この世界ではFateの山の翁の暗殺教団が実在していて、実は滅んでおらず、今も世界の何処かに存続してるよぉ~っていう前提でお送りしております(⌒▽⌒)
第1話:日常の崩壊〜異世界と宗教戦争〜
〜ハジメside
月曜日。それは一週間のうちで最も憂鬱な始まりの日。きっと大多数の人が、これからの一週間に溜息を吐き、前日までの天国を想ってしまう。
そして、それはこの僕、南雲ハジメも例外ではなかった。ただし、僕の場合、単に面倒というだけでなく、学校の居心地がすこぶる付きで悪いが故の憂鬱さが多分に含まれていたが。
僕は、いつものように始業チャイムがなるギリギリに登校し、徹夜でふらつく体でなんとか踏ん張り教室の扉を開けた。
その瞬間、
極力意識しないように自席へ向かう。しかし、毎度のことながら懲りずにちょっかいを出してくる者がいる。
「よぉ、キモオタ! また、徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」
「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」
一体何が面白いのか性懲りもなくゲラゲラと笑い出す男子生徒達、僕は心の中でため息を漏らす。
声を掛けてきたのは
檜山君の言う通り、僕はオタクだ。と言ってもキモオタと罵られるほど身だしなみや言動が見苦しいという訳ではなくそれなりに気をつけてる方だと思う。
髪は短めに切り揃えているし寝癖もない。コミュ障という訳でもないから積極性こそないものの受け答えはちゃんとしている方だし。単純に創作物、漫画や小説、ゲームや映画というものが好きなだけだ。
世間一般ではオタクに対する風当たりは確かに強くはあるが、本来なら嘲笑程度はあれど、ここまで敵愾心を持たれることはない。では、なぜ男子生徒ごく一部がが敵意や侮蔑をあらわにするのか。
その答えが彼女
「南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」
「あらあら〜本日も精がでますねぇ〜檜山君?」
檜山達『ひぃっ!!』
方やニコニコと微笑みながら、方や薄っすらと冷たいながらも柔らかく微笑む二人の女子生徒が僕のもとに歩み寄った。このクラス、いや学校でも僕なんかとフレンドリーに接してくれる数少ない例外であり、この事態の原因でもある。
名を
白崎さんの方は腰まで届く長く艶やかな黒髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。
言峰さんも白崎さんに負けず劣らずの美少女で肩口までに切りそろえられた黒髪のセミロングに白崎さんよりも幼気な顔つきをしているが彼女よりも何処か大人でミステリアスな雰囲気を感じさせる。何より眼下にそびえ立つ双丘は恐らく学年いや学校1のサイズを誇っているのではなかろうか……?
いつも微笑の絶えない白崎さんは、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の深さだ。
方や言峰さんは成績、運動共に、学年の1位争いをするほどに良く学校全体の風紀を守る風紀委員を努めている。その検挙率は学年問わず凄まじいもので、ここにいる檜山君たちも例外なく彼女におせわになっている。彼らが彼女をひと目見て恐れているのはこれが原因だ。そしてそんなに彼女に白崎さん同様に色々な相談をするものは多く、そのすべてを優しく受け止める彼女を “ママ” と慕うおギャリ信者はあとを絶えない…。
そんな白崎さんはなぜかよく僕に構ってくる。漫画家の母さんの手伝いによる徹夜のせいで居眠りの多い僕は不真面目な生徒と思われており(成績は平均を取っている)、生来の面倒見のよさから香織が気に掛けていると思われている。
言峰さんは、普段白崎さんともう一人の女神と行動をともにしていることが多く、彼女の風紀委員としての仕事の一貫でちょくちょくお世話になっているので自然と交流するが、特段積極的に話す仲でもない、彼女には僕の家の事情と寝不足の原因を話ししているので特段オタクへの偏見は少なく、多少なりとも便宜を図ってもらっている。
ハジメ「あ、ああ、おはよう白崎さん、あと言峰さんもおはよう…」
ハンナ「えぇおはようございます南雲君。事情は把握しておりますが、カオリの言う通りもう少し時間に余裕を持ったらいかがです?」
ハジメ「あっあはは…」
❝すわっ、❞これが殺気か!? と言いたくなるような眼光に晒さらされながら、僕は頬を引き攣つらせて挨拶を返す。
それに嬉しそうな表情をする白崎さん。「なぜそんな表情をする!」と、更に突き刺さる視線に冷や汗を流した。
そんな僕らを見ながら頬に手を添えた言峰さんは何処か楽しそうな笑みを浮かべる
僕は毎度不思議でならなかったんだけど、なぜ学校上位の美少女である白崎さんが自分にこうまで構うのか。自分の目には、どうにも白崎さんの性分以上の何かがあるようにしか思えなかった。
しかし、まさか自分に恋愛感情を持っているなどと自惚れるつもりは毛頭ない。僕は、自分が趣味のためにいろいろ切り捨てている自覚がある。顔も成績も運動能力も平凡だ。自分など比較にならないほどいい男が彼女の周りにはいる。故に、彼女の態度が不思議でならなかった。
というか、この殺気を孕んだ眼光の嵐に気がついて下さい!内申懇願する。幾分か言峰さんが牽制してくれているが… だが、口には出さない。そうした瞬間、きっと体育館裏とかに強制連行されそうだ。まぁ風紀委員の言峰さんがめを光らせているため強行に及ぶ…………者は少ないだろうが…絶対ではない
極限の中、会話を切り上げるタイミングを図っていると、三人の男女が近寄って来た。先ほど言った〝いい男〟も含まれている。
「南雲君。おはよう。毎日大変ね」
「香織、ハンナ、また彼の世話を焼いているのか? 全く、本当に君たちは優しいな」
「全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄と思うけどなぁ」
三人の中で唯一朝の挨拶をした女子生徒の名前は
百七十二センチメートルという女子にしては高い身長と引き締まった体、凛とした雰囲気は侍を彷彿とさせる。
事実、彼女の実家は八重樫流という剣術道場を営んでおり、彼女自身、小学生の頃から剣道の大会で負けなしという猛者である。現代に現れた美少女剣士として雑誌の取材を受けることもしばしばあり、熱狂的なファンがいるらしい。後輩の女子生徒から熱を孕んだ瞳で〝お姉さま〟と慕われて頬を引き攣らせている光景はよく目撃されている。
さながら、おっとり姫の香織、凛々しき女侍の雫、ミステリアスな聖母ハンナといった具合だろう
次に、些いささか臭いセリフで二人にに声を掛けたのが
言峰さんと成績、運動共にをトップ争いをしているのは彼である。
サラサラの茶髪と優しげな瞳、百八十センチメートル近い高身長に細身ながら引き締まった体。誰にでも優しく、正義感も強い(思い込みが激しい)。
小学生の頃から八重樫道場に通う門下生で、八重樫さんと同じく全国クラスの猛者だ。八重樫さんとは幼馴染である。ダース単位で惚れている女子生徒がいるそうだが、いつも一緒にいる八重樫さんや白崎さんに気後れして告白に至っていない子は多いらしい。それでも月二回以上は学校に関係なく告白を受けるというのだから筋金入りのモテ男だ。
最後に投げやり気味な言動の男子生徒は
龍太郎クンカは努力とか熱血とか根性とかそういうのが大好きな人間なので、まぁ、僕のように学校に来ても寝てばかりのやる気がなさそうな人間は嫌いなタイプらしい。現に今も、僕を一瞥した後フンッと鼻で笑い興味ないとばかりに無視している。
ハジメ「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方ないよ」
雫達に挨拶を返し、苦笑いするハジメ。「てめぇ、なに勝手に八重樫さんと話してんだ? アァ!?」という言葉より明瞭な視線がグサグサ刺さる。流石三代女神、八重樫さんも白崎さんと言峰さんに負けないくらい人気が高い。
光輝「それが分かっているなら直すべきじゃないか? いつまでも香織とハンナの優しさに甘えるのはどうかと思うよ。彼女たちだって君に構ってばかりはいられないんだから」
天之河君が忠告してくる。彼の目にもやはり、僕は白崎さんと言峰さんの厚意を無下にする不真面目な生徒として映っているらしい。
僕としては言峰さんはともかく、白崎さんには「甘えたことなんてないよ! むしろ放っておいてくれ!」と声を大にして反論したいのだが、そんなことをすれば強制連れションが実行されるだろう。天之河君自身、思い込みが激しいところがあるので反論しても無駄であろうことも口を閉じさせる原因だ。
そして〝直せ〟と言われても、僕は趣味を人生の中心に置くことに躊躇いがない。なにせ、父さんはゲームクリエイターで母さんは少女漫画家であり、将来に備えて父親の会社や母親の作業現場でバイトしているくらいなのだ。
ありがたいことに即戦力扱いをしてもらって、趣味中心の将来設計はばっちりである。僕としては真面目に人生しているので誰になんと言われようと今の生活スタイルを変える必要性を感じなかった。白崎さんが僕を構わなければ、そもそも物静かな目立たない一生徒で終わるハズだったのである。
ハジメ「いや~、あはは……」
それ故に、僕は笑ってやり過ごそうとする。が、今日も変わらず我らが女神は無自覚に爆弾を落とす。
香織「? 光輝くん、なに言ってるの? 私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」
光輝「え? ……ああ、ホント、香織は優しいよな」
どうやら彼の中で白崎さんの発言は僕に気を遣ったと解釈されたようだ。ざわつく教室の空気に、もう一人の女神がカバーに入る
ハンナ「そう邪険にしてあげないでください天之河君」
光輝「……ハンナっ嫌でもしかし、いつまでも行動を改めない南雲をそのままにしておけば、君達の負担になってしまうだろう?」
「いいのかい?今度のテストは僕が余裕でリベンジさせてもらうよ?僕は万全の君と正々堂々と戦いたいんだっ!!」
前回の実力テストではほぼ僅差でハンナが勝利を納めている。
いつから始まったのか、この二人の秀才の名勝負はこの学校において新聞部も取り上げるほどのイベントになっている、それ故にハジメに対して向けられていた負の感情は、今話題の二人への好機の眼差しへと変換される。
ハンナ「あらっもちろん私は2連覇を目指して精進しておりますよ?
そもそも私は風紀委員、学校の風紀が乱れるのであればその元凶を断つのが私の役目。
先程彼女をミステリアスと評したがその理由は彼女が何かしらの宗教に所属していることも起因している。流石に宗教という触れにくい話題を出され光輝も引き下がる
光輝「……っ!流石、ハンナは真面目だな、わかった君がそのつもりなら僕も努力を惜しまないさっ!!」
持ち前の自己解釈をもって。
完璧超人なのだが、そのせいか少々自分の正しさを疑わなさ過ぎるという欠点があり、そこが厄介なんだよなぁ~とハジメは現実逃避気味に教室の窓から青空を眺めた。
雫「……ごめんなさいね? 二人共悪気はないのだけど……」
この場で最も人間関係や各人の心情を把握している雫が、こっそりと小声でハジメに謝罪する。ハジメはやはり「仕方ない」と肩を竦めて苦笑いするのだった。
そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。教室の空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。そして、いつものようにハジメが夢の世界に旅立ち、当然のように授業が開始された。
そんなハジメを見て香織が微笑み、雫はある意味大物ねと苦笑いし、ハンナは頬に手を当てこれまた悩ましいと言わんばかりに「あらあら」とつぶやく、男子達は舌打ちを、女子達は軽蔑の視線を向けるのだった。
教室のざわめきに、ハジメは意識が覚醒していくのを感じた。居眠り常習犯なので起きるべきタイミングは体が覚えている。その感覚から言えば、どうやら昼休憩に入ったようだ。
ハジメは、突っ伏していた体を起こし、十秒でチャージできる定番のお昼をゴソゴソと取り出す。
なんとなしに教室を見渡すと購買組は既に飛び出していったのか人数が減っている。それでもハジメの所属するクラスは弁当組が多いので三分の二くらいの生徒が残っており、それに加えて四時間目の社会科教師である畑山愛子先生(二十五歳)が教壇で数人の生徒と談笑していた。
――じゅるるる、きゅぽん!
早速、午後のエネルギーを十秒でチャージしたハジメはもう一眠りするかと机に突っ伏そうとした。だが、そうはさせまいと我等の女神が、ハジメにとってはある意味悪魔が、ニコニコとハジメの席に寄ってくる。
ハジメは内心「しまった」と呻うめいた。月曜日ということもあり少し寝ぼけ過ぎていたようだ。いつもなら香織達と関わる前に教室を出て目立たない場所で昼寝というのが定番なのだが、流石に二日の徹夜は地味に効いていたらしい。
香織「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」
再び不穏な空気が教室を満たし始める中、ハジメは心の裡うちで悲鳴を上げる。いや、もう本当になしてわっちに構うんですか? と意味不明な方言が思わず飛び出しそうになった。
ハジメは抵抗を試みる。
ハジメ「あ~、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」
そう言って、ミイラのように中身を吸い取られたお昼のパッケージをヒラヒラと見せる。断るのも「何様だ!」と思われそうだが、お昼休憩の間ずっと針のむしろよりは幾分マシだ。
しかし、その程度の抵抗など意味をなさないとばかり女神は追撃をかける。
香織「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」
(もう勘弁して下さい! 気づいて! 周りの空気に気づいて!)
刻一刻と増していく圧力に、ハジメが冷や汗を流していると救世主が現れた。光輝達だ。
光輝「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」
爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、光輝のイケメンスマイルやセリフも効果がないようだ。
香織「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」
素で聞き返す香織に思わず雫が「ブフッ」と吹き出し、ハンナは「あらあらまぁまぁ」と面白いものを見るような眼差しを向け、光輝は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、結局、ハジメの席に学校一有名な五人組が集まっている事実に変わりはなく視線の圧力は弱まらない。
深い溜息を吐きながらハジメは内心で愚痴った。
(もういっそ、こいつら異世界召喚とかされないかな? どう見てもこの五人組、そういう何かに巻き込まれそうな雰囲気ありありだろうに。……どこかの世界の神か姫か巫女か誰でもいいので召喚してくれませんか~~)
現実逃避のため異世界に電波を飛ばすハジメ。いつも通り苦笑いでお茶を濁して退散するかと腰を上げかけたところで……
凍りついた。
ハジメの目の前、光輝の足元に純白に光り輝く円環と幾何学きかがく模様が現れたからだ。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様――俗に言う魔法陣らしきものを注視する。
その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。
自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。
数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室が再び色を取り戻す頃、そこには既に誰もいなかった。蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。
この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。
〜ハンナside
両手で顔を庇い、目をギュッと閉じていた私は、ざわざわと騒ぐ無数の気配を感じてゆっくりと目を開いた。そして、周囲を呆然と見渡し驚愕する。
「!っこれは………っ」
目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。
背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。素晴らしい壁画だ。だがしかし、私はその光景に何処か既視感を覚え無意識に目を逸らした。
よくよく周囲を見てみると、どうやら自分達は巨大な広間にいるらしいということが分かった。
素材はおそらく大理石、美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物のようで、これまた美しい彫刻が彫られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。大聖堂という言葉が自然と湧き上がるような荘厳な雰囲気の広間である。
どうやら私達はその最奥にある台座のような場所の上にいるようだった。周囲より位置が高い。周りには呆然と周囲を見渡すクラスメイト達がいた。どうやら、あの時、教室にいた生徒は全員この状況に巻き込まれてしまったようである。それに気づいた私は慌てて周囲のクラスメイトを確認するっ!
先程まで近くにいた親友二人。そしてその親友、香織の想い人の少年の無事を確認してひとまず胸を撫で下ろす
そして………
まぁ当然であろう彼だけならもしかしてっという希望的観測は瓦解した。
我が最愛の弟遠藤浩介もそこにいた、安堵半分悲痛半分といった気持ちで彼を見るが、これ以上は気づかれてしまうため目を逸らす。
一年前思わぬ再会を果たしてから彼とは一度も交流していない当然気づかれるわけにはいかないため必要最低限交流は避けてきた。
どうやらその気配の薄さは相変わらずらしく、彼を無視するいい口実となった。だがやはりというか大事な弟を無視するというのはかなり応えるもので昔ほどではないものの、自然と薬の数は増していった。
イケナイイケナイ、また思考が暗くなっていた今は一時の仲ではあるがこの一年でできた親友も含め彼等の安全を確保するために思考を巡らす
そして、おそらくこの状況を説明できるであろう台座の周囲を取り囲む者達への観察に移っる
そう、この広間にいるのは私達だけではない。少なくとも三十人近い人々が、我々の乗っている台座の前にいたのだ。まるで “ 祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んだ格好で ” 。
イラッ
彼等は一様に白地に金の刺繍ししゅうがなされた法衣のようなものを纏まとい、傍らに錫杖しゃくじょうのような物を置いている。その錫杖は先端が扇状に広がっており、円環の代わりに円盤が数枚吊り下げられていた。
イラッイラッ
その内の一人、法衣集団の中でも特に豪奢ごうしゃで煌きらびやかな衣装を纏い、高さ三十センチ位ありそうなこれまた細かい意匠の凝らされた烏帽子えぼしのような物を被っている七十代くらいの老人が進み出てきた。
イラッイラッイラッ
もっとも、老人と表現するには纏う覇気が強すぎる。顔に刻まれた皺しわや老熟した目がなければ五十代と言っても通るかもしれない。
そんな彼は手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声音でハジメ達に話しかけた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
そう言って、イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた。
私はこの、こいつらの顔を知っている。そして先程の既視感にも納得する、こいつらは神を妄信的に信仰し神の為ならばとどんな非道にも手を染める頭のトチ狂った狂信者………
“私が一番嫌いな人種だ”
あの後、このままでは落ち着かないだろうと、私達は別室へと案内されそこに用意されていた長机に座るよう促された
一体どんな汚い手段を持ち得たのが見事な意匠が施された絵画や工芸品の数々に嫌悪感をふつふつとたぎらせる中
全員が席に着く絶妙なタイミングで奥からカートを押して給仕の人たちが入ってくる。彼女たちの容姿は例外なく整っており所謂美少女メイド軍団だ、その光景に男子たちは釘付けとなっていた
私はすぐさま理解する、これは餌だと、これからあらゆる手を尽くしコイツラはわたしたちを懐柔し何かしらの要求をしてくるのだろうと、
どうやらその思惑は見事にうまく行きオタクである南雲君はもちろんのこと男子たちはそれぞれの机に人数分の紅茶を配るメイド軍団に熱い視線を送りそれに反して女子達は男子達に冷たい視線を向けている。私の隣に座る香織に至っては南雲君に笑顔のままに歴戦の暗殺者である私ですら一瞬怯むほどの絶対零度の視線を向けている。
私は香織を落ち着かせるべく軽めのデコピンを放つ
ハンナ「……ていっ」
香織「アイタァッ!!
なっ何するのハンナちゃん!!٩(๑`^´๑)۶」
ハンナ「ちょっとは落ち着きなさい」
雫「そうよっ香織、気持ちはわかるけど今は自重してっ」
香織「うぅっ〜でも~グスン」
香織を挟んで反対側に座る雫も一緒に香織をなだめているとイシュタルが本題を切り出す
イシュタル「さて、あなた方におかれましてはさぞ混乱されていることでしょう。一から説明させていただきますのでな、まずは私の話を最後までお聞きくだされ」
そこからイシュタルの説明が始まった。
まず私達が召喚されたこの世界の名はトータス。
トータスには大きく分けて三つの種族がある。
北一帯を支配している人間族。
南一帯を支配している魔人族。
東の巨大な樹海の中でひっそりと生きている亜人族。
このうち、人間族と魔人族は何百年も戦争を続けており、数は人間の方がはるかに多いが魔人族は、個人の持つ力が大きいため、戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きてはいないらしいが、最近、魔人族による魔物の使役という異常事態が多発しているという。
魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々にも正確な魔物の生態は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく厄介で凶悪な害獣とのことだ。
今まで本能のままに活動する彼らを使役できるものはほとんどおらず、居たとしても精々が一、二匹程度。だが、その常識が崩された。
これが意味するところはつまり、人間族が持っていた『数』というアドバンテージを失ったということになる。彼ら人間族はそれにより滅びの危機に瀕しているのだ。
イシュタル「あなた方を召喚したのは“エヒト様”です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。この世界よりも上位の世界の人間であるあなた方は、この世界の人間よりも優れた力を有しているのです」
そこで一度区切ったイシュタルは、「神託で伝えられた受け売りですがな」と表情を崩しながら言葉を続けた。
イシュタル「あなた方には是非その力を発揮し、“エヒト様”の御意思の下、魔人族を打倒し我等人間族を救っていただきたい」
イシュタルはどこか恍惚とした表情を浮かべている。おそらくは、神託を聞いたときのことでも思い出しているのだろう。
彼によれば人間族の9割以上が創世神エヒトを崇める聖教教会の信徒らしく、たびたび降りる神託を聞いたものは例外なく教会の高位につくらしい。
イラッイラッイラッイラッ
気持ち悪い、吐き気がするイシュタルの一挙手一投足が我が教団の信徒共に通ずるものがあり、サブイボが立ち眉間に皺が寄る、そしてこの男が言わんとする事を理解し、らしくもなく怒りが押し寄せる
このままでは10年前と同じ、こちらの意志を無視して狂信徒共の都合のいい道具として扱われることになるっ
いや今回はそこに親友と弟も居るのだ。10年前よりも状況が悪いこれでは私が10年苦しんできた意味がないっ!!
感情のままに抗議の声をあげようとしたが………
「ふざけないでください!結局この子達に戦争させようってことでしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰してください!きっと、ご家族も心配しているはずです!貴方達のしている事はただの誘拐ですよ!」
ぷりぷりと怒る愛子先生に先を越されてしまった。しかし先生のおかげで私も冷静さを取り戻す。
愛子先生。
彼女は今年二十五歳になる社会科の教師で非常に人気がある。140センチ程の低身長に童顔、ボブカットの髪をはねさせながら、生徒のためにとあくせく走り回る姿はなんとも微笑ましく、その何時でも一生懸命な姿と大抵から回ってしまう残念さのギャップに庇護欲を掻き立てられる生徒は少なくなく、“愛ちゃん”と愛称で呼ばれ親しまれているのだが、本人はそう呼ばれるとすぐに怒る。
何故なら威厳ある教師を目指しているのだから。
今回も理不尽な召喚理由に怒り、ウガーと立ち上がったのだ。だが、「ああ、また愛ちゃんが頑張ってる…」と、ほんわかした気持ちで生徒達がイシュタルに食ってかかる愛子先生を眺めているので、悲しいことに威厳はない。
だが、そんなほんわかな気持ちも次のイシュタルの言葉に凍りついた。
イシュタル「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
愛子先生「ふ、不可能って…ど、どういうことですか⁉︎喚べたのなら帰せるでしょう⁉︎」
イシュタル「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々があの場にいたのは、単に勇者様方を出迎える為と、エヒト様への祈りを捧げる為。人間に異世界へ干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様のご意志次第ということですな」
愛子先生「そ、そんな……」
イシュタルの無責任な言葉に愛子先生は脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。
「うそだろ?帰れないって何だよ!」
「いやよ!何でもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ!ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
パニックになる生徒達。が先生のお陰で冷静になった私は静かに状況を見据え、ますます10年前と似た状況に苦笑する。
今の状況はいい得て最悪な状況ではない一番最悪なのは召喚された我々が問答無用に奴隷扱いされることだ
誰もが狼狽える中、イシュタルは特に口を挟むでもなく静かにその様子を眺めていた。
だが、私は、なんとなくその目の奥に侮蔑が込められているような気がした。今までの言動から考えると「エヒト様に選ばれておいてなぜ喜べないのか」とでも思っているのかもしれない。
ふざけるなよっ
そう考えを巡らせたらまたもやイライラが募り始める。そういえば今まででストレスがコウちゃんへの罪悪感と天之河の無鉄砲さ以外になかったためか、薬の量を抑えていた。だからかどうも思考がまとまらない
故にこのあとの行動が遅れてしまった
未だパニックが収まらない中、天之河君が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。
おいっまさか……
最悪の考えがよぎった頃にはもう遅く、天之河は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。
光輝「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
イシュタル「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
光輝「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
やめろっ!!それ以上はよせ!!
まとまらない思考の中必死に言葉を探すが状況は待ってくれない
イシュタル「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
光輝「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
ギュッと握り拳を作りそう宣言する天之河君。無駄に歯がキラリと光る。
ほんとにたちが悪いことに、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮した。絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。天之河君を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。
龍太郎「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
光輝「龍太郎……」
雫「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」
光輝「雫……」
香織「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
光輝「香織……」
いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛子先生はオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力だった。
が、ようやく思考がまとまった私は天之河くんの時より大きい音を机に立てる
バァァァン!!
隣の席の香織と雫はもちろんそこにいる全員が突然のことにギョッとする。少しイライラしていたので力が入りすぎてしまった。
が私は続ける
ハンナ「皆さんっ早まらないでください!!それと天之河君今ご自分で何を言ったのか理解はできていますか?」
光輝「いっいきなりどうしたんだいハンナっ
それにもちろん理解しているとも、みんなと力を合わせて人間族を守るため魔神族を倒すと言ったんだ」
何をいまさらと言いたげな顔で私に問うてくるが私はそれを否定する
ハンナ「いいえっあなたは今っ“みんなで一緒に人を殺そう”と言ったのですよ!?」
光輝「なっ!?」
こいつはほんとうにっ!!思えば一年前からだ。
コイツは己の中の正義を絶対としその他のすべてを悪とするそれこそ信仰宗教の教徒のような考えを持っていて気に食わなかった
物事の表層でしか判断せず見切り発車な行動は周りの人間をも巻き込み、いずれ取り返しの付かない不幸を呼ぶことになるだろう
当時、私は同じクラスにいた弟が彼の起こす騒動に巻き込まれないよう敢えてか関わることを選んだ。
とても、とても疲れたが悪いことばかりではない、現に香織と雫はという友人を得ることができたのだから、だからこそ今ここで彼を止めなければ、私の人生を欠けて守った弟と大切な友人たちを死地へと送ることになる
私は思考を回し必死に言葉を選ぶ
ハンナ「いいですか皆様?イシュタル教皇猊下は先程魔人族と戦えとおっしゃいました。
“魔人”というのですから彼らも人、“異種族”などと呼称されておりましたが私達からすればただ“外国人”と変わりないのです。」
驚愕する生徒たちをよそに私は続ける
ハンナ「それに猊下はこうも言っていました。エヒト様のお告げと、魔人族側はどういった理由で戦っているのかは存じませんが、少なくとも人間族側は宗教の元に戦っています。
わかりますか?これは“宗教戦争”です。
相手の土地の利権のためではなく信仰する神が違うからという宗教差別で戦っているのです。みなさんはそのような理由で命をかけることができますか!?」
私の言葉に多くの生徒たちがざわつき始める、伊達にカースト上位の天之河グループの一員をやっていない、こういうときのために一定の言動力を確保するために風紀委員に所属しテストや運動でも実力を隠すことなく高成績収めてきたのだ。
クラスメイトたちは光輝と同等の実力と信頼を持つ私の言葉を無視できない
しかしそこで簡単に行かないのが天之河という男である。奴は余計なことを口にする。
光輝「たっ確かにハンナの言うことは最もかもしれないだがそれでも困っている人がいるっそれを助けない理由はないよ!
それにハンナ、宗教差別についてだけどそれは君にも言えることじゃないのかい?
ハンナ「なっ!?」
雫「ちょっバカっ!!」
天之河光輝、この男は人の善性を手放しに信じ「人はそんな非道ではない」と思い込んでいる、しかし他でもないライバルで友人の私の言を無視することはできず、そこで彼の自己解釈はこう結論付けた
「彼女は宗教に目を曇らせていると」
光輝は前々から彼女の宗教についてあまり良く思っていなかった
光輝にとってハンナという女性は雫以外で初めて自分を負かした女性でありその容姿と優しくも真面目な精神性は実に好ましく幼馴染の二人を除いて特別に思える女性であった。
しかしそんな中でも彼女と考えが食い違う場面は多々あり、それらの多くが彼女が傾倒している宗教に由来するものである、
彼女の宗教感による彼女との考えの衝突は少なくなく、真面目で正しい彼女と自分の考えが食い違うはずがないと信じている光輝は、いつしか彼女の信仰している宗教が彼女を歪めているのではないかと考えるようになった。
何かしら反論されると思っていたがまさかの返しにハンナは言葉が詰まると
同時に焦る、
今この場においてその言葉は地雷である。先程この世界における人間族の約9割がエヒト神を信仰しており、それ以外は異端とされていると説明されたばかり、いま先程まで協会の考えに否定的だった彼女が異教徒とバレ、その見に降りかかる危険は想像に難くない、
その危機にいち早く気づいた雫は青ざめ叫んでいたがもう遅かった
イシュタル「光輝殿今の話は
イシュタルのハンナを見る目は敵を見る目へと変わる室内に張り詰めた空気が漂うがそれを取り払ったのは他でもないハンナだった
ハンナ「イシュタル教皇猊下、確かに私は皆様から見たら異教徒で許されざる存在かもしれません。ですが考えてみてくださいもとより異なる世界に住んでいるのです信仰する神が違うのは当然のことではありませんか?」
姿勢を正しイシュタルに向き直りハンナは続ける
ハンナ「そもそも私が今ここで批判しているのは私達の中で覚悟が薄弱な者が戦争に命をかけさせることにあって、あなた方、はてはエヒト神を否定するものではございません。ましてや敵対するつもりも毛頭ごさまいません。
その証明に私は喜んでこの戦争に参加させていただきますっ!!」
雫、愛子「「なぁっ!!?」」
彼女のまさかの発言にクラスメイトと教師は驚愕し、イシュタルは「ふむ」考え込むように顎に手を当てる。
ハンナ「ですがそれにはいくつかの条件をつけさせていただきたいと存じます。」
イシュタル「条件ですと?」
ハンナ「はいっまず私が先程懸念した覚悟の薄弱な者、戦争への参加を恐れているものには戦いに参加させないでいただきたい、共に戦場に出る者としてこれほど足手まといはございません、少しでも戦いやすくるるためと各々の心のために戦争参加の合否は各々に選んでいただきたいのです。そのために彼らにゆっくり考えさせる時間を与えていただきたく存じます。」
イシュタル「ふむ、いくつかとおっしゃいましたが他には?」
そうして先を促すイシュタル
ハンナ「はい次に、たとえ戦闘に参加しないものでも自衛のために戦闘訓練を受けさせること、それと我々全員の衣食住などの最低限の生活の保証を約束していただきたい。」
そう言って頭を下げるハンナを後ろから見る生徒たち、彼女はこう言っているのだ己を犠牲に他のものを助けると中には感激するもの、申し訳無さに俯くものと様々である。
そんな彼らにイシュタルは告げる
イシュタル「異教徒の貴方の要求を我々が飲むとおかんがえか?」
その言葉に生徒たちは絶望するもハンナは動じず続ける
ハンナ「私はこう見えて体術を極めております。片手で硬い果実を握りつぶせるなど造作もございません。」
「つまり何が言いたいかと申しますと、先程の猊下の言が正しいのならば我々の身体能力はこちらの世界よりも数十倍も高いということ、
もし要求を飲まないのであれば、最期の瞬間まで協会はたまた人間族に攻撃いたします。それこそ果実を潰すがごとく……」
光輝「なっ!?」
イシュタル「……………。」
ハンナから確かなさ殺気が漏れ、その背中に剣を持った二本の角をはやした髑髏顔の死神を幻視したのは気の所為でありたいと願う生徒たち…
ハンナ「しかしあなた方もこれよりあとに戦争を控える身無駄な消耗はお互い避けたいところではございませんか?」
顔を上げ真っ直ぐイシュタルの目を見据えるハンナ、二人はしばらく睨み合い……
イシュタル「分かりましたその条件を飲みましょう、もとより勇者様やご同胞の皆様の生活の保証の用意は済ませてありましたし、戦闘訓練も我が国最強の騎士に任せるつもりでありましたので」
これ以上は不毛だと先に折れたのはイシュタルだった。
ハンナ「感謝いたします猊下、そして更にお願いいたしたいのですが我々の目の前でここで行われた交渉の結果を書面にて纏めていただき、猊下本人の韻を押して頂けませんか?」
イシュタル「………よろしいでしょう」
抜かりのないハンナを煩わしく思うもそれを感じさせまいと笑顔を作るイシュタル。
そんなことはお見通しのハンナは皮肉げに笑みを返す。
無事(?)丸く収まった事態が収まったことに安堵する一同は、自分たちの目の前で書類を残したイシュタルの後ろをついていきその場を跡にするのであった。
始まりましたFGOバレンタイン
皆さん最初のロックオンチョコは誰にしましたか?
私はもちろん男性はじいじにあげました♡
くっ〜〜〜っ中田ボイスが脳にしみるぜぇ〜
女性は呼延灼ちゃん
あれはやばいネタバレになるから詳しあことは言わないけど
あれはまじでやばぁい(・∀・)ニヤニヤ
話は変わりますが、私がありふれと山の翁をクロスさせた理由が宗教繋がりでかなりマッチするんじゃないかなぁ~と思ったのですがどうでしょう?
次回は遂にハンナちゃんのステータスが明らかにさてさてどうなることやら………。
〘追記〙
前回の変装後のじいじの姿ですが、ゴールデンカムイの老人の土方歳三と、食戟のソーマの薙切仙左衛門を足して2で割ったような姿です