Kamen Rider DEBRACER ~the lost of beginning story~   作:火野荒シオンLv.X-ビリオン

4 / 6
翔「今回は、俺が部屋で事情聴取するところだな」
シオン「因みに書いてて楽しかった。特に零が」
零「わー!わー!!わぁぁぁぁぁ!!!」
翔「零、煩い」


理由

現在、零は携帯電話のバイブレーション以上に震えていた。

別に寒いわけではない。

むしろ先程凍え死にかけたところを、風呂に入れてもらい、暖房が効いた部屋に居させてもらっているのだ。

それなのに何故震えているのか?

その理由は………。

 

 

 

「―――おい、お前。まず最初に言う事は?」

「………タスケテイタダキ、アリガトウゴザイマス………」

「その次に言う事は?」

「………イキナリナグッテゴメンナサイ………」

 

 

今零の目の前に居る男―――登竜翔が、鼻に絆創膏を貼り、物凄い威圧で零を見ているのだ。

理由は簡単、零が廊下で凍え死にそうな時に翔が偶然零を発見、服を脱がせて風呂に入れたのだが、様子を見に来た途端顔面を殴られ後ろに退き、そこから思いきり頭をぶつけ、気絶したからだ。

本来は零が文句を言ってもおかしくないのだが、もしかしたら零の上司とも言える存在になる人物なので、言った瞬間『死』或いは『死が楽な何か』が待っているため、言えるはずがなかった。

 

(うわぁぁぁこれどうしよぉぉぉぉ!!?明日になる前に死ぬ!いや、死ぬより恐い何かが絶対に来る!!)

「おい、どうした?」

「ひゃい!?な、何でもありません!!(うわぁぁぁぁ殺されるぅぅぅぅぅぅ!!!とにかく誤魔化さないと!)あ、あのー」

「ん」

「―――お体は大丈夫ですか………?」

 

そう言葉に出した時、思わず「あ」と口を開いてしまう。

―――あはは…私、自分から地雷踏んじゃった……

―――自分でやっておいて、『お体は大丈夫ですか?』なんて言ったら、自殺行為以外何者でもないじゃない…

―――あはは……私の人生、短かったなーアハハハハハ

零は心の中で全てを諦め、死を覚悟する。

その言葉を聞いた翔は、鼻の絆創膏を触りながら(因みに零とって、絶対気にしていると感じ取った)話していた。

 

「ん、あぁ。顔……というより鼻か。そーいや結構痛かったな~?なぁ、女?」

「ひぃぃぃ!!?」

 

翔が零の顔面に近づき、いつの間にか手に持っていた拳銃を頭に突き立てる。

あまりにも一瞬で起こったために、零はもう既に恐怖を隠さないような悲鳴を出す。

そして一気に後ろに下がると、全力で土下座しながら謝罪し始めた。

 

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさぁぁぁぁぁぁぁい!!助けてもらったのに殴ってしまってごめんなさい許してくださいまだ死ぬ訳にはいかないんですどうかお願いします一生何でもしますだから許してください本気で死にたくないんです死にたくない死にたくないだからごめんなさい本当に一生何でもしますだから」

「煩い静かにしろ撃ち殺すぞ」

「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

あまりにも長いために翔は銃口を向ける。

すると零は悲鳴をあげながら謝罪を止め、涙目で翔を見ていた。

 

「とりあえず、一度落ち着け。まず話を聞く」

「……ぇ」

 

翔の言葉を、零は一瞬分からずにいた。

―――え、話を聞いてくれるの?本当に?

既に心が恐怖心で暴走している零は、状況が飲み込めず、ただただ放心する。

 

「言っている意味が分からないのか?とりあえずお前の話を一通り聞く。アーユーオーケー?」

「…え、罠…じゃ…ない…よね……?……私を殺すか酷い目に遭わせるような罠じゃない……よね…?」

「よし、今の話、無かった事にする。そして殺す」

「Σ疑ってごめんなさいだから殺さないで!?」

 

思わず本音で言ってしまったせいで、危うく話を無かった事にされかけてしまう。

なんとか話を聞いてもらえるように必死に頼み込み、そしてようやく話す事になった。

 

 

「…それで。まず最初に、あそこで何していた?」

「………他の部屋に入れてもらおうと頼みに行ったんですが……頼む事すら出来なかったんです……」

「は?女共の部屋は基本的に任務で出掛けているらしいぞ?どの道あいつら気難しいから無理だけど」

「……はいぃぃぃぃぃぃ!!?」

 

翔の言葉に絶叫する零。

まさかアポロガイストは予め知っていて、その事をあえて教えなかったのかと気付いた零は、一気に気を落とし始めた。

そんな零を気にせず、翔は更に尋ねてくる。

 

「で、何で俺の部屋に戻ってきた?他のやつの部屋なら入れただろ」

「……女の私に、男の人が何人もいる部屋で過ごせるとでも?」

「でも俺、男だぞ?俺がいる時点でたいして変わらんと思うが」

「うっ…」

 

正論を言われた零は、ぐぅの音も出せなくなってしまう。

確かに翔は男であり、その上自分が入る(であろう)部隊のリーダー、そして自分と目の前の相手の二人だけで過ごす事になる。

正直にいうと、複数の男がいる部屋とたいして変わらないのだ。

「それに」と言いながら翔は立ち上がると、―――突然零に向かって銃弾を発砲をする。

そして銃弾は零の頬を掠り、後ろで【壁以外の何か】に当たった音が聞こえた。

 

『ギビェェェェェ!!?』

「!?」

 

突然後ろから呻き声が聞こえ、零は咄嗟に後ろを向く。

すると後ろには、カメレオンのような姿をした怪人が、頭から緑色の血を垂れ流して倒れていた。

突然の事態に零は状況が分からずにいたが、翔は拳銃をしまいながら説明していた。

 

「…今みたいに、週に1、2回ぐらい俺をアイツらが狙ってくる。まぁ、腕試し感覚でだが」

「それってもしかして」

「冗談抜きに死ぬ。俺を本気で殺しに来るやつらを倒すという【腕試し】をやるんだ」

 

その言葉に零は、戦慄を覚えてしまう。

この男と一緒の部屋にいると、死ぬ。

頭の中でそれだけしか残ってなかった。

ここに来た時に臭った血生臭い臭いは、全て翔を狙ってきた怪人が返り討ちにあって、死んだときに残った臭いであったのだ。

おびただしい血の臭いが教えているのは、この男がどれだけ危険であるかという事だった。

 

逃げたい。

零の頭は、自然にここから逃げ出したいという考えに至っていく。

しかし逃げようとしても、大ショッカーの手先に秘密を漏らされないために、殺しに来る。

どこに居ても、逃げ場所は無い。

次第にそんな絶望感が沸き上がってきた。

 

「―――おい!」

「!?」

 

突然喋らなくなった零が気になったのか、翔は零に声を掛けるが、何時までも反応しない零に向けて、怒鳴り声をあげていた。

それに気付いた零は我に返り、急いで翔の方を向く。

翔の顔は無表情だったが、その無表情の顔から、強い怒りが感じられた。

 

「ったく。途中で黙り混んでから…」

「あ…すいません……」

「いちいち謝るな。撃つぞ」

「…はい」

 

なんとか話が元に戻ったと思った時だった。

 

「まぁ、どちらにしろ俺は一人がいい。だから出ていけ」

「……え?」

「だーかーらー!もう話す事もないし、俺も別に誰か他のやつが欲しい訳じゃない。だから悪いが、そういうことだ。出ていけ」

 

突然話を打ち切られ、更に出ていくように言い始めていた。

突然の事態に零は戸惑うが、その前に翔が零の荷物を全て廊下に放り投げていた。

 

「ちょっ、待ってください!なんでいきなり話を打ち切るんですか!?」

「二度も同じ事言わん。さっさと出ていけ」

「でも!」

 

零が翔に詰め寄ろうとした時、零の首元に何かが当たる。

恐る恐る見てみると、刃がむき出しのカッターナイフが、喉仏に軽く当たっていた。

 

「…惜しい。後少しで突き刺さったのにな」

「………!」

「―――死にたくなかったら、さっさと部屋を出ろ。そしてもう二度と来るな」

 

翔の威圧による警告に、零はただ従う事しか出来ずに、ゆっくりと部屋を出ていった。

 

 

 

~~~

 

 

 

「ん……ふぁーあぁ…いつの間にか寝てたな」

 

いつの間にか寝てた翔は、気晴らしに部屋を出る。

が、その時目の前で信じられない光景を見た。

先程追い出したはずの零が、再び廊下で、しかも完全に寝ていたのだ。

数時間前にも、寒い中廊下で死にかけていたのに、また廊下で寝ているという事態が起こっていた。

翔は急いで零に駆け寄り、ひとまず部屋に入れる。

そして必死に揺さぶりながら、零を無理矢理起こしていた。

 

「―――あ、れ…わたし……ろうかで…ねて……」

「どういう事だ」

 

翔は瀕死の零の胸ぐらを掴み、凄みのある顔で尋ねる。

 

「何でまた俺の所に来た?いや、それ以前に、お前は何故またあそこで寝ていた!答えろ!!」

「……あなたが…また……たすけ…て………くれると……しん…じ…て……どのみち………ほかの…ばしょ…には…いけな………い……ですし……」

「俺が助ける?さっきまで寝ていたんだぞ、俺は!それに俺が目を冷ましても、部屋を出る保証もなかったんだぞ!?それなのに何で俺が助けると!?」

「…たすけて……くれると……しんじて……いた……か……………」

「おい!?目を冷ませ!おい!!」

 

再び眠り始めた零を必死に揺らし、起こそうとするが、そのまま眠り続けてしまった。

 

 

 

~~~

 

 

 

次の朝。

零は目を冷ますと、ゆっくりと周りを見る。

どうやらベッドに寝させてもらったようで、ベッドには大量の毛布が置いてあった。

 

「………よう、起きたか」

 

近くの壁に寄りかかっていた翔が声を掛けてくる。

それに気付いた零は、ゆっくりと会釈していた。

 

「…それで、体はもう寒くないか?」

「………はい。………あの……昨日は……ありがとう……ございます…」

 

零は細々と、翔に礼を述べる。

が、翔は零の前まで来ると、思いっきり顔を殴っていた。

 

「つっ……」

「昨日俺は言ったよな……二度と来るなって……それなのにまた来て……俺が助けるのを待っていた?ふざけるな!!二度も凍え死にかけたくせに、死んだら意味がねぇじゃねぇか!!」

「………私は自分の手で、【復讐】をしたいんです。その為なら、どんな覚悟もします」

 

復讐。

その言葉を聞いた翔は、訳が分からずにいた。

 

「復讐ってお前………それだったら、わざわざ俺たちの所に来るんじゃなくて、改造手術を受けた方が」

「それじゃあ駄目なんです!!」

 

大声で翔の言葉を否定する零。

その手をよく見れば、ふるふると小刻みに震わせていた。

 

「……私は、【人間のままで】復讐をしたいんです。改造人間とかにされたら、復讐どころじゃ、無くなりますから」

 

 

人間のままで復讐する。

そう告げた零の気迫は、静かで、重みのある感覚をしていた。

 

 

 

「そうか。だが残念。タイムアップなのだ」

「!?」

 

 

突然部屋に、アポロガイストが入ってくる。

理由は勿論、零を捕らえに来たからだ。

 

「残念だが星野君。君に与えられた猶予は既に終わったのだ」

「そんな……お願いします!後少し!ほんの少しだけ時間を!!」

「無駄なのだ!猶予はとっくに過ぎた。約束通り、貴様を……そうだな……怪人どもの餌にしてやるのだ!!」

「!いやっ!いやぁぁぁぁ!!!」

 

既に猶予は終わったと告げたアポロガイストは、無理矢理零を連れていこうとする。

零は必死に拒否するが、そもそも約束をしていた時点で、零に拒否権はなかった。

そしてアポロガイストが零を連れて部屋から外に出ようとした瞬間

 

 

「………待てよ」

 

 

翔がアポロガイストを引き止めていた。

アポロガイストはゆっくり翔の方を見る。

そして翔から、意外な言葉が発せられた。

 

「その女、俺が引き取る」

「なっ!?」

「……え?え?えぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

突然零を引き取ると言い、アポロガイストは驚き、零本人は叫んでいた。

アポロガイストは一度零を離すと、翔に詰め寄り始めた。

 

 

「登竜!貴様、今なんと!?」

「言っただろう?今から俺が、そいつを引き取る。そうすれば、期限とか関係なしに引き取る事が出来るだろ?」

「し、しかし」

「そもそもアンタが最初に俺の部屋を紹介しただろ?だったら部屋の主である俺に権限がある。違うか?」

 

翔の言葉にアポロガイストは唸りだし、そして後ろを振り向くと、そのまま【零をスルーして】部屋を出ていった。

その際「命拾いしたな」と、零に告げて。

零はポカンと口を開けながら翔を見る。

 

「………どうした?」

「あ、いえ…昨日まで私を拒んでたのに、どうして……」

「文句があるなら、アポロガイストに『やっぱこいついいや』って言いに行くが?」

「Σすいませんでした!!」

 

流石に助けてもらったのに、すぐにアポロガイストに返却(?)されるのは困るので、零はすぐさま土下座をする。

翔はそんな零の前に立つと、腰を下ろしてから、零の顎を持ち上げる。

いきなり顎を持ち上げられた零は動揺するが、翔は零の目をじっと見つめながら話していた。

 

 

「俺がお前を一緒の部屋に選んだのは、別に理由なんてない。あるとしたら………【償い】だな」

「え?」

「昨日俺にした事と、俺の言った事を無視して死にかけたくせに、忘れたと言わねぇよな?女?」

「うっ………」

 

 

確かに、昨日は散々迷惑をかけてしまったが、まさかそれが理由で引き止めたというのか。

零はそう思い、思わず唾を飲むが、翔は更にとんでもない事を言い出した。

 

 

「それにお前昨日言ったよな?」

「…えっと、何を…?」

「―――『一生何でもする』。自分でそう言ったじゃないか」

 

それを聞いた零は―――血の気が一気に引いていた。

確かに零は昨日、言った。

必死に謝っている時に、二回ほど『一生何でもする』と、言った。

零は誤魔化そうと震え声で尋ねるが、それ以前に翔が何処からか、【ボイスレコーダーを取り出していた】。

念のためにもう一度、【何処からか、ボイスレコーダーを取り出していた】。

 

 

「あ、あののののー……いいいったいなななんのことd」

「確かここら辺か?ほらよ」

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさぁぁぁぁぁぁぁ い!!助けてもらったのに殴ってしまってごめんなさい許してくださいまだ死ぬ訳にはいかないんですどうかお願いします一生何でもしますだから許してください本気で死にたくないんです死にたくない死にたくないだからごめんなさい本当に一生何でもしますだから『煩い静かにしろ撃ち殺すぞ』ひぃぃぃぃぃぃ!!』

「Σ!?」

「何事も相手を追い詰めるのは、相手の言質を直接保存すること。というわけで、これからはよろしく頼むぜ?【何でもしてくれる奴隷隊員】?」

 

その言葉と共に、零は落胆していた。

 

 

 

 

だが、彼女たちは知らない。

ここから二人の運命の歯車が、少しずつ、ゆっくりと動き出したことを。




シオン「さて、今回の話はいかがでしたか?」
零「………死にたい……」
翔「諦めろ」

シオン「書いてて楽しかったことその1:零の震え方」
翔「そんなに恐ろしかったか?俺」
零「普通に女性にあんな脅ししたら、誰だって怯えますよ!?」

シオン「書いてて楽しかったことその2:自ら地雷を踏みに行く」
零「あの時死ぬ事覚悟してました」
翔「嘘つけ!じゃないと次のやつの説明どう否定する気だ!!」
零「言わないでください!!orz」

シオン「書いてて一番楽しかったこと:必死に命乞い」
零「あの時リーダーが言質盗っていたなんて……!orz」
翔「零、『とる』の字が違う」
零「これであっているじゃないですか!」
シオン「確かにその通りだな」

翔「部屋が生臭いと言われた理由は、アポロガイストのやつが刺客送り込んで来たのを返り討ちにした時に飛び散った血が原因だ」
シオン「今考えると、よく発狂しなかったな、零。クトゥルフ神話みたいに」
零「発狂出来たら、とっくにしてますよ!!」

零「そして理不尽に部屋から追い出すリーダー」
翔「冗談抜きにお前要らなかった。むしろ一人の方が落ち着いてた」
シオン「あ、分かるその気持ち」
零「Σ酷い!?」

翔「そして俺の言った事を無視して、部屋の前で永眠しかけた馬鹿はコイツだ」 ←零指差しつつ
零「だって他に行く場所なかったんですもん」
シオン「そしてちゃんと助けてやる翔さっすがー!!」
翔「とりあえず、後で楽屋裏」

零「私が大ショッカーに入った理由は、思いっきり復讐のためです」
翔「すっげー一般的な理由だったのに、逆に困ってしまった」
零「私の復讐は一般的なものじゃありませんよ!?」

シオン「ここで零が覚悟していると言いましたが、翔さん、一言どうぞ」
翔「俺の部屋に来る覚悟あるんだった、他の部屋にも行けただろ」
零「無理です!!惨劇が安易に想像出来ます!!」
シオン「うわー、想像していたってことは、自分があーんな目やこーんな目に遭うことを」


シオン「」←頭にリボルゲイン+ゼロブレード



翔(作者……馬鹿だろ………)
零「そしてタイミング悪くやって来たアポロガイストあん畜生」
翔「正直俺が助けなかったら、今頃零はいなかった事になるな」
零「本当にあの時はありがとうございます。ただ………」

翔「そして普通に言質録って、零を見事に引き込んでやった」
零「なんでそんな事したんですか……!orz」
翔「なんとなく?」

零「次回は、私の初訓練+共同生活の内容ですかね」
翔「あの時はよく零に色々投げつけられていたな…」
零「当たり前です!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。