拝啓、私の救世主様   作:かりん2022

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拝啓、私のヒーローへ

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ーー拝啓、私のヒーロー。

この世界の価値観はヒーローとヴィランでできているようだから、私も君をヒーローと呼んでみることにするよ。恥ずかしいけれど、私にとってのヒーローは君だと思うからね。

それにしても、この世界は本当に不思議だよね。呪霊がいないっていうのも不思議だけど、個性っていうのも不思議だと思う。術式使ってる私が言えたことじゃないけどね。

私なんだけど、色々あって先生を体験する事になったよ。

ちょっと大規模な事件を解決してね。

勧誘と監視を兼ねてるみたい。幼稚園の子達を見る事になったんだ。

幼稚園の先生も、先生は先生だよね。君の見ていたものが見れるかなと思うと、ちょっと楽しい。

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「あ、伝説のふぇぇ回」

「ふぇぇ回」

「幼稚園の子供らに振り回されて、術師だけの世界などクソだ! って言い出す回。追い詰められて、呪霊産んじゃって気づく回でもある」

「ウケる。めっちゃ苦労してるじゃん傑」

 

 読み進めると、夏油傑は元の世界へ戻る目処をつけたようだった。

 その代わり、ヒーローにガッチガチに縛りを結ばされている。

 ただし、それはヴィラン側も知っていて妨害を企んでいる。

 ただ戻りたいだけなのに、そして五条悟に殺されたいだけなのに、まあつけ込まれることつけ込まれること。

 

 五条悟は初めて早売りの文化を知った。

 そうして物語を追っていく事、ついに帰れる、といった段で夜蛾に報告する事にする。

 

「は?」

 

 夜蛾は戸惑う。

 

「で、傑、ガッチガチに縛られてるみたいだから、いっそ呪専で使うのもありかなって」

「ちょっと待て。どういうことなんだ。傑が漫画に出ている? 異世界で実際に起こっている事? 意味がわからない」

「とりあえず、確保の為にしばらく動けなくなるので」

 

 傑が試しに送ったアイテムはすでに確保している。

 あれが現実だという証拠は確保済みなのだ。

 後は、正確にいつ来るかと言うのがわからないというだけである。

 

10月31日未明。

 

 夏油傑を殺した場所。そこで、夏油 傑が扉から蹴り出されてくる。

 五条悟はそれをもう一つの小さな塊ごと受け止めた。

 

「エンデヴァー!! ホークス!!」

「ゆけ、夏油!!」

「あんたのヒーローによろしく!」

 

 激しい戦闘中のようだ。

 五条は迷わずヴィランに向けて赫を撃った。

 スタンバイしていた直哉がサイン色紙をさっと出す。

 

「サインちょうだい!」

 

 こうして、直哉は首尾よくサインをもらい、扉は閉められ、夏油傑は戸惑いながら五条悟を見上げた。

 

「おかえり、傑」

「た、だいま。悟」

 

 倒れ込んだ夏油の腹の上には、夏油が保護した孤児の幼稚園児が抱きついていた。

 

「ねぇ悟、お願いがあるんだ」

「わかってる。その子は匿うし、お前は俺が終わらせてやるよ。でも今くっそ忙しいから、まず手伝って」

 

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