最初に出会ったスター団のしたっぱがネモによく効く向上心の塊でものすごいアホだった   作:うみじゃけ

76 / 76
大変長らくお待たせしました!キタカミ編完結です!


39.キタカミ姉弟との別れ!また会える……はずだ

 

 

 

—スイリョクタウン 公民館前—

 

 

 

 翌日、ブライアの呼びかけによって生徒たちは公民館の前に集められていた……が、そこにゼイユの姿はなかった。

 

「これで全員……ではないがメンバーは揃ったね」

 

「…………」

 

 スグリは心配そうな顔で俯いている。

 

「ゼイユ、どうしたんだろ……」

 

「…………さぁな」

 

「……?」

 

 アオイも心配そうにイレギアに話しかけるが、当のイレギアはどこか遠い目をしていた。

 

「それでは管理人さん、どうぞ」

 

「はい。えー、みなさんおはようございます。なんとみなさん全部のペアでキタカミの歴史看板巡り……オリエンテーリングを終えられました!」

 

「「やったー!」」

 

「とっても楽しかったです!」

 

「うん……とっても楽しかったね、みんな」

 

「キンシバイくん、ポダンくん、ナモさん、プペーくんは班のように行動していましてね」

 

「へえ、ワタシたちみたいですね先輩」

 

「だな、楽しめて何よりだぜ!」

 

「……はい!」

 

 さっきの杞憂だったか、とアオイは思い直す。

 

「いやー、どうもありがとうね。本当にお疲れ様でした! オリエンテーリングの参加賞を配りますね」

 

 管理人からそれぞれにキタカミもちセットが配られて行った。

 

「これは?」

 

「これはキタカミもちを作るための方法やら必要な道具が入ってるセットでしてね、アカデミーに帰っても作れると思いますよ!」

 

「ほへー、あのもち美味しいから嬉しいぜ!」

 

「ですね!」

 

「本当はもっと時間がかかると思ったんですがみなさん優秀で! 林間学校終了まではまだ全然期間がありますのでアカデミーの生徒さん方はご自由にキタカミにご滞在ください……それと」

 

 管理人はブライアの方を向き、言葉を促す。

 

「ああ……諸事情で申し訳ないが、私、ゼイユくん、スグリくん、キンシバイくんのブルーベリー組はひと足先に学園に戻らなければならないんだ」

 

「なっ……ホントなんです!?」

 

「どうしてですか……?」

 

「…………」

 

 イレギアが大袈裟に驚き、アオイが尋ねる……スグリは相変わらず俯いている。

 

「本当にすまないね。大穴関係で進展があって、どうしても行かなければならないんだ……引率として同行していたが、君たちは実に優秀なので私がいなくても大丈夫さ」

 

「そう……ですか…………」

 

「先輩……?」

 

 イレギアの予想以上の凹み方にアオイは違和感を覚えた。

 

「っ……そういうことなら頼られないとな! 人気者の俺がみんなを導いてやるぜー!」

 

「ふふっ、頼もしいねイレギアくんは! すみませんが以降のお世話は管理人さんにお願いしますよ」

 

「はいはい、大丈夫ですよ」

 

「あ、一応サザレお姉さんもいるから安心してねー」

 

「それは逆に不安というか……それはともかく、キンシバイくん……みんなに言いたいことがあるんだって?」

 

「はい」

 

 極彩色の髪を持つ中性の彼、キンシバイはにこやかに微笑んで一歩前に出る。

 

「ポダン、ナモ、プペー……君たちと出会えて本当に楽しかった。改めてお礼を言わせてくれ、ありがとう」

 

「えへへっ」

 

「また遊ぼうね!」

 

「いつでも連絡ちょうだい!」

 

「イレギア、アオイ……もちろん君たちとも。リーグ部の序列5位として、いつか君たちとも戦いたいね」

 

「おう! 俺は世界一になるんだ、その過程でお前とも戦うだろうからな!」

 

「ふふっ、ワタシも戦いたい!」

 

「よかった……またね、みんな」

 

 キンシバイが一歩下がったことを確認すると、ブライアは手を叩いて口を開く。

 

「それじゃあかいさ——」

 

「ま、待って!」

 

 しかしそこへスグリが口を挟む。

 

「おや、スグリくん……君も何か?」

 

「う、うん……先生、おれもみんなに言いたいこと、ある……」

 

 スグリもキンシバイに倣って一歩前に出る。

 

「そ、その……ねーちゃんはちょっと体調が悪いみたいで、代わりにおれが……おれ、は、村の出身で、実は……みんなのこと、最初はよく思ってなかったんだ」

 

「「「えぇー……」」」

 

「え、そうだったの?」

 

 アオイの疑問にスグリは「うん……」と頷いて頬をかく。

 

「おれたちの大切な場所に土足で入ってこられる気がして……けど、一緒に過ごしてみると全然そんなことなくって……実際、みんなと話してみると面白くて……食わず嫌い、よくないなって思った! ……です」

 

 スグリはたどたどしく、しかしはにかんで笑う。その姿を見てアオイもイレギアも……ポダンたちも嬉しそうに笑っていく。

 

「だから、その……楽しかった! みんな来てくれてありがとう! 特にアオイ……」

 

 スグリはアオイの目を見て、アオイもスグリをじっと見つめる

 

「来てくれたのが、アオイで良かった……!」

 

「ワタシも……会えたのがスグリで良かった!」

 

「にへへ……」

 

「えへへ……」

 

「俺もスグリと会えてよかったぞー!」

 

「ぼくもー!」「わたしもー!」「ボクもー!」

 

 2人が揃って笑っているところに、イレギアも叫び、それに続いていく……キンシバイは含み笑いをするだけだった。

 

「……一瞬一瞬が輝かしい子供たちの時間は大人からすると眩しすぎます」

 

「だねえ……」

 

 ブライアの言葉にサザレはうんうんと頷いていく。

 

「というわけで一旦林間学校はひと区切り! 管理人さんにお礼を言いましょうか!」

 

「おう、じゃあせーの!」

 

「「「ありがとうございましたー!」」」

 

「ええ、みなさん……ありがとうございまスター!」

 

 管理人は渾身のスター団ポーズを披露した!

 

「おお!管理人さんもスター団に!?」

 

「ボタンに怒られそう……」

 

「わやじゃ……」

 

 

 

—ゼイユとスグリの家—

 

 

 

 

「ゼイユ、体調はどうだい?」

 

 ゼイユの祖母が部屋の扉をノックしながら尋ねる。

 

「んー……ちょっとよくなったかな」

 

「そうかい……いつでもいいから、顔を見せてね」

 

「うん……」

 

 祖母が離れて行ったのを確認すると、ゼイユは布団から出ていく。

 

「あんな別れ方……やっぱりよくない! 会いに行かないと……!」

 

 部屋から出ようとして……ふと異様な気配を感じて立ち止まる。

 

「…………なに?」

 

 ふと振り返ると、窓からすり抜けて入ってくる謎の浮遊物体……桃?

 

「モ、モモ……モモワーイ!」

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ならないと」

 

 

 

 

 

「強く、ならないと……」

 

 

 

「そうすれば、人気者に…………」

 

 

 

「待っててな、イレギア」

 

 ロトロトロト……イレギアから着信だ。

 

「…………」

 

 ゼイユはそれを拒否し、ブロックした。

 

 

 

 

 

— to be continued —




次回からはブルーベリー編ですが……原作、二次創作とともに違う方向になりそうです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

成り行き任せのポケモン世界(作者:バックパサー)(原作:ポケットモンスター)

 ▼ 特筆するようなことも無い極々平凡な毎日を送る男・マサヒデ。ある日家で寝ていたはずの彼が目覚めると、そこは見たこともない薄暗く茂る森の中。場所も分からず助かる道を求めて歩き出した彼が見たのは、見たこともない、だけども子供の時分からよく知っている生き物たちが活き活きと動き回る光景であった…▼この作品は家無し金無し荷物無し、知識は有れども腕前は廃人未満、つい…


総合評価:8827/評価:8.03/連載:106話/更新日時:2026年07月26日(日) 19:00 小説情報

SPECIALな冒険記(作者:冴龍)(原作:ポケットモンスターSPECIAL)

謎の出来事によってポケモンの世界に迷い込んでしまった少年。▼数年の歳月が流れたある日、些細な切っ掛けから、彼は自分が今に至るまで辿って来た過去の足跡を思い出す。▼この物語は、基本的に主人公が現代に至るまでに経験した過去の出来事を描いていくのがメインになります。たまに成長した現代の主人公の様子も描写します。▼


総合評価:7514/評価:8.44/連載:172話/更新日時:2024年12月01日(日) 19:03 小説情報

ドマイナー地方でチャンピオンやってるけど質問ある?(作者:鯖村)(原作:ポケットモンスター)

ドマイナー地方の過疎リーグチャンピオンが広報活動と銘打って遊んでいるだけの話。


総合評価:29313/評価:8.91/連載:14話/更新日時:2024年09月27日(金) 13:40 小説情報

人違いだと思う、いやマジで(作者:平々凡々侍)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

▼きっと、たぶん、おそらく、めいびー。 ▼これは不思議と誰も彼にも人違いされやすい配達員のお話。 ▼なお配達員には少し(?)忘れっぽいところがあるものとする。▼【挿絵表示】▼※見切り発車でだらだらと話が進みます。▼※リハビリ感覚で書いています。


総合評価:994/評価:8.12/短編:8話/更新日時:2026年07月15日(水) 13:01 小説情報

ニューサトシのアニポケ冒険記(作者:おこむね)(原作:ポケットモンスター)

もしサトシ君に前世の記憶が蘇って、アニポケやゲームの知識を持ったニューサトシになったらこうなっちゃったというお話。▼世界観はアニポケですが、ゲーム、ポケスペ、独自解釈、オリジナル要素を含みます。▼アマゾンプライムビデオでアニポケ見たら書きたくなったのですが、作者は小説を初めて書くので文章がおかしい所があるかもしれません。▼作者はポケモンにわかです。▼【挿絵表…


総合評価:30964/評価:8.97/連載:349話/更新日時:2026年06月25日(木) 20:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>