ありふれない暗殺者は世界最強と共に……   作:翁月 多々良

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私実はこう見えて(どう見えて?)漫画家志望なのです!

じゃあなんでここで文字書いてんねん!!と言いたい人もおるかも知りゃせんがちょっと一旦休憩と自分の文才の確認ですね。

まぁというわけて何が言いたいかと言いますとイラストもかけるのでいつか主人公ちゃんのイラストをFGOの再臨絵みたく描きたいと思います!!四段階!!

なんかリクエストあったら途中途中に挿絵もはさみたいと思いまーす!!




第2話:亀裂〜ステータスと暴かれる秘密〜

 

 

 戦争に参加するにしろしないにしろ、どのみち私達は自衛の為に戦う術を学ばねばならない。いくら規格外の力を潜在的に持っていると言っても、元は平和主義にどっぷり浸かりきった日本の高校生だ。いきなり魔物や魔人と戦うなど不可能であろう。もちろん私は暗殺ではあるが、戦場は経験済みである。油断をしているつもりではないが他のクラスメイトと比べればたとえ未知の敵とてそうそう後れを取るつもりはない。

 

 教会側もその辺の事情は当然予想していたらしく、イシュタル曰く、この聖教教会本山がある【神山】の麓の【ハイリヒ王国】にて受け入れ態勢が整っているらしい。

私は「まだ戦うとも決めてないのに貴重な資源を割いてまで我々を受け入れてくれるのか」と確認したが、

 

 イシュタル「もちろん急かすつもりはありませんが3日間の内に決めてください」

 

とのことだそうだ。

 

 王国は聖教教会と密接な関係があり、聖教教会の崇める神――創世神エヒトの眷属であるシャルム・バーンなる人物が建国した最も伝統ある国ということだ。国の背後に教会があるのだからその繋がりの強さが分かるだろう。

 

その歴史を知ったとき、我が教団も何百年も前の最後の戦いで勝利していたならば、国を抱え国教になっていたのだろうかとそんなことを考えたが、正直どうでもいい。

 

 私達は聖教教会の正面門にやって来た。下山しハイリヒ王国に行くためだ。

 聖教教会は【神山】の頂上にあるらしく、凱旋門もかくやという荘厳な門を潜るとそこには雲海が広がっていた。

 

 高山特有の息苦しさなど感じていなかったので、高山にあるとは気がつかなかった。おそらく魔法で生活環境を整えているのだろう。

 

 私を除いたクラスメイト達は、太陽の光を反射してキラキラと煌めく雲海と透き通るような青空という雄大な景色に呆然と見蕩れた。

 どこか自慢気なイシュタルに促されて先へ進むと、柵に囲まれた円形の大きな白い台座が見えてきた。大聖堂で見たのと同じ素材で出来た美しい回廊を進みながら促されるままその台座に乗る。

 

 台座には巨大な魔法陣が刻まれていた。柵の向こう側は雲海なので大多数の生徒が中央に身を寄せる。それでも興味が湧くのは止められないようでキョロキョロと周りを見渡していると、イシュタルが何やら唱えだした。

 

 「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん――〝天道〟」

 

 

 

 その途端、足元の魔法陣が燦然と輝き出した。そして、まるでロープウェイのように滑らかに台座が動き出し、地上へ向けて斜めに下っていく。

 

 

 

 どうやら、先ほどの〝詠唱〟で台座に刻まれた魔法陣を起動したようだ。この台座は正しくロープウェイなのだろう。ある意味、初めて見る〝魔法〟に生徒達がキャッキャッと騒ぎ出す。雲海に突入する頃には大騒ぎだ。

 確いう私も魔法は初めて見るので周りほどではないにしろ少し落ち着かなかったようで、それを見たイシュタルが、勝ち誇ったように私の顔を見る。

 

 “ 調子に乗りやがってこのクソジジイ、そのうちその首捻り落としてやろうか?あ“ぁ“? ”と心のなかで密かに呟く。

 

 やがて、雲海を抜け地上が見えてきた。眼下には大きな町、否、国が見える。山肌からせり出すように建築された巨大な城と放射状に広がる城下町。ハイリヒ王国の王都だ。台座は、王宮と空中回廊で繋がっている高い塔の屋上に続いているようだ。

 

王宮に着くと、私達は真っ直ぐに玉座の間に案内された。

 

 教会に負けないくらい煌びやかな内装の廊下を歩く。道中、騎士っぽい装備を身につけた者や文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違うのだが、皆一様に期待に満ちた、あるいは畏敬の念に満ちた眼差しを私以外(・・・)に向けて来る。逆に私には軽蔑するような敵視するような視線を向けてくる、私達が何者か、ある程度知っているようだ。

私に向けられる視線に気づいたのか雫が「大丈夫?」と声をかけてるくので私は自然な顔で心配いらないと返す

 

 

 南雲君は居心地が悪そうに、最後尾をこそこそと付いていった。

 

 コウちゃんも何処か落ち着かない雰囲気だ……。

 

 

 

 美しい意匠の凝らされた巨大な両開きの扉の前に到着すると、その扉の両サイドで直立不動の姿勢をとっていた兵士二人がイシュタルと勇者一行が来たことを大声で告げ、中の返事も待たず扉を開け放った。

 

 イシュタルは、それが当然というように悠々ゆうゆうと扉を通る。光輝等一部の者を除いて生徒達は恐る恐るといった感じで扉を潜った。

 

 

 

 扉を潜った先には、真っ直ぐ延びたレッドカーペットと、その奥の中央に豪奢ごうしゃな椅子――玉座があった。玉座の前で覇気と威厳を纏った初老の男が立ち上がって(・・・・・・)待っている。

 その隣には王妃と思われる女性、その更に隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年、十四、五歳の同じく金髪碧眼の美少女が控えていた。更に、レッドカーペットの両サイドには左側に甲冑や軍服らしき衣装を纏った者達が、右側には文官らしき者達がざっと三十人以上並んで佇んでいる。

 

 玉座の手前に着くと、イシュタルは私達をそこに止め置き、自分は国王の隣へと進んだ。

 

 

 

 そこで、おもむろに手を差し出すと国王は恭しくその手を取り、軽く触れない程度のキスをした。どうやら、教皇の方が立場は上のようだ。これで、国を動かすのが〝神〟であることが確定だ、と私は嫌悪感ダダ漏れで溜息を吐く。

 

 

 そこからはただの自己紹介だ。国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。

 

 後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。ちなみに、途中、美少年の目が香織に吸い寄せられるようにチラチラ見ていたことから香織の魅力は異世界でも通用するようである。

同じ三代女神と呼ばれる男勝りな雫と異教徒の私は眼中にないらしい。

 

その後、晩餐会が開かれ料理が運ばれてきたが、薬の影響で味覚が壊れ胃袋を6割方切除している私はあまり多くを食べず、残りをクラスでも大食らいな谷口 鈴(たにぐちすず)に身長を伸ばすためと理由をつけて押し付けた。

 

王宮では、契約通り私達の衣食住が保障されている旨と訓練における教官達の紹介もなされた。

教官達は現役の騎士団や宮廷魔法師から選ばれたようだ。戦争参加の合否を決めるため本格的な訓練は三日後になるが、いずれ来る戦争に備え親睦を深めておけということだろう。

 

 晩餐が終わり解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。

 天蓋てんがい付きベッドが用意されていたのはやりすぎな気もしたが、まがりなりにも神の使徒これだけの待遇は当然というものだろう。私は、今すぐにでもベッドにダイブしたい気持ちを抑え、部屋の外に聞き耳を立てるものがいないのを確認し、髪留めりについた不思議な意匠のアンティーク、小型の “翁の面” に宿った初代様の写し身にこれまでに起きたこちらの異常を報告する。

 

 ハンナ「……とここまでで報告は以上であります。」

 

 初代様『……ふむ、

  ((異界からの大多数の人間の喚び出し…

  明らかな異常事態、抑止力(・・・)から何かしらの知らせがあると思ったが、どうやら、あちらの神が何かしらの妨害をしているようだ))』

 

 ハンナ「……?いかがなさいましたか?」

 

一言呟いたあと急に静かになり考え事をする初代様に私は確認を取る。

 

 初代様『……………否、こちらの事情である、気にすることはない………それよりも、汝はどうするつもりだ?』

 

 ハンナ「……っ!はっ勝手ながら止む終えぬ事情により戦争参加の意を表明しました。裁定中の身の上であるにも関わらず申し訳ございませぬっ!!」

 

 そう天之河の狂行(止む終えぬ事情)だったとはいえ己がした勝手な行動に今更ながらに気づく、事は大陸の南北の全人類による大戦争どれだけの期間続くかも分からぬのに、下手したら与えられた3年、残り2年の期間を過ぎるかもしれない己の事情を優先してしまったことに後悔するが………。

 

 

 初代様『………良い………』

 

 ハンナ「っ!?」

 

 初代様『汝の好きにするが良い……だがやるのであれば最善を尽くせ、汝も山の翁に連なるものであれば妥協は許されぬっ!汝の求むるままにするが良い………。』

 

 そうすると初代様は話は終わりだというように一方的に通信を切った。 

 

  気のせいだろうか、先程の初代様の言葉はいつものような厳しさはなく何処か哀愁漂うもののような気がしたが、あの初代様に限ってそんなことはないだろと思い直し、満を持してベットに飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???side〜

 

 

 ここは誰も犯すことができない神聖なる領域そこでこの領域を統べる主は……………恐怖していた……………

 

 

 ???『ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!

 

それはかれこれ数千年ぶりに感じる感情、息とし生きるものであるならば決して逃れることのできない

 

 “死”への恐怖

 

 使徒A「いかがなさいましたかっ!?我が主!!」

 

 使徒B「我が主っお気を確かに!!」

 

この世界において完全無欠のおのが主人の今までに見たことのない取り乱した状態に人形たちはないはずの感情をあらわにする。

 

 

 ???『ええぇいっ!!黙れっ!!この感情が、この恐怖が貴様らに分かるものかっ!!クソっなんということだ戯れに呼び出した駒共の中にあのような存在(・・・・・・・)が紛れ込んでいようとは……((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル』

 

 使徒C「お望みであるのなら我らが出向き主の不安の種を摘み取りましょうか?」

 

一人の人形は臣下の礼を取り進言するが、

 

 ???『無駄だ!!貴様らがいくら束になって掛かろうともあの存在には無意味だ!!』

 

 

 使徒D「そっそれほどの存在なのですか!」

 

一人の人形は驚愕する。

 

 そうしてその存在は数千年溜め込んだ己の知識を遡りそしてある結論へとたどり着く、その者に顔というものは存在しないがもし顔があるのならその口は醜い三日月の形を作っていることだろう。

 

 ???『クククっクハハハハハハハハハ

     アーーーーッハハハハハハハハハハハハハ!!!』

 

 使徒E「わっ我が主?」

 

突然狂ったように笑い出した己が主人の様子をうかがう一人の人形

 

 

 ???『お前たち、知っているか?人間共の中にはこのような言葉がある、目には目を、歯には歯を…となぁ〜』

 

 使徒達「?????」

 

 ???『つまりだ、相手が“死”であるのならば、こちらも“死”を用意するのだ』

 

そう言うとその存在、かつて魔術師だったその者(・・・・・・・・・・・・)は数千年ぶりにその術式を展開する。ろくな歴史もなく知名度すらないこの世界では本来不可能だか、抑止力が介入できず、神へと至った己であるのなら例えば“神霊(・・)”ですら依代を持ち得ずとも直接引っ張ってくることも可能だろう。

 

そうしてその領域にこの世界には三人目の神が降臨した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三日後から早速訓練と座学が始まった。がその前に、戦争に参加すると答えた生徒はクラスメイトの殆どが占めていた。

 

一体何故こんなことになったのかとハンナが疑問に思っていると申し訳なさそうな表情で愛子先生から説明される。

なんでも三日前のハンナの行動でクラスメイトの心に火をつけてしまったらしい、

彼女は自分を犠牲にしてまで自分たちを守ろうとしているのに自分たちはこのままでいいのかと元の世界でもたくさん助けられたのに未だに彼女に寄りかかったままでいいのかと、そう奮い立たせた彼らは皆戦争への参加を表明した。

自分の大切な人を死地へ送らないために身を削ったというのに全くの逆の結果にハンナは項垂れ、彼女の思惑を理解していた愛子先生は目にわかるほど落ち込んでいた。

 

 

 

 まず、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。

 

 騎士団長が訓練に付きっきりでいいのかとも思ったが、対外的にも対内的にも〝勇者様一行〟を半端な者に預けるわけにはいかないということらしい。

 

 メルド団長本人も、「むしろ面倒な雑事を副長(副団長のこと)に押し付ける理由ができて助かった!」と豪快に笑っていたくらいだから大丈夫なのだろう。もっとも、副長さんは大丈夫ではないかもしれないが……

 

 

 

 メルド「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

 非常に気楽な喋り方をするメルド。彼は豪放磊落(ごうほうらいらく)性格で、「これから戦友になろうってのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員達にも普通に接するように忠告するくらいだ。

 クラスメイト達もその方が気楽で良かった。遥年上の人達にいんぎょうな態度を取られると居心地が悪くてしょうがないのだ。

 

 

 

 メルド「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

光輝「アーティファクト?」

 

 

 

 アーティファクトという聞き慣れない単語に光輝が質問をする。

 

 

 

 メルド「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属けんぞく達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

 

 

 なるほど、と頷き生徒達は、顔を顰しかめながら指先に針をチョンと刺し、プクと浮き上がった血を魔法陣に擦りつけた。すると、魔法陣が一瞬淡く輝いた。私も同じように血を擦りつけ表を見る。

 

 

 

 

 すると……

 

 

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遠藤 霞(えんどうかすみ)

(ハサン・サッバーハ) 17歳  女  レベル : 1

 

天職:暗殺者          職業:教祖

 

 

筋力 : 860

体力 : 1370

耐性 : 945

敏捷 : 2680

魔力 : 10

魔耐 : 700

 

技能: 山翁寵愛(ザバーニーヤ)

   ・天使降臨〘18/18〙

 

   ・天性の肉体・直死の魔眼・遠視・縮地・隠形・

気配遮断EX・気配感知・先読み・状態異常無効・精神干渉無効、偽装・薬品調合・人体改造・限界突破・言語理解

 

状態異常)) 薬物中毒X ※この症状は状態異常無効がつく前に発生したもの 

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表示された、されたのだが……うん見事にすべて心当たりがある。

 

 

基準がわからないのでここに書かれた数値がどれほどのものか理解に苦しいが、いずれ説明されることだろう。

 

メルド団長はこれを身分証だと言った。科学文明が存在しないこの世界ではこれに表示される内容は絶対なのだろう。

誰にも話していない内容がここにはすべて記されている。

故にこれはとてもまずい、このステータスプレートは身分証、つまりは身分を証明するために誰かしらにこれを見せる必要があるということだ。

 

まず名前はもう色々とまずい、この職業はこの世界では超まずい

そして状態異常………マジまずい

結局全部まずいのだ。

 

そうこうしているうちに、メルド団長からステータスの説明がなされた。

 

 メルド「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に〝レベル〟があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

 

 

 どうやらゲームのようにレベルが上がるからステータスが上がる訳ではないらしい。

正直このレベルが1なのが気に食わない

まるで己の今までの努力がその程度だったと言われているような気がして憤っていると

 

 メルド「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

 

 

 なるほど、メルド団長の言葉から推測すると、ここらはゲームとは違い、敵を倒すだけでステータスが一気に上昇するということはないらしい。地道に腕を磨かなければならないようだ。

そういうことなら私のステータスと、レベルが釣り合わないのは納得がいく

 

 メルド「次に〝天職〟ってのがあるだろう? それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 

私は天職の欄を見てまぁ当然かと納得する。寧ろこれで今までで隠していた力を出しても不自然に思われないだろう

そんなのんきなことを思っていると、メルド団長の次の言葉を聞いて余裕も吹き飛び嫌な汗が噴き出る。

 

 

 

「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

 

 

 この世界のレベル1の平均は10らしい。うーん体力は1000超え

敏捷に至っては2000超えてるじゃないですかナァニコレ

ま、まぁ私達は異世界人ステータスは常人よりも“それなりに”高いとは前々から聞いてたじゃないですか〜

それに魔力に至っては平均値〜うん大丈夫大丈夫〜

 

私の楽観的な考えも虚しく、メルド団長の呼び掛けに、早速、光輝がステータスの報告をしに前へ出た。そのステータスは……

 

 

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル:1

 

天職:勇者

 

筋力:100

 

体力:100

 

耐性:100

 

敏捷:100

 

魔力:100

 

魔耐:100

 

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

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 メルド「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁(・・)か……技能も普通は二つ三つ(・・・・)なんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」

 

 光輝「いや~、あはは……」

 

 

 アハハハハーよしっ現実を見よう、どうやら私は規格外のその上を行くバケモノらしい、まずいっかなりまずいぞっていうかやっぱり今見せるのかよ!!……ただでさえ異教徒でマークされているのだ、こんなことでこれ以上の悪目立ちは避けるべきだ何をされるかわかっもんじゃない、

最悪異端審問にかかり処刑だ、私一人であれば逃げおおせるが、コウちゃん、香織と、雫そして香織の想い人の南雲君を残して逃げることはできない。

そうやって私が百面相しているうちにどんどん順番は回ってくる

万事休すかと思ったその時私の技能欄にとある技能が目に留まる

 

   “ 偽装 ”(己に関するあらゆる情報を偽装する)

 

いや、いやいやいやこんな都合のいいもの実際ありえなかろう、もしこれで、この世界の優一のセキュリティ機構であるステータスプレートが偽造できるのなら世の中犯罪者は全く苦労することはないだろう

 

だが、しかし

 

次はいよいよあと一人で私の番となる、えーいままよ!!

 

 

私はどうにでもなれと言う気持ちで念じるように“偽造”を使用した。すると……

 

 

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言峰ハンナ 17歳 女 レベル : 1

 

天職 暗殺者

 

筋力 : 60

体力 : 70

耐性 : 95

敏捷 : 200

魔力 : 10

魔耐 : 100

 

技能 : 魔眼・遠視・縮地・隠形・気配遮断・気配感知・先読・薬調合・限界突破・言語理解

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おっちょうどいいのではないか?勇者である天之河に迫るほどではあるが超えるほどではなく、一定の発言力は持てそうなステータスである。奇跡的になんとかなったことに胸を撫で下ろしながら私の番が周ってくる。

 

 私の顔を見たメルド団長は複雑そうな顔を見せる。やはりいくら彼でも聖教教会の信徒、これから戦う仲間ではあるが、異教徒である私への対応に困っているのだろう。まぁこっちの姿を見るなり陰口を叩く奴らに比べれば遥かにマシである。

 

故に私はそんな彼にとある提案をする。

 

 ハンナ「無理をなさらないでください、メルド・ロギンズ団長閣下、このような状況下ですあなた方の私への対応と気持ちは仕方のないことに存じます。」

 

 メルド「━━っ!」

 

 ハンナ「しかしこれからはお互いともに戦う同士このままではまともに連携も取れません、ですので線引をしませんか?」

 

 メルド「線引、だと?」

 

 ハンナ「そうです、例えばですが我々はともに戦う仲間ではなく、遠い異国の協力者の立ち位置ならば、無理に距離を詰めずとも、義務的に協力できるのではありませんか?」

 

 彼は人柄がよく神の使徒として呼ばれたとはいえ私達はまだ学生、今もこうして砕けた態度をとるのはそんな私達を安心させ緊張を解くためのものだと考える

なので私は少なからずこの人を好意的に感じたので、そんな彼に私に対してはみんなと同じ気のいい兄貴としてではなく本来の騎士団長として一歩引いた態度で接するように提案した

 

 メルド「っ━━━あぁすまない、きm━いや

  貴殿(・・)の提案を受け入れよう。本当にすまない私はいや我々は貴殿にあまりにも無礼な振る舞いをしてきた、これから我々はともに戦う同盟者だ、是非とも貴殿の力を貸していただきたいっ!!」

 

 ハンナ「………えぇ勿論です閣下」

 

そう言って私は握手のかわりにステータスプレートを手渡す

 

 メルド「っ━━━!これはステータスこそ勇者に劣るものの暗殺者の天職で勇者に次ぐステータスと技能数!!いやはやなんとも恐れ入った…。」

 

 ハンナ「いえいえ恐れ多い、ただ始まりが良かっただけです

鍛錬次第でどんなスタートの方でも勇者に次ぐ実力になりましょうや……」

 

 メルド「謙遜とは、本当に貴殿は出来た御人なのだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうしてメルド団長と話をつけ私はクラスメイトの集団後方へと移動する、すると私に近づく人影がいた

 

 雫「ホントに、あなたを尊敬するわ」

 

 ハンナ「雫……」

 

親友の一人八重樫雫だ、彼女のステータスは偽造後の私のステータスの魔力以外すべてを少し低くした具合で天職は剣士である……

 

 ハンナ「……まんまね」

 

 雫「やかましぃっ!」

 

そうやって軽く軽口を叩きあう、少し二人の間に静寂が生まれるがふと私が気になったことを聞く

 

 ハンナ「ねぇ、どうして戦争に参加することにしたの?」

 

 そう彼女はこの三日間の合否で参加すると表明したのだ。学校でのクールで強くかっこいい彼女を知るものには彼女がこの結論を出したことを当然に思うだろう。

だが、私は知っている彼女の本質を、彼女はその見た目に反して実は誰よりも女の子なのだ、普通の女の子のように可愛いものが好きで、王子様に助けられるお姫様に憧れて、

そして……人並みに怖いものは怖いのだ、侍ガールなどと呼ばれてはいるが本来なら、剣を握ることすら嫌なのだろう。

私がそれを知ったきっかけは、半年前に一度、天之河に連れられ

八重樫道場へ訪れたとき彼女の竹刀を振る姿を見た

その型は戦闘のプロである私から見ても完璧で、完璧すぎて、

生きていなかった……そうその剣術の中に八重樫雫はいなかったのだ、その動作は完璧ではあるが何処か作業をこなすようで……

教団で嫌嫌技を磨いた私と何処か重なるものを感じた。

そうして私はついそんなことを聞いていた

 

 ハンナ『ねぇ、なんで剣なんか振ってるの?』

 

 雫『えっ?』

 

おそらくこの頃からだろう彼女と親友という間柄になったのは

そこから彼女の愚痴を聞き彼女の過去を知り、彼女という存在を決めつける天之河と彼女を取り巻く環境に嫌悪した、

何が侍ガールだっほんとにどいつもこいつも反吐が出る。私はとことん嫌いなのだろう誰かが作った価値観(信仰)を他人に押し付け腐らせていく連中を、

 おっと回想が長くなったが私の質問に彼女はとてもいい笑顔でこう答えた。

 

 雫「決まってるじゃないっ親友を一人にしないためよ」

 

そうそれはとてもありふれた理由だった、人類を守りたいとか世界を救いたいとかそんな高尚なものじゃなく、ただだれもが考えるそんな感情

 

 雫「だってここで貴方にすべて押し付けたら私すっごく薄情な女になるじゃない」

 

これが、異世界で戦争の前でなければ本当に日常の一コマのようなそんなのんきでしかし温かい答えに汚れきった私は気恥ずかしくて顔をそらす。

そうやって少し日常を思い出し和んでいると不快な音が聞こえてくる

 

 「ぶっはははっ~、なんだこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」

 

「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」

 

「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」

 

 どうやら南雲君がまた檜山達に絡まれているらしい。ほんとに状況をわかっているのかコイツラは……

 

 とてもいい気分を邪魔されたついでにちょっと久しぶりに“本気”を出すとしよう、最近薬が吸えてなくてイライラしているのだ

 

私は己の気配を完全に空気に溶け込ませる。私の気配が完全に消えたことに雫は驚くも私はそれに気にも止めず真正面から檜山達に近づく、そして難なく檜山の背後に回り込み、南雲君のステータスプレートを持っている側の手の関節をすべて逆に折り曲げ

南雲君のステータスプレートを確認する

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

 

天職:錬成師

 

筋力:10

 

体力:10

 

耐性:10

 

敏捷:10

 

魔力:10

 

魔耐:10

 

技能:錬成・言語理解

 

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あぁ~これは、彼が絡まれた原因に納得しため息を漏らした瞬間

 

 檜山「あ”っ!?あ”がああああああああああああああああああっ!!?」 

 

自分の手の骨を粉々に破壊されたことに時間差で気づいた檜山が悶絶の声を上げる

 

 ハジメ&クズ×3「えっ????」

 

ちなみに私はまだ気配遮断を解いておらず残り3人も流れるように徹底的に破壊する、一人は両肩を壊し、一人は両膝の皿を割り、一人は肘の関節を破壊する……

 

 クズ×3「「「グギヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」」」

 

 

そして私は南雲君のすぐ目の前で気配遮断を解き彼にステータスプレートを手渡す

 

 ハンナ「はいっ南雲君次は盗られないよう気をつけてください(⌒▽⌒)」

 

 ハジメ「えっ……あっ………えっ!?」

 

 おや?なんだか随分と歯切れの悪いそういえば雑音(悲鳴)

以外の音が聞こえ……

 

 

 愛子先生「こっ…言峰………さん……?」

 

 

 愛子先生が怯えた表情で私を見上げていた、どうやら南雲君を助けようと駆けつけていたらしい。そして私は周りを確認する

愛子先生と同じように南雲君や香織を含めた誰もが私に怯えた表情を向け、騎士団に至っては剣を抜いているものすらいる。

 

 あぁ〜これはどうやら私はやりすぎたらしい、本格的にまずいな薬を抜きすぎて思考が単純化されてきているせいだろう、このままでは禁断症状で何をやらかすか分からない。早くなんとかしなければ、そう考えていたらふと自分の技能に“薬調合”という技能があったことを思い出しそれを試してみようと呑気に考えていた。

その時私がどういった表情をしていたのか知らない。

 

だがその時の私の顔を見ていた人たちは更に恐怖で顔を引きつらせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、私と治療を終えた檜山達は数日の謹慎を言い渡されていた。あのあと私が連行されてから色々あったものの、南雲君のステータスの低さを愛子先生が慰めるために自分も低いとアピールしようとしたらしいが、結果は……

 

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畑山愛子 25歳 女 レベル:1

 

天職:作農師

 

筋力:5

 

体力:10

 

耐性:10

 

敏捷:5

 

魔力:100

 

魔耐:10

 

技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

 

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とどめを刺しただけだった

 

確かに全体のステータスは低いし、非戦系天職だろうことは一目でわかるのだが……魔力だけなら勇者に匹敵しており、技能数なら超えている。糧食問題は戦争には付きものだ。南雲君のようにいくらでも優秀な代わりのいる職業ではないのだ。つまり、愛子先生も十二分にチートだった。

 

 

その後日談を私は雫から聞いた、私も先日のあれはさすがにやりすぎたと反省している為に謹慎が解けてから檜山達に謝りに行ったが、完全にトラウマになっているらしく門前払いをされてしまった。

しかしの目下の問題はそこではない、薬を抜いてから遂に一週間が経過しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           “ 限界だ ”

 

 

今の私の思考はそこらの野生動物と変わらないほどになっていた

腹が空けばそのへんの雑草でも喰らい、眠たければどこでも寝て

発情すれば無意識に雄へ視線を走らせる。

 

今は私の技能、18人の歴代翁の劣化版の御業を扱うことができる “山翁寵愛(ザバーニーヤ)”の中から“妄想幻像(ザバーニーヤ)”を使用していて、これは己の分身を十人作り出す異能でここから派生した技能[並列思考]をフル稼働しているつまり今の私は一人分の思考を十人係でようやく回さなければならないレベルでやばい状況なのだ。

 

真っ先に戦争に参加すると言った為に早く訓練に加わりたいのだがそうも行ってられず私はメルド団長に頼み込む

 

 ハンナ「あっあの………んっ……失……礼閣下?」

 

 メルド「むっ?どっ!…どうされた?言峰殿!?」

 

メルドにとって今の彼女の様相は異常の一言だった

まずとてつもない汗の量まるで服を着たまま水でも浴びたのかというほどに濡れていて汗で肌に張り付いたシャツは着崩していてその間から豊満な谷間が覗く、

息は荒く肩で息をし紅潮した肌と唇は年の差のあるメルドでも思わず反応してしまうほど艶かしく明らかに暑そうな様相なのにまるで極寒の地にいるように震えていて明らかに普通ではなかったがハンナはそのまま続ける

 

 ハンナ「ほんっぃ……日ははぁんっ……体調があんっまりっ………すぐれずぅお”っ外でのぉぉお”っん訓練があぁんっ……」

 

 メルド「わっわっわかったっ!とりあえず今日は部屋にもどれっ///!!」

 

並列思考がうまく連携出来ていない状況で無理に喋ろうとした結果とても悩ましい声になってしまい、流石のメルドも騎士の礼を通すことができなくなっていた。

そうやってハンナは急いで部屋へと駆け戻る。その様子を雫は心配するように見ていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雫side〜

 

そうやって雫はもう一人の親友と共に訓練場でストレッチをしながら、この間の騒動のことについて考えていた

 

 

 香織「大丈夫?雫ちゃん?」

 

 雫「えっ?え、えぇ」

 

 

 どうやらあまり集中出来ていなかったらしい、ずっと同じ動作しかしない雫に心配の声をかける香織。

お互い、考えていることは同じなようでそれ以上の追求はなく、渦中の人物に思いを馳せる

 因みにであるが彼女もまた戦争への参加を表明し、天之河グループの5人全員が戦争に参加ことになる

 

 

 香織「大丈夫かな~ハンナちゃん最近様子がおかしいよね、特にこの世界に来てから」

 

 雫「そうねぇ、光輝のバカがやらかしてくれたお陰でこの国の人たちの風当たりは強いし、わたしたちとはまた違う負荷がかかっているんだと思うわ」

 

 香織「……やっぱり、そうだよねさっきも体調悪そうだったし」

 

 あの日、あのとき自分たちが後先考えずに光輝に賛同したことで彼女に余計な負担をかけていることに申し訳ない気持ちになっていた。だから自分たちができることをなす。

親友として少しでも彼女にのしかかる重荷を肩代わりできるならと、決意を新たに彼女たちは前を見据える

 

 雫「そうね、だから後でお見舞いに行きましょっ!我らが聖母様を今回はこっちが、甘やかしてあげましょっ♪」

 

 香織「そうだねっ!よしっいくら体調が悪くても私の回復魔法が火を吹くよっ!昨日また新しい派生技能が増えたんだからっ」

 

 雫「えぇ頼りにしてるわっ」

 

 香織「それでねそれでねっ元気になったらみんなでパジャマパーティをしようよっ!!すずちゃんやエリちゃんも誘って♪」

 

 雫「だめよ〜あの子ったら自分の部屋には誰も入れるなって言ってるらしいわ。なんでも薬品調合っていう技能で危険な薬も扱ってるらしいわよ」

 

 香織「えっーっじ、じゃあ私の部屋ならいいでしょ?」

 

 雫「全くこの子ったら言ったら聞かないんだから、いいわ、いつも頑張りすぎてるあの子にとっておきの休暇にしてあげましょ」

 

 香織「じゃあじゃあ〜━━━━━━━━━」

 

 

 

このあとの楽しみに思いを馳せ話を弾ませる少女たちは親友の元へと足を進める。だが彼女たちは知る由もない、その願いは果たされることはなく、このすぐあとに悲劇が待ち受けることなんて………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハンナside〜

 

 すぐさま部屋に駆け込んだ私は息を荒らげながら薬の調合を始める。実は謹慎中、気配遮断を使って城内から抜け出し変装してから城下、はたまた山中に繰り出して、少しずつ薬の材料を集めていた。いくら異世界とはいえ魔物以外の生態系はかなり似通っているらしい、薬品調合の派生技能[薬草鑑定]によりそれは確認済みだ、

残りの生きている[並列思考]をフル動員して正確に調合していく、そして見事に薬は完成した。本来なら沢山の量を作りストックさせておきたかったが今はそんな余裕はない、

今出来た薬、城下で新調した煙管、火種を目の前にすべての[並列思考]が本能に染め上げられる

 

 「はやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっはやくっ!!!!」

 

込み上がる欲望に逆らえず煙管の先に薬を詰め火をつけるこのとき私は薬の分量を間違えていたが気づくことはなかった。

そして大きく口で息を吸い、鼻から煙を吐き出す

 

 ハンナ「ボォほっ!!あ”ぎぃひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっっ!!!!!?????♡」

 

久々の快楽と通常より多い薬にらしくもなく矯声を挙げ、白目を剥く、全身の筋肉から力が抜け色々なものを垂れ流す

 

 ハンナ「お”っお”っごぉ〜………♡///」

 

体を背中から地に投げ出し余韻に浸る

故に本来であれば気づくはずの気配に気づくことができなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雫「……なっなにっしてるの……?」

 

 ハンナ「っ!!」

 

その言葉で一瞬で我に返った私は部屋の扉に振り向くッそこには

開け放たれた扉の前で息を荒らげ驚愕の顔でこちらを凝視する二人の親友の姿だった

 

 香織「えっ………?ハンナ……ちゃん?」

 

香織はまるでありえないものを見るように驚愕の表情で立ち尽くし、雫は首を横に振り我に返り、真剣な眼差しでこちらに詰め寄り問いただす

 

 雫「……ねぇハンナ正直に答えて、貴方ここで今何してたの?その手に持ってるの煙管よね?それにさっきの様子とこの煙明らかにふつうのタバコってわけじゃないわよね?

お願いっ答えて私達はそこまであなたを追い詰めていたの!?」

 

最後の方では私の両肩を掴み鬼気迫る表情で追求してくる

 

ガラガラと私の中で何かが崩れる音がする

 

ぐわんぐわんと視界が歪み目はまっすぐ前を向いているのに眼の前の人物を見ることができない

 

頭の中で様々な感情がごちゃごちゃに混ざり思考を鈍らせる

 

せっかく先程気持ちよくなったばかりなのに、早くこの状況から脱したい

 

そうしてわたしは最悪の考えにたどり着く、私は自分の肩に添えられた雫の手を━━━━━━

 

 

パンっ!!

 

 雫「…いっ!?」  乱暴にはたき落とすと………

 

 ハンナ「……っせえよ」

 

 雫「えっ?」

 

 ハンナ「ーっ!うっせえっつってんだよクソがぁっ!!

この程度のことでいちいちいちいちピーチクパーチクほざきやがって何様つもりだぁ?あ”ぁ”っ?」

 

 雫「なっ!?」

 

 ハンナ「だいたいっ、なぁにてめえ等戦争に参加しちゃってんだよまともに戦場も知らねぇガキ共がっ調子に乗んなっ!!私があのゲボジジイに頭下げた意味ねぇだろうが糞っ!!」

 

 普段は清廉で正しく柔らかい雰囲気親友の豹変ぶりに雫と香織の二人はは息を呑むが……私の口は止まらない

 

 ハンナ「ほんとさぁ何なのお前っ!お前だよ男女っ!!

そんな成りしていっつも女々しくて気持ち悪ぃんだよっ!!いちいちおべっか使うこっちの身にもなれってんだっ」

 

 私は親友の傷をえぐる言葉を投げかける、そして

 

 ハンナ「後お前もだよっ天然突撃女っ!!いっつも誰かに流されることしかできない金魚のフン野郎がっ!!その空の頭使って少しは自分の周りを気にしろよクソアマっ!!いちいちフォローするのも疲れるんだよクソっ!そんなんじゃ一生結婚、いやその前に恋人すらできねぇんじゃねえかあ?

ていうかお前の男の趣味どうなってんの?あんなもやしじゃあまともにイケねぇだろうがきっもっ!!」

 

 私は親友とその想い人すら貶す、私の言葉に親友は両手で口を抑え涙を流しへたり込む、そんな様子を見て私は心が痛い辛いと密かに嘆く、自分でやっておいて何をいうかと思うが今の私はそんなことを気にしていられなかった紡ぐ罵倒は止まることを知らず早くこの時間が終わってほしいと願うが非常にも私の口は止まらない、袋小路に陥りどうすることもできずにいると……

 

 雫「っ!!」

 

怒気を孕んだ顔で雫が私に拳を振り上げるっ私は咄嗟に目と顔を屈める、当然だ殴られる覚悟はあった無二の親友たちを傷つけたのだ当然の罰だろうもちろん甘んじて受けるつもりだった………が一向に衝撃はやってこずどういうことかと目を開くと

涙を溜めた瞳の哀しげな表情をこちらに向ける雫は、その拳を降ろしていた。

そして雫はぽつりぽつりと問う

 

 雫「………それが、あなたの本性なの?」

 

 ハンナ「………………………………………………。」

 

私は何も答えない

 

 雫「親友だと…思ってた、でもそれは…私達だけだったの?」

 

 ハンナ「………………………………………………。」

 

私は何も答えない

 

 雫「……ねぇ、なんとか言いなさいよ………。」

 

 ハンナ「………………………………………………。」

 

私は何も、答えることができなかった

 

 雫「………そう、もういいわ……。」

 

そういうと雫は立ち上がり今も部屋の入り口で泣き崩れる香織に寄り添い、立つように促す

 

 香織「うっひっぐ……し”、雫”ち”ゃ”ん”?」

 

 雫「いきましょう香織、今は……ここにいたくないわ……。」

 

香織は静かに頷き立ち上がるがうまく立てず雫に肩を借りる形となった。二人は一瞬私に悲しげな眼差しを向け部屋を去っていった。

 

私は…………静かに泣いた………あぁ〜また失ったんだと、いや今回は自ら捨てたのだ、嘆くことは許されない、謝ることも許されない、遅かれ早かれ別れのときは近かったのだから……

 

 

すると私の背後に再び初代様が現れる実体のない陽炎であるがそれでもその存在感は絶大だ……

 

そうして初代様は告げる

 

 初代様『 “ 良いのか?これで………? ” 』

 

 ハンナ「………はいっ別れのときはそう遠くない未来に確定していました。それが今だった…………だけのことです。後悔はありません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、体調が良くなったハンナは涙を拭い汗だくの服を着替え訓練場に向かった、それを見送った“山の翁”は

 

 

 初代様 『 “ ………愚か者めっ……… ” 』 

 

 

と誰にも聞こえないが弱々しくもはっきりした声で呟いていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 いやぁ~遠藤くんの家族構成を教えてくださったリーパーさん
ありがとうございますm(_ _)m


さて、結論から言ってしっかりと名前もあったし、遠藤くんはお兄さんと妹の三人兄弟でした~(*ノω・*)テヘ


まぁもう取り替えしようもないほど進んじゃったんでこのまま押し通るでぇ!!(๑•̀ㅁ•́๑)✧

さて一方本編の方ですが、
何やら不穏な感じですねぇ〜(←不穏にした人)
さてさてどうなってしまうのやら………。

ところで話は変わりますが、こう青春アニメとかで女の子同士の喧嘩って見ててよくありません?
お互い大事に思ってんだけどこうすれ違っててもどかしい感じ
そして仲直りしたあとの感動がまた……ね(・ω・)




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