマワリの数が1匹多くて……」
「多い、だと? 少ないではなく?」
「ええ、多いんです」
「なるほど。ワタシも風車の上から見ていたが、チャレンジャーは確かに10匹のキマワリを見定めてここに集まっていた……」
「つまり、理由は不明と……」
「厳密な調査をしていない現状ではそう判断せざるを得ない。だが——アヴァンギャルド!! 実に面白いっ……ジムテストを合格せよ!」
「え、ああ、はい……ありがとうございました……?」
「……つーまーりー?」
「えっと……ジムリーダー・コルサから直々に許可が下りました。ジムテストクリアとします」
「なんだかよくわかんないけどよっしゃあ!!」
その後の調査の結果、『不明』となった。
「無事一発合格! まさかネモとの特訓がここまで役に立つとはな!」
「キィー」
その後のジム戦はつつがなく勝利を収めた。
イキリンコの『つばめがえし』で2体蹴散らしたあとにウソッキー——くさタイプに《テラスタル》する——が繰り出された時は、面食らって3体倒されてしまったが……新たな仲間であるタツベイの奮闘もあって勝ち星を上げた。
「このまま3個目のバッジもゲットして……——んん?」
ポケセンおねえさんから受け取ったモンスターボールを腰に装着しながら——イキリンコはボールから飛び出して定位置とばかりに頭に留まる——気合を新たにしていると、草原の向こうから誰かが走ってくる。
それはどこか見知った顔で……
「お、おーい……っ!」
「ネモ! さっそくバトル……そんなヘロヘロでどうした?」
ポケモンセンターにまで辿り着いたネモは手を膝に置いて肩で息をする。
「はー……はー……っ!」
「どっから走ってきたんだよそんなんになるまで」
「えへへ……この近くでポケモン育ててたんだけどっ——アヤセちゃんから写真が来てさ」
ネモがスマホロトムの画面をイレギアに見せる。
……ジト目のアヤセが自撮りする後ろではサンドイッチを喰らうイキリンコたちと、さらにその後ろでタツベイと戦っているイレギアが映っていた。
「ここって南3番エリアだし、アヤセちゃんに聞いたらこれからジム戦だって言うからさ……鍛えたポケモンの腕試しにここまで来たんだー!」
「なるほどな……へっへっへっ。油断しても俺が勝ったとなりゃあ人気爆上げだ! ジム戦で勢いづいた俺の実力を見せてやりまスター!!」
イレギアは闘志の籠ったスター団ポーズを披露する!
「手加減無用! 全力で迎え撃ってやる!」
ポケモンセンター近くの広がった場所で2人は向き合い、イレギアはヤングースのボールを構えた。
(全力……か)
ネモも同じくモンスターボールを取り出して構える。
……昨日のことだ。
「んん〜……っ! 楽しかったねポケモン勝負!」
「それは……ええ、たしかに……それはそうでしたけど……」
アヤセとのポケモン勝負は辺りが暗くなるまで続き、今は寮まで2人並んで歩いていた。ネモの足取りは軽く、アヤセは重かった。
「まさか勝敗として半々って……なんかすいません手加減してもらって」
「そんな手加減なんて……いつもとは違う戦法で戦ってみたり、別のポケモンで戦ってみたらアヤセちゃんが勝っただけだよ!」
「お互いのポケモンをシャッフルしてバトル……なんて、初めてでしたよ。そもそもバトル自体そんなにやってませんけど、それでも新鮮な体験でした。先輩ともこういうことやってみたらどうです? なんというか……ずっと負けて先輩悔しそうですし」
アヤセの提案にネモは腕を組んで頭を回し、うんうん唸って考え始める。
「うーん、それもそうなんだけど……やっぱりなんかイレギアとはこう、全力で戦りたいんだよねー。アヤセちゃんやアオイたちとは勝っても負けても楽しいし、負けたって得られるものがあるって言えるんだけど…………それでも、イレギアには……勝ちたいな、って!」
「…………まあ、あんなに全力で挑んでる人に向かって手なんて抜けませんよねえ」
「確かに、そうかもっ」
(あれからちょっと考えたけど……やっぱりそういう理由なのかな、わたしがイレギアに勝ちたいのって)
呼吸を1つ挟んで、左手で支えた水平な右腕から伸びた手がモンスターボールをぎゅっと握りしめる。
「実りある勝負をしよう!」
「もっちろんだぜ! 今度こそ俺が勝ってやりまスター!!」
理由はわからない……でも、それでも確かなことはひとつあった。
(全力で戦うのは——何よりも楽しい!)
ネモは自然と、心からの笑みを浮かべていた。