【未完】超古代生物(地球産)で異世界蹂躙する系ダンジョンマスター 作:忍法ウミウシの舞
日間オリジナル1位!?
本当にありがとうございます!うれしくてヨルギアになりそうです!
アンケートの結果ですが、様子を見つつ徐々に反映させていければなあと思います。
追記:第2話>>306の「嫁と一緒に掲示板を見ている」という旨の投稿と、第4話>>542の「掲示板はダンジョンマスター以外見えない」という旨の投稿が矛盾しているという指摘をいただきました。ありがとうございます。
補足しますと、>>306は第2話>>277と同類でモンスターを人化して家族にしています。ダンジョンコア関係者は掲示板を見ることが可能ですが、新人であるエディに対しては「ダンジョンマスター以外には見えない」としても問題ないだろう、と思って>>542は投稿しています。
さて、どうしたものか。ダンジョンコアの掲示板の表示を消し、未だに
「セィジアちゃん。状況を説明するね」
「はい!」
「一番の目標はあなたを無事に帰すこと。そのためには、周辺の地理に詳しい大人の協力が不可欠。だからそういう大人がいそうな街が無いかを探そうとしている。ここまではいい?」
「だ、大丈夫です」
「おっけー。だけど問題が2つある。1つ目はその街の場所がわからないこと。どこまで歩けば森を抜け出せるか、そしてどの方角に街があるのか。闇雲に探すなら、結構な時間を使ってしまう。そして2つ目は私が
「……」
ぎゅ、とセィジアは足の上で両手を握る。
どこまでわかっているかは知らないが、状況が深刻であることは伝わっているようだ。
「だからどうしようか迷っているの。あなたの食べ物のこともあるから、最悪の場合は長い時間をかけて準備をして、そしてこれまた長い時間歩き続けるかもしれない」
「あ……あの! エディさん!」
「どうしたの?」
何か意を決したような表情で見上げてくる。やはりというかなんというか、美少女はどんな表情でも画になる。そんなにかわいい顔で見つめられると恋しちゃうかもしれないからやめてほしい。
「助けてもらって、図々しいかもしれませんけど……! 他の子も、助けてほしいんです!」
「他の、子?」
ああ、なんか言っていたな。確か攫われたときに知らない子どもも一緒に運ばれていたとか。それで「自分一人だけ魔法を使って逃げた」と彼女が説明していた時、今にも泣きそうな表情だったのを覚えている。
気に病むなとは言えないが……損な性格だな。
そしてそう、この世界には魔法がある。セィジアが言うには「魔力を使って精霊に呼びかけるのが魔法」らしいが、俺に魔力があるのか気になるところだな。
【鑑定】で見ればいいじゃないかと思うかもしれないが、その結果は芳しくない。
身体状態:通常
精神状態:通常
適性:なし
身体状態:疲労(軽微)
精神状態:疲労(軽微)
適性:風魔法使い・斧使い・獣調教師
見ての通り、HPだのMPだのといったゲーム的なステータスは全く見えないからだ。セィジアが疲労してるのはまあ攫われ追いかけまわされた影響が抜けてないだけだとして、俺のステータスは少し気になる。
まず、「エディ」と名前がついたのはいつか。これ自分で名付けちゃったけど、ほいほい改名できるんだろうか。いや、したとして【鑑定】できるのはダンジョンマスターだけだろうから意味無いな。じゃあこれはいいや。肝心の2つ目は俺の適性。
「なし」って何? もしかして、俺ってステータス欄にめちゃくちゃ馬鹿にされてたりしない? これ本当に大丈夫?
真面目にとらえれば、ダンジョンマスターの権能とは関係ない部分の適性だとは思う。セィジアが魔法使いのタマゴであるのは確かなようだし、【鑑定】をした意味はあるけど……もうちょっと情報アドバンテージが取れればよかったんだけどなー。
「あのとき、私にほんの少しでも勇気があれば助けられたかもと……そう思ってしまうんです」
ああ、ああ他の子の話だったね。聞いたような状況であれば、多少勇気があっても難しそうだけど。こういうのは理屈じゃないから、きっと俺が説得したところでその気持ちを変えることなどできないのだろう。
とはいえ。別段、俺が彼女の話を聞く義理はない。たいして情報も無いし、ダンジョンコアも見せちゃったしで殺した方がいい気もしてきた。いや本当、なんで見せちゃったんだろうね。ダンジョンについては「たまたま見つけた洞窟に住んでるだけで俺もよく知らない」で押し通したけど。最初は逃走とか開いた入口からの敵の奇襲とか考えていたけども、よく考えれば逃走には
もう少し、気を引き締めないといけないな。
さて、彼女の話だけども。今言った通り俺が聞く義理がないのだ。いやまあ話を聞いた限り完全な無しでもないんだけど。馬車使ってるみたいだし追いつけなくて無駄足になる可能性が高い、というのが正直なところだ。
だから、ここからは交渉といこう。この幼い少女と、不平等な交渉を。
「セィジアちゃん。私としてはね、あなたを村の、ご両親のもとに届けられるならばそれでいいの。わざわざ危ない人のいるところにまで行くのはリスクがあるし、そもそもあなたを送るのも遅れてしまう」
「は、はい。そうですよね……」
「だから、あなたは代わりに何を差し出せる?」
「すみません、言ってみただけで……え?」
「私が協力する代わりに、あなたは何をしてくれるの?」
顔色が、少し変わった。そう、彼女が対価を提示できるなら協力は惜しまないつもりだった。脅迫して無理やり従わせるよりも、こっちの方が明らかに信頼できる。自分から進んでやるならパフォーマンスも上がるだろう。
要するに、精神的な楔だった。
彼女は少し考えたのち、思いついたように声を上げた。
「あっ、そうだ! 私、匂いをたどれます! 風の精霊に頼めば、あの男の人たちの馬車を追跡できるはずです!」
へえ、それは重畳。風魔法は攻撃だけでなく、索敵もできるのか。かなり便利な属性っぽいな。
だが、俺が聞きたいのはそれじゃない。
「それは子どもたちを助けるためにすることでしょ? ありがたいけれど、今は『私のためにできること』を聞いているの」
「あ……」
そう。追跡の手助けは結局、セィジア自身の「他の子を助ける」という目標に沿ったものだ。でもそれじゃあ、対価になるはずもない。
彼女はすでに俺の手によって助けられている。それは俺にとっては「情報を聞き出す」という対価のもとに行われたが、彼女がそんなことを知るはずもなく、結果助けられた負い目だけが残っている。さらに、この後彼女は俺の手によって安全に村のもとに送り返されるわけだ。
となれば。
「え、えと……すみません。何ができるかはわからないですけど……」
「……」
「お姉さんの、お手伝いするので……じゃ、だめですか?」
「その言葉が聞きたかったぁ!」
「わ!?」
こうやって自分の身柄を出し。「村に送られる」負い目を先送りにするしかない。
いかん。ついつい取り乱して、手を強く握ってしまった。確かに地理的・社会的な情報はもう持ってないのかもしれないが、彼女にはまだ価値がある。
「これで話は決まり。追跡するなら早い方がいい。その果物を食べたら出発しよう」
「は、はい! ありがとうございます!」
ああそうだ。彼女とは手をつないでおこう。いつだって、俺からは
▽
「風の精霊よ 現れよ」
祈るような声で彼女は唱える。魔力の、風の影響だろうか。ふわりと金髪が持ち上がり、そこに"神秘"があることを否が応でも感じさせられる。
「相対するもの 逃げ去るものを」
俺には見えないが、本当に精霊は存在するのかもしれない。そう思うほど、確かな力がそこにはあった。
「我が眼に映す 標を示せ」
彼女がそう唱えると……何も、起こらない。
「これで、本当に?」
「はい。私にしか見えませんけど……この光を辿っていけば、あの男の人たちのところへ行けるはずです」
「ありがとう」
礼を言えば彼女は微笑みで答えてくれる。だが、そこには緊張が混じっている。彼女自身を攫った男たちと対峙する、その勇気だけでも賞賛すべきものだ。
まあ、俺がその勇気を食い物にしているわけだが。大丈夫大丈夫。悪いようにはしないって、多分。
「匂いが強いほど光は強くなります。このくらいの強さだと……結構歩くかもしれません」
まだ別に昼過ぎぐらいなので時間的には余裕がある。言ってるのは体力のことだろうが……わかんないんだよな。この女神様謹製ボディーがどんぐらい体力あるか。
スレ住民によれば「大層燃費がいい」とのことなので多少楽観視はしているが、こればかりはやってみなくてはわからない。
「ところで、これを使っても帰れないの?」
「あとでここでも使ってみますが……この魔法は、探し物があまりにも遠いと発動できないんです」
そうして、歩くことしばらく。
潜在DP:なし
概要:可食。水分、栄養価ともに十分。
最初に出かけたときも見た果物をもぎとっていく。そこまで高い木ではないため取るのも楽で非常に助かる。
そもそもマジでこの木しか見つからないため、かなり植生が限定されている森のようだ。
貴重な食料調達を行っていると、不意に背後から声をかけられた。手離してるって? 古代生物たちが代わりに監視してるし、最悪の場合固定するから平気平気。
「あの、お姉さんは
「え」
びーすと、ていまー……。セィジアを【鑑定】したときにあった獣調教師のことか?
「どうしてそう思ったの?」
「やっぱり、こんなにたくさんの虫を使っているので。でも、前に村にきた
出発した時に連れて行っている古代生物は、変わらない。
聞けば、冒険者なるものがたまーに村に来ることがあったらしい。頻繁に来るわけではなく、道に迷った人か物好きがふらっとよる程度でしかなかったようだが。
そのうちの1人がオオカミを使った芸をしていたことがあったそうだ。
「冒険者って?」
「
「お父さんは『俺の方が強い』って言ってましたけどね」、と嬉しそうに補足するセィジア。ダンジョン、ダンジョンね。スレ住民の言うことを信用するならば、同類はいない……つまり、俺とは全く別の原理で誕生したダンジョンということになる。
そもそも、お宝ってなんなんだ。そんな機能はコアにはなかったぞ。そんなのあれば冒険者誘引し放題じゃん。ズルだろ。
「強い」というからにはその強さが必要とされるはずで、要するにセィジアの言う
そうやって皮算用をしていたら、ふとセィジアが足を止めた。
「……おかしいな」
「どうしたの?」
「光が強くなり過ぎです。こんなペースで強くなる魔法じゃないんですけど」
俺が見ても全然わからないが、とにかくそうなっているらしい。
セィジアの困惑もさらに強くなっているように見える。
「え、ちょっと、ちょっとおかしいです。私たちが止まっているのに、光がどんどん強くなって……」
「ということは、つまり」
がらがら、がらがらと音が聞こえる。この世界ではまだ聞いたことのない、金属の擦れる音。車輪が石や砂を踏みしめる音。
「
意味を理解し口を塞いだセィジアと共に、すぐさま草陰に隠れて様子をうかがう。
まあいいか。
セィジアの魔法を信頼する限り、その馬車は彼女を攫った男たちのものであるはずだ。
馬が見えてきた。地球では見ないような黄色と黒の斑模様をしており、頭部には角を切ったような跡がある。騎乗用の生物ではあるが、ウマではないといったところか。角があるからオスっぽいのに大人しいのは気になるが。
息をひそめれば、馬車の接近と共にだんだんと会話が聞こえてきた。誰にも聞かれていないつもりか、結構大きな声で話している。
「くそっ、あいつめ……1人逃がしたぐらいで足元見やがって」
「……」
「そうだな。それで『隷従の首輪』をもらってこれたんだから、我慢するか」
「……」
「別に馬鹿正直にあのガキに使う必要なんて無ェ。もっと違ぇ女を俺たちの奴隷にすれば丸儲けってわけよ」
馬車の中にいる人間と会話しているのか、もう1人の男の声は聞こえない。
しかし、なんだ……あれだな。恐ろしいくらいに馬鹿っぽい会話だ。「隷従の首輪」、きっとどこのファンタジー世界にでもあるごく普通の"言うこと聞かせられる系"首輪なのだろう。
それをこんな奴らに簡単に渡すかね? そもそも、捕まえるために必要な道具じゃねーじゃん。
なんか、非常に怪しいが。ともかくこいつらを何とかする必要がある。
「状況はA-2。フォーメーションは変わらず"スタンダード"」
古代生物たちにはそう呼び掛けて、臨戦態勢を整える。
絶対に逃がさない。まずは、足から奪っていこうか。
感想については私のキャパを超え返信が途絶えておりますが、全てに目を通しております。本当にありがとうございます!
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