ありふれない暗殺者は世界最強と共に……   作:翁月 多々良

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 えっ~この作品の投稿頻度でございますが、正直言って不定期でごぜぇます。ですができるだけ早く投稿回せるようにしたいです。気分が乗る日は一日に2話なんてあるかも!?
 
 イラストを描く際は短めの小話コメディ回を挟もうかと思います
あと今回前半は殆ど原作通りですが後半頑張るので許してくださいm(_ _)m
説明回だし、是非もないよね(^_-)-☆


それでは〜どうぞ~⁠(⁠ ˆ⁠Д⁠ˆ⁠)⁠つ⁠。⁠☆





第3話:受難と迷走〜暗殺者少年と王女〜

 

 

 ハジメside〜

 

 ハジメが自分の最弱ぶりと役立たず具合を突きつけられた日から二週間が経った。

 

 現在、ハジメは訓練の休憩時間を利用して王立図書館にて調べ物をしている。その手には〝北大陸魔物大図鑑〟というなんの捻りもないタイトル通りの巨大な図鑑があった。

 なぜ、そんな本を読んでいるのか。それは、この二週間の訓練で、成長するどころか役立たずぶりがより明らかになっただけだったからだ。力がない分、知識と知恵でカバーできないかと訓練の合間に勉強しているのである。

 

 そんなハジメも戦争には参加の意思を表明している、が

ハジメはそもそも戦争には参加するべきではないと考えていた、なぜなら、彼は彼女、言峰ハンナの意図を理解していたからだ、当然クラスメイト達が言っている通り彼女は自分たちを守るためにあのように立ち回ったのかもしれないが、

その本来の意図はあのままでは問答無用で戦争参加をせざる負えない自分たちに選択の余地を与えるために自ら危険を被ったのだ、本来、真の意味で彼女の意図を汲むのなら戦争には参加するべきではなかったのだ

だが誰が言い出したのか、 “このまま彼女にすべてを押し付けてはいけない、今ここにいる彼女に救われた全員(・・)が今度は彼女を救う番ではないのか” と、こうして “ 元の世界で彼女の世話になった人は戦争に参加して当然 ” という流れができてしまったのだ、そんな空気の中例にももれず彼女に恩のあハジメは自分だけ戦争に参加しないと言うわけにいかず、戦争に参加することに決めたのだ。

 

 ハジメ「はぁ~(´Д`)…」

 

ふと、先日先生から事情を聞いていたときの彼女の項垂れる表情を思い出す、

一度冷静になる機会を設け、半端な気持ちで戦争に参加して後悔する人を無くすために体を張った彼女に申し訳なく、無意識に溜息を吐く……

 

 

 そんなわけで、ハジメは、しばらく図鑑を眺めていたのだが……再度、「はぁ~」と溜息を吐いて机の上に図鑑を放り投げた。ドスンッという重い音が響き、偶然通りかかった司書が物凄い形相でハジメを睨む。

 ビクッとなりつつ、ハジメは急いで謝罪した。「次はねぇぞ、コラッ!」という無言の睨みを頂いてなんとか見逃してもらう。自分で自分に「何やってんだ」とツッコミ、再び溜息を吐いた。

 

 

 

 ハジメはおもむろにステータスプレートを取り出し、頬杖をつきながら眺める。

 

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:2

 

天職:錬成師

 

筋力:12

 

体力:12

 

耐性:12

 

敏捷:12

 

魔力:12

 

魔耐:12

 

技能:錬成、言語理解

 

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 これが、二週間みっちり訓練したハジメの成果である。「刻み過ぎだろ!」と、内心ツッコミをいれたのは言うまでもない。ちなみに光輝はというと、

 

 

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル:10

 

天職:勇者

 

筋力:200

 

体力:200

 

耐性:200

 

敏捷:200

 

魔力:200

 

魔耐:200

 

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読

 

高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

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 ざっとハジメの五倍の成長率である。

 

 

 

 おまけに、ハジメには魔法の適性がないこともわかった。

 

 

 

 魔法適性がないとはどういうことか。この世界における魔法の概念を少し説明しよう。

 

 

 

 トータスにおける魔法は、体内の魔力を詠唱により魔法陣に注ぎ込み、魔法陣に組み込まれた式通りの魔法が発動するというプロセスを経る。魔力を直接操作することはできず、どのような効果の魔法を使うかによって正しく魔法陣を構築しなければならない。

 

 

 

 そして、詠唱の長さに比例して流し込める魔力は多くなり、魔力量に比例して威力や効果も上がっていく。また、効果の複雑さや規模に比例して魔法陣に書き込む式も多くなる。それは必然的に魔法陣自体も大きくなるということに繋がる。

 

 

 

 例えば、RPG等で定番の〝火球〟を直進で放つだけでも、一般に直径十センチほどの魔法陣が必要になる。基本は、属性・威力・射程・範囲・魔力吸収(体内から魔力を吸い取る)の式が必要で、後は誘導性や持続時間等付加要素が付く度に式を加えていき魔法陣が大きくなるということだ。

 

 

 

 しかし、この原則にも例外がある。それが適性だ。

 

 

 

 適性とは、言ってみれば体質によりどれくらい式を省略できるかという問題である。例えば、火属性の適性があれば、式に属性を書き込む必要はなく、その分式を小さくできると言った具合だ。

 

 この省略はイメージによって補完される。式を書き込む必要がない代わりに、詠唱時に火をイメージすることで魔法に火属性が付加されるのである。

 

 

 

 大抵の人間はなんらかの適性を持っているため、上記の直径十センチ以下が平均であるのだが、ハジメの場合、全く適性がないことから、基本五式に加え速度や弾道・拡散率・収束率等事細かに式を書かなければならなかった。

 

 

 

 そのため、〝火球〟一発放つのに直径二メートル近い魔法陣を必要としてしまい、実戦では全く使える代物ではなかったのだ。

 

 

 

 ちなみに、魔法陣は一般には特殊な紙を使った使い捨てタイプか、鉱物に刻むタイプの二つがある。前者は、バリエーションは豊かになるが一回の使い捨てで威力も落ちる。後者は嵩張るので種類は持てないが、何度でも使えて威力も十全というメリット・デメリットがある。イシュタル達神官が持っていた錫杖は後者だ。

 

 

 

 そんなわけで近接戦闘はステータス的に無理、魔法は適性がなくて無理、頼みの天職・技能の〝錬成〟は鉱物の形を変えたりくっつけたり、加工できるだけで役に立たない。錬成に役立つアーティファクトもないと言われ、錬成の魔法陣を刻んだ手袋をもらっただけ。

 

 

 

 一応、頑張って落とし穴? とか、出っ張り? を地面に作ることはできるようになったし、その規模も少しずつ大きくはなっているが……

 

 対象には直接手を触れなければ効果を発揮しない術である以上、敵の眼前でしゃがみ込み、地面に手を突くという自殺行為をしなければならず、結局のところ戦闘では役立たずであることに変わりはない。

 

 

 

 この二週間ですっかりクラスメイト達から無能のレッテルを貼られたハジメ。仕方なく知識を溜め込んでいるのであるが……なんとも先行きが見えず、ここ最近すっかり溜息が増えた。

 いっそ、恥も外聞も捨て、旅にでも出てしまおうかと、図書館の窓から見える青空をボーと眺めながら思う。大分末期である。

 

 

 

ハジメは行くならどこに行こうかと、ここ二週間誰よりも頑張った座学知識を頭の中に展開しながら物思いに耽ふけり始めた。

 

 

 

(やっぱり、亜人の国には行ってみたいな。ケモミミを見ずして異世界トリップは語れない。……でも〝樹海〟の奥地なんだよなぁ~。何か被差別種族だから奴隷以外、まず外では見つからないらしいし)

 ハジメの知識通り、亜人族は被差別種族であり、基本的に大陸東側に南北に渡って広がる【ハルツェナ樹海】の深部に引き篭っている。なぜ差別されているのかというと彼等が一切魔力を持っていないからだ。

 

 

 

 神代において、エヒトを始めとする神々は神代魔法にてこの世界を創ったと言い伝えられている。そして、現在使用されている魔法は、その劣化版のようなものと認識されている。それ故、魔法は神からのギフトであるという価値観が強いのだ。もちろん、聖教教会がそう教えているのだが。

 

 

 

 そのような事情から魔力を一切持たず魔法が使えない種族である亜人族は神から見放された悪しき種族と考えられているのである。

 じゃあ、魔物はどうなるんだよ? ということだが、魔物はあくまで自然災害的なものとして認識されており、神の恩恵を受けるものとは考えられていない。ただの害獣らしい。なんともご都合解釈なことだと、ハジメは内心呆れた。

 

 

 

 なお、魔人族は聖教教会の〝エヒト様〟とは別の神を崇めているらしいが、基本的な亜人に対する考え方は同じらしい。

 この魔人族は、全員が高い魔法適性を持っており、人間族より遥かに短い詠唱と小さな魔法陣で強力な魔法を繰り出すらしい。数は少ないが、南大陸中央にある魔人の王国ガーランドでは、子供まで相当強力な攻撃魔法を放てるようで、ある意味、国民総戦士の国と言えるかもしれない。

 

 

 

 人間族は、崇める神の違いから魔人族を仇敵と定め(聖教教会の教え)、神に愛されていないと亜人族を差別する。魔人族も同じだ。亜人族は、もう放っておいてくれといった感じだろうか? どの種族も実に排他的である。

 

 

(う~ん、樹海が無理なら西の海に出ようか? 確か、エリセンという海上の町があるらしいし。ケモミミは無理でもマーメイドは見たい。男のロマンだよ。あと海鮮料理が食べたい)

 

 

 

 【海上の町エリセン】は海人族と言われる亜人族の町で西の海の沖合にある。亜人族の中で唯一、王国が公で保護している種族だ。

 

 

 

 その理由は、北大陸に出回る魚介素材の八割が、この町から供給されているからである。全くもって身も蓋もない理由だ。「壮大な差別理由はどこにいった?」と、この話を聞いたときハジメは内心盛大にツッコミを入れたものだ。

 

 ちなみに、西の海に出るには、その手前にある【グリューエン大砂漠】を超えなければならない。この大砂漠には輸送の中継点として重要なオアシス【アンカジ公国】や【グリューエン大火山】がある。この【グリューエン大火山】は七大迷宮の一つだ。

 

 

 

 七大迷宮とは、この世界における有数の危険地帯をいう。

 

 

 

 ハイリヒ王国の南西、グリューエン大砂漠の間にある【オルクス大迷宮】と先程の【ハルツェナ樹海】もこれに含まれる。

 七大迷宮でありながらなぜ三つかというと、他は古い文献などからその存在は信じられているのだが詳しい場所が不明で未だ確認はされていないからだ。

 

 

 

 一応、目星は付けられていて、大陸を南北に分断する【ライセン大峡谷】や、南大陸の【シュネー雪原】の奥地にある【氷雪洞窟】がそうではないかと言われている。

 

 

 

(やっぱ砂漠は無理かな……だとすると、もう帝国に行って奴隷を見るしかないんだろうけど……流石に奴隷扱いされてるケモミミを見て平静でいられる自信はないなぁ)

 

 

 

 帝国とは、【ヘルシャー帝国】のことだ。この国は、およそ三百年前の大規模な魔人族との戦争中にとある傭兵団が興した新興の国で、強力な傭兵や冒険者がわんさかと集まった軍事国家らしい。実力至上主義を掲げており、かなりブラックな国のようだ。

 この国には亜人族だろうがなんだろうが使えるものは使うという発想で、亜人族を扱った奴隷商が多く存在している。

 帝国は、王国の東に【中立商業都市フューレン】を挟んで存在する。

 

 

 

【フューレン】は文字通り、どの国にも依らない中立の商業都市だ。経済力という国家運営とは切っても切り離せない力を最大限に使い中立を貫いている。欲しいモノがあればこの都市に行けば手に入ると言われているくらい商業中心の都市である。

 

 

 

(はぁ~、結局、帰りたいなら逃げる訳にはいかないんだよね。ってヤバイ、訓練の時間だ!)

 

 

 

 結局、ただの現実逃避でしかないと頭を振り、訓練の時間が迫っていることに気がついて慌てて図書館を出るハジメ。王宮までの道のりは短く目と鼻の先ではあるが、その道程にも王都の喧騒が聞こえてくる。露店の店主の呼び込みや遊ぶ子供の声、はしゃぎ過ぎた子供を叱る声、実に日常的で平和だ。

 

 

 

(やっぱり、戦争なさそうだからって帰してくれないかなぁ~)

 

 

 

 ハジメは、そんな有り得ないことを夢想した。これから始まる憂鬱な時間からの現実逃避である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 訓練場に到着すると既に何人の生徒がいたのだが、その場の空気は最悪と言えた、

 

理由は明白だ。いつもは3人仲良く一緒に居て何かしらの談笑をしている我が校の三代女神の仲が数日前から険悪なのだ。

 

正確には、八重樫さんと白崎さんは少し暗いながらもいつも通り一緒に居て、言峰さんだけがまるで彼女たちを避けるように孤立している。

 

 言峰さんの室内から言い争う声を聞いたと言う、ゴシップ好きな女子が語る、

 

 曰く、天之河を巡った痴情の縺れだの、言峰と八重樫で白崎の騎士の座を賭けて争い八重樫が勝利しただの、様々な憶測が飛び交うがその中に事実があるかは誰も知らない、

 

クラスのスターのスキャンダル、図らずも噂は飛躍していき、ヒソヒソ、ヒソヒソと裏で話題は広がっていった。

それがこのなんとも言えない険悪な雰囲気の正体なのだが、

そんなクラスのゴシップとは無関係なハジメは、自主練でもして待つかと、支給された西洋風の細身の剣を取り出した。

 

 檜山「チッ」

 

そんなハジメに恨めしげな視線を向ける檜山達小悪党組、あの日の言峰の騒動以来、彼らはハジメに直接手出をすることができなくなっていた。どうやら相当なトラウマらしく、彼女の姿を見るだけで小さな悲鳴を漏らす、

 

しかしそれでも檜山たちのハジメへの感情は変わらず、何なら直接手出しができないことで憤りが募り、前よりもその呪わんばかりの眼差しは鋭くなっているかもしれない。

 

手を出してこないのはありがたい話ではあるが、ハジメはそんな彼らの態度に、「どうないせいっちゅうねんっ!」と小さくぼやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 浩介side〜

 

 遠藤浩介、彼もまたこの世界に来てから憂鬱を感じていた。

 

 浩介「ぐえっ!?」

 

今の、潰れたカエルのような声は、浩介が軽々と宙を舞い、地面に叩きつけられた音である、

 

 

今彼は、同じ“暗殺者の天職”からクラスのスターの一人、この世界に来て色んな意味で目立ちまくっている言峰ハンナと組手をする毎日だった。

 

 

暗殺者とは文面通り、相手を死角から襲い仕留める。一見後暗く小狡い戦術を使う天職であるが、こと異世界(ここ)においてはそれだけにとどまらず、レンジャーなどのマッピングや罠の発見など索敵に長けた天職持ちがいないパーティでは、暗殺者がその役割をこなすことが多い、うちのクラスもそうだ。

 

だが今の段階ではそこの訓練を行うのは難しい、なので本来の暗殺者の戦闘、一対一を想定した模造短刀を片手に行う組手である、

 

ただ組手をするのではなく、持ち前の気配遮断を工夫して使いながら戦うという、対人戦と気配の使い方を鍛える特訓である。

 

この訓練内容に浩介はそれなりに自信があった。自慢ではないが組手はともかく気配の薄さについてはクラスの誰にも負けないと自負しているからである。人生今までで生きてきてこの体質があって良かったなど人生で初めて感じた瞬間だったが、

 

その淡い自尊心も彼女、言峰ハンナの前ではあっけなく崩れ去る。

 

どういうわけか彼女は訓練開始から終始、自分を見失うことがなく、己の奇襲に尽く反応してみせたのだ、奇襲と言っても気配を消し、回り込んで攻撃しただけなのだか、

 

これが普通の戦闘なら端から見たら浩介のなんのひねりもない攻撃は対処されて当然である。が、ことは遠藤浩介、彼の気配の薄さ、いや無さは、一流の戦士であるメルド、はたまた彼の親や()に至るまで目の前に居るのに彼を見失うほどだ、普通であれば彼の攻撃をすべて交わすのは至難の業であろう、それを彼女はいともたやすくかわし、更には反撃までするのだから、まさに規格外だろう。

 

その一連の彼女の動作はあまりにもに流れるようにスムーズで、美しくもあった、

まず、彼女へ、死角から迫る模造刀と共に突き出した右手を、重心をずらしながら掴みそのまま引き寄せる、そのまま体制を崩した浩介の軸足に、彼女は軽く足を引っ掛け浮かす、そのまま右手を掴んでいた手を腰へと移し、軽く回転させて投げ飛ばす、

 

そのまま受け身を取れなかった浩介は背中から地面に打ち付ける。あまりの痛みに悶絶しながら転がる浩介。

そして次の瞬間彼女の模造刀が浩介の顔目掛けて振り下ろされ、

 

顔の手前で止まる……。

 

 教官「そこまで!!」

 

二人の教官を任された騎士から静止の声がかかる。そうするとハンナはその場から離れていく、その後ろ姿を見て浩介は誰にも聞こえないよう小さく悪態をつく

 

 浩介「……っクソっ!!」((こんなとこでこんなことしてる場合じゃないのにっ!!))

 

彼はクラスの中で数少ない“戦争に参加しない組”である。彼は学校では彼女とろくに関わりがないことと、早く元の世界に戻ってやらねばならぬことがあるため、知らない世界と関わりのないクラスメイトのために命をかけられないからだ、

 

遠藤家の面々は10年前から誘拐された姉を今もなお諦めず、捜索している、街中にビラを貼り、浩介に至っては学校でも姉の当時顔写真が乗ったビラを配っている、例え、持ち前の気配の薄さで気づいてもらえなくてもひつこく食い下がるほどに、その事は学校でも周知の事実であり、彼の友人である、永山 重吾、野村 健太郎もその心情を痛いほど理解していたため、戦争に参加しないことを攻めるクラスメイトから庇っている。

 

浩介は気が気でなかった、姉に続き自分までも失踪してしまった事実に、両親の心労は更に増すことだろうと、まだ幼い妹もいるのに、家族に余計な負担をかけてしまっている事実に歯噛みしていた。

ところで先程から語っている妹とは、姉が失踪した数日後に母の妊娠が判明して産まれてきた子である、親からしたら皮肉な話であろう、娘が失踪した数日後に新たな娘ができるなんて笑えない冗談である。

 

 

 そんなふうに地に伏せ、右腕で目を覆い考えを巡らせていた浩介と悠々と立っているハンナに二人の教官から評価が入る。

 

 

 教官「まずは浩介、お前の気配遮断は目を見張る物がある、この私や騎士たち、そしてメルド団長にすら目で追い切ることは不可能だろう、

だがそればっかりに頼りすぎて動きが単調になっている。そのままでは格上の相手では先程のように容易に対処されてしまうぞっもっと動きに変化をつけるように心がけるように!」

 

 

そうして教官はハンナに視線を移す

 

 教官「そして言峰殿、貴殿は浩介の気配を完全に読みきるだけでなく、その場その場の行動選択、次の動作に至るまでの動きの構築、戦闘のセンスだけなら神の使徒の中でもトップクラスだ!!あの洗練された体術もとても素晴らしいっ流石勇者に次ぐ実力者だ!」

 

そう評価を受けた彼女のステータスは今はこのようになっている

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言峰ハンナ 17歳 女 レベル10

 

天職 : 暗殺者

 

筋力 : 120

 

体力 : 145

 

耐性 : 200

 

敏捷 : 400

 

魔力 : 12

 

魔耐 : 200

 

技能 : 魔眼・遠視・縮地・隠形・気配遮断[+気配操作][+デコイ]・気配感知・先読み・薬品調合[+薬草鑑定]・限界突破・言語理解

 

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 魔力が異様に少ないのが玉に瑕だが、その成長度合いは勇者と同程度であった。

 

 ハンナ「ありがとうございます教官殿」

 

そう言ってきれいにお辞儀するハンナにつられ浩介も自然と頭を下げる、

瞬間言いしれぬ既視感と違和感が浩介の脳裏に過る。

 

 ((そういえば何故彼女は俺のことが見えているんだ?))

 

自分で思っていておかしいと思うがその疑問が浮かんでから次々に違和感を感じ始める、

そう、彼女とは元の世界にいた頃ほとんど関わり合いがなかったものの、それでもなんとなしに目が合うことが多々あった。

もちろん目が合うことなんて彼女の他にもあったが、彼女のその眼差しは今思えば、こちらを意識した(・・・・・・・・)ものに思えた。

 

気のせいかもしれないでも、こっちの世界に来てからのものは何かしらの技能を習得したからで説明がつくかもしれない、でもそれでは、元の世界での違和感は説明できない。

 

((何かが引っかかる、俺の気の所為じゃなかったら、何故俺を認識できたのか?認識できていたとして何故それを黙って、気づかないふりをしていたか、いやでも………大体俺を普通に認識できる人なんて一人しか………

 

 

 

 

 

 

 

 

           まさか!?))

 

普通、そんな都合のいい話はありえないし飛躍しすぎている、髪の色も肌の色も何もかも違う…………がその顔を意識して見てみたらどことなく面影があるような気がする。

わかっている、自分は今しがた打ちのめされたばかりで冷静ではない、しかし先程よぎった違和感、彼女の動作を真似たときの安心感、その全てが理屈ではなく感覚が確信を持っていた。

 

各自自主練を言い渡され教官が離れる頃、気づけばその疑問を彼女に投げかけていた…

 

 

 浩介「あの、言峰さんっ!あんた俺と昔どこか出会ったよな!」

 

 ハンナ「っ!…………」

 

 敢えて核心は突かない、答えを知りたくもあり、答えを聞くのが怖くもあったからだ、もしホントに彼女が そう(・・)であるならば、10年間、一体何をしていたのか、何をされたのか、そして再び何故自分たちの前に現れたのか、彼女がこうして姿を変え、名前を変えている時点で、普通な事情でないのは明らかである、しかしそれでも確認はせざるを得なかった。

 

その質問に対し彼女は一瞬驚いたように見えたが直ぐにいつも通りになり、告げる

 

 ハンナ「急にどうしましたか?遠藤君?、……ナンパですか?」

 

 浩介「いやっ!違ーよぉ!!なわけねーだろっ!!」

 

茶化されたことにより、張り詰めた空気は霧散するが、それでも浩介は押し切る

 

 浩介「大体あんた俺のこと見えてんだろ」

 

 ハンナ「えっ~と見えている?それは勿論見えますが?

そんなことを聞いてくるなんて……

ひょっとして遠藤君は、浮遊霊かなんですか?(⁠゜⁠o⁠゜⁠;」

 

 浩介「俺はっ、ちゃんとっ、この世に生きたっ、人間だっ!!」

 

何を聞いてものらりくらりとかわされる浩介、なおも詰め寄る

 

 浩介「そもそも普通の人は俺のことを直ぐには認識できないんだよ!!」

 

 ハンナ「えぇもちろん、おかしな話ですが承知しています。私も元の世界では遠藤君を見つけることは容易ではありませんでしたし。」

 

 浩介「とぼけるなよっ!あんた元の世界でもちょくちょく目が合うことがあっただろ、それもちゃんとこっちを見ている目だった」

 

 ハンナ「?…はぁぁ、それがどうしたんですか?たまたま目が合うことなんてざらでしょうに……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  浩介「俺に対してあんな目してくれるの、世界にただ一人しかいないんだよ」

 

 

 ハンナ「…………………………そっそれは、自意識過剰というものではありませんか?第一私があなたを見ていたという確証も無いんですから………」

 

 わかる人には核心を突く言葉だとわかる一言を浩介は言ってみせた。確かに彼女の言う通り、自意識過剰なのかもしれない、焦りによる勘違いなのかもしれない、

自分で言っててなんの突拍子もない事は理解している。

それでも彼は追求をやめれなかった。

少し言いよどむハンナに浩介は畳みかけようとする。

 

 浩介「なぁやっぱりあんた━━「“ 遠藤君 ”」━━!?」

 

 がハンナの強い一言に止められる、まるでそれ以上はやめろと言わんばかりに………

 

 

 

 

 

 

 ハンナ「ほらっメルド団長が招集をかけていますよっ

ぼさっとせずに行きましょうっ」

 

 浩介「……………。」

 

 少しの静寂のあとに、ハンナは何事もなかったように今までの調子でそう告げ、足早に集合場所へ向かう。しかしその顔は最後まで浩介の方を向くことはなかった。

 

 

 訓練の終了後いつもであれば夕食まで自由時間なのだが、今回はどうやらメルド団長から話があるらしく生徒たちは呼ばれるままに彼の元へ集まる。そして、メルド団長は野太くもよく通る声で告げる

 

 

 メルド「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」

 

 

 

 そう言って伝えることだけ伝えるとさっさと行ってしまった。ざわざわと喧騒に包まれる生徒達の中、ハジメや浩介達戦争不参加組は天を仰ぐ。

 

 

((……本当に前途多難だ))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雫side〜

 

 

 

 訓練終了後の自由時間、光輝、龍太郎、香織、鈴、恵里、私………そして“ハンナ”の、通称勇者パーティーは訓練場の隅に集まっていた。

もちろん招集したのは光輝………ではなくハンナだった。

 

 

 光輝「なっ!?パーティーを抜ける!?」

 

 龍太郎、鈴、恵里、「っ!……。」

 

 雫、香織「……………………………………………………。」

 

 ハンナの告げた言葉に、光輝達は驚愕し、私と香織はただ黙ってそれを聞いていた。

 

 光輝「何故っそんな急なことを……!?」

 

 ハンナ「別に、急ではありませんよ。前々から考えていたことでした。ギリギリまで悩みましたが、効率と合理性の観点から、私は単独(ソロ)で行動したほうが良いと判断しました。」

 

 光輝「なっ!?君は一人で行動するつもりなのか!?他のパーティーに入るわけでもなくっ………。」

 

 ハンナ「何か問題でも?そもそも私は暗殺者、単独で行動してこそ真価を発揮する天職です。それに皆さんのパーティーは、前衛3人後衛3人と調律が取れているので、寧ろ私は邪魔でしょう?」

 

光輝が反論しようとするが、その隙を与えずハンナは続ける。

 

 ハンナ「それに、私の技能は広範囲の索敵に向いています。明日は実戦、何が起こるかわかりません。

ですので私が皆さんよりも先行して状況を逐一伝えたほうが、全員生き残る確率が上がります。………合理的でしょう?」

 

確かに合理的だ、その方が致命的な危険を未然に回避し、私達は(・・・)安全な訓練が望めるだろう、しかしその提案には一つ考慮されていない事象(・・・・・・・・・・・・)があった。

光輝はそれ(・・)を指摘する。

 

 光輝「いっいいやっやっぱり駄目だ、その方法だと君への負担(・・・・・)が大きすぎるっ!

そう言うことならやっぱり皆で一緒に行動するべきだっ

その方が皆がお互いを守れるし、勇者である俺が皆を守って見せるっ!!」

 

 ハンナ「はぁ~、天之河君、貴方はこれから一軍の将となるのです。今はまだ訓練ですが、これから本格的に戦争が始まります。戦うことを決めた以上貴方は自軍の勝利のために、何かを、あるいは誰かを、切り捨てる心構えを持っておくべきでは?」

 

 光輝「俺は誰も見捨てないっ!!」

 

二人の意見は平行線でお互いがお互いの意見を曲げず収集がつかなくなっていた。

そして光輝は埒が明かないと話題を私達に振ってくる。

 

 光輝「香織!!っ雫!!っ二人からもなんとか言ってくれ!!」

 

 雫、香織「…………………………………………………………………。」

 

 

私達は何も答えない、香織なんかは今にも泣きそうな顔をしている。

 

 光輝「っ!三人ともっこんな時にケンカは駄目だ!!君達はいつも仲良しじゃないかっ」

 

 ハンナ、雫、香織

「……………………………………………………………………。」

 

 

 今回ばかりは光輝の言っていることが正しい、私達だって頭ではわかっている。こんな普通じゃない、命のやり取りをする状況で、喧嘩なんかして、連携を乱して、こんなことしている場合じゃない、そんなことはわかっている、

 

……………わかっているけど、私達の心がそれを咀嚼できないでいた。

 

 光輝「大丈夫だ!三人ともっ君達には俺がついてるっ!!

俺に話してみてくれ、絶対に仲直りさせてみせるさ(⌒▽⌒)」

 

 恵里「こっ光輝君それはちょっと…………」

 

 

と思っていたらこれだ、全くデリカシーがなさすぎる、これを善意で言ってるんだから質が悪い、さすがの事態に他の三人が「まぁまぁ」と光輝を宥めていると

 

 ハンナ「別に話すことは何もありませんよ、それでは話は終わりです私は自室で遠征に備えて薬の調合をしています。時間を取らせてすみませんでしたね。」

 

ハンナは話を切り上げ解散を促す、表には出していないが少しイライラしているように見える。ハンナの早足で去っていく姿を見て「あぁ〜、またアレ(・・)をやるんだろうか」とそんなことを考える。

 

 光輝「待つんだっ!!ハンn…「やめて光輝っ」っ!…雫……。」

 

私は衝動的にその後を追おうとした光輝の腕を掴み引き止める

 

 雫「今は………そっとしておいて……………。」

 

 光輝「━━っ何故だ雫!っ君達は親友だろ!?このままでいいのか!?」

 

 

 

 

 

 雫「…………………………わからないわよ。そんな事、私だって聞きたいぐらいよ……………」

 

 光輝「雫?」

 

 らしくもなくぼやく私に光輝が首を傾げ、再びその場に微妙な空気が漂う、そこに意外な人物が切り出す

 

 香織「私にも、今どうするべきなのか、何をするのが正しいのかよくわからない。でも、今回は正しい、正しくないってあんまり意味ないんじゃないかなぁ〜って思ってたりするんだ……」

 

先程まで俯いていた香織が弱々しい声ではあったがその眼差しは力強いものを感じた。

 

 香織「だから………………………、うん、大丈夫だよ光輝君。これは私と雫ちゃん、そしてハンナちゃんの問題だから、私達がなんとかしなきゃいけないんだ。

だからといって直ぐに解決していい話じゃないと思う。時間が必要なんだと思う…お互いに………」

 

 光輝「?何を言っているんだ?問題があるならすぐに解決したほうがいいに決まってるんじゃないのか?」

 

 香織「あっえっと…ごめんね?そういうことじゃないの……

無いんだけど〜う~んとっ難しいなぁ〜」

 

 

香織の中でも上手くまとまっていないのか、なんとも曖昧な彼女の答えを光輝は理解出来なかったらしい。素っ頓狂な質問を投げかける。

 

でも私は彼女の言わんとしていることがなんとなくわかる気がした。どうやら龍太郎以外の二人もなんとなくわかったようで納得したような顔をしていた。

 

 鈴「鈴は応援してるよ!!“シズシズ”も“カオリン”も“ハンナママン”もちゃんと仲直りできるって♪\(^o^)/」

 

 恵里「うん、きっと大丈夫っ………」

 

 光輝「???どういうことだ?二人は香織が言いたかったことがわかるのか?」

 

 龍太郎「そうだぜ〜俺たちにもわかるように説明してくれっ!!」

 

 鈴「や〜だよぉ~ん♪こればっかりは男の子にはナイショの女の子のヒ・ミ・ツだよっ!

ね~〜三人とも〜〜(●´ω`●)ニマニマ」

 

 雫「自称心のおっさんが何言ってんのよ」

 

 恵里「鈴は女の子にカテゴライズしていいのかなぁ~?」

 

 香織「アハハハ……」

 

 鈴「ちょっ!?酷いよみんなぁ〜(´;ω;`)」

 

久々の和やかな談笑、今日は明日に備えてこのまま夕食までゆっくりすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハンナside〜

 

 ハンナ((“辛い”))

 

とてもいたたまれない空気から逃れるように心のなかで弱音を吐き、足早に通路を出てお城の中庭に私はいた。

ここにはそれなりに大きな噴水があって、そこの腰掛けに蹲って自己嫌悪にかられていた。

 

 辛い…………………………。

 

彼女達にああいう態度しか取れなくて、おまけに、コウちゃんにもキツく当たってしまった。

だがそれを嘆く資格は私にはないし、私はそれを望んではいけない。それは私が選んだ選択であり、私の責任なのだから。

 

しかしその意思も脆く崩れそうになる、なぜならば、私が辛いと思うより彼女たちの方がよっぽど辛いのだと、顔を見るたびに如実に伝わってくる。

 

 

 いっその事嫌ってほしかった……あのときあの日、私に罵詈雑言を浴びせ、突き放してほしかった。そうしてくれた方が、罪悪感も薄れて、幾ばくか楽だっただろうに。

あの日から度々見るあの表情は残念ながら、私を責めるものではなかった………

 

 「何が効率と合理性の観点からっよ……ただ私が、二人のそばに居たくないだけの言い訳じゃない……………」

 

 しばらくして、蹲る私に近寄る影が一つ

 

「おや?どうしたのですか?このような場所で」

 

そうやってキョトンとした表情で話しかけてきたのは、この国の王女、リリアーナ・S・B・ハイリヒ殿下だった……

 

 ハンナ「リリアーナ王女殿下……」

 

 リリアーナ「私に敬称は必要ありませんよ?それにリリィと呼んでくださいと何度も言っているのに〜」

 

 ハンナ「いえ、そういうわけにわ参りません、他の使徒達はともかく私は異教徒であり、貴方はこの国の王女、弁えて行動してくださらなければ教会の方々に要らぬ憶測が飛び交うかと存知ます。」

 

 リリアーナ「いいえ、それこそ出来ぬ話です、あなた方はこの国の引いては人間族の英雄なのです、例え異教徒であれ、そのような方々に礼を欠くことこそ王族の不信と捉えられます。」

 「何より雫と香織の親友(・・)の方なのですっ私も常々仲良くしたいなと思っているのですから♪」

 

彼女は王女という立場ながらその地位と才能に驕らず、とても気さくな性格。クラスメイトからも慕われていて、特に雫と香織とはこの数週間であっという間に仲良くなっていた。

 

そんな彼女の性格ゆえか、私は顔を合わせるたびに話しかけられていたのだが、私はそれをそれとなくあしらっていた。

雫と香織に良くしてもらっている以上無下にはしたくないのだが、己の現状を弁えた上での対処はしていた。が特にあまり意味はなくこうして今日も何時ものように彼女は私と「仲良くしたい」と近付いて来る

 

 リリアーナ「お隣、宜しいですか?」  

 

 ハンナ「…………………………。」

 

 私は答えないが彼女は問答無用と言いたげに「失礼しますね」

と言って私のすぐ隣に腰を掛ける

 

 ハンナ「……あの〜王女殿下?少々近くありません?」

 

 リリアーナ「リリィ(・・・)ですっ!呼んでくれるまで離れませんよ?」

 

 どうやら彼女は意地でも私に愛称で呼ばせたいらしい、このままではいつまでも離れてくれなさそうなので私は仕方なく彼女を愛称で呼ぶことにした━━━

 

 ハンナ「りっリリィ……………さん///……………。」

 

━━が、いきなり呼び捨てはちょっと、ほんとにちょっと恥ずかしかったので“さん”付けをした。

 

 リリアーナ「う~ん、まぁいいでしょう(^ν^)ニコニコ」

 

 そう言うと彼女は私から離れ━━━━━━━━━━なかった…

 

それどころか私のすぐ隣でずっとニヤニヤとした顔でこちらを見ていた

 

 

 ハンナ「……あの~なにか?」

 

 リリアーナ「えっ?あぁ〜!すいませんっ!私ったらはしたないですよね。でもっプフフフッ」

 

 ハンナ「えっと〜私に何かおかしなことでも?」

 

 

ニヤニヤを通り越し遂には吹き出すリリアーナ王女に不思議に思った私は聞く、すると

 

 リリアーナ「いえっそういうわけではないんですただ意外だなぁ〜って思っただけです(^ν^)」

 

 ハンナ「?意外……ですか?」

 

 リリアーナ「えぇ、だってこの世界に呼び出されてから今までで

私達……というよりも教会に全く隙を見せずに振る舞っていた(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)あなたでも、人並みに喧嘩をするんだなぁと思ったまでですよ」

 

 リリアーナ・S・B・ハイリヒ、伊達に王国の才女と呼ばれていない。国の行く末を担う一人として、私達一人ひとりに目を向け、私達をしっかりと見極めようとしていたのだ。さすが王族といったところか、わたしたちよりも年下だというのに、クラスメイト達よりもしっかりと現実を見据えている。

 

 リリアーナ「でも、少し安心しました……」

 

 ハンナ「安心?」

 

 リリアーナ「はいっ貴方は…その……なんというか他の皆さんとは少し纏う雰囲気が違うというか、何処か浮世離れしていて近寄りがたい感じがしていたんです……………。」

 

 そういうと、彼女は表情を暗くし俯く

 

 リリアーナ「正直に言いますと、私は貴方を恐れいてました。

異教徒とか協会に向ける牽制の意味の敵意とか、そういうのは関係なくて、ただあなたのそのどこまでも完璧な徹底ぶりがどこか機械的で、同じ人とは思えなくて………」

 

 ハンナ「……………………………………………………。」

 

 私は彼女の言葉を黙って聞いた。そして彼女は再びその顔を笑顔に変えてこちらに向ける、その顔は笑顔だが何処か真剣な表情をしていた

 

 リリアーナ「ですが、雫と香織から話を聞いてその考えを改めました。ホントに王族ともあろうものが偏見で物事を見てはならないと実感しました。

いざ蓋を開けて見てみれば、あなたはただ友達のために必死に動いて、そして今は大事な友達とどうやったら仲直りできるのか、蹲り震えながら必死に悩むただの女の子のようで……………」

 「だから安心したんです。この人は私達と何にも変わらないただの人間の女の子なんだと。」

 

 ハンナ「っ……………別に…仲直りがしたいだなんて……。」

 

あまりに真っ直ぐな眼差しを向けられ、私はたまらず目を逸らし、そしてつぶやく。

 

 リリアーナ「あなた方よりも若いですが、そんな私からでも言えることがあります。 “ 友とはどんな金銀財宝よりも眩い一生ものの宝である ” と……。」

「雫も香織も声には出さないものの貴方のことを案じている様子でした。

仲良くなったばかりの私では余計なお世話で勝手かもしれませんが、早急な関係修復をオススメしますよ。」

 

 それを聞いた私は己の中にどうしょうもない苛立ちを感じた。ただ彼女の言葉が鬱陶しかった訳では無いこれは……………

 

 

 

    

   コレはなんだ?(・・・・・・・)

 

 この感情の正体は分からないがとにかく彼女の言葉が気に食わなかったので、私は立ち上がって彼女にこう言い放った。

 

 ハンナ「ホントに、勝手で余計なお世話ですね、だいたい

あの二人について知ったような口(・・・・・・・)を叩かないで下さいっ!」

 

私はその捨て台詞を吐いて最後に「失礼します!」と一礼し、その場を跡にした。

 

 私はその後もリリアーナ王女と雫と香織が談笑するとこを見て

言いしれぬ苛立ちを感じる事になるのだが、この感情の名前を私はまだ知らない…………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハンナが去ったあとリリアーナは、

 

 リリアーナ「フフッ嫉妬(・・)しちゃって、かわいい一面もあるんですね。コレは雫と香織に報告しましょうか?それとも私の中に留めて置いたほうが良いでしょうか?(^ν^)ニコニコ」

 

 

そんなことをとてもいい笑顔で呟いていたが、ハンナにとっては幸いその場にリリアーナ以外に誰もいなかった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






えーはいっ文字数の割に話が進まないっ!!(TдT)
キリが良かったんでここで終わらせましたがこれ以上長くなっても読んでられんでしょう。

本来、オルクスでハジメ落とすとこまで書きたかったんですが次回に持ち越しっすね(^_^)

 そして急遽、遠藤君の妹ちゃん参戦っ!!
原作よりも年齢を下げることでなんとかしました!!アフターはもちろん書くよっ期待しててください!!

 えっ?お兄さん?知らねっ(^_-)b-☆


のタイトルですが、我ながらダサいです。
今回元々タイトルはオルクス関係のタイトルにしたかったけど話が進まんかったからだいぶ迷走しました〜。


そう、ハンナちゃんの迷走と私の迷走をかけたのです!!



…………やっぱダセェわ。
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