ありふれない暗殺者は世界最強と共に……   作:翁月 多々良

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 めっちゃ遅くなりましたすいません m(_ _)m

    そんじゃまずはイラスト挙げまーす\(^o^)/



 第一再臨

【挿絵表示】
:愛瞳のハサン

 CVは冨樫美鈴さんが個人的にはいいかなぁ~と思ってる。
皆さんはどう思う?









あと白黒挿絵が挿入できなかったんですけど、原因わかる人いますか?



追記
 
 お騒がせしましたぁ〜なんとかなりましたぁ〜
  


第5話:奈落失墜 〘下〙 〜ベヒモスと崩落の音〜

 

 

 

 ハンナside〜

 

 橋の両サイドに現れた赤黒い光を放つ魔法陣。通路側の魔法陣は十メートル近くあり、階段側の魔法陣は一メートル位の大きさだが、その数がおびただしい。

 

 

 小さな無数の魔法陣からは、骨格だけの体に剣を携えた魔物〝トラウムソルジャー〟が溢れるように出現した。空洞の眼窩からは魔法陣と同じ赤黒い光が煌々と輝き目玉の様にギョロギョロと辺りを見回している。その数は、既に百体近くに上っており、尚、増え続けているようだ。

 

 

 そして反対の通路側、私達前衛の方には、十メートル級の魔法陣からは体長十メートル級の四足で頭部に兜のような物を取り付けた魔物が出現したからだ。もっとも近い既存の生物に例えるならトリケラトプスだろうか。ただし、瞳は赤黒い光を放ち、鋭い爪と牙を打ち鳴らしながら、頭部の兜から生えた角から炎を放っているという付加要素が付くが……

 

 

 最悪の状況下私は[+並列思考]によって導き出した最適解、後方の退路を開くことを最優先事項に据える。

 私が動き出す瞬間、先程メルド団長が呟いた〝ベヒモス〟という魔物は、大きく息を吸うと凄まじい咆哮を上げた。

 

 

 

 ベヒモス「グルァァァァァアアアアア!!」

 

 「ッ!?」

 

 

 

 その咆哮で正気に戻ったのか、メルド団長が矢継ぎ早に指示を飛ばす。

 

 メルド「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

 光輝「待って下さい、メルドさん! 俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」

 

 メルド「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

 

 

 メルド団長の鬼気迫る表情に一瞬怯むも、「見捨ててなど行けない!」と踏み止まる天之河、確かにあのデカブツは無視できないがこの状況では撤退が最優先だと言うことは赤子でもわかりそうなことだろうにっ!

 

 私はこの馬鹿者がなにかやらかす前に首根っこを引っ張ろうとしたその時………っ

 

 ベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。このままでは、撤退中の生徒達を全員轢殺してしまうだろう。たが私が目を見張ったのは後方の光景、

ベヒモスと骨共の出現にパニック状態となっているクラスメイト達、

 

その中に一人、あれよあれよと後方へ追いやられ、人混みに押し出され宙に身を投げ出された弟の姿………。

 

 浩介「あっ…………。」

 

 私は堪らず叫び走り出していた………。

 

 

 

 ハンナ「コウちゃん(・・・・・)っ!!!!」

 

 

 

 私はあまりに強烈な踏み込みに地を砕きながら人垣を掻い潜り間一髪でその手を掴む、コウちゃんはその身をほとんど宙に放っており、私が手を掴んでいなかったらそのまま奈落の底に落ちていたことだろう。

 

 驚愕と恐怖で顔を紙のように白く染めているコウちゃんに私は取り繕うことも忘れ息も絶え絶えに必死に声をかける。

怯える弟を安心させるために…………

 

 

 ハンナ(霞)「っ……だ………い、丈夫…………大丈夫、大丈夫だから…!私が………ついてるからっ……コウちゃん(・・・・・)には………私が付いてるからっ!!」

 

 浩介「っ……!!」

 

 私の言葉を聞いてコウちゃんの表情に生気が戻る、そして掴む手に更に力を込めて反対側の手も伸ばす。

 

 私も掴む手に力を込めて思いっきり引き上げる。

 

 浩介「ハァ……ハァ……ハァッありがとうっハァ…言峰…さん………ハァ……ハァッ…………」

 

 無事コウちゃんを橋の上に引き上げるとコウちゃんも息を絶え絶えにお礼を告げる。

 

 ハンナ「いえっ気にしないでください………それよりも遠藤君(・・・)状況は何も好転していません。すぐに立ち上がってアランさんと共にこの混乱を抑えますよっ!」

 

 

私はコウちゃんにそう告げて暴動の鎮圧にかかる、その時のコウちゃんの顔が何処が複雑そうな感じだったがそんなことは気にしてられない。私はコウちゃんと協力して骸骨共を斬り倒していく。

 

しかし、恐慌状態のクラスメイト達は、隊列など無視して我先にと階段を目指してがむしゃらに進んでいく。騎士団員の一人、アランさんとコウちゃんが必死にパニックを抑えようとするが、目前に迫る恐怖により耳を傾ける者はいない。

(まぁコウちゃんの場合は気づいてもらえないからなのだが……)

 

 私達が本格的にまずいと感じ始めたとき、一人の女子生徒が後ろから突き飛ばされ転倒してしまった。

 

女子生徒が「うっ」と呻きながら顔を上げると、眼前で一体のトラウムソルジャーが剣を振りかぶっていた。

 

 

 

 園部「あ………っ」

 

 

 

 そんな一言と同時に彼女の頭部目掛けて剣が振り下ろされた。

 

 

 ハンナ「園部さんっ!!」

 

 まずいっ!――私よりもトラウムソルジャーのほうが早いっ

 

  間に合わないっ………そう感じた次の瞬間だった━━

 

  

  ━━トラウムソルジャーの足元が突然隆起した。

 

 

 

 バランスを崩したトラウムソルジャーの剣は彼女から逸れてカンッという音と共に地面を叩くに終わる。更に、地面の隆起は数体のトラウムソルジャーを巻き込んで橋の端へと向かって波打つように移動していき、骨共を奈落へと落とすことに成功した。

 

 

 私はそれを成した人物に視線を走らせると

そこには、橋の縁から二メートルほど手前に座り込みながら荒い息を吐く南雲君の姿があった。

 

南雲君は連続で地面を錬成し、滑り台の要領で魔物共を橋の外へ滑らせて落としたのである。どうやらこの遠征中に錬成の練度が上がっており、連続で錬成が出来るようになっていたおり、錬成範囲も少し広がったようだ。

 もっとも、錬成は触れた場所から一定範囲にしか効果が発揮されないため、トラウムソルジャーの剣の間合いで地面にしゃがまなければならず、とてつもない緊張と恐怖で彼の内心は一杯一杯だっただろう。

 私は彼の想像以上の勇気と度量に感服していると………

 

 魔力回復薬を飲みながら倒れたままの園部さんのもとへ駆け寄る南雲君。錬成用の魔法陣が組み込まれた手袋越しに女子生徒の手を引っ張り立ち上がらせる。

 

 呆然としながら為されるがままの彼女に、南雲君が笑顔で声をかけた。

 

 

 ハジメ「早く前へ。大丈夫、冷静になればあんな骨どうってことないよ。うちのクラスは僕を除いて全員チートなんだから!」

 

 

 自信満々で背中をバシッと叩くハジメをマジマジと見る園部さんは、次の瞬間には「うん! ありがとう!」と元気に返事をして駆け出した。

 

 

 ハンナ「……………………。(-_-;)」

 

 私は香織のライバルが生まれかねない彼の行動に内心焦るも、その後の彼の行動に再び感嘆することとなる、

 

 南雲君は周囲のトラウムソルジャーの足元を崩して固定し、足止めをしながら周囲を見渡す。誰も彼もがパニックになりながら滅茶苦茶に武器や魔法を振り回している中、ここまで冷静に対処していられるのはなかなかに肝が座っている。 

 

彼の行動のお陰でパニックは収まらないものの私の思考する時間ができた。

 

 ハンナ「この状況で見事なものですね。流石です南雲君…」

 

 私は彼に声をかけるすると彼は…

 

 ハジメ「っ━━━言峰さん………かぁ……。」

 

 意外にも渋い顔をしてそう答えた、

 

 

 ハンナ「おや?私ではご都合が悪かったですか?」

 

 ハジメ「あっいやっ!そういうわけじゃ…………いやそうかもしれない…………」

 

 私の少し茶化すような返しに彼はそう告げて続ける

 

 

 ハジメ「説明するのも惜しいから簡潔に言うね、今必要なのは強力なリーダーと道を切り開く広範囲の高火力……最初の強力なリーダーは言峰さんでも全然問題はない、だけど………」

 

 ハンナ「なるほど、私は暗殺者、火力は出せても最大で補足できて二、三体が限度、広範囲殲滅には向かない、確かに私では都合が悪いですね……ここにいるべきは私ではなく天之河君が適切………申し訳ありません南雲君、私が考え無しに飛び込んでしまったから………」

 

 私が謝ると彼は真剣だが優しげに告げる

 

 ハジメ「いやっ言峰さんが謝ることじゃないよ、こんな状況だし、しょうがない、今はなんとしても退路を確保しないと、このままじゃ……全滅だ………っ」

 

 本当によく状況が見えている、生まれてくる時代と場所を間違えたのではと思うくらいにだ。

 

 ハンナ「それでは私が天之河君を連れてきまs「いや駄目だ!」っ!………」

 

彼が私の言葉を遮る、

 

 ハジメ「さっき言峰さんが来てくれたおかげで、言峰さんに気づいた人の混乱は収まっている、でも完全じゃないっ!

 今言峰さんに抜けられたら一気に崩れかねない━━━っ」

 

 ハンナ「ならばどうしろとっ?」

 

 私は当然の質問を投げかけるが、彼は予想外の答えを返す━━

 

 ハジメ「……決まってるっ僕が天之河君を連れてくる!!そしてベヒモスを足止めするっ!その間、言峰さんは皆を頼むっ!」

 

 ハンナ「なっ!?」 

 

 

 私は天之河達の方へと目線をやる、そこには他の騎士たちが張ったのか三重の結界が張られていてはいる、がベヒモスの猛攻に結界は軋みを上げている、

その内側ではメルド団長と天之河が当然のごとく言い争いをしている━━

 

  ━そして私は焦りと苛立ちのままに南雲君に視線を戻す

 

 

 ハンナ「っ正気ですかあなたは━━!!あなたがあそこに行ってどうなるというのですかっ!だいたい、万が一あそこに行ったとしてその後、足止めだなんてっ!あっちのは骨共なんかよりずっと厄介なんですよ!!」

 

 ハジメ「じゃあ逆に聞くけどっ━━今、周りがこんな状態で他に僕より強い人に同じ説明をしていられる時間があると思う!?」

 

 ハンナ「っ━━━!」

 

 私の怒号に彼は更に強い口調でそう叫ぶが、今度は諭すように優しげに続ける

 

 

 ハジメ「………大丈夫、その後のこともちゃんと考えてあるんだ。時間がないから説明はしてられないけど…………。」

 

「僕を信じてほしい………、言峰さん、もう一度お願いするよ

みんなを頼む、これが、誰も死なない優一の方法なんだ………」

 

 

 そう告げた彼は真剣に優しげな笑みを浮かべているが、その手足は震えている………。

 

 

 正直私は彼を、南雲ハジメという少年を見くびっていた。元の世界でも、いくら将来設計がはっきりしてるとはいえ、今のすべてを明らかに疎かにしすぎている節がある、優しい人柄であるのだが逆に言ってしまえばそれだけで、彼の教室での周りの扱いもしょうが無いものだろうと思っていた。

 

 親友の想い人だから私は特段偏見の目では見ることはなかったが、香織が惚れる理由が終始分からなかった。

 

 だが、この世界に来てからの彼は、何処が無気力なところはあるものの、己のできる範囲で一生懸命で、いくら罵られても腐らず、工夫と研鑽を惜しまない、今もこうして冷静に物事を判断して最善を尽くそうとする。

 

 

  そんな彼を見ていて私は思った………

 

 彼には私にはない確固たる自己があるのだ、周りの評価や慣習に流されず、己の成したいままに事を成す。

 

 そんな私には眩しく見える彼の強い意志と勇気を、私は拒絶できなかった………。

 

 

 ハンナ「………狙うなら下腹部です………。」

 

 ハジメ「えっ!?」

 

私の脈絡のない発言に彼は一瞬驚くもその意図に気づく、なぜならば私の()は青白い光を発していたからだ。

 

 ハンナ「あなたの錬成で奴の腹下から思いっきり突き上げてあげなさい、貫かないまでも、怯ませることはできるでしょう」

 

私は瞳を黒に戻し彼に向き直る

 

 ハンナ「倒す必要はありません、時間を稼いでくれれば必ず私達があなたを助けます。約束します。

あなたに万が一のことがあれば香織が悲しみますので……いいですか?決して無理はしてはいけませんよ………。」

 

 ハジメ「なんでそこで白崎さんが出るかは分からないけど………わかった。そっちは任せたよ言峰さんっ!」

 

 ハンナ「えぇ、南雲君もお気をつけてっ!」

 

そうして彼は走り出していった。天之河達のいるベヒモスの方へ向かって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは気休めにしかならないことだ………でも何もしないわけにはいかなかった。

 

 先程も説明したが私の()で見た対象の急所は私が見て私が攻撃するからこそ初めて効果が出るもので、誰かに共有したところで意味がない(・・・・・・・・・・・・・・・・)のだ。だから目を発光させたのも演出のようなものだ。

 

 さっき私が彼に教えたのは、あのような重厚な鎧に見を包んだ四足歩行の生き物に共通するものだ、少し考えれば誰でもわかるだろう。なので、例え指摘した場所が一撃必殺の急所でなくても、確実に怯ませることはできるだろう。

万が一のときはの私が助け出せばいいのだ………。

 

 私は罪悪感を振り払い、彼との約束を果たす、暴徒の鎮圧だ。

 

 

 私は今も尚混乱を広げている元凶の人物(・・)を殴り飛ばす…

 

 檜山「ぶげらッッ!!」

 

 そしてその勢いのままトラウムソルジャーを複数体吹き飛ばす。

 

彼、檜山大輔はこの騒動の発端でありながら、無駄に騒ぎ立て混乱を助長し、挙句の果てには………

 

   コウちゃんを突き飛ばした………。

 

そこそこの力で殴ったから歯が何本かイッたようだが気にしない、私は檜山を比較的安全そうな場所へと投げ、

 

 気配操作の派生[+デコイ]を使い、私の気配を増大させる

 

 

 ハンナ「皆さんっ!!落ち着いてっ静まりなさいっ!!」

 

 

私の気配と声に、その場のすべての人間と、トラウムソルジャーまでもが、鶴の一声と言わんばかりに私の方に振り向く、クラスメイトの何人かは私の登場に歓喜の声を上げるものがいたが、

 

[+デコイ]に釣られたトラウムソルジャーがすべて、クラスメイト達を無視して私に突撃してくる。

 

 「「言峰さんッ!!」」

 

 誰かが私の窮地に悲痛な声を荒げるも、次の瞬間彼らの心配は杞憂に終わる━━━。

 

 

 

 

 ハンナ「 ━━“ザバーニーヤ”━━ 」

 

 紡がれた言葉とともに開かれた私の瞳は青白く光り群がる骸骨共に銀閃を走らせる━━瞬間、私の周りにいた骸骨共は糸が切れた人形のように倒れ伏す━━

 

しかし骸骨共の猛攻はそれでは終わらない、倒れ伏した同胞を踏み砕いてその眼窩に宿る赤黒い殺意の眼差しを私に向けながら突撃してくる。

 

 髑髏、髑髏、髑髏━━見渡す限り一面の髑髏が波のように私に押寄せる。

それを私は嫌悪と苛立ちのまま、何処か八つ当たりをするように短刀ではなく、徒手で殴り砕いていく、

 

 時には正拳突きで顔面を砕き、刃のような回し蹴りは後方から迫る二、三体の首を跳ね飛ばす。

そのまま振り下ろした足を軸に回転し、回転の勢いのまま裏拳をそこにいたトラウムソルジャーの顔面にぶち当てる、打ち場所を工夫したことにより、トラウムソルジャーの頭部は砕けずそのまま砲弾のように後に飛び他数体を巻き込み炸裂する。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 クラスメイト「「「…………………………すごい…。」」」

 

 誰かがそう呟いた、彼女、言峰ハンナの一挙手一投足はすべてえげつないものであるが、

 

 流れるように、スムーズに、決まった手順があるかのように一瞬の迷いもなく丁寧に戦う彼女の姿は、美しく、まるで踊っているようで、宙を舞う骨の残骸が彼女の瞳のキラキラとした輝きに反射して、何処か幻想的に見えた。

 

 

 アラン「………っは!いかんっ総員!呆けている場合ではないっ!ソルジャー共が言峰殿に集中してる隙に背後から削れっ!!」

 

 あまりにも美しい戦闘に一国の騎士である彼ですら戦場の只中で数秒呆けていたが、すぐに立て直す、そしてパニックが収まった生徒たちにハンナの援護をするように指示を飛ばす。

 

 その指示に生徒たちも正気を取り戻す、先程自分たちを襲っていた脅威を彼女はたった一人で請け負っている。

 

 

 これ以上彼女ばかりに任せてはいけないっ!!その一心で生徒たちは各々に魔法を放つ、ハンナの技能によりトラウムソルジャー達は全くこちらに見向きもしない、故に生徒たちはなんの危険もなくトラウムソルジャー達を撃退していた………しているように見えた、だが、トラウムソルジャーはその総数が減っている様子がない。

 それもそのはず、奴らは今も尚、魔法陣から溢れ出ているのだ。

 

 

 最初こそ生徒達側が優勢であったが、時間が経つに連れ、生徒達の勢いが落ちていき、トラウムソルジャーはその数を減らすどころか増え始めていた。

 生徒や騎士達に負傷者が増え、流石のハンナもその顔に疲れの色が見え始める、再び戦場に暗雲が立ちこめる、誰もが、もうダメかもしれない、そう思ったとき…………

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 ハンナside〜

 

 ハンナ「…………来たっ!」

 

 私は補足した気配につい口角を緩める

 

 

 

 雫「避けてっハンナ!!」

 

 光輝「――〝天翔閃〟!」

 

 

 掛け声の直後、純白の斬撃がトラウムソルジャー達のド真ん中を切り裂き吹き飛ばしながら炸裂した。私はその斬撃を身を翻しながら躱し、

 

 ハンナ「……全くッ……どれだけ…待たせるんですか…。」

 

息を切らしながらそう呟く。

 

 

 

 橋の両側にいたソルジャー達も押し出されて奈落へと落ちていく。斬撃の後は、直ぐに雪崩れ込むように集まったトラウムソルジャー達で埋まってしまったが、生徒達は確かに、一瞬空いた隙間から上階へと続く階段を見た。今まで渇望し、どれだけ剣を振るっても見えなかった希望が見えたのだ。

 

 

 

 光輝「皆! 諦めるな! 道は俺が切り開く!」

 

そんなセリフと共に、再び〝天翔閃〟が敵を切り裂いていく。天之河が発するカリスマに生徒達が活気づく。

 

 

 

 メルド「言峰殿っよく持ちこたえてくれた!………お前達! 今まで何をやってきた! 訓練を思い出せ! さっさと連携をとらんか! 馬鹿者共が!」

 

 

 

 皆の頼れる団長が〝天翔閃〟に勝るとも劣らない一撃を放ち、敵を次々と打ち倒す。

 

 いつも通りの頼もしい声に、生徒達の沈んでいた気持ちが復活する。手足に力が漲り、頭がクリアになっていく。実は、香織の魔法の効果も加わっている。精神を鎮める魔法だ。リラックスできる程度の魔法だが、天之河達の活躍と相まって効果は抜群だ。

 

 治癒魔法に適性のある者がこぞって負傷者を癒し、魔法適性の高い者が後衛に下がって強力な魔法の詠唱を開始する。前衛職はしっかり隊列を組み、倒すことより後衛の守りを重視し堅実な動きを心がける。

 

 

 

 治癒が終わり復活したアランさん達騎士団員も加わり、反撃の狼煙が上がった。チートどもの強力な魔法と武技の波状攻撃が、怒涛の如く敵目掛けて襲いかかる。凄まじい速度で殲滅していき、その速度は、遂に魔法陣による魔物の召喚速度を超えた。

 

 

 

 そして、階段への道が開ける。

 

 

 光輝「皆! 続け! 階段前を確保するぞ!」

 

 

 天之河が掛け声と同時に走り出す。

 

ある程度回復した龍太郎と雫、そして私がそれに続き、バターを切り取るようにトラウムソルジャーの包囲網を切り裂いていく。

 

 

 そうして、遂に全員が包囲網を突破した。背後で再び橋との通路が肉壁ならぬ骨壁により閉じようとするが、そうはさせじと天之河が魔法を放ち蹴散らす。

 

 クラスメイトが訝しそうな表情をする。それもそうだろう。目の前に階段があるのだ。さっさと安全地帯に行きたいと思うのは当然だ。

 

 香織「皆、待って! 南雲くんを助けなきゃ! 南雲くんがたった一人であの怪物を抑えてるの!」

 

 

 突然発せられた香織の言葉に何言ってるんだという顔をするクラスメイト達、無理もない南雲君はクラスでは“無能”で通っているのだから………

 

 だが、困惑するクラスメイト達が、数の減ったトラウムソルジャー越しに橋の方を見ると、そこには確かに南雲君の姿があった。

 

 

「なんだよあれ、何してんだ?」

 

「あの魔物、上半身が埋まってる?」

 

 

 次々と疑問の声を漏らす生徒達にメルド団長が指示を飛ばす。

 

 

 メルド「そうだ! 坊主がたった一人であの化け物を抑えているから撤退できたんだ! 前衛組! ソルジャーどもを寄せ付けるな! 後衛組は遠距離魔法準備! もうすぐ坊主の魔力が尽きる。その前に坊主の合図(・・)がある。その合図と共に一斉攻撃で、あの化け物を足止めしろ!」

 

 

 ビリビリと腹の底まで響くような声に気を引き締め直す生徒達。中には階段の方向を未練に満ちた表情で見ている者もいる。

 

 無理もない。つい先程死にかけたばかりだ。一秒でも早く安全を確保したいと思うのは当然だろう。しかし、団長の「早くしろ!」という怒声に未練を断ち切るように戦場へと戻っていった。

 

 

 

 私、コウちゃん、雫、天之河、龍太郎、他前衛組は南雲君が合図(・・)を出すまでトラウムソルジャー牽制していた。

 

そして数分もな経たないうちにそれ(・・)は来た

 

 

   ドゴオオオォォォォォォォオオオンッッ!!

 

 ベヒモス「グゴォッッ!!?」

 

 南雲君は魔力を温存しながらベヒモスの上半身周りを石壁で覆い、ベヒモスの動きを阻害していた。

そして、ギリギリまで粘り、残りの魔力をすべて使い、巨大な石槌をベヒモスの腹下から思いっきり突き上げた。

 

 これにより前方ばかりに気を取られていたベヒモスは意識外の攻撃にもんどり打ち口から胃液を吐き出す、先程召喚されたばかりであるためか、吐き出されたのは液体だけで内容物はなかった。

私の読み通り、貫くには至らないもののかなりのダメージが入ったようだ。悶絶するベヒモスに合わせて猛然と走り出す南雲君。

 

 しかし予想以上にベヒモスの復帰が早く、地面が破裂するように粉砕されベヒモスが怒りの咆哮と共に起き上がる。その眼に、憤怒の色が宿っており、己に屈辱を与えた怨敵、南雲君を追うため四肢を踏ん張らせた

 

 

 メルド「総員っ放てぇぇえええっ!!」

 

 先程の南雲君の最後の一撃を合図にあらゆる属性の攻撃魔法がベヒモスの顔面目掛けて殺到した。

 

 夜空を流れる流星の如く、色とりどりの魔法がベヒモスを打ち据える。ダメージはやはり無いようだが、しっかりと足止めになっている。

 

 本来魔法に適正のない私は今は(・・)有効な遠距離攻撃手段を持たない、このまま行けばよほどのことがない限り南雲君は大丈夫だろうが、万が一のために私はすぐ飛び出せるようにスタンバイする。

 

 

 

 

 

 

 その時だった、一瞬私の背筋に怖気が走る。

 

 

 この感覚は私は慣れ親しんだもの、“ 殺気 ”しかしその殺気は今こんな状況で本来存在し得ないもの、ベヒモスから発せられる野生生物の本能的な殺意ではない、人が人に向ける(・・・・・・・)どす黒い利己的な殺意だっ!

 

 私は殺意の出処を探す、するとそこに居たのは、私が殴ったあとの傷を青紫色に腫らし口から血を流しているがその口を醜く歪ませながら笑う檜山の姿、

 

 殺意の対象が私ではないために発見が遅れた。それがまずかった

 

 無数に飛び交う魔法の中で、一つの火球がクイッと軌道を僅かに曲げ南雲君の方に向かって飛んでいく、間違いなく出処は檜山だ。

 

 

 南雲君は咄嗟に踏ん張り、止まろうと地を滑るとその眼前に、火球は突き刺さった。着弾の衝撃波をモロに浴び、来た道を引き返すように吹き飛んでしまう。なんとか直撃は避け、内臓などへのダメージもなさそうだが、三半規管をやられ平衡感覚が狂ってしまっているっ!

 

 

 

 まずいっ!!……

 

 

 

 私がそう感じた時にはもう遅く、ベヒモスも、いつまでも一方的にやられっぱなしではなく、南雲君が立ち上がった直後、背後で咆哮が鳴り響く。三度目の赤熱化をしたベヒモスの眼光がしっかり南雲君を捉えていた。

 

 

 

 そして、赤熱化した頭部を盾のようにかざしながら南雲君に向かって突進する!

 南雲君は、なけなしの力を振り絞り、必死にその場を飛び退いた。直後、怒りの全てを集束したような激烈な衝撃が橋全体を襲った。ベヒモスの攻撃で橋全体が震動する。着弾点を中心に物凄い勢いで亀裂が走る。メキメキと橋が悲鳴を上げる。

 

 

 

 そして遂に……橋が崩壊を始めた。

 

 

 

 度重なる強大な攻撃にさらされ続けた石造りの橋は、遂に耐久限度を超えたのだ。

 

 

 ベヒモス「グウァアアア!?」

 

 

 悲鳴を上げながら崩壊し傾く石畳を爪で必死に引っ掻くベヒモス。しかし、引っ掛けた場所すら崩壊し、抵抗も虚しく奈落へと消えていった。ベヒモスの断末魔が木霊する。

 

 南雲君もなんとか脱出しようと這いずるが、しがみつく場所も次々と崩壊していく。

 

 

 まだ……間に合うっ…!!

 

 私は南雲君目掛けてスタートを切るが次の瞬間━━っ

 

 光輝「駄目だハンナっ━━━!!」

 

 ハンナ「ゴホォッ!!」

 

 

私の横合いから近くにいた天之河のタックルが炸裂する━━。天之河の鎧の固さとスピードが乗っていたのも相まって、予想以上の衝撃が私の横腹を襲う。

 

 私は咳き込みながら天之河を乱暴に退かし、這いずりながら崖下に身を乗り出しながらそれを凝視する━━━━

 

 ハンナ「……あぁ…ああぁぁ〜っ」

 

 

 私の目が捉えたのは、手の届かないところまで落ちていく南雲君の姿っだた………。

 

 

 香織「イヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!

 

 

 

 

 崩落の音とともに、その場は少女の悲鳴だけが鳴り響いていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 イヤ〜〜〜ッ今回は多分一番悩みました。長く待たせてしまい申し訳ないです

多分ハンナちゃんがいれば誰一人欠けることなくベヒモスも楽々倒せそうですからね~
 
 実力を隠しているとはいえ、崩落の中からでもハジメ君を助け出すことは彼女なら容易だと考えてましたから、なので今回は勇者君に手助けしてもらいました(^_^)

 ありがとう勇者ッ!君がどれだけ脳内お花畑だの、勇者(笑)となじられようとも君は紛れもなく僕の勇者(ヒーロー)だ!!


 次回以降、漫画やらイラストやらを本格的に頑張っていくので投稿頻度と文字数は落ちます。今回長くお待たせしたのもそれが理由だったりします。

 その代わり、今回みたいにこれから一話につき必ず一枚はモノクロ挿絵を挟みますので許してくださいm(_ _)m

〜FGO小話コーナー〜

 ここ最近の俺のガチャ運はどうなってんだ、


 ククルカンとヨハンナ様それぞれ10連できたぞ!!(⁠ʘ⁠ᗩ⁠ʘ⁠’⁠)

ここ最近の成果
 
 村正  →呼符一枚

 言峰綺礼→10連

 パッションリップ&キングプロテア→10連

 テスカトリポカ→10連

 トラロック&テスカトリポカ2体目→10連

 カレンちゃん→呼符一枚

 ククルカン→10連

 ヨハンナ様→10連
 
 これ全部無償石…………俺、近いうちに死ぬのだろうか………

 でも一番欲しい人は来てくれない

 どうしてだよじいじぃぃぃぃッッ!!三分の一だろおおおお!!来てくれてもいいだろおおお!!宝具重ねさせてくれよぉぉぉおおおおお!!



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