最初に出会ったスター団のしたっぱがネモによく効く向上心の塊でものすごいアホだった   作:うみじゃけ

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35.てらす池からの刺客!ラストのお面を完成させまスター!

 

 

 

—鬼が山—

 

 

 

 ともっこたちが退散した後、イレギアの乗ったボーマンダが着陸するとゼイユたちが出迎えていく。

 

「よおっ! 遅くなっちまったな!」

 

「グッドタイミングよむしろ! あたしより目立つなんてムカつくけど、今回は特別に許してあげる!」

 

「そいつはありがとなあ! ……そんで、オーガポンだぜ!」

 

「ぽに」

 

 イレギアはボーマンダに乗せたオーガポンを丁寧に地面に下ろした。空の旅が案外心地よかったのか、その顔はつやめいていた。

 

「これが鬼さま……前会ったときは暗くてあんましわかんなかったけど、わやめんこいな」

 

「なっ! そうだな! 瞳も星っぽいし、こりゃ正式にスター団に歓迎を考えないとなあ」

 

「はいはい、シメるわよ。あたしは初めて見たけど、こんなかわいい奴を迫害だなんて余計許せないわよ」

 

「大丈夫だった?」

 

「ぽにお!」

 

「良かった……けど」

 

 アオイの言葉に元気よく返事をするオーガポン。彼女の返事にアオイもまた安堵するが、不安げな表情で空を、ひいては崖を仰ぐ。

 

「どうしよっか、家までの道が無くなっちゃったし……」

 

「ぽに……」

 

 イイネイヌの攻撃によって恐れ穴への道は崩壊してしまっており、オーガポンが壁を登って向かおうとするも……途中でずさささーと元居た位置に戻ってしまう。

 

「家に帰れねえってのは大問題だな。飛べるポケモンに協力してっていうのもちょいと難しそうだし」

 

「紐でも結んで……は、難しそうね」

 

「いっそのこと時間でも巻き戻って直んねえかな。それかエレベーターみたいのでも作られてねえかな」

 

「無いものねだりしてもしょうがないわよ。ともかく……ほら」

 

「ぽに?」

 

 ゼイユがオーガポンの前に屈むと、イレギアのポケモンから手渡されたお面の1つを差し出した。

 

「ぽ!」

 

「お、おれからも……な……?」

 

「ワタシからも、これ!」

 

「ぽにおー!」

 

 続いてスグリ、アオイもまたお面を差し出したので、オーガポンは喜んでそれらを受け取っては過去を懐かしむようにお面たちを眺めていった。

 

「最後のお面はまだ直ってないから待っててね」

 

「ぽに」

 

 アオイの言葉にオーガポンは了承したとばかりに首肯する。

 

「ふふっ、良かった」

 

「アオイ、鬼さまと仲良いな……なんか妬けちゃうべ」

 

「それならスグリも何か話したら?」

 

「ええっ、あー……えーっと……」

 

「ぽに?」

 

 アオイが背中を押したスグリがしどろもどろな反応を見せていると、オーガポンが不思議そうに首を捻って見せる。

 

「まったく、ようやく憧れのオーガポンに会えたってのにスグったらダメね」

 

「うぅぅ……」

 

「そう言ってやんなよ。思えばてらす池に行く前にともっこの騒動があったから、随分と遠回りになっちまったな」

 

 ……ぐー。

 

「ん? スグ?」

 

 イレギアとゼイユの視線がスグリへと集まる……きゅるきゅるきゅる。

 

「アオイも、腹減ったのか?」

 

「「…………」」

 

 アオイとスグリがバツが悪そうに俯きながら頷くのを、イレギアとゼイユが微笑ましそうに見つめた。

 

「まっ、もう昼飯時だしな! 材料はあるからサンドイッチでも作って食べるとするか!」

 

「アギャス!」

 

「わっ、またサンドイッチに反応して出てきた」

 

「もちろん、たくさん走ったコライドンたちの分も作ろうぜー!」

 

 イレギアたちは各々準備をしながらランチタイムを楽しむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方で退散していったともっこたちは身体を大きくしたまま鬼が山を下っており、そんな彼らを待っていたのは……モモワロウとキンシバイだった。

 

「モモワーイ!」

 

 モモワロウが元気よく出迎えるが、ともっこたちの顔はどこか曇った様子を見せている。

 

「その様子だと……ああ、お面を取られてしまったのか」

 

 

 

「ヌンダフル……」

 

 

 

 イイネイヌが申し訳なさそうに前に立って頭を下げると、それに続いてマシマシラやキチキギスも謝ってくる。

 

「いいよ、全然大丈夫。ご飯もただで食べられただろう? 鬼が手に入らなかったのは残念だけど……お面と《テラスタル》の関係性も知れたし」

 

 そう言いながら、キンシバイは自分の手の中にある《テラスタルオーブ》に彼の姿を映させる。

 

「ゼイユさんたちのおじいさんに頼みごともしたし……あとは言われた通り、けっしょうのかけらを集めにいこうか」

 

 

 

「「「オオーッ!!!」」」

 

 

 

「それと、君たちはどうやったら小さくなるんだい? そのままじゃボールに入らないし」

 

 

 

「「「…………」」」

 

 

 

 ともっこたちは互いに顔を見合わせて、どうするべきか頭をひねるのだった。

 

「……これは、ちょっと面倒なことになったね」

 

「モモモ……」

 

 キンシバイはモモワロウとともに苦笑するのだった。

 

 

 

—てらす池—

 

 

 ランチタイムを終えたイレギアたちはオーガポンを連れて、ついにてらす池にまで訪れていた。

 

「わぁ……!」

 

 透き通る水の中に輝く岩の数々にアオイはその光景に目を奪われてしまう。

 

「ぽにー!」

 

「鬼さま、なんか誇らしげだべ」

 

「ここがてらす池。きれいで驚いたでしょ? このへんの岩ってなんでか光ってんの、不思議よね」

 

「ほえーっ。なあアオイ、あの岩ってなんかエリアゼロの鉱石に似てねえ?」

 

「あっ、確かにそうかもですね」

 

「エリアゼロ……?」

 

 アオイが頷いていると、スグリがその言葉を反復して疑問を露わにする。

 

「エリアゼロってのはパルデアの中央にある大穴の名前でな。その奥には……実は行っちゃいけないんだけど、めっちゃキラキラした鉱石が山みたいにできてるんだぜ!」

 

「わやじゃ……おれもいつか行ってみてえ」

 

「スグリが来たらワタシが案内するよ。もちろん、友達も紹介するね」

 

「友達……やっぱこそばゆいな……」

 

「はいはい、話の途中よ。そんでこのあたりでは死んだ人に会えるとか変な噂もあるのよ。実際はどうか知らないけど」

 

「ふーん。じゃああそこに立ってるのは死んだヤツなのか?」

 

「「「っ!!??!」」」

 

 イレギアが平然と指差した方向にアオイ、スグリ、ゼイユが勢いよく視線を移した。

 

「……ぽに?」

 

 オーガポンが小首を傾げる中、3人は目をかっぴらいてその光景を目に焼き付け……誰も居ないことを確認するのだった。

 

「わやじゃ……! なんもいねえ……!」

 

「び、びっくりしたぁ……ほんとに誰かいたのかと……!」

 

「ビビらせんじゃないわよ! 新技食らいたいわけ!?」

 

「ぐえーっ! もう食らってまスター!? でもマジに誰かいたんだぜ!?」

 

 ゼイユ渾身のスリーパーホールドにイレギアは悲鳴を上げるが、先ほどの言葉を否定することはないようだ。

 

「うっさい! そんなのあんたの見間違いよ見間違い!」

 

「ぐええええっ……落ちる! マジにお星様になっちゃう……!!」

 

「あわわわわ……アオイ、ねーちゃん止めるべ!」

 

「うん……ええとどうしよ……!」

 

「ぽにおー!」

 

「鬼さま、なんか楽しんでるべ……!?」

 

 ゼイユの怒りを鎮めるべくアオイとスグリが奔走し、イレギアの息が正された頃、ゼイユが不機嫌そうにてらす池に近づく。

 

「お面を直すため! 水中に沈んでる結晶、ちょっとだけ採ってこないとね……というわけであんた、やったれ! 思いっきり池に飛び込むのよ!」

 

「ぽにおー!」

 

 ゼイユは自信たっぷりにイレギアを指差す。その裏でオーガポンが『やれやれー!』と言いたげに飛び跳ねて喜びを表現する。

 

「先輩が!?」 

   

「飛び込むの!?」

 

「ぽ?」

 

 アオイとスグリが驚きを露わにするも、ゼイユはなんでもないように受け応える。オーガポンは一連の仕草を不思議そうに眺めていた。

 

「だってあたし泳げないし、服が濡れちゃうでしょ? アオイもスグもちっこいから不安だけど、こいつなら体力あるし余裕余裕~」

 

「ねーちゃん、自分勝手すぎ……」

 

「さっきの仕返しじゃ……」

 

「なんか言った!?」

 

「なんでもねえべ!」「なんでもないです!」

 

 スグリがため息まじりにゼイユを見ていたが、ふとイレギアに目を移せば……彼はやる気満々に準備体操をしていた。

 

「ほ、ほんとにやるんだか……?」

 

「頼られちまったのならしょうがねえ……任せとけ! 見とけよお前たち! 俺の泳ぎはサメハダーですら……」

 

 イレギアが池の岸に進んだところで——水面が揺れ、地面が揺れ始める……!

 

「えっ!? 地震……!?」

 

「見ろよ! てらす池が——!」

 

 イレギアのその声が遮られるように、てらす池の水面から何かが飛び出す——!

 

「ミロロロロ!」

 

 空を仰ぐとそこには陽光に反射して宝石のように遊色に煌めく鱗をくねらせて躍らせる、世界一美しいポケモンとも呼ばれるミロカロスであっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

驍ェ鬲斐′縺?k縺ェ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間、空に影が覆う。

 

 現れた影が歪み、ミロカロスに触れると同時にその身体を切り裂いて地面に叩き伏せた。

 

「な、んだ……?」

 

 イレギアの喉が凍り付き、そこから全身の熱が冷え切っていく。

 

 ミロカロスがヒンバスほどの矮小で脆弱な存在に見えてしまうほどの存在が水面に降り立つ。

 

 

 

その姿は——異質だった。

 

 

 

その風貌はシンオウ神話に語られるディアルガのようであり、そして同じく語られるパルキアのようであった。

 

 

 

ディアルガのダイヤがあった部分からパルキアの胴体が生え、パルキアのパールがあった部分からディアルガの前足が生えている。

 

 

 

そして本来あったディアルガの前足はパルキアの腕に変えられ、首はそれらがふたつ並んでいた。

 

 

 

その風貌は上記の特徴に加え、全体的には鱗を纏った恐竜のような強靭な身体になっているが、2匹の繋ぎ目は謎のエネルギーの流れる大量のチューブで縫われている。

 

 

 

古来と未来が掛け合わされたその姿は、ポケモンと考えるには憚られる。

 

 

 

仮称を付けるならば、荒神が如きその体躯から――アラガネノクとするべきか。

 

 

 

「こいつは……まさか……!」

 

「がお……!」

 

 イレギアは以前、エリアゼロで出会ったあの異質な存在——クロガネノメを思い出し、身体に無理やり熱を起こして3人と1匹の前に立つ。

 

「先輩……!?」

 

 アオイはイレギアの尋常ならざるその様子に驚きながらも、自分も彼と同じように一歩前に立つ。

 

「謨オ繧堤匱隕九@縺」

 

 アラガネノクは殺意の籠った血走った、しかし非常に冷静な工作員のような4つの瞳をイレギアに定める。

 

「アオイ、ゼイユ、スグリ……どうやら、戦うしかないようだぜ……!」

 

「逃げられる雰囲気じゃないしね……!」

 

「お、おれ……怖えけど、けっぱる……!」

 

 それぞれが恐れながらも決意を固めたところでアラガネノクは双頭から歪な咆哮を叫ぷ。

 

荳サ縺ォ莉」繧上▲縺ヲ蟋区忰縺吶k

 

 その叫びは魂の底から恐怖を沸かせるような奇怪なものであった。




アラガネノク 縺ッ縺後?/縺ソ縺
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