最初に出会ったスター団のしたっぱがネモによく効く向上心の塊でものすごいアホだった   作:うみじゃけ

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タイトル変えました。とは言ってもあらすじから入れ替えただけですけど。

今更ながら台本形式から改めたんですけど、ぶっちゃけ台本形式って読みにくかったりしましたかね?


31.キタカミ伝説の真相!真昼間でも月のダンス!

 

 

 

 

 

はるか昔、キタカミの里に異国の地より男と鬼が迷い込んできた

 

 

 

 

 

村の人々は自分たちとは違う彼らの姿を恐れ、男と鬼を自分たちの村に近づけさせないようにしたそうだ

 

 

 

 

男と鬼は村人たちに歓迎されず悲しんだが、お互いがいれば幸せだったので裏山の洞窟でつつましく暮らし始めた

 

 

 

 

 

ただひとり彼らを不憫に思った村のお面職人は、男と鬼のためいくつもお面を作って上げた

 

 

 

 

 

男が異国より持ち込んだ宝石をあしらった光輝く見事なお面

 

 

 

 

 

お面を被れば素顔を隠し、村人と仲良くできる

 

 

 

 

 

男と鬼はお面職人の優しさにたいそう喜び、感謝したそうだ

 

 

 

 

 

それからお面を被った男と鬼は村の祭りにこっそり来るようになった

 

 

 

 

 

不思議な2人組のお面の見事さはたちまち評判になり、そのウワサはあっという間に遠くの国々にまで知れ渡った

 

 

 

 

 

世にも珍しいかがやくお面の噂をききつけたのであろうか、数匹の欲深いポケモンがキタカミの里にやってきた

 

 

 

 

 

ポケモンたちは男と鬼の住処へと忍び込み、大事にしまわれたお面を奪い取ろうとした

 

 

 

 

 

偶然居合わせた男がなんとかひとつだけお面を守り切ったが、力及ばず残り3つのお面はポケモンたちに奪われてしまった

 

 

 

 

 

数刻後、鬼が洞窟へと戻ると……そこには争った跡と碧のお面だけがあった

 

 

 

 

 

鬼は男を探すためだろうか、碧のお面を被って村に下りた

 

 

 

 

 

そして、輝くお面を掲げて喜んでいるポケモンたちをやっつけた

 

 

 

 

 

事情を知らない村人たちは何が起こったのかわからず、ただただ怒り狂う鬼を見てその姿をとても恐れた

 

 

 

 

 

村人たちは3匹のポケモンたちが鬼から村を守ってくれたと考え、親しみをこめて彼らをともっこと呼び丁寧に埋葬した

 

 

 

 

 

傷つき悲しみに暮れた鬼はひとり裏山の洞窟へと帰っていった

 

 

 

 

 

 

—ゼイユとスグリの家—

 

 

 

「以上がキタカミ伝説の真相だ」

 

 真の歴史を語り終えたおじいさんは緩く息を吸って、空を仰ぎながら吐き出した。

 

「まさか今も鬼さまが祭りに来て下さるとは……ゼイユとスグリに伝える日が来るとはね」

 

「何、それ……」

 

 話を聞き終えたアオイ、イレギア、ゼイユ、スグリ……そのうちのゼイユが最初に口を開く。

 

「オーガポンかわいそう! ともっこ最悪!!」

 

 その言葉を皮切りにゼイユが玄関へと走る。

 

「伝わってる話と逆じゃん! 出るとこ出てやるわ!」

 

「こら待ちなさい! 口外したらだめって言うとろうに!」

 

「だって!!」

 

「……村の者は自分たちの歴史を信じておる。ともっこさまを大事に思っているのに突然それを嘘呼ばわりされたら……?」

 

「…………ムカつく?」

 

「……そうだ。当時わしらのご先祖さま……お面職人も必死に真実を訴えたが、相手にされず異端者だと迫害されたそうだ」

 

「そう、だったんだ……」

 

 次に呟いたのはスグリだった。それを聞いたアオイもまた眉根を寄せて悲しそうに彼を見ていた。さしものイレギアもはしゃいでられないのか思案顔で腕を組んでいる。

 

「普通に邪悪すぎてむしろ冷静になってたぜ……ったく昨日まで散々考察してたのに全く掠らなかったな」

 

「どんな考察してたの?」

 

「ともっこたち古の最初に選ばれるポケモン説」

 

「……なさそう」

 

 アオイの冷静なツッコミもほどほどにゼイユが彼らの元に戻ってくる。怒り心頭の状態ではないにせよ、その表情からは怒気が溢れていた。

 

「いよいよトサカに来るわね。そんな風に扱われてたなんて」

 

「だからご先祖さまは子孫を……わしらを守るために口を噤み、秘密裏に真実を伝えていくことにしたのだ」

 

「なるほどだべ……凄いこと聞いちまったな」

 

「でも、なんか良かったんじゃない? あんたの鬼好きが良い方に傾いたみたいで」

 

「う、うん…………」

 

 スグリはどこか複雑そうに思案しながら俯いていたが、おじいさんはアオイに向き直って手元にあるお面を覗いていた。

 

「そのお面だが……額の宝石部分が少し欠けていたようだ。もしかしたら直せるかもしれん。しばらくわしに預けてもらえんか?」

 

「鬼さまが階段から落としたときに欠けちまったのか? おれ、きれいにして鬼さまに返してやりてえ」

 

「ワタシもそう思う。それじゃあ、お願いします」

 

「大切にあつかうからね」

 

「もっかいオーガポンに会いたいけど、お面直るまでひとまず待ちね。今日は2人ともおとなしくオリエンテーリングしてなさい」

 

「……? ねーちゃんたちは?」

 

「先輩たちもう終わらせたの?」

 

「おう。俺たちは昨日の日が落ちる前にはマッハパンチで終わらせたぜ。今日はそうだなあ……そうだ! 今度はフルバトルしようぜ! それも全力でやりたいから誰にも邪魔されない場所で……」

 

「勝手に決めないで! ……ま、他にやることと言えば家か河原で遊ぶくらいだし、ちょっとくらいなら付き合ってあげてもいいわよ。それじゃあ2人とも、仲良くしてなさいよ?」

 

「うん……えっと、か……看板! 最後の看板遠くって。鬼が山を越えた楽土の荒地にあんだ……山から北西に降りる。んだば行こっか」

 

 

 

—キタカミの里 上空—

 

 

 

「なーんか、ボーマンダも慣れちゃったわねー」

 

 イレギアのボーマンダ空飛ぶタクシーに揺られながらゼイユが退屈そうに呟く。最初こそ上部から時折聞こえる竜の咆哮に驚いたりしていたものの、何度も乗っているうちにその辺りは慣れてしまったそうだ。

 

「そいつはいいことだぜ! ポケモンウォッシュとかもしてみるか? ウロコの感触が癖になるぞ! ……んん?」

 

「なーにー? なんか面白いのでも見つけた? ……ま、この距離じゃなんにも見えないでしょうけど」

 

「あれは……鬼が山から何か飛んでる……? ちょっと行ってみまスター!」

 

「ウソでしょ!? ホントに見えてるワケ!?」

 

 イレギアの目はファイアロー並み。その能力は衰え知らずである。

 

「輪郭がしっかり見えて……あれは、ピッピ?」

 

 だんだんと近づいて彼に見えてきたのは空を舞うようにして浮かび上がっている1匹のピッピだった。

 

「夜中に踊って飛んだりするのは見たことあるけど、こんな真昼間からしてるなんて変な子ねー」

 

「……ピ?」

 

 ぐんぐん近づいてもはやイレギアの目の前にまで接近したピッピは、突如として目の前に現れたヘンテコな恰好をした彼にダンスを止めてしまう……踊りで浮力を得ていたのだから待つのは当然落下である。

 

「オアアアアアアア~~~~ッ!!」

 

「ピッピ————!!」

 

 野太い声で落ちていくピッピを、イレギアはなんとタクシーを蹴ってそのまま下へと追いかけていく。

 

 山の上とはいえその距離は学校の3階を優に超えている。

 

「ちょっ、何やってんのよバカ! ボーマンダ、追いかけなさい! ただしあたしの安全最優先で!」

 

「ボ、ボォォ……」

 

 あくまで自分本位なゼイユに苦い表情をしながらもボーマンダはピッピとイレギアの落下地点にゆっくり降下していく……もちろんそんな中でもイレギアたちはものすごい勢いで落ちていっている。

 

「……よしっ、もう大丈夫だぜピッピ!」

 

「ピピ?」

 

 イレギアはピッピを抱きしめると、腕の中の彼の返事もそこそこに懐からモンスターボールを器用に2つ取り出した。

 

「ドガース、『たくわえる』! イキリンコ、『ぼうふう』!」

 

 イレギアの足元に呼び出されたドガースの身体が一回り大きく膨れ、イキリンコの起こした風がその下に吹き荒れる。

 

 落下速度を殺しきるほどの浮力が生まれたことで、最終的にドガースの身体がぽよんと軽く弾む程度にまでゆっくり地面に下りたイレギアたちであった。

 

「よーし無事着地だぜ! ありがとうなドガース、イキリンコ!」

 

「ドガアス」「モチロンダゼー!」

 

 ドガースはどこか間の抜けた声で頭を下ろす動作で1回転をして、イキリンコは当然のように鳩胸を張ってみせた。

 

 イレギアが2匹をボールに戻したあたりで空からボーマンダタクシーが着陸し、車の中からゼイユが焦った表情を貼り付けて飛び出してきた。

 

「ちょっと大丈夫なの!? あんたでも流石に危なかったんじゃない……!?」

 

「なんとかなったぜ! 俺だけならそのまま落ちても大丈夫だったんだけど、なにぶんピッピの安全が優先だったからな!」

 

「そう…………ほっ」

 

 イレギアのサムズアップを見てゼイユはほっと胸を撫でおろすと、それと同時に溜め息のようなものを吐き出した。

 

「っていうか、あんただけならなんて見栄張んなくてもいいわよ。普通に死んじゃう距離よ」

 

「それもそうか! 心配してくれてありがとうなゼイユ!」

 

「そ、そういう時は素直に受け取るのねあんた……」

 

 ゼイユの語尾が弱くなって目を逸らしていくのにイレギアは不思議そうに思っていたが、それよりもと腕の中にいたピッピをしゃがんで地面に下ろしてやった。

 

「ダンスの邪魔して悪かったな! でもスゲエ綺麗だったぜ! 昼間でも精を出すその精神に感服しまスター! ぜひ俺の仲間になってくれ!」

 

「ピッピ? ピッピピッピ!」

 

 ピッピは笑顔で指を振りながら返事をする。彼の身体が点滅していた。

 

「よっしゃ! ピッピゲットでスター!」

 

「ちょっ、ちょっとなんか変じゃない……?」

 

 ピッピが繰り出したのは『ゆびをふる』。発動したわざは——

 

 

 

 

 

 『じばく』

 

 

 

 

 

「ん…………?」

 

 スグリが風向きが一瞬でも変わったことに気づいて足を止める。

 

「どうしたのスグリ」

 

 手を繋いでいたアオイが腕を引っ張られて不思議そうに尋ねた。

 

「んー……なんかすごい音が聞こえたような……それに叫び声みたいなのも……?」

 

「そんなの聞こえた……?」

 

「…………気のせいかもしんね」

 

 スグリが苦笑してみせると、アオイもまた笑顔になって笑い合うのだった。

 

 

 

—とこしえの森—

 

 

 

「この辺が良いだろうな。広いし平坦だし」

 

 ピッピを捕まえたその後、当初の予定通りイレギアとゼイユはとこしえの森に訪れていた。

 

「…………てか、身体大丈夫なの?」

 

 あの『じばく』は近くにいたイレギアが全面的に受け止め、ゼイユの方は近くにいたボーマンダが爆風を防ぐことでことなきを得た。

 

「ちょっと擦りむいたけど絆創膏貼ったからもう安心でスター!」

 

「…………そ」

 

 ゼイユはもはやイレギアの肉体構造にとやかく言う気は失せていた。

 

「ともかく、ここなら存分にわざを出してもいいでしょうしね。ブルーベリー学園でもブイブイ言わせてるあたしの本気を見せてあげるわ!」

 

「うっひょー! そいつは楽しみでスター! 俺もこいつの実力が見たいからな……」

 

 イレギアが木漏れ日に透かして見せたのはアカツキの入ったモンスターボールだった。

 

「確かに。強いポケモンとは聞いてたけどどのくらいかは分かんないわよね。実はたいしたこと無かったりするんじゃなーい?」

 

「おっ、それならさっそく——」

 

 両者、どちらが深く言わずとも距離を取り、ボールを構える。

 

「バトルよ!」「バトルでスター!」

 

 

 

 

ポケモントレーナーの ゼイユに 勝負を しかけた!

 

 

—BGM 戦闘!スター団—

 

 

ゼイユ●●●●●●VSイレギア●●●●●●

 

 

 

 

「行くぜェアカツキ!」

 

「さっそく奥の手! 出てきてモルペコ!」

 

 呼び出されたアカツキがドシンと腐葉土の上に降り立ち、目の前の小さなモルペコをその眼光でもって射貫く……!

 

「ワギャアアアアアアアア!!」

 

 木々を揺らす鈍い咆哮。それに思わずモルペコの全身の毛が逆立つほどの威圧感。とくせいでもないのに【いかく】をしているようで、こちら側は【よわき】になってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ——そのアカツキの大きく開けた口になにか紫色のモノが放り込まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワギ…………?」

 

「ん? どうしたアカツキ?」

 

「何か食べてるわよ。葉っぱでも口に入ったのかしら?」

 

 突然アカツキが咆哮を止めたのに疑問に思ったイレギアが呼びかけるも、アカツキは口の中に入った異物を吐き出すことなく、むしろそれを良しとして味わい、飲み込んだ。

 

「ワ————ギ——      」

 

 そして、立ったまま俯き動かなくなってしまう。

 

「ど、どうしたんだよ? なんか具合悪くなっちまったか?」

 

 イレギアが問いかけるも返事をせず……代わりに、彼の全身から紫色の靄が立ち昇っている。

 

「な……なんか、ヤバくない……?」

 

「か……も…………」

 

「ワ、ギ————ワギビィィイイイイイイイッッ!!」

 

 再びの咆哮! しかし今度のアカツキの咆哮は甲高く、様子もどこかおかしく両目を紫色に染めていた。

 

「ワギビィ、ワギビィ……!」

 

「うわっ、なんかこっち来てる……!」

 

「止まれアカツキ! 相手はゼイユじゃ……!」

 

 瞬間、ゼイユのいる方角を見据えたアカツキの額の紅い円が深紅に光る——!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さて、まさかもう捕まえられているとはね」

 

 こちらを狙ってきていた赤い閃光、すぐ側で木々が薙ぎ倒される轟音を陰から見ているのは極彩色の短髪をした中性的な青年……キンシバイだった。

 

「ボクが来るより先になんて、やっぱり侮れないねイレギアは」

 

「モモ……」

 

 そして——その横で桃の形をした何者かが浮遊しているのだった。




キタカミ編のイレギアの手持ち
 
キリキザン
シャンデラ
ドガース
ピッピ
ルカリオ
ガチグマ(アカツキ)
 
……これで6匹揃いました。
うーむゲーム本編とはえらい違い。まああっちはアンケ―トの結果なのでそういうのもあるかあ。
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