最初に出会ったスター団のしたっぱがネモによく効く向上心の塊でものすごいアホだった 作:うみじゃけ
チーム・ルクバーに勝利したアオイはそのまま隣のオージャの湖にて最後のヌシを探していた。
「とはいえ……それっぽいポケモンは見つからないし……」
コライドンに乗って湖を探索しても、それらしきポケモンが見つからないのだ。今までのヌシ同様、巨大なポケモンであることには間違いないのだろうが……まさか湖の底にいる?
「だとしたら厄介……浮上するまで待つのは嫌だしな……」
「おーいアオイー! 見つかったかー?」
「ペパーっ……——ゲッ」
途方に暮れるアオイだったが、聞き覚えのある優し気な声色に振り返って——ドン引きまじりに声を零した。
「ゲッとはなんだ貴様。我、先輩ぞ? お? お?」
ペパーとイレギアが男2人でボートに乗ってアオイに近づいてきた。オールを漕いでいるイレギアがアオイに甲斐甲斐しくウザがらみする。
「…………なんで先輩も?」
「なーに、この辺を通りかかったんで同級生のよしみで手伝ってやろうってな! だろペパー!」
「ホントに?」
「そういうことになる。とはいえ、まさか空から落ちてくるなんて驚きちゃんだったがな……」
西3番エリアからオージャの湖までボーマンダを飛ばし、ファイアロー並みの視力でもってペパーが1人でボートを漕いでいる姿を見つける。
声をかけようと近くの小島に着陸しようとして……またもやボーマンダが不時着したのだ。
「やっぱりさっきも落ちてきたんだ」
「まさかもうアジトが壊滅させられてるなんてな……だが最後の1つは残ってる! それでお前は終わりだスター!!」
ボートの上ではあの激しい動きをしないらしく、イレギアはアオイを指差すのみに留めた。
「そんで、コイツの目はとんでもなく良い子ちゃんだからな。時間もあるらしいからヌシ探しを手伝ってもらってるんだが……それでも見つからねえ」
「ペパーたちも……」
「島の上にいるんじゃないかと探ったが、見つかるのはコレクレーのコインくらい……なんならさっきから『ヌシー!』って呼びかけてるんだけど一向に現れる気配がしないぜ」
「そんなので出てくるわけ……」
「いやいやいやいや、もしかしたら返事するかもだろ~?」
「正直、それでもいいから出てきてほしいとこだがな……」
数度か会話した後、1人と2人に分かれて再びヌシの捜索となった。
アオイは今、とある小島に上陸している。
「スシスシー!」
「オレスシ……」
「シースー!」
「わあっ、シャリタツがいっぱい……!」
あまりの可愛らしさにアオイもついニヤけてしまうほどだった。
(でもさっきイレギア先輩がなあ……)
「寿司に擬態してるなんてバカだなとか思うなよ、バカにして不用意に近づいたダチが今でも病院暮らしだからな!」
「…………ポケモンの準備はしておこう」
モンスターボールを携えながら小島に散らばったシャリタツたちに目を向ける……寿司に似たフォルムで地面を跳ねてまわっていた。
「うう〜ん……この中にはいなさそう……」
しかし……ふと、イレギアの言葉を思い出してしまう——
「なんならさっきから『ヌシー!』って呼びかけてるんだけど一向に現れる気配がしないぜ」
「…………ヌシー(何やってんだろ私)」
「オレヌシー!」
若干恥ずかしさに赤面しかけていると、岸の方で一回り大きなシャリタツが元気よく返事をした。
「……そんなバカな」
アオイが携えていたモンスターボールを投げる。
「アオイ! ヌシ発見したのか!?」
「ペパー! ……と先輩。うん、スパイスの場所も」
アオイがスパイスを食べに戻ったヘイラッシャを追うと、その後ろからペパーとイレギアがついてきていた。
「へっへっへっ……! どうやら俺のヒントが役に立ったみたいだな!」
「んなわけねえだろ」
「…………」
押し黙るアオイを他所に、偽竜のヌシがその大口を開く……!
「アイツが偽竜のヌシ……!? でっけえ……竜……ってかさかなポケモンじゃね!?」
「ん? 岩山の中から別のポケモンが出てきて——」
スパイスを食べ終えたシャリタツがヘイラッシャの口の中に舞い戻ってくる。
「ス……スシが!! でっかいヌシに食われちまった!? しょ……食物連鎖かよー!?」
「スシかあ……誕生日で家族と食いに行った以来だなあ。懐かしい」
「ワタシもこの前ペパーと行きましたよ」
「思い出に浸ってる場合かっ!」
「ラッシャァァァァ~~~~イッッッ!!」
偽竜のヌシの咆哮が高波を起こし、オーラのようなものを纏いだした!
「ともかく倒すぞ。これが最後のヌシちゃんだぜ!」
「乗りかかった船だ……やってやるぜ偽竜のヌシ!」
「よーし、やろう!」
それに反発するように3人は思い思いのポケモンを繰り出す!
「食物連鎖に興味津々! コイツでごちそうさんしてやるぜ!」
「バリスゥゥ~~~~!」
「初めてのバトルだ……気ィ引き締めろよボーマンダ!」
「ボォォォォ————————ッッッ!!」
「タイプはさっきと変わらない……頑張ってキマワリ!」
「キマッ!」
3匹のポケモンがヌシを倒すべき並び立つ。
「あれ、ボーマンダに進化したんですか……?!」
「あたぼうよ! 俺とボーマンダならもっかい進化もできちまうぜ!」
「そりゃあ無理だろ……」
「ボォォ……!」
「ラッシャイ…………!」
「おおっ! お前の【いかく】で怯えてやがるぜ……ぶっかましてやれボーマンダ——『ドラゴンクロー』!」
「ボォォォォ————————!」
赤い翼で羽ばたいたボーマンダの前足にドラゴンエネルギーが収束して巨大な鉤爪を作り出し……偽竜のヌシの額を切り裂いた!
「ラッシャ……!?」
「ん? ドラゴンタイプの割に効いてねえな……」
「ヘイラッシャはみずタイプだけなんです」
「なに!? なんで竜の……あっ、偽竜ってそういうことかっ! こりゃ一本取られたぜ!!」
「タイプが分かろうが、俺たちのやることは変わんないだろヨクバリス! 『とっしん』だ!」
「だなペパー! ボーマンダ、続けて『ドラゴンクロー』!」
「案外良いコンビ? ちょっとヤケるけど——ワタシたちも頑張ろう! 《テラスタル》!」
そうして——
「ラッシャイ……!!」
ヘイラッシャは3匹の猛攻に耐えきれず、湖の底に沈んでいった……!
「や……やったなアオイ! イレギア!」
「さすがに3人もいれば楽勝だね!」
「これこそっ、俺たちのコンビネーションだぜ! ——そんじゃまっ、後のスパイスだなんだのはお前らに任せる。俺はこの辺で……」
「……ありがとな」
イレギアがスター団ポーズを決めようとしていたところで、ペパーがふと礼を述べた。
「ん? どうしたよペパー」
「いや……大した事情も聞かずにここまで手伝ってくれて——ありがとちゃんだぜ!」
ペパーがサムズアップをイレギアに贈るも……彼はいつものように不敵な笑みを浮かべていた。
「へっへっへっ……だが残念だったなペパー……!」
「あん?」
「なんだか言いたいこと分かっちゃいました」
苦笑気味のアオイの言う通り、イレギアは大袈裟な動きで自分を指差した。
「——俺は人気者だからなっ! 困ったヤツを助けてダチにするのが俺の信条! その方がみんな楽しいからなっ!!」
「へいへい……変わんねえな、お前は」
「それが俺の良さだ……さてさてさてさて、改めてお疲れ様でスター!!」
イレギアは変わらず迫真のスター団ポーズを披露する! そして星型ゴーグルを装着し——
「痛って!」
ゴムの弾性力を顔面に受ける。
「そこは変わっててよ」
繰り出していたボーマンダに跨って、どこかへと飛び去ってしまった。
突風が2人の頬を吹き抜ける。イレギアらしいなとも思った。
「ヌシも倒したことだし、お次は秘伝スパイスを……」
「どうしたのペパー……あれ」
ペパーの視線を追ってみると、湖面を泳ぐシャリタツと目が合った。
「なんだアイツ、食われたんじゃなかったのか」
「オ……オ……」
アオイ
「オ?」
「オレモヌシ————————!!」
予期せぬ再戦となった。
「昨日のペパー凄かったな……」
全てのスパイスを集めた後、ペパーの相棒が完全回復した。アオイ自身、ペパーと泣いてしまうほどに喜んだ。
しかしその翌日に色々とあり……ペパーとバトルすることになった。辛勝だった。
その後は時間も遅かったのでそのままペパーの家に泊まることになるも、全く眠れなかったので寮の自室で二度寝していたらもう昼になっていた。
「ペパーにも負けてられないな——もちろん、スター団にも……!」
脳裏に過ぎったボタンの顔に近づくために、最後のスター団——チーム・カーフのアジトに向かう。
「あれは……校長?」
ネルケである。
アジトの門ではなにやらネルケとスター団のメンバーがバトルをしていたようで、相手側がポケモンを戻していた。
「……なかなか筋がいい。わたしのポケモンの攻撃を退けるなんてね」
相手のスター団はアイドルめいた特別な衣装からボスなのだろうか——背の高い女性のようで、顔には鬼のようなペイントが施されている。
「そちらもな……名前はビワって言ったか? 研ぎ澄まされた技だ」
ネルケは大人の余裕を崩さず、リーゼントを掻き上げる。
2人だけが取り残されたフィールドは近寄りがたい静謐さが立ち込めていた。
「しかしボス自ら門の見張りとはな……仲間のしたっぱたちを信じていないということか?」
「……黙りなさい」
猛然と立ち振る舞うビワの声色に怒気が混じっていく。
「わたしはわたし以外、誰も傷ついてほしくないだけよ」
しかしそれが彼女の慈愛から来るものだとネルケは察したのだった。
「優しいボスさん……勝負再開といこうか!」
「ネルケ……っ」
機会を見つけたアオイはネルケに声をかける。
「……誰」
「アオイ! 来てくれたのか!」
「彼女は……?」
カシオペアから各組のボスの顔写真は受け取っているが……実際に彼女を目にしてアオイは少したじろいでしまった。ペパーよりも背の高い女性で、露出している肩や腰が筋肉質だったこともあるだろう。
「団員らしき生徒がいたんでちょっと話しかけたんだが、いきなりいきなり襲われてひと勝負してたところだ」
「なるほど……改めて、アオイです。カチコミに来ました」
アオイの芯のある声に応えるように、女性は再びヒールボールを構えた——
「ビワちゃん! やっぱりここにいた!」
——ところで、門の横から現れたスター団のしたっぱが呼び止める。
「タナカちゃん……!」
「ちょっと大丈夫!? ケガしてない!?」
「大丈夫だから……! タナカちゃんは安全な場所へ!」
どこまでも他人を思うビワに溜め息を零しながらも、タナカはアオイたちへと向き合った。
「ここは引き受ける! ビワちゃんはアジトに戻って!」
「……引かない! ……引けない!」
「ビワちゃん! もうやめて!」
「ボスのわたしが……引くわけには……」
「ビワちゃんお願いよ! 友達の言うこと聞いて!」
「そうだぜ! ビワには万全の状態で戦ってほしいからな……ここは俺たちに任せとけ!」
「わかった……タナカちゃん、イレギアさんもごめんなさい!」
「もう! 違うでしょ! お疲れ様でスターでしょ!」
「お……お疲れ様でスター!」
アイドルステップのような身のこなしでビワがスター団ポーズを決めて、門を閉じる最後までタナカたちのことを心配そうに見ていた。
「さて…………誰よあんた!!?」
誰も言い出せなかった空気の中、タナカが弾けるようなツッコミを披露する!
「んなことはさておいて、カチコミ野郎を2人でぶっ倒すぞ! マルチバトルってヤツだスター!」
「ええっ……まあ、その方が時間稼げそうだし良いけどっ……!」
「……アオイ、どうやらここは引けそうにないぜ」
「うん……やろう、ネルケ」
「よっしゃ、かかってこいアオイにネルケ!」
「あんたが仕切んないでよ! でもいいわ、ビワちゃんはわたしが守る。覚悟はいいわね?」
「へっへっへっ……ここには目撃者もいる! アオイとネルケに勝って、ビワにも今度こそ勝つ! その勢いでマジボスすら倒し……俺こそがマジボスに成り上がるのだ!!」
「そんなこと考えてたわけ!? まあビワちゃんが負けるわけないし、戦ってやるわ——参ります!」
「いい人だなあ……」
VSイレギア&タナカ●●●●●●
「まずはお前だギャラドス!」
「グレッグル!」
「任せたぞヤレユータン!」
「頑張ってオーロンゲ!」
イレギアのギャラドスが【いかく】を発動、アオイのオーロンゲとネルケのヤレユータンの攻撃が下がる……チャンスとばかりにタナカのグレッグルが不敵に微笑んだ。
「懐かしのマルチバトル……こいつは面白くなってきたぜ!」
「ボォォォォォ————————ッッッ!!」
岩崖の上でボーマンダが雄叫びを上げる……!
「なにあのボーマンダ!?」
「ああ、俺の。ここまで飛ばせたから休ませてんの。応援してくれよ~っ!」
「あんた……ああ、時々聞くスター団の変人ってあんたのことだったのね。初見で気付けばよかったわ」
「理解してもらえて何より! そんなら蹴散らしていきまスター!!」
そうして——
「うごごごごごご…………戻れイキリンコ……!」
「モドレ~……!」
イレギアの最後のポケモンが収められる……
「ちっくしょーっ! スター団のパワーがぁ!?」
「……わたしは負けてもいいの。ひと時でもビワちゃんが休めたならわたしは満足。——役目は果たしたし、わたしも戻るわ! お疲れ様でスター!」
「おう、そんじゃあな! ビワによろしく!」
「いやちょっと! 一緒に戦わないの!?」
「だって俺かくとう組じゃねえし」
「じゃあなんで首突っ込んで……もういいわ」
結局イレギアに振り回されっぱなしだったタナカはそそくさと門の内側へと行ってしまった。
「アオイとネルケともこの辺で……お疲れ様でスター!!」
「えっと……うん。お疲れ様でした」
「…………ちょっと気になったんだが」
スター団ポーズを披露したイレギアにネルケが声をかける。
「ん? どうしたネルケ。まっ、俺とアンタの仲だ……気軽に良いぜ!」
根明な態度のイレギアが神妙な顔のネルケの肩に腕を回した。
「おうふ…………」
ネルケの正体を知っているアオイは思わず変な声を零してしまった。
「『今度こそ』……と言っていたが、ビワとは面識が?」
「そらな。とんでもねえべっぴんさんで文武両道……入学当初からそれはもう人気者だったからよ。気を惹きたかったのと成り上がりたかったんで何度も色んな勝負を挑んでは負けてたっけな。勉強で勝とうとしてたらダチを巻き込んで勉強会になってた、なーんてこともあったっけ?」
「何その青春……」
「ビワだけじゃないぜ? スター団のボスとはもうみんなと仲良くやってたな——生徒会長のピーニャには校則違反だーなんて追いかけまわされたし、メロコにはボウジロウの飯奢ってもらったし、シュウメイにはゲームでひたすら負けたり、オルティガにはいっつもふんぞり返られたな……懐かしいぜ」
「イレギア先輩……」
それほど遠くないはずの過去を懐かしむイレギアの横顔をアオイはどこか胸が苦しくなる思いで見ていた。
「それが……イレギアのアカデミーでの思い出か」
「それだけじゃねえぜ? もっともっとたっくさん宝物みたいなモンがいっぱいある! 語っちまいたいところだが……カチコむんだろ? 俺にはもう邪魔できねえからな。改めてお疲れ様でスター!!」
ネルケの背中を思いっきり叩き、2人に迫真のスター団ポーズを披露する! ボーマンダに呼びかけるとその背に乗ってどこかへと飛び立ってしまった……
「……彼もまた、いじめに遭ったのでしょうか」
「それは…………どうなんでしょう」
どこまでもポジティブなイレギアにそんな薄暗い過去があるとはとても思えない——けれど、無いとは言い切れない。彼があそこまで人気者やスクールカーストにこだわっていた理由もそれが原因なのだろうか……それすらも、彼にしか分からないのだろう。
アオイのスマホロトムが着信音とともに飛び出す。
〈……見張りに対処できたか〉
相手はもちろん——カシオペアだった。
「夜……アップルアカデミー……か」
スター団のマジボス——カシオペアの指示通り、アオイはテーブルシティに赴いていた。
「絶対に止めて見せる……なんて、誰に影響を受けたのやら」
「待っていたぞ」
「……っ!」
階段を登り、大通りに差し掛かるところで——その人はバトルコートの中央に立っていた。
機会音声で述べるその姿はスター団のしたっぱそのもので——
「マジボス…………じゃないよね」
「おう。誰と勘違いしてんだ?」
「キィー、キィー……!」
「イキリンコもノッてる……」
あっけらかんとしたイレギアがアオイに手を振る。スマホを手にしていることから即興で声を加工したのだろう。ヘルメットに留まったイキリンコもまた声を凄めて機械音声に変換している……改めてハイスペックだなと感じた。
「それはともかく、なんでこんなところに?」
「ん? いやあ……アオイが門をくぐるとこ見えたからここでスタンバってた。ビワを倒したんでマジボス倒すんだろ?」
「まあ、はい」
「その前に俺を倒していくんだな!」
「ダナ!」
イレギアとイキリンコが一斉にアオイへと指を差した!
「…………一応、理由を聞いても?」
「なあに簡単だ。お前がここに来たってことはマジボスを引きずり出せたんだろ?」
「うん」
「つまり居所も知ってるハズだ……よって! アオイをぶっ倒してマジボスも倒せば俺の総取り! 俺の天下でスター!!」
「デスター!」
「なにその無尽蔵の向上心……没落貴族の末裔みたい」
「没落とは失敬な! 母ちゃんの母ちゃんはちゃんと駆け落ちしてるぜ!!」
「ホントの末裔!?」
「んなことよりっ! バトルしてもらうぜ……なあアオイ!」
「まあ……引けないってことぐらい、もう分かってる。やろう!」
「へっへっへっ……そんなら一旦戻れイキリンコ!」
「ガンバレ——!」
「任せとけ! さてさてさてさて——ぶっかましてやりまスター!!」
「ちっくしょーっ! あと一息だったってのによ~!」
「ふぅ…………! (ホントにあと一息だった……数の有利がなかったら負けてたかもしれない……!)」
「アオイのその執念……見届けさせてもらったぜ。へへっ、なんだか誇らしいぜ」
「イレギア先輩……」
「思えばアオイとは、もうひとつ階段を昇った先で出会ったんだっけな。独り寂しそうにしていたヤツをスター団に勧誘してたら横に入ってきて……まさかあのダークホースがここまでダークホースだとはな! もうネモに匹敵してんじゃねえか?」
「わたしがどうかした?」
「ネモ!?」
いつの間にか2人の横に立っていたネモに、アオイは見るからに驚いてしまっていたがイレギアはまるで臆せず『おうネモ!』と笑顔で話しかけていた。
「そんじゃ頑張れよアオイ! 相手は正体不明の傑物だ……たぶんマジボスは俺よりも強い! 負けんじゃねえぞ——お疲れ様でスター!!」
アオイを激励するようにイレギアがスター団ポーズを披露する!
「うんっ……行ってくる!」
「どこに行くか知らないけど……行ってらっしゃい。それじゃあイレギア! わたしともポケモン勝負しよっ!」
「おいおいおいおい……前に言ったろ? チャンピオンになるまでネモとは戦わない!」
「え~、そんなあ~っ」
「そんな気に病むことはねえ……何せ俺はもうバッジを全部集めてな……——!」
そんな会話をしながら2人は階段を下りて行った。
「——よしっ」
対してアオイは階段を昇って行く。
その後クラベル戦、マジボス戦があることを知らずに——
——そして体感、バトルがグレードダウンしていったらしい。
その後の3戦を比較してみると——
イレギア(レベルは少し低く5体だがもちものと努力値アリで自由なタイミングの《テラスタル》)
クラベル(レベルは同程度で6体かつ各々が搦め手を搭載している)
ボタン(レベルは高いがブイズパで全員に『でんこうせっか』と『つぶらなひとみ』)
……うーん、この差よ。ゲームとはちょっと仕様が違う(『はねる』が万能わざになってる)からだんだん強くなってってそうだけど……どーだろ。