ぼっち・ざ・りある   作:ライム酒

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ぼっち・ざ・らじお!

 

「………………」

「ぼっちちゃん、もう始まってるよ」

「あ、すみません。……ラジオネーム一匹狼さんからです」

『ありがとうございまーす!』

「『結束バンドのみなさん、アニメ1話見ました。』ご、『後藤ひとりが自分を出して否定されるのが怖い、けど見て欲しいという気持ちには共感を覚えたし、モノローグでの自虐的なツッコミが面白かったわ』うへへへ」

「お、ぼっちちゃんいきなり褒められてるね」

「一匹狼もその名の通りぼっちか?」

「こらリョウ、そういうこといわない」

「にじか先輩、それはそれでひとりちゃんに……」

「あっごめんね。ぼっちちゃんにってことじゃ……ああもう、デリケートなところに話題をふらない!」

「……そ、『そして、オープニングがかっこよすぎじゃないかしら?』」

「急にどうした」「感想待ってました!」「拝聴いたす」

「『人を寄せ付けないというようなエッジの効いたエレキのイントロから始まって、それを引き継いでクールに歌い始める序盤。スネアを刻む軽快なリズムに乗っていると、サビの直前でダッダッダッダッがイヤホンの左右から交互に聞こえてきて、サビに向けて一気に駆け上がるボルテージ!サビは後藤ひとりの心の内側と獰猛さを表現した言葉そのままの歌詞に、それを体現するような全拍ハイハット打ち鳴らして盛り上がるドラム!獰猛な鼓動の《こ》で一瞬全ての楽器が全て集まるインパクトに痺れたわ。当然にカッコいい間奏のギターソロが終わると、一度落ち着いたテンションがベースの引導にのってクライマックス!駆け上がるように大サビに入り、そのまま2分49秒で転調して歌い上げるところまで一気に走り抜ける爽快感と伸びやかに力強い歌声に悔しいけど感動したわ。これからも応援してるからせいぜい頑張りなさい』で、でした」

「は、はい」

「す、すごいですね」

「……ぼっちもよく最後まで読めたね」

「うへへへ。いやー、まあ、それほどでも、うへへへへへ」

「ぼっちちゃん、すごく嬉しそう」

「褒められてとろけてますね」

「きたちゃんもすごく褒められてたね。えっと、爽快感と力強い歌声って、すごく感動しましたって」

「そういうにじか先輩も、ドラムのなんでしたっけスネアとハイハット?曲をしっかりと支えてるって書かれてますよね」

「ねー。このスネアはドラムの基本でタンタンって一番よく鳴らすやつ。んで、ハイハットは2枚のシンバルが重なったやつで、シャーンシャーンって鳴らしたりチッチッって鳴らし分けることができるやつね。一匹狼さんって何者なんだろう、かなりドラムに詳しいよね」

「しっかりベースも聞こえてる。悪くない」

「リョーウも、クールぶっちゃって。内心かなり喜んでるくせに」

「そこがいいんじゃないですか、にじか先輩」

「あーさすがきたちゃんだなー」

「うへへへへへ」

「ぼっち、今日はダメかもね」

「あっそういえばひとりちゃんが最後までお便りを読めたので、一匹狼さんには特別ステッカーをプレゼントじゃないですか?」

「おっようやく第一号だね。一匹狼さんおめでとうございまーす」

「ぜひステッカーつけてくださいね!」

「意外と近くにいたりして」

「街中でばったりステッカーを見つけちゃうかもしれませんね!」

「ちなみにオープニングシングルCDも発売してるからよろしく」

「そうそう、リョウないす!みなさんぜひ聞いてみてくださいねー!」

「私がいうのもなんですが、とってもいい曲なのでよろしくお願いします!」

「というわけで、改めまして『ぼっち・ざ・らじお!』始めたいと思います」

「はい、みなさんおはこんばんにちは!結束バンド、ギターボーカルの喜多郁代です!」

「おはこんばんにちは、結束バンド、ベースの山田リョウです」

「お、おはこんばんにちは、ギターの後藤ひとりです」

「おはこんばんにちはー、ドラムの伊地知虹夏です!ってみんなどうした?前回まであんなにバラバラだったのに」

「マネージャーに怒られた」

「ちゃんと名前を紹介しなさいって言われちゃいまして」

「れ、練習してきました」

「そうなんだ……」

「う、う。個性捨てたら死んでるのと同じ……」

「こらこら。そんなことより、アニメみんな見た?」

「はい!バッチリ見ました!」

「み、見ました」

「眠いから寝た」

「あっそう。じゃあリョウ抜いて3人で語ろっか」

「え」

「いやーかなり良かったよね。ぼっちちゃんの内面っていうか」

「ですよね!ひとりちゃんが生き生きしてました!」

「し、死にたい……消えて無くなりたい」

「あ、はは。確かに自分だったらって思うと恥ずかしいけどね」

「ううああああ、フラッシュバックがああぁ、忘れろぉ忘れろおぉ」

「ぼっちちゃーん、落ち着いてー」

「でも、私も改めてあの時のことを思い出すと、とんでもないことをしちゃったなぁって落ち込んじゃいます」

「あはは。私だっていきなり見ず知らずの子に『ギター!!』って話しかけちゃったからね。ああいう状況じゃなかったらぼっちちゃんにあそこまで積極的に話しかけなかっただろうし、ね。けっかおーらいってことだよ、一期一会いちごいちえ」

「うん、ですかね!はい」

「……あの、アニメほんとは見たので仲間に入れてください」

「最初からそう言えばいいのに。変な見栄はるから」

「ありがと、虹夏」

「そういえば、リョウはぼっちちゃんと初対面の時、心なしいつもより優しく対応してたよね」

「確かにです!今よりリアクション多めな気がしました」

「まあね。ぼっちがいなかったらチャンチャーンボンボーン鳴るだけのリズム曲を披露することになってたから。にじかがはぐれギタリスト連れてきた時は奇跡だと思った」

「すごい確率ですよね!」

「うへへへ、いやー、えへへへへへ」

「うんうん、初ライブもね、いい思い出だよ」

「あ、あと初代完熟マンゴー、懐かしかったです」

「あの時のただの段ボールがまさか今ではあんなことになるとはね」

「ひとりちゃんのお父さんは何者なのかしら」

「じゃ、そうなところで、コーナー回していこうか」

「ぼっち、続いてのコーナーは」

「こ、『この思い星まで届けー』」

「このコーナーは、リスナーさんの日頃言えない思いをひとりちゃんが歌にして星まで届けるコーナーです!」

「きたちゃん……またすごいの企画出してきたね」

「ぼっち、生きて帰ってこい」

「が、がんばります……」

「ということですね、早速お便りは『クラスのメガネかけてる子がメガネを外すと超かわいい』です」

「え、こ、これを歌にするんですか?」

「頑張ってひとりちゃん!ひとりちゃんならできる!」

「きたちゃーん、その自信は間違ってるよ!」

「ギターヒーローでもできるものとできないものがある」

「え、えーと、へ

 『ヘイヘイヘーイ。YoYoぅ

  少女漫画でよくある展開

  クラスのメガネのあの子が一回

  メガネを外すと印象転回

  けどそれほんとにそうかい?なのかい?

  メガネを外してかわいい顔なら

  メガネをつけててもかわいい顔だよ!

  イェーイ!!』

……ぐふ」

「ぼっちがんばったな」

「おつかれ、ぼっちちゃん」

「さすがひとりちゃん!」

「……こうやって、きたちゃんからのぼっちちゃんへの過大な信頼が膨らんでいくんだなぁ」

「でもぼっちよく言った。確かにメガネを外してかわいい子はメガネをかけてても最初からかわいい」

「確かにねー。メガネはそんな便利アイテムじゃないよ」

「このコーナー、そういう企画じゃないですよ!もっとリスナーさんと共感をー」

「うんうん、じゃあきたちゃんも満足したしこのコーナーは終わりにしよっか」

「それがいい」

「は、はい。ありがとうございます」

「もーまたそうやってー」

「ということでー、エンディングのお時間です」

「あっという間だった」

「す、すみません。ちょっと、水飲んでいいですか」

「はい、ひとりちゃんお水どうぞ」

「うんうん、ぼっちちゃんは今日ほんとによくがんばったよー」

「最初の長文感想の読み上げに即興ラップ。なかなかできることじゃない」

「うへへへ、いやあ、それほどでもぉ」

「今日は褒められまくりね、ひとりちゃん」

「うへへへへ、あぁ、ずっとこのぬるま湯に浸かっていたいなぁー」

「じゃあもう1通いきましょうか!」

「うえっ!?」

「はい、ということでね、このぼっち・ざ・らじおでは皆さんからのお便りをお待ちしております」

「メールアドレスぼっちハイフンらじおアットおんせんドットえーじーまで」

「あ、あとオープニングシングルCDも発売中です」

「ぜひ聞いてみてください!」

「ではでは、結束バンドドラムの伊地知にじかと」

「ベースの山田リョウと」

「ギターボーカル、きたーいくよ!と」

「ぎ、ギターヒーローの後藤ひとりでした」

『センキュー』

 

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